重賞レース

第38回 東京プリンセス賞(SI)

  • 2024年4月25日(木)
  • 20:10発走
第38回優勝馬:フェルディナンド号

南関東3歳牝馬クラシックの第2弾に位置付けられるレースで、若き乙女たちが3歳女王の座をかけて火花を散らします。浦和の桜花賞など牝馬クラシック路線を順調に進んできた有力馬と春に急成長した新勢力が、華麗な戦いを繰り広げます。
<1着馬・2着馬に関東オークスの優先出走権を付与>

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    <第38回 東京プリンセス賞(SI)>
    (4月17日現在)

    シトラルテミニ
    北海道時代に金沢シンデレラCを制し、重賞初勝利を手にしました。南関東移籍初戦となった準重賞・桃花賞もV。前走の桜花賞は4着でしたが、地元で巻き返しを図ります。

    プリンセスアリー
    前走の桜花賞は、引退する岡田一男調教師に最後の重賞勝ちをプレゼントしました。その後は、同じ浦和の鹿沼良和厩舎に移籍。今回はデビューから7戦目で初の大井コースです。

    ミスカッレーラ
    3戦3勝でローレル賞を制しました。その後は東京2歳優駿牝馬2着、桜花賞が5着。半兄はフジノウェーブ記念2連覇中のギャルダルです。素質馬が2つ目のタイトルを目指します。

    ローリエフレイバー
    昨年は4連勝で東京2歳優駿牝馬を勝ちました。その後は、今回と同じ舞台の雲取賞に出走。牡馬とキャリアを重ねました。若手有望株・野畑凌騎手の手綱さばきにも注目!

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    <第38回 東京プリンセス賞(SI)>

    (4月23日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■シトラルテミニ
    *大井 澤佳宏 厩舎 牝3歳
    *成績 9戦3勝2着2回
    *重賞タイトル
     金沢シンデレラカップ(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道時代は遠征の金沢シンデレラCで重賞初勝利を収めると、笠松のラブミーチャン記念は2着、東京2歳優駿牝馬は4着。その後、大井へ移籍しました。矢野貴之騎手を背に、初戦の準重賞・桃花賞V。今回は桜花賞4着からの巻き返しの一戦です。澤佳宏調教師は「スタートで遅れた分、思っていたポジションが取れませんでした。その後も順調に進めています。小柄な牝馬ですが、芯がしっかりしているので、道中の接触があってもへこたれないメンタルが強み。騎手は、初めての1800mでもこなせる感じと言ってくれていて、どんな走りを見せるか楽しみです」と話していました。ガッツあふれる根性で、南関東移籍後のタイトル獲得を目指します。

    ■フェルディナンド
    *大井 藤田輝信 厩舎 牝3歳
    *成績 4戦2勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3番手の外で進めた新馬戦は4コーナーで先頭に立つと後続を引き離して5馬身差V。5、6番手の内を追走した東京2歳優駿牝馬は最後まで脚を伸ばし、3着でした。キャリア2戦目でのこの結果に「4コーナーでは一発あるかなと思うくらいで、力のあるところは見せてくれました」と安藤洋一騎手。前走の3歳戦は直線で抜け出しての完勝でした。今回初距離となる1800mについて「前走は出遅れて押していった分、行きたがりましたが、最初からジックリためていければ、直線の脚も使ってくれると思います。追い切りの動きもすごく良かったですし、前より調教で折り合いもついています。能力の高い馬ですし、頑張って欲しいですね」と藤田輝信調教師。

    ■プリンセスアリー
    *浦和 鹿沼良和 厩舎 牝3歳
    *成績 6戦4勝2着1回
    *重賞タイトル
     桜花賞(SI)(2024)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     9番手を追走した2走前のユングフラウ賞は、メンバー最速の上がり37秒5の脚を繰り出しましたが、4着止まりでした。それを踏まえての積極的な競馬となった前走の桜花賞は4番手の内を追走し、直線で力強く抜け出しV。通算4勝目がタイトルとなりました。「わりと小柄ですが、乗ると芯がある馬」と初騎乗の森泰斗騎手。その後、管理していた岡田一男調教師は現役を引退し、同じ浦和の鹿沼良和厩舎に移籍しました。「これまでの担当者がやっているから、そういう部分は安心。疲れもなく、順調ですよ。右回り・1800mという条件は心配していませんが、小柄なだけに、大井の力のいるダートは気になりますね。こなして欲しいです」(鹿沼調教師)。

    ■ミスカッレーラ
    *船橋 川島正一 厩舎 牝3歳
    *成績 5戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     ローレル賞(SII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     初物尽くしだった昨年のローレル賞は直線で抜け出し、初タイトルを獲得。半兄はフジノウェーブ記念2連覇したギャルダルで、兄妹そろって重賞ウイナーになりました。「スピードがあって、パワーもある。跳びもスケールも大きいですね」と御神本訓史騎手。その後の東京2歳優駿牝馬はローリエフレイバーに食らいつきましたが惜しくも2着となり、前走の桜花賞は今ひとつの走りで5着に終わりました。川島正一調教師は「大跳びの馬なので、走りものめって、コースが向きませんでした。その後の調整も順調。広いコースはいいし、距離も問題はないと思っています。素質は高いので、今度はこの馬の走りを見たいですね」と力を込めました。

    ■ローリエフレイバー
    *大井 月岡健二 厩舎 牝3歳
    *成績 6戦4勝2着0回
    *重賞タイトル
     東京2歳優駿牝馬(SI)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年の東京2歳優駿牝馬は3コーナー過ぎで先頭に立つと押し切り、4連勝で重賞初Vを飾りました。その後は雲取賞に挑戦。4番手の内でもまれ、最後は伸び切れずに終わりました。「やはり、砂をかぶるよりも気持ちよく走った方がいいですね。1800mは大丈夫。牝馬同士では力が上だと思います」と野畑凌騎手。その後は短期のリフレッシュ放牧を入れ、3月下旬に帰厩しました。月岡健二調教師は「遅生まれ(5月12日)なので幼さはありますが、前は強い調教でスクむこともありましたが今は落ち着いているので、成長は見られます。最終追い切りもいい動きで、仕上りに関して不安はありません。前走の経験を生かして、強い競馬をして欲しいです」と話していました。

    *東京プリンセス賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第38回 東京プリンセス賞(SI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■シトラルテミニ
    大井4/21良 1000m-66.9秒 800m-52.2秒 600m-37.9秒
    ■フェルディナンド
    大井4/21良 1000m-67.8秒 800m-54.5秒 600m-40.1秒
    ■プリンセスアリー
    浦和4/19右稍 1000m-72.0秒 800m-54.9秒 600m-38.3秒 200m-12.4秒
    ■ミスカッレーラ
    船橋4/21良 1000m-64.2秒 800m-49.9秒 600m-37.7秒
    ■ローリエフレイバー
    大井4/20良 1000m-64.3秒 800m-51.5秒 600m-38.4秒
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第38回 東京プリンセス賞(SI)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     4月25日、大井11Rで南関東牝馬二冠目の東京プリンセス賞が行われました。今年は11頭が出走。単勝1番人気は東京2歳優駿牝馬の覇者ローリエフレイバー、2番人気はローレル賞の勝ち馬ミスカッレーラ、3番人気は桜花賞馬プリンセスアリー、4番人気は金沢シンデレラCを勝ったシトラルテミニが続きました。

     重賞ウィナーを抑えて勝利を飾ったのは、6番人気フェルディナンド。陣営期待の素質馬が、デビューから手綱を取る安藤洋一騎手を背に、38代目のプリンセスの座につきました。

     かなり行きたがったという前走の1400mは、直線抜け出しV。初距離となる今回の1800mは折り合いが最大のポイントでした。道中は5、6番手を追走。直線に入るところで外に持ち出すと脚を伸ばし、懸命に逃げ粘る1番人気ローリエフレイバーをゴール寸前にかわしました。勝ちタイムは1800m1分57秒3(重)。

     フェルディナンドの調教にも乗る安藤騎手は「状態は良かったので、自信を持って乗りました。出たなりで、あの位置につけられたのは大きいです。力まず、リラックスして走ってくれました。4コーナーはもう少し我慢をしたかったですけど、前が開かないと思って外に出しました。外を回った分もありますが、ローリエフレイバーもしぶとかったですね。(フェルディナンドは)顔はベッピンですけど、気持ちの強い馬。最後まで頑張ってくれました」と振り返っていました。

     クビ差の2着がローリエフレイバー。さらにクビ差の3着が、メンバー最速の末脚を発揮したプリンセスアリー。最後の直線は大激戦となり、うら若き3歳牝馬がすばらしい戦いを見せてくれました。

     昨年11月に新馬Vを飾ったフェルディナンドは、その素晴らしい素材から2戦目で東京2歳優駿牝馬(3着)にも出走しました。このクラシックでついに開花。大井デビュー馬の勝利は、2000年のアインアイン以来24年ぶりの快挙となりました。

     なお、デビュー15年目の安藤騎手にとっても念願の重賞初制覇。レースを終えてフェルディナンドともに検量前へ帰ってくると、満面の笑みを浮かべた藤田輝信調教師が出迎えました。

     安藤騎手は「デビューして10年くらいは(勝ち星を)下から数えた方が早いくらいのジョッキーで、重賞に挑戦する機会もあまりありませんでした。ここまでがむしゃらにやってきましたが、夢のようです。僕を拾ってくれた藤田先生に恩返しをしたい気持ちでいっぱいだったので、今日はすごくうれしいです」と笑顔。

     藤田調教師も「うちの厩舎の馬で彼と重賞を勝ちたいとは言っていましたが、当時は夢みたいなものでした。今日、現実になってうれしいです」と目を細めていました。

     師匠と弟子でつかみ取ったタイトル。夢は夢で終わるものではなく、かなえるものであることを、改めて教えてくれた一戦となりました。



    <他陣営のコメント>

    2着 ローリエフレイバー 野畑凌騎手
    「1枠に入った時点で逃げましたが、本来は追われる立場よりも、2、3番手から自分のリズムで行った方が(最後は)爆発すると思います。それでも、いいペースで行けて、根性も出して、最後も盛り返してくれました。ローリエが一番強い競馬をしてくれたと思います。クビ差でも後悔のない走りはできましたが、関東オークスはリベンジしたいです」

    3着 プリンセスアリー 森泰斗騎手
    「競馬の上手な馬。初コース、初距離でも頑張っています。物見はしていましたが、力は示していると思うし、距離は延びても大丈夫です」

    4着 ミスカッレーラ 御神本訓史騎手
    「調整の難しい馬なので陣営は苦労されていると思いますが、ちゃんと走れる状態で持ってきてくれました。前回よりも気合が乗って、行きっぷりも良かったです。距離延長は懸念されていてギリだと思いますが、この着順でこれたのも、陣営の尽力と馬の底力だと思います。まだこれからの馬です」

    5着 シトラルテミニ 矢野貴之騎手
    「ペースはすごく遅かったですが、意外とテンに行けませんでした。急かすと逆に進まないし、位置取りも良くなかったです。直線が長いのはいいですね」

    6着 フォルトリアン 本田正重騎手
    「馬は今までで一番良かったです。気性の幼さが残るので、まだ余力があって、ちゃんと走れていない感じですね。折り合いはつくので、距離は大丈夫です」

    7着 ベイデンマリーナ 西啓太騎手
    「調教のときよりも、競馬になると一生懸命に走ってくれますね。競馬も上手で、折り合いもつきました。距離は対応してくれそうですね。もっとパワーがついて成長してくれれば」

    8着 ムサシジェリーナ 笹川翼騎手
    「馬もまだ幼いところがあるので、砂をかぶって嫌がるところもありました。4頭目の外は回したくなかったですが、ペースも遅かったので。追うまではいい感じだなと思いましたが、最後は現状の力の差が出ました。距離は長い方がいいと思います」

    9着 イマヲトキメク 山田義貴騎手
    「指示通りに番手で進めました。ペースはスローで、折り合いがつかなかったです。3コーナーくらいで手応えが怪しくなりました」

    10着 キャッスルハート 篠谷葵騎手
    「メンバーも上がって、道中ついていくのは大変でした。自己条件なら、もっといい勝負はしてくれると思います。距離は大丈夫ですね」

    11着 ウインアザレア 河津裕昭調教師
    「初馬場が堪えたようで、気負って物見がすごかったです。力を出し切れませんでした」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    38 令6 フェルディナンド 牝3 安藤 洋一
    37 5 サーフズアップ 牝3 御神本 訓史
    36 4 スピーディキック 牝3 御神本 訓史
    35 3 ケラススヴィア 牝3 森 泰斗
    34 2 アクアリーブル 牝3 矢野 貴之
    33 平31 トーセンガーネット 牝3 左海 誠二
    32 30 グラヴィオーラ 牝3 今野 忠成
    31 29 アンジュジョリー 牝3 笹川 翼
    30 28 リンダリンダ 牝3 桑村 真明
    29 27 ティーズアライズ 牝3 矢野 貴之
    28 26 スマートバベル 牝3 澤田 龍哉
    27 25 カイカヨソウ 牝3 今野 忠成
    26 24 アスカリーブル 牝3 今野 忠成
    25 23 マニエリスム 牝3 戸崎 圭太
    24 22 トーセンウィッチ 牝3 張田 京
    23 21 ネフェルメモリー 牝3 戸崎 圭太
    22 20 ブライズメイト 牝3 山田 信大
    21 19 アグネスターフ 牝3 町田 直希
    20 18 チャームアスリープ 牝3 今野 忠成
    19 17 テンセイフジ 牝3 石崎 駿
    18 16 ブルーロバリー 牝3 今野 忠成
    17 15 ディーエスメイドン 牝3 森下 博
    16 14 サルサクイーン 牝3 的場 文男
    15 13 ナミ 牝3 的場 文男
    14 12 アインアイン 牝3 市村 誠
    13 11 デアヴィクティー 牝3 張田 京
    12 10 ホクトオーロラ 牝3 石崎 隆之
    11 9 ミスジュディ 牝3 桑島 孝春
    10 8 スギヤマワッスル 牝3 湯浅 淳一
    9 7 ヘイワンリーフ 牝3 桑島 孝春
    8 6 ケーエフネプチュン 牝3 矢内 博
    7 5 アコニツトローマン 牝3 高橋 三郎
    6 4 チヤームダンサー 牝3 石崎 隆之
    5 3 ケイワンハート 牝3 早田 秀治
    4 2 ビツクワンシヨツト 牝3 佐藤 賢二
    3 平元 フジノダンサー 牝3 石崎 隆之
    2 昭63 イシノラツキー 牝3 尾形 秋徳
    1 62 ダイタクジーニアス 牝3 佐々木 竹見