重賞レース

第6回 雲取賞(JpnIII)

  • 2024年2月14日(水)
  • 16:35発走
第6回優勝馬:ブルーサン号

TCKを舞台に行われる「3歳ダート三冠競走」がいよいよ2024年からスタート。第1戦「羽田盃」の前哨戦(トライアルレース)に位置付けられる本レースは、本番と同舞台・同距離で行われるダートグレード競走として、冬を超えた各馬の力量比較やJRA所属馬のコース適性を測る意味でも重要な一戦となります。
<上位2頭(地方所属馬に限る)に羽田盃の優先出走権を付与>

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    <第6回 雲取賞(JpnIII)>
    (2月6日現在)

    アマンテビアンコ
    デビューから3戦2勝。前走のカトレアSはゴール前でかわし、オープン初勝利をあげました。母のユキチャンはJRAと南関東所属時に重賞3勝。ゆかりある血統です。

    イーグルノワール
    2走前の兵庫ジュニアグランプリは激しい競り合いをハナ差制し、3連勝で初タイトルを獲得。前走の全日本2歳優駿は無敗馬フォーエバーヤングの2着でした。

    ウルトラノホシ
    佐賀で4戦3勝。2走前から南関東に遠征し、全日本2歳優駿は6着。前走のブルーバードCはつまずく不利もありましたが0秒2差の4着となり、地方最先着でした。

    ギガース
    デビューから4戦3勝2着1回。前走のニューイヤーCは輸送&コース&一気の距離延長も全てクリア。直線で力強く抜け出し、2連勝で重賞初制覇を飾りました。

    サントノーレ
    北海道時代は遠征で鎌倉記念を勝ち、全日本2歳優駿は地方最先着の3着。昨年のNARグランプリ2歳最優秀牡馬を獲得しました。大井へ移籍し、初戦を迎えます。

    ローリエフレイバー
    新馬戦は3着でしたが、それ以降は4連勝中です。前走の東京2歳優駿牝馬は3コーナーで先頭に立つと押し切り、重賞初勝利を収めました。牝馬初Vを目指します。

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    <第6回 雲取賞(JpnIII)>

    (2月13日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■イモノソーダワリデ
    *大井 須田和伸 厩舎 牡3歳
    *成績 11戦1勝2着4回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道からデビューし、8戦目で初勝利。勝ち上がりはゆっくりでしたが、ここまで一度も掲示板を外さない安定した走りが続いています。前走から大井に移籍し、初戦は3着でした。須田和伸調教師は「一度使って、動きは機敏になったかなと思います。最終追い切りはスタードラマー(23ハヤテスプリントの勝ち馬)と併せても遜色のない走りをしてくれましたが、調教ではかなりヤンチャ。苦労して乗ってくれている鷹見陸騎手にレースもお願いしました。相手は強いので、人馬ともにいい経験になって欲しいです」とコメント。この大井開催から久しぶりに騎乗復帰した鷹見騎手は「乗せて頂けるのはありがたいです。精一杯頑張ります!」と力を込めました。

    ■ギガース
    *船橋 佐藤裕太 厩舎 牡3歳
    *成績 4戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     ニューイヤーカップ(SIII)(2024)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ここまで4戦3勝2着1回。初物尽くしだった前走のニューイヤーCは直線で抜け出し、初タイトルを獲得しました。まだ余裕のある競馬だったようで「スタートも二の脚もすばらしく、改めてすごくいい馬。ただ、馬が好きであまり離れたがらないところがあるので、着差以上の力は示していると思います」と森泰斗騎手。調教パートナーでもある佐藤裕太調教師は「この雲取賞に向けた最終追い切りは併せた相手を突き放すところもあって、競馬を覚えてきているのかなと思いました。右回りは外にもたれるところもありましたが、許容範囲内。距離延長も問題はないと考えています。能力は高い馬なので、現状どのくらい食らいつけるか試金石です」とのこと。

    ■クルマトラサン
    *船橋 張田京 厩舎 牡3歳
    *成績 4戦2勝2着1回
    *重賞タイトル
     ゴールドジュニア(SIII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     1000mの新馬戦は1分00秒4という猛時計で逃げ切り、後続に2秒差をつける圧巻の走りでした。続くゴールドジュニアは力強く差し切り、初タイトルを獲得。輸送競馬、コース、右回り、初距離という条件を全てクリアしました。その後はハイセイコー記念3着、休み明けだったニューイヤーCは2着。「まだ幼さはありますが、前よりも全部のレベルは上がっていると思いますよ」と、レース&調教の手綱を取る張田昂騎手。張田京調教師は「状態は変わらずいいです。1800mも許容範囲内、位置取りは乗り役に任せます」とコメントしました。引き続き、張田親子がタッグで臨みます。なお、母は南関東所属だったエメラルドアローという血統です。

    ■サントノーレ
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡3歳
    *成績 6戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     鎌倉記念(SII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ハイレベルな北海道2歳戦で活躍してきました。川崎競馬場にも2度遠征。長距離輸送やコース、左回りも全て克服し、鎌倉記念は初タイトルを獲得しました。前走の全日本2歳優駿も強豪たちを相手に地方馬最先着の3着となり、NARグランプリ2歳最優秀牡馬を受賞。今回から荒山勝徳厩舎<小林>に移籍し、初戦を迎えます。「順調ですが、うちに来てからは初めてなので、状態面も含めて未知の部分はあります。一週前追い切りに服部茂史騎手が乗りに来てくれて『小林の小回りは外に張るところはあるけれど、反応は良かった』と言ってくれました。距離はどうかなと思いますが、初コースでも慣れた右回り。どんな走りをするのか見てみたいです」(荒山調教師)。

    ■トーセンヴィオラ
    *浦和 小久保智 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦3勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     800mの新馬戦は6馬身差で逃げ切り勝ち。2戦目は2着でしたが、3戦目の特別戦は直線で先頭に立ち、1馬身半差V。それ以降は、大井、船橋、川崎への遠征を行い、すでに南関東4競馬場で走りました。成績がもう一歩だった時期もありましたが、前走の特別戦(川崎・1600m)は3コーナー過ぎから先頭に立つと押し切り、5戦ぶりのうれしい勝利を飾りました。小久保智調教師は「外厩のエスティファーム小見川で調教しています。調教パターンを変えたことで、リズムを取り戻して、本来のヴィオラに戻ってきたのかなという感じ。いいところは前進気勢。前に行こうとする気持ちの強い馬です。距離は血統的にも長い方がいいですね」と話していました。

    ■ピコニ

    <岩井厩務員提供>

    *大井 澤佳宏 厩舎 牡3歳
    *成績 3戦1勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     新馬戦は2着、2戦目のゴールドジュニアは4着。いずれも中団後方から追い上げました。前走・1600mの3歳戦は、向正面から先頭に立つと、直線ではさらに引き離して2秒6差の大差勝ち。約4か月ぶりの実戦でしたが、派手なパフォーマンスで初勝利をあげました。「1200mのゴールドジュニアは距離不足。ゲートが上手ではないので、スタートは鍵ですね。ゆったりした競馬が合うので、1800mはいいと思います。前走もかなり乗り込んで仕上がりは良かったですが、一度使ってさらにピリッとした感じ。素直で、ギアを持っている馬。楽しみにしています!」(澤佳宏調教師)。なお、母は川崎所属だったクリスタルストーンという南関東にゆかりある血統です。

    ■フロインフォッサル
    *船橋 山下貴之 厩舎 牡3歳
    *成績 5戦2勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     インの3、4番手から追走した新馬戦は4コーナーで間を割って抜け出すと、バハマフレイバーとの叩き合いを制しました。2戦目の川崎初遠征は、直線で抜け出し4馬身差V。重賞&浦和コースに初挑戦した前走のニューイヤーCは、後方追走から、最後は追い上げましたが5着でした。山下貴之調教師は「現状では体の緩さがあるので、結果的には条件が合いませんでした。忙しい競馬は良くなかったです。この大井1800mはずっと待っていた舞台。操縦性が高く、自分から進んでいくような馬ではないです。状態もいいし、この条件でどのくらいやれるのか。中央馬たちとの力関係はわかりませんが、僕は楽しみにしています」と期待を込めました。

    ■ボクノオクリモノ
    *大井 市村誠 厩舎 牡3歳
    *成績 3戦1勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走はデビューから3戦目で初勝利をあげました。道中2番手から、直線でステッキが入ると後続を引き離し、9馬身差V。市村誠調教師は「前走は勝たせてもらいましたが、時計がもう少し速かったら良かったです。これまで1200mから1400mまでしか走っていない馬なので、今回の距離延長はどうかなと思いますが、乗り手には素直で、折り合いもつく馬です。相手は強いですが、状態自体はいいので、人馬ともにいい経験になってくれればいいなぁと思っています」とコメント。今回は谷内貫太騎手が手綱を取り、人馬ともに重賞初挑戦します。「デビューした頃から重賞に乗りたいと思っていました。いつもと雰囲気は違うと思いますが、頑張ります!」(谷内騎手)。

    ■マイケルマキシマス
    *川崎 内田勝義 厩舎 牡3歳
    *成績 4戦1勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     新馬戦は直線でしぶとく抜け出しV。その後は5か月間ほど休養に入り、復帰後は1500mで3着2回&4着1回。今回はコース、右回り、距離と、初挑戦です。「休み明けの後はもう少しの成績ですが、使いながら良くなっていってくれればいいですね」と内田勝義調教師。レースと調教の手綱を取る町田直希騎手には条件について聞いてみると「新馬戦は勝ちましたが、遊びながら走っていました。気難しさもあり、抜け出すとやめるところがあって、まだ子供っぽいです。現状では基本的にフワッと走るので、折り合いもつくし、忙しいよりも長くてゆっくりいけるのはいいと思います。調教で乗っている感じは右も左も大丈夫そうですね」と話していました。

    ■マオノアンコール
    *船橋 渋谷信博 厩舎 牡3歳
    *成績 11戦0勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年6月のデビュー以降コンスタントに走り続け、今回が12戦目という豊富なキャリアを誇ります。ここまで2着が最高で、勝ち星までもう一歩。レースはブリンカーとシャドーロールを着用しています。「やる気スイッチが入るかどうかなんですよ。前走(2月7日)も消化不良、馬は元気いっぱいなので連闘します。ブリンカーはあまり効果がなさそうで、シャドーロールだけで行く予定です。ハナには行けないと思いますが、最後まで気を抜かずに走れれば、差しては来れるはず。初めて行く場所なので、気が引き締まって集中して走って欲しいです」と渋谷信博調教師。この馬の癖を知り尽くしている調教パートナーの山本聡紀騎手が手綱を取り続けます。

    ■ライゾマティクス
    *浦和 小久保智 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦4勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューから3連勝を飾り、ルーキーズサマーCは5着。それ以降は鎌倉記念&ハイセイコー記念2着、浦和デビュー馬による浦和ジュニアチャンピオンは完勝。58キロを背負った前走のニューイヤーCは優勝したギガースから0秒2差の3着でした。「暑さに弱いので、今の時期は体調がいいです。基本的には乗り難しい馬なので、まだ素質で走っています。あまりギアが何段でもあるのではなく、踏んだら行き切らないと、ローに落ちない。先行力のあるヒーローコールという感じですね。競馬が板についてくれば、もっと強くなると思います。長い距離の方が能力は発揮してくれそうです」(小久保智調教師)。2021年のランリョウオー、2023年のヒーローコールに次ぐVを狙います。

    ■ローリエフレイバー
    *大井 月岡健二 厩舎 牝3歳
    *成績 5戦4勝2着0回
    *重賞タイトル
     東京2歳優駿牝馬(SI)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     新馬戦は3着でしたが、それ以降は4連勝中。3~4コーナーで先頭に立った前走の東京2歳優駿牝馬はそのまま押し切り、鞍上の若きエース・野畑凌騎手とともに重賞初制覇を飾りました。いろんな選択肢があった中で、初距離となる1800mの走りを見たいという関係者の意向から、紅一点で雲取賞にチャレンジします。「じっくり仕上げて、状態はキープ。ポテンシャルは高いですが、5月生まれで、まだこれからの馬。スピードはありますが、この枠(1枠2番)から砂をかぶるような競馬になったら初めてで戸惑うとは思うので、どう対応できるか。今後に向けてもいい勉強になって欲しいです」(月岡健二調教師)。なお、母のマヒナズヒルは厩舎ゆかりの血統です。

    <中央馬&他地区馬の顔ぶれ>

    ■アマンテビアンコ
    *JRA 宮田敬介 厩舎 牡3歳
    *成績 3戦2勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     新馬戦は差し切りVを飾り、2戦目のプラタナス賞は追撃及ばず3着。3戦目の前走・カトレアSは、いつものようにエンジンの掛かりはゆっくりでしたが、ゴール前に力強くかわし、オープン初勝利をあげました。母ユキチャンは、南関東の重賞3勝した人気と実力を兼ね備えたアイドルホース。同じ白毛の息子にも注目が集まります。

    ■イーグルノワール
    *JRA 音無秀孝 厩舎 牡3歳
    *成績 5戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     芝の新馬戦は0秒6差の4着でしたが、それ以降はダートに転向しました。2走前の兵庫ジュニアグランプリは3連勝で初タイトルを獲得。道中は3番手を追走し、3~4コーナーからはサトノフェニックスとの一騎打ちとなりましたが、最後は叩き合いをハナ差制しました。前走の全日本2歳優駿は無敗馬フォーエバーヤングの2着。

    ■ウルトラノホシ
    *佐賀 真島元徳 厩舎 牡3歳
    *成績 6戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     カペラ賞(2023)
     ネクストスター佐賀(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     佐賀で4戦3勝(重賞2勝)。それ以降は南関東に遠征中です。2走前の全日本2歳優駿は、しぶとく脚を伸ばし6着でした。前走のブルーバードCは勝負どころでつまづく不利もありましたが、最後までJRA馬たちに食らいつき、0秒2差の4着。惜しい競馬でしたが、力は示しました。佐賀の星がダートグレードのタイトルを狙います。

    ■ブルーサン
    *JRA 川村禎彦 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦2勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     4戦目以降は芝からダートに転向。1800mで走り、5戦2勝2着2回5着1回という成績です。勝ち星をあげた2歳未勝利&3歳1勝クラスは、好スタートからハナに立つと後続を寄せ付けず、逃げ切り勝ちを収めました。2戦ともに勝利に導いた和田竜二騎手が手綱を取り、重賞に初挑戦。なお、ダート重賞3勝馬リュウノユキナの甥っ子です。

    *雲取賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第6回 雲取賞(JpnIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■イモノソーダワリデ
    大井2/10稍 1000m-65.5 秒 800m-51.8 秒 600m-38.8 秒
    ■ギガース
    船橋2/10右稍 1000m-65.0 秒 800m-48.8 秒 600m-36.8 秒
    ■クルマトラサン
    船橋2/10右稍 1000m-64.8 秒 800m-48.8 秒 600m-36.8 秒
    ■サントノーレ
    小林2/9重 1000m-70.6 秒 800m-53.2 秒 600m-39.3 秒
    ■トーセンヴィオラ
    牧場2/9坂路 800m-58.6秒 600m-43.6秒 200m-14.8 秒
    ■ピコニ
    大井2/10稍 1000m-64.5 秒 800m-51.1 秒 600m-37.4 秒
    ■フロインフォッサル
    船橋2/10右稍 1000m-67.3 秒 800m-51.1 秒 600m-37.1 秒
    ■ボクノオクリモノ
    大井2/10稍 1000m-65.5 秒 800m-51.2 秒 600m-37.6 秒
    ■マイケルマキシマス
    川崎2/10右良 800m-52.2 秒 600m-38.3 秒
    ■マオノアンコール
    連闘のため軽め
    ■ライゾマティクス
    浦和2/10稍 1000m-67.7 秒 800m-52.9 秒 600m-39.0 秒
    ■ローリエフレイバー
    大井2/10稍 1000m-70.2秒 800m-53.8秒 600m-39.3秒
    ■アマンテビアンコ
    美浦2/11坂路 800m-52.2 秒 600m-37.9 秒 200m-12.5 秒
    ■イーグルノワール
    栗東2/9坂路 800m-52.2秒 600m-37.6秒 200m-12.1 秒
    ■ウルトラノホシ
    佐賀2/10重 800m-51.0 秒 600m-38.5 秒 200m-13.3 秒
    ■ブルーサン
    栗東2/9坂路 800m-51.8 秒 600m-38.2 秒 200m-12.4 秒
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第6回 雲取賞(JpnIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     2月14日に大井競馬場で3歳馬による雲取賞(1800m)が行われました。

     ダート競走の体系整備により、今年から交流重賞(JpnⅢ)に格上げ。地方所属馬の上位2頭&JRA所属馬の5着以内に入った上位2頭に、クラシック1冠目・羽田盃(4月24日)の優先出走権が与えられます。本番と同じ大井・1800mが舞台。今後を占う意味でも非常に重要な一戦です。

     人気を集めたのはJRA勢3頭。兵庫ジュニアグランプリの覇者で、全日本2歳優駿2着のイーグルノワールを筆頭に、前走のカトレアSでオープン初勝利をあげたアマンテビアンコ、ダートに転向後は安定感のあるブルーサンが続きました。

     早い時間から多くのお客様が詰めかけ、注目度の高さが伺えた戦い。和田竜二騎手が手綱を取ったブルーサンが逃げ切り、念願の初タイトルを獲得しました。

     好スタートを決めると、ダッシュよくハナへ。終始、軽快な走りで最後まで脚色は衰えず、後続を完封しました。勝ちタイムは1800m1分55秒2(良)。

     この馬の3勝全てで手綱を取る和田騎手は「前走から自分のリズムで走れるようになりました。道中は速いように見えて、この馬のペースでは行けているので、その辺りが強い要因ですね。最後までしっかり走り切ってくれました。ダート3冠も始まり、羽田盃と同じコースで走れたのは強みです」と話していました。

     2馬身差の2着がスタートでつまずきながらも、最後は内から伸びてきたアマンテビアンコ。さらに1馬身 3/4差の3着は地方最先着のサントノーレでした。北海道から大井へ移籍初戦でしたが、昨年のNARグランプリ2歳最優秀牡馬の意地を見せつけた形。

     JRA勢で羽田盃の優先出走権を獲得したのは、優勝したブルーサンと2着のアマンテビアンコです。ブルーサンの叔父・リュウノユキナは2021&23年の東京スプリントを勝ち、アマンテビアンコの母ユキチャンは2010年のTCK女王盃優勝馬。大井が舞台となるダート3冠路線。その1冠目に出走する権利を、ゆかりのある馬たちが手にしたことになりました。

     地方馬は3着のサントノーレと5着のフロインフォッサルが優先出走権を獲得。

     ダート3冠路線に向けた熱戦が、今後も続いていきます。



    <他陣営のコメント>

    2着 アマンテビアンコ クリストフ・ルメール騎手
    「スタートでつまずいて、ちょっと出遅れました。向正面で彼の手応えは良かったですが、3コーナーから前の馬が離れて、流れには乗れませんでした。それでも、最後はずっと同じペースで頑張ってくれました。地方競馬は初めてで、狭いコーナーもまだ慣れていないですね。権利はつかめて良かったです」

    3着 サントノーレ 服部茂史騎手
    「イーグルノワールが目の前にいたので負かす競馬をして、最後まで頑張ってくれました。馬の成長は感じますし、次が楽しみな競馬になりました。いい内容のレースができたと思いますよ。大外枠(8枠16番)からあの位置がスッと取れて、どの枠でもあの脚を使って行けます。脚を使っても、あれだけ粘ってくれたのは収穫。距離は大丈夫ですね」

    4着 イーグルノワール 松山弘平騎手
    「スタートが良く、勝ち馬を見ながら行けるベストポジションにつけられました。ただ、向正面で手応えが怪しくなり、最後は伸び切れなかったです」

    5着 フロインフォッサル 本田正重騎手
    「まだまだ緩くて、これからの馬ですね。距離はいくら延びても大丈夫です。楽しみな馬」

    6着 ウルトラノホシ 真島元徳調教師
    「全日本2歳優駿を使ってから、気負う所があります。もっと気楽に走ってくれればいいんですが……。もう少し前にはつけたかったですが、(気負う所があるぶん)テンから飛ばせなかったですね。気負わないような調教を積んで、今後に生かします。(佐賀からの輸送は16時間ということですが)毎回しっかり走ってくれて、本当にえらい馬です」

    7着 ギガース 森泰斗騎手
    「距離適性は短い所にありそうですが、乗り方ひとつで、対応はできると思います。結果的にはもうちょっと違う乗り方があったかもしれないなぁと、今日に関しては力を出していません。初めての右回りは問題ありませんでした」

    8着 ライゾマティクス 矢野貴之騎手
    「緩くて、跳びはきれいですけど、この砂がマッチしていない感じもありました。ノメって走っていたので、そこだけが気になります。キックバックもちょっと嫌がっていて、この馬自身は初めてなので、自分の走りができていない感じでした。いいモノは持っていますし、噛み合えば」

    9着 マイケルマキシマス 町田直希騎手
    「初めての大井・1800mも大丈夫でした。ジリジリと脚は使って、頑張ってくれました。この経験を次につなげていきたいです」

    10着 ピコニ 御神本訓史騎手
    「こういう舞台は初めてでしたが、頑張ったと思いますよ。もっと慣れてくれば。今日は出過ぎた感じもあったので、もう少しゆっくり行ってあげた方が良さそうです」

    11着 ローリエフレイバー 野畑凌騎手
    「いい経験になりましたし、強くなっていって欲しいです。砂をかぶるのは多少良くはなっていますが、あまり得意ではないですね。気持ちよく走らせた方がいいと思いました。距離は大丈夫。牝馬同士では力が上だと思います」

    12着 ボクノオクリモノ 谷内寛太騎手
    「もう少し短い方が力を発揮してくれそうですが、直線も最後まで頑張って走ってくれました。(重賞に初騎乗でしたが)普通のレースとは違う雰囲気を味わえたので良かったです。レース前はドキドキしました。乗せてくださった馬主さん、調教師さん、厩務員さん、関係者の方々に感謝したいです」

    13着 クルマトラサン 張田昂騎手
    「初めて砂を嫌がりました。距離は短い方がもちろんいいですけど、挑戦していかないと」

    14着 イモノソーダワリデ 鷹見陸騎手
    「道中しっかり走ってくれないところのある馬です。今日は道中押し気味でしたがついていくことはできて、そのぶん、いつもより直線では脚を使えませんでしたが、次につながるいい競馬にはなったと思います。距離は長くても問題はありません。重賞は初めて乗せて頂きました。特に意識はしませんでしたが、いろいろ勉強になりました。ありがとうございました」

    15着 マオノアンコール 山本聡紀騎手
    「相手は強かったですが、もう少し集中して走れれば良かったです。初めての右回りと1800mの条件は問題ないですね」

    競走中止 トーセンヴィオラ 歩様に異常を生じたためとのこと。
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    6 令6 ブルーサン 牡3 和田 竜二
    5 5 ヒーローコール 牡3 森 泰斗
    4 4 シャルフジン 牡3 御神本 訓史
    3 3 ランリョウオー 牡3 本橋 孝太
    2 2 ゴールドホイヤー 牡3 吉原 寛人
    1 平31 ヒカリオーソ 牡3 瀧川 寿希也