重賞レース

第6回 ブリリアントカップ(SIII)

  • 2023年4月20日(木)
  • 20:10発走
第6回優勝馬:ランリョウオー号

5月に行われる「大井記念」のトライアル競走として、2018年から重賞に格上げとなりました。2019年からは2,000mから1,800mへと距離が変更され、中距離だけでなくマイル(1,600m)の有力馬も参戦。南関東重賞戦線の一年を占う意味でも注目のレースです。
<上位2頭に大井記念の優先出走権を付与>

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    <第6回 ブリリアントカップ(SIII)>
    (4月11日現在)

    ブリッグオドーン
    前走のブリリアントCトライアルは、向正面で先団に押し上げ、直線で競り合いを制しました。2020東京ダービー4着馬が3歳以来となる重賞の舞台に挑戦します。

    ギガキング
    前走の報知グランプリCは直線抜け出し連覇を飾り、通算重賞5勝目をあげました。左回りで好走してきましたが充実している今、右回りの大井で初勝利を目指します。

    ランリョウオー
    立て直しを図った前走の金盃は逃げ粘り、優勝馬カイルから0.6秒差の6着でした。「一番強い競馬」と本橋孝太騎手。重賞3勝馬の完全復活に期待が高まります。

    ロードゴラッソ
    昨年のブリリアントCは3角過ぎから先頭に立つと押し切り、JRA重賞勝ち馬の実力を見せつけました。8カ月半ぶりの実戦だった前走の報知グランプリCは3着。

    ミヤギザオウ
    南関東1冠目の羽田盃は最後の直線で内から一気に差し切る圧巻の走りを見せ、重賞初制覇を飾りました。今回は東京大賞典(9着)以来、4か月ぶりの実戦。

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    <第6回 ブリリアントカップ(SIII)>

    (4月18日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■ランリョウオー
    *浦和 小久保智 厩舎 牡5歳
    *成績 20戦10勝2着3回
    *重賞タイトル
     東京記念(SI)(2022)
     大井記念(SI)(2022)
     雲取賞(SIII)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年はS1の大井記念と東京記念を含む4連勝を飾り飛ぶ鳥落とす勢いでしたが、それ以降の埼玉新聞栄冠賞(8着)と浦和記念(10着)はこの馬らしい走りが見られず、立て直しが図られました。

     約3か月ぶりの実戦だった前走の金盃は、果敢に逃げて押し切るかと思ったところで後続勢にかわされ0秒6差の6着。本橋孝太騎手は「返し馬から気持ちが前向きで復活しているかもと思いました。展開はかなり厳しくてずっと突かれる形でも手応えがずっとありました。3コーナーからまた来られても直線半ばまで粘っています。一番強い競馬をしているし、次に期待ですね」と絶賛。

     その後はいつものように牧場での調整を挟み、野田トレセンに帰厩してからも予定通りの調教メニューをこなしてきたそうです。

    小久保智調教師は「(前走は)逃げる馬がいなければ逃げるようにと伝えましたが、相当突かれながらも頑張っていたし悪い内容ではありませんでした。具合は戻ってきているなという感じで、今回は確実に好走しなくてはと思っています。どうしても折り合いは課題なので、距離が2600mから1800mになるのはペースが流れるぶんはいいと思います」とコメント。

     小久保調教師は現在地方通算1799勝です。南関東所属調教師の最多勝利記録を自身で更新し続けていて、あと1勝で1800勝。この大井開催は東京スプリントにアポロビビ、ブリリアントカップにはこのランリョウオーが出走します。メモリアルVを重賞で飾ることができるか注目です!

    ■ギガキング
    *船橋 稲益貴弘 厩舎 牡5歳
    *成績 25戦10勝2着3回
    *重賞タイトル
     報知グランプリカップ(SIII)(2022・2023)
     ダービーグランプリ(M1)(2021)
     東京湾カップ(SII)(2021)
     南部駒賞(M1)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ギガキングは門別競馬場のスーパーフレッシュチャレンジで勝利を飾ってからは、全て左回りコースで勝ち星をあげてきました(重賞5勝を含む)。

     昨年12月の勝島王冠は自身にとって久しぶりの右回りコースで0秒8差の4着。和田譲治騎手は「右回りは全然大丈夫で、今のところは1800mがベストです。渋いところはありますが、馬が来たら一生懸命伸びて反応してくれて勝負根性が半端ないです。この馬なりに成長はしているし、来年が楽しみです」と話していました。

     その後はチバテレ盃と報知グランプリカップで連勝中。「牧場での調整を挟んで順調にきています。右回りであまり勝っていないのはたまたま巡り合わせもあったと思うし、馬も強くなってきているので、ここは楽しみにして送り出したいです。この後の大井記念に向けてもいい走りをして欲しいですね」(稲益貴弘調教師)。

    ■ミヤギザオウ
    *大井 森下淳平 厩舎 牡4歳
    *成績 9戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     羽田盃(SI)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年の南関東1冠目・羽田盃を制したミヤギザオウが4歳になって初登場します。12月の東京大賞典(9着)でJRAや南関東の強豪たちを相手にした後は牧場での調整を挟み、約4か月ぶりの実戦。

     「可動域が大きくなって、トモの踏み込み方もしっかりしてきました。まだ伸びしろはありますが、経験を積みながらイメージ通りに成長してくれています。ゲートも我慢ができるようになっているし、今回のポジションはインとか後方とかこだわらずに、流れを見ながら自分のリズムで走らせてあげたいですね。斤量の55キロも強みだし、力を出し切れれば恥ずかしくない競馬をしてくれると思っています」(森下淳平調教師)。

     今回の大井1800mという条件は羽田盃と一緒ですが、一方で、勝島王冠は後方から伸び切れずに9着でした。これは落鉄したため度外視であることを森下調教師は話していました。

    ■スワーヴアラミス
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡8歳
    *成績 39戦10勝2着6回
    *重賞タイトル
     東海テレビ杯東海S(GII)(2022)
     エルムS(GIII)(2021)
     マーチS(GIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     JRA時代に3つの重賞を制している実力馬。昨年10月から大井の荒山勝徳厩舎<小林>に移籍すると、初戦の富士見オープンを完勝し、2走前の報知オールスターカップは0秒6差の2着、さらにはダートグレード競走でも強い相手と戦ってきました。今回は牧場での調整を含む2か月半ぶりの実戦。

     「大井の外回りは合っていると思いますが右回りはササるところがあって、左回りの方がスムーズです。その辺りは鍵ですね。今後は左回りの川崎マイラーズ(5月17日)を予定していますが、この馬の地力を考えれば、ここでいい結果が出ても不思議ではないと思います。道中我慢をして脚が切れるタイプではないので、長くいい脚を使えるような競馬をさせたいですね」(荒山調教師)。

    ■ロードゴラッソ
    *川崎 佐々木仁 厩舎 牡8歳
    *成績 36戦7勝2着5回
    *重賞タイトル
     ブリリアントカップ(SIII)(2022)
     名古屋大賞典(JpnIII)(2020)
     シリウスS(GIII)(2019)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     JRA時代は2つのタイトルを獲得した実績馬です。昨年1月から川崎の佐々木仁厩舎に所属し認定厩舎のミッドウェイファームでトレーニングを積んできました。

     ちょうど1年前のブリリアントカップは、2019年東京大賞典(5着)以来の大井コースで9番人気の低評価を覆す圧巻の勝利。4コーナーで先頭に立つと押し切り、勝ちタイム1800m1分51秒3(重)はレースレコードでした。大井記念(7着)後は8か月半の休養期間に入り、その初戦だった前走の報知グランプリカップは3着で、今回は叩き2戦目。

     「調整での長期休養でしたが、初戦からいい走りをしてくれました。右回りでも左回りでも結果を残している馬。8歳でも元気いっぱいなので、あとは展開ひとつで連覇に期待したいです。去年のように前目につけられれば」(佐々木調教師)。

    ■コスモファルネーゼ
    *大井 宗形竹見 厩舎 牡4歳
    *成績 17戦5勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3歳時は残念ダービーとも異名のある若竹賞(1800m)を含む2連勝を飾り、ジャパンダートダービー(7着)にも出走。強靭な末脚が武器で、将来を嘱望されてきました。今回はB1からの挑戦のため、メンバー中斤量が最も軽く53キロでの出走。さらには最年長騎手66歳の的場文男騎手が初騎乗することでも話題を集めています。

     「前走は直線が壁になってしまい、2走前は展開がスローになり、2戦とも展開に恵まれずにこの馬の力は出していません。脚質的に自分で競馬は作れないのでどうしても展開の助けが必要になりますが、相手なりに差してこれるし、ハマった時は爆発力があります。相手は強いですが、この馬自身も力はつけているので、現状でどのくらい迫れるか見てみたいです」(宗形竹見調教師)。

    *ブリリアントカップの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第6回 ブリリアントカップ(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ランリョウオー
    浦和4/14良 800m-53.3秒 600m-38.9秒 一杯追
    ■ギガキング
    船橋4/15稍 1000m-66.2秒 800m-49.3秒 600m-36.5秒 一杯追
    ■ミヤギザオウ
    大井4/15良 1000m-65.7秒 800m-51.6秒 600m-36.4秒 強めに
    ■スワーヴアラミス
    小林4/15左良 1000m-67.5秒 800m-50.9秒 600m-37.1秒 強めに
    ■ロードゴラッソ
    牧場4/15坂路 600m-37.8秒 200m-12.2秒 強めに
    ■コスモファリネーゼ
    大井4/16不 1000m-66.7秒 800m-51.8秒 600m-37.4秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第6回 ブリリアントカップ(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     準重賞だったブリリアントカップが重賞に格上げされたのは2018年。その初代チャンピオンは当時7歳のリッカルドでした。あれから5年の月日が流れ、今やリッカルドも南関東最年長の12歳。濃いグレーだった芦毛の体もすっかり白くなりました。4月13日に船橋競馬場で行われた柏の葉オープンは差し切り勝ちを収め、多くの人たちに感動と興奮を与えたばかり。来年13歳になっても南関東所属として走る権利を獲得しました。

     今年6回目のブリリアントカップには南関東の強豪たち15頭が集結しました。混戦ムードを漂わせいていましたが、本橋孝太騎手が騎乗した2番人気ランリョウオー(浦和・小久保智厩舎)が完全復活V。

     昨年は大井記念と東京記念を含む4連勝を飾りましたが、埼玉新聞栄冠賞(8着)、浦和記念(10着)と、この馬本来の走りが見られませんでした。そこから立て直しを図って臨んだ前走の金盃は、2600mを逃げて押し切るかと思ったところで後続勢にかわされ0秒6差の6着。

     コンビを組む本橋騎手は「返し馬から気持ちが前向きで復活しているかもと思いました。展開はかなり厳しくてずっと突かれる形でも手応えがずっとありました。3コーナーからまた来られても直線半ばまで粘っています。一番強い競馬をしているし、次に期待ですね」とかなり手応えをつかんだ様子。

     ランリョウオーはこのブリリアントカップでは2番手を追走し、最後の直線で逃げ粘るデュードヴァンを残り100m付近で競り落とすと、脚を伸ばしてきた後続馬たちの追撃も振り切りました。勝ちタイムは1800m1分51秒9(良)。2着は0.1秒差でスワ―ヴアラミス、さらにクビ差の3着はタイムフライヤーでした。

     「今日は復活していると馬を信じて強気に乗ろうと思いました。ペースにも恵まれましたが、終始ずっといいリズムで走れていたので粘ってくれると信じました。最後は根性を見せてくれましたね。馬の力はトップだと思っているので、これから先もランリョウオーならやってくれると思います」とホッとした表情を浮かべていた本橋騎手。

     この後は5月24日に大井競馬場で行われる大井記念(S1、2000m)連覇を目指すそうです。南関東生え抜きの頼もしい馬が完全復活し、更なる活躍に期待したいと思います。

     なお、この勝利で管理する小久保調教師は地方通算1800勝を達成しました。南関東競馬の調教師最多勝記録を自身で更新し続ける日々ですが「もっともっと勝たなくてはいけません」と変わらず気を引き締めていた小久保調教師。この後の5月10日に大井競馬場で行われる南関東クラシック1冠目の羽田盃には、ランリョウオーの後輩にあたるヒーローコールとポリゴンウェイヴら4頭が出走予定です。

     これからも走り続ける小久保厩舎から目が離せません!



    <他陣営のコメント>

    2着 スワーヴアラミス 今野忠成騎手
    「普段の調教で右回りはササると聞いていましたが、今日も3コーナーくらいからだんだんササって、最後はかなり追いづらかったです。左回りの時はそういう面をひとつも見せないんですけどね。力はあるんですけど」

    3着 タイムフライヤー 森泰斗騎手
    「これ以上ないくらいの展開でレースもうまくいっていますし、現状の力は出してます。上位2頭を褒めるべきと言いますか……。1800mはじゃっかん終いが甘くなるので、マイルがベストですね」

    4着 デュードヴァン 御神本訓史騎手
    「自分のペースにはなっていると思いますが、マイルくらいがいいと思います」

    5着 ギガキング 和田譲治騎手(1番人気)
    「右回りも問題はないと思っていたのですが、ジリジリと伸びる感じですね。ちょっと窮屈なところもありましたが、あの位置につけてスローペースで、それでも結果的にはこの着順になってしまいました。メンツなどもあると思いますが、左回りの方が伸びるイメージです」

    6着 ロードゴラッソ 張田昂騎手
    「ペースがゆっくりで掛かり気味になりました。ずっと手応えも良くて、弾けるというよりは長くいい脚を使えるタイプだと思います。結果的には、手応えがいい時に行った方が良かったかもしれません」

    7着 ミヤギザオウ 本田正重騎手
    「ペースがちょっと遅かったので、結果的に、もう少し行っても良かったのかなというのはありますけど。行ったとしても終いがもうひとつだったかもしれないですし、それはわからないです。最後も伸びてはいますが、ペースも遅かったぶん、前に行っている馬が伸びています。ゲートは大丈夫でしたね。古馬ともやれると思いますが、まだまだこれからの馬です」

    8着 ゴライアス 町田直希騎手
    「いい感じで行けましたが、このクラスでは4コーナーからのギアがちょっと違う感じでした。そこまで無理もせずに3番手を取れたのでいいなぁと思っていましたが、みんなが追い出したらついていけなくなって、いっぱいいっぱいになりました」

    9着 ブリッグオドーン 笹川翼騎手
    「ちょっと進みが良くなかったので馬のリズムで走らせてあげて、一発狙った乗り方をしました。展開が流れてくれるのを狙いましたが、落ち着いてしまいました。一線級相手になるとまだパンチ不足のところはありますが、脚は使ってくれて一生懸命に走ってくれるので、もう一回りパワーがついてくればと思います」

    10着 ブラヴール 石崎駿騎手
    「調子も良かったですし、脚を使って、この馬の競馬はできていると思います。ここに入ると展開の助けは必要ですね。今日はペースが遅かったので、もうちょっと流れてくた方が見せ場は作れたと思います」

    11着 コスモファルネーゼ 的場文男騎手
    「自分の競馬はできています。自己条件ならいい勝負はできると思います」

    12着 ナッジ 矢野貴之騎手
    「休み明けと初の古馬戦というところで、経験をしなくてはいけないことがいっぱいあります。それなりの競馬はできていると思いますし、もまれて強くなっていくのを願っています。相変わらずつかみどころはありませんが、体の使い方は前より良くなっていると思います」

    13着 ジョエル 庄司大輔騎手
    「最後は伸びていますが、ペースが遅かったぶん、(前に行く馬たちと)脚色が一緒になってしまいました」

    14着 サルサレイア 西啓太騎手
    「道中の感じは悪くないですが、終いは同じ脚色になってしまいました」

    15着 マンガン 山崎誠士騎手
    「久しぶりの1周競馬だったので、急かしたぶん、嫌気を差してしまいました」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    6 令5 ランリョウオー 牡5 本橋 孝太
    5 4 ロードゴラッソ 牡7 御神本 訓史
    4 3 フィアットルクス 牡6 本橋 孝太
    3 2 ストライクイーグル 牡7 御神本 訓史
    2 平31 キャプテンキング 牡5 坂井 英光
    1 30 リッカルド セ7 矢野 貴之