重賞レース
第14回 優駿スプリント(SII)
- 2024年7月10日(水)
- 20:10発走
3歳馬限定のスプリント重賞(1,200m)として2011年に新設されました。短距離のスペシャリストを目指す若駒たちがしのぎを削るレースで、このレースの優勝馬は秋以降の古馬勢(4歳以上馬)との対決でも活躍が目立ちます。
<1着馬・2着馬にアフター5スター賞の優先出走権を付与>
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高橋華代子の注目馬情報
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<第14回 優駿スプリント(SII)>
(7月3日現在)
■オーソレリカ
北海道のリリーC2着で、移籍後もコツコツと走り続けています。逃げ粘った前走の若潮スプリントは、ギガーズにかわされ半馬身差の2着でした。両親ともに南関東にゆかり深い血統。
■カヌレフレイバー
デビューから無傷の4連勝中です。前走の優駿スプリントトライアルは直線で抜け出しVを飾りました。坂井英光厩舎から新たな重賞ウイナーが誕生するか、注目が集まります!
■ギガース
クラシックを視野に雲取賞にも参戦しましたが、持ち味を生かすために短距離路線へ転向。58キロだった前走の若潮スプリントはキッチリと差し切り、重賞3勝目をあげました。
■ザイデルバスト
北海道ではフレッシュチャレンジを含む3勝。移籍初戦の1500mは5着でしたが、その後は1200mで2連勝しました。同距離の若潮スプリントは最後に脚を伸ばし3着でした。
■パペッティア&ティントレット
昨年はフジコチャンで優勝した荒山勝徳厩舎は桜花賞2着のパペッティアと京浜盃5着のティントレットを送り出します。1200mはパペッティアがV経験があり、ティントレットは初挑戦!
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高橋華代子の重賞直前情報
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<第14回 優駿スプリント(SII)>(7月8日現在)
調教追い切り動画はこちら
北海道で1000mのリリーC2着。南関東移籍後もコツコツと走り続け、逃げ粘った前走の若潮スプリントはギガースに半馬身差の2着でした。最近の堅実な走りについて「前走は頑張った分、ダメージはありました。ただ、寒い時期は体の硬さがあったり、カイバは食べてもなかなか体重が増えませんでしたが、そういう部分でのコンディションは上がっています」と水野貴史調教師。今回の大井初遠征については「右回りは問題なく、短距離も合う馬。広いコースになってどうかですね。スタートが良くダッシュ力もありますが、ハナにこだわずどんな競馬でもできるのはいいところ」と話していました。なお、父はフリオーソ、母がユーリカで、地方競馬にゆかり深い血統です。
2月11日に3歳新馬Vを飾り、無傷の4連勝中です。前走の優駿スプリントトライアルは、スタートで遅れましたが盛り返して5番手を追走。最後の直線は内目から抜け出し快勝しました。「とても強い内容で、競馬の幅が広がりました。3戦目からブリンカーを着けて前向きさが出てきたし、スタートは上手ではないので、今回は(ゲートで)尾持ちをする予定。現状で、特に不安材料はないです」と坂井英光調教師。3歳デビューの厩舎の先輩には、大活躍中のサヨノネイチヤ(3歳4月デビュー)がいます。「似ていますね。真剣みがまだなくて、走った後もケロッとしているところ。初めての重賞で強い馬たちとどのくらいやれるか楽しみにしています」と明るい表情で話していました。坂井厩舎から新たな重賞ウイナーが誕生するか注目が集まります!
■ギガース
*船橋 佐藤裕太 厩舎 牡3歳
*成績 8戦5勝2着1回
*重賞タイトル
若潮スプリント(SIII)(2024)
ネクストスター東日本(SIII)(2024)
ニューイヤーカップ(SIII)(2024)
*詳細データ[ → ]
*調教タイム[ → ]ニューイヤーCを制し、一時はクラシック路線も見据えて1800mの雲取賞にも参戦。しかし、本来の力を発揮できず7着に終わりました。いつも調教にも乗る佐藤裕太調教師は、1600m以下が持ち味を発揮できると話し、それ以降は路線転向が功を奏しています。斤量58キロを背負った前走の若潮スプリントは、ゴール前にキッチリと差し切り、重賞3勝目。地力の違いを見せつけました。佐藤調教師は「今回も3歳には過酷な58キロですが、力のある馬なので頑張って欲しいです。暑い時期ですが、普段からその対策もしてきたので、いい状態を保っています。まだ抜け出すと遊ぶところはありますが、前より大人になってきましたね」と期待を寄せていました。
北海道では1000mと1200mのオープンで2連勝を飾りました。南関東移籍初戦の1500mは5着でしたが、それ以降は1200mの舞台で戦っています。3歳戦で2連勝を飾り、前走の若潮スプリントは最後に脚を伸ばし3着でした。この優駿スプリントに向けて川島正一調教師は「早めにエアコンはつけているので、暑さは大丈夫。状態もいいですよ。大井は初コースですが、右回りは北海道で経験をしているので心配はしていません。ただ、今回はチャレンジャーなので胸を借りるつもり。力をつけるという意味でも出走させたいので、強くなっていって欲しいですね」と話していました。直線の長い大井コースで、どんな一面を見せるか楽しみです。
荒山勝徳厩舎はクラシック路線から転向した馬が出走します。京浜盃5着のティントレットは自身初となる1200mへ。桜花賞2着のパペッティアは、2歳時に1200mVの経験があります。荒山調教師は「(ティントレットは)東京ダービー(16着)は明らかに距離が長かったですね。矢野(貴之)騎手は『今回一気に距離は短くなるけれど、スピードを生かせればチャンスもあると思います』と言ってくれました。(パペッティアも)スピードの長けている馬なので、それを生かせた方がいいと思います。2頭とも力はある馬たちなので、頑張って欲しいですね」とコメント。なお、この3年の勝ち馬をさかのぼると、昨年は荒山厩舎のフジコチャン。さらに、プライルード、ワールドリングと、いずれもクラシック路線からの転向組です。
*優駿スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
第14回 優駿スプリント(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■オーソレリカ 浦和7/4稍 800m-55.5秒 600m-39.9秒 ■カヌレフレイバー 小林7/5良 1000m-69.3秒 800m-53.0秒 600m-39.5秒 ■ギガース 船橋7/6右良 1000m-65.3秒 800m-49.0秒 600m-36.3秒 ■ザイデルバスト 船橋7/6右良 1000m-67.6秒 800m-50.6秒 600m-37.4秒 ■ティントレット 小林7/5良 1000m-67.9秒 800m-50.9秒 600m-36.9秒 ■パペッティア 小林7/5良 1200m-80.0秒 1000m-62.9秒 800m-49.1秒 600m-37.0秒 -
高橋華代子のレースレポート
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第14回 優駿スプリント(SII)>
優勝インタビュー動画はこちら
7月10日の大井11Rで行われた優駿スプリント。南関東3歳のスピード自慢16頭が勢ぞろいしました。
ここで頂点に立ったのは、矢野貴之騎手が騎乗した3番人気ティントレット。素質馬として期待が大きく、春はクラシックに出走しましたが、羽田盃7着&東京ダービー16着と残念な結果に終わりました。今回から路線を転向。2000mから一気に800m短縮して1200mに初挑戦し、適性の高さを示しました。
東京ダービーから手綱を取った矢野騎手は「失礼な言い方かもしれませんが、思っていた以上にいい馬でした。スピードがあるのでペースに対応できれば、(優駿スプリントで)結果もついてくると思っていました」とコメント。
道中は外の3番手を追走していきました。「周りも速い馬ばかりで、スタートした瞬間は頭ひとつ出遅れたような感じでしたが、二の脚は思っていた以上にスピードがありました。いいペースで行けたと思います。」
抜群の手応えから4コーナーで先頭に立つと後続を引き離し、最後は2馬身半差をつける完勝でした。タイムは1200m1分12秒8(良)。2着は58キロを背負いながらも懸命に追い上げたギガース、3着は重賞初挑戦だった1番人気カヌレフレイバーでした。
ティントレットを管理する荒山調教師は通算900勝を達成。
ティントレットは北海道&南関東で11戦目でのうれしい初タイトルになりました。クラシックに出走した馬が優駿スプリントで勝利を飾ったのは4年連続です。勝ち馬をさかのぼると、昨年はフジコチャン(桜花賞参戦)、2年前はプライルード(羽田盃参戦)、3年前はワールドリング(東京ダービー参戦)。
荒山調教師は「(ティントレットは)追い切りがものすごく動く馬で、短い距離は使ってみたいと思っていました。ただ、馬にとっては一生に一度のクラシックレースなので、途中まではその夢も捨てきれずにいましたが、路線を切り替えて良かったです。武器はスタートセンス。初めての1200mだから一瞬遅れましたが、その後の加速力が速かったですね」と笑顔。
今後は古馬とどのくらいやれるのか、楽しみにしたいと思います。
なお、ティントレットは母が2011年の東京プリンセス賞馬マニエリスム。ゆかりのある仔を追い続けることも、競馬の魅力ですね!
<他陣営のコメント>
2着 ギガース 森泰斗騎手
「58キロ、大外枠と不利な条件だらけで、よく頑張って力は示しています。58キロの分、行き脚がつかず、反応も一息でした。同じ条件でやりたかったです」
3着 カヌレフレイバー 西啓太騎手
「道中もスムーズに運べて、直線向いていいかなと思いましたが、勝った馬が思った以上に強かったです。まだまだ緩さも残っていて成長段階。その中でこれだけのパフォーマンスをしてくれて、どこかで大きいところを取れる馬だと思います。(初めてゲートで尾持ちをしましたが)練習した感じでも効果があるなぁと思いました。スタートも良かったですね」
4着 タケシ 山崎誠士騎手
「前走も時計をつめていたし、状態もいいんでしょうね。メンバーが強いかなと思いましたが、頑張ってくれました。短い距離はいいですね!」
5着 ザイデルバスト 御神本訓史騎手
「馬体重は減っていましたが、それでも5着にきてくれました。まだまだ成長待ちのところはあるし、もう少し力をつけてくれれば、もっとやれると思います。右回りの方が走りやすいです」
6着 エドノフェニックス 本田正重騎手
「スタートでつまずいてしまいましたが、砂は全然嫌がっていなかったですし、思っていた以上に収穫がありました」
7着 チャダルクン 岡村健司騎手
「ゲートの難しいところがありますが、前回よりは出てくれました。体重が増えてくれば、もっともっと良くなりそうですし、伸びしろはありますよ。現状で、頑張ってくれたと思います」
8着 ヘリアンフォラ 山中悠希騎手
「競馬が上手な馬で、古馬に入っても競馬はできると思います。3、4コーナーでスムーズに立ち回れていたら、もっと違いました」
9着 スマイルナウ 内田博幸騎手
「乗りやすい馬。こんなに砂をかぶったのも初めてだと思いますが、直線でジリジリと伸びてきてくれました。距離は延びた方がいいかもしれまません」
10着 ミモレフレイバー 安藤洋一騎手
「スタートが抜群だったので流れに沿って、馬のメンタルを優先させ、あのくらいの位置取りにしました。とてもいい感じの手応えでしたが、直線に入ってすぐに怪しくなりました。相手も強い中で頑張ってくれたと思います」
11着 ビッグショータイム 澤田龍哉騎手
「最後止まっている馬をかわして脚を使えてきたところがゴールだったので、もう200mくらい長い方が良いかなという印象でした。久しぶりに乗りましたが、デビューからここまで休みなしでよく頑張っていると思います」
12着 ポッドレオ 鷹見陸騎手
「いい馬ですよ!ゲートはしっかり切れて、ハナか番手には行きたかったですが、枠の差ですね。自分の競馬ができることを目標にしていましたが……」
13着 パペッティア 本橋孝太騎手
「スタート後に挟まれる不利があり、予定していた位置(4、5番手)よりもだいぶ後ろになってしまいました。このメンバーでも十分に通用する馬です」
14着 トーセンヴィオラ 藤本現暉騎手
「ついていきましたが、周りもみんな速く、砂も嫌がっていて……。自分の競馬ができれば、もっと違うと思います」
15着 モントーク 笹川翼騎手
「思ったより反応が良すぎていってしまい、勝ち馬に目標にされて苦しくなりました。自分のポジションでリズムよく運べればやれると思います。悪い内容ではありませんでしたが、もう少しやれたとは思います」
16着 オーソレリカ
最初のコーナーまでハナに立っていましたが、最後の直線で失速しました。
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回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 14 令6 ティントレット 牡3 矢野 貴之 13 5 フジコチャン 牝3 森 泰斗 12 4 プライルード 牡3 本田 正重 11 3 ワールドリング 牡3 張田 昂 10 2 カプリフレイバー 牡3 繁田 健一 9 令元 ナガタブラック 牡3 伊藤 裕人 8 平30 クルセイズスピリツ 牡3 西 啓太 7 29 バンドオンザラン 牡3 赤岡 修次 6 28 エイシンヒート 牡3 矢野 貴之 5 27 ルックスザットキル 牡3 早田 功駿 4 26 アピア 牡3 御神本 訓史 3 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士 2 24 ゴールドキャヴィア 牝3 御神本 訓史 1 23 ミヤサンキューティ 牝3 真島 大輔