重賞レース
第14回 フジノウェーブ記念(SIII)
- 2023年3月9日(木)
- 16:35発走
TCK唯一の1,400m重賞です。レース創設から4連覇を果たしたフジノウェーブの功績をたたえ、2014年からレース名を改称。翌月の交流競走・東京スプリントに向け、短距離路線を歩む有力馬たちが数多く出走します。
<優勝馬に東京スプリントの優先出走権を付与>
- 注目馬情報
- 重賞直前情報
- レースレポート
- 歴代優勝馬
-
高橋華代子の注目馬情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第14回 フジノウェーブ記念(SIII)>
(3月1日現在)
■スターシューター
準重賞初挑戦だった前走のウインタースプリントは、直線で先頭に立って押し切り4連勝を飾りました。充実一途で勢いそのままに、重賞初出走勝利を狙います。
■ティアラフォーカス
前走の船橋記念は差し切りV。初めてのコース・左回り・距離・輸送など全てをクリアし、初タイトルを獲得しました。抜群の安定感があり、重賞2勝目を目指します。
■ギシギシ
重賞初挑戦だった昨年の東京スプリントはJRAの強豪たちと僅差の3着で脚光を浴び、習志野きらっとスプリントで念願の重賞初制覇。今回は1400mに初出走。
■プライルード
全日本2歳優駿と兵庫ジュニアグランプリで3着になり、ダートグレード競走でも実力を示してきました。その後は優駿スプリントとアフター5スター賞で重賞2連勝。
■ルーチェドーロ
JRA時代に全日本2歳優駿3着になるなど能力の高さを見せ、南関東移籍後も昨年のフジノウェーブ記念で重賞初制覇。2連覇を目指し、復活Vに期待がかかります。
■デュードヴァン
JRAではオープン2勝、重賞でも好走してきました。南関東移籍後は2戦ともに僅差の2着で、重賞の舞台に登場。管理する坂井英光調教師の重賞初Vも待たれます。
-
高橋華代子の重賞直前情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第14回 フジノウェーブ記念(SIII)>(3月7日現在)
調教追い切り動画はこちら
重賞初挑戦だった昨年の東京スプリントはJRAの強豪たちにハナ・クビ差の3着となり、一躍脚光を浴びました。その後は3連勝で習志野きらっとスプリントを制して重賞ウイナーの仲間入り。船橋1000mを舞台に、絶望的とも思われた位置から豪快に差し切った姿は圧巻でした。
しかし、その後のアフター5スター賞は7着、東京盃が5着と、この馬らしい走りが見られませんでした。牧場へ休養に入り、これまでの疲れを癒してからトレーニングを開始し、今回は5ヶ月ぶりの実戦。
帰厩後も順調に進めてきたそうで、調教パートナーでもある三浦誠調教師補佐は「追い切りの回数を重ねていくたびに良くなっていくのが実感できます。乗り味はやっぱり抜群ですね。力はみなぎっていますが、体のしなやかさはいい頃に戻っています。乗っていて、本当に気持ちがいいです。力は出せる仕上がりですが、あとは間隔が空いているぶん、心臓がどこまでできているかですね」とのこと。
ここまで1200mを中心に走ってきましたが、今回は自身初の1400m。その辺りを矢野貴之騎手に聞いてみたところ「スタートの速さが最大の武器ですが、出てからはフワフワと走って相手に合わせる感じもあるので、1400mのイメージは悪くはないです。逆にいいかもしれません。追い切りに乗せてもらった感じでは、ゆっくりしてきたぶん使ってからの方がもっといいのかなとも思いましたが、休み前の硬さは抜けてリフレッシュができているし、いい意味で余力があります」と話していました。
年内の最大目標は11月3日に大井で行われるJBCスプリント。そこに向けての第一歩、ギシギシが今年初戦を迎えます。前走の船橋記念は道中6番手追走からゴール前で差し切り、念願の重賞初制覇を飾りました。初コース&初左回り&古馬重賞初挑戦と、全てを克服。
調教から手綱を取っている和田譲治騎手は「スタートは少し遅れて二の脚で先行しました。結構、外を回されましたが、直線で並んだらしぶといので、これなら行けるなと。力はあるし、並んでからの勝負根性がすごいです」と話していました。
デビューから4戦は1600mで走りましたが、そこからは1200mにシフトし一気に4連勝。昨年の優駿スプリントは1番人気に推されましたが、残念ながら出遅れ8着に涙を呑みました。その後は古馬戦で力をつけながら、優駿スプリント以外は1200m、1400mで3着以下がない抜群の安定感です。
レース後はここに向け、厩舎での調整を続けてきたそうです。
「ひと冬越してさらに力をつけているし、3歳の頃より心身ともに良くなっていると思います。最終追い切りは追ってからの反応も良くて動きも十分で、いい状態をキープできています。大井1400mは勝っているし、タイムもそれなりだったので、この距離も問題はありません。今年はJBCスプリントを目標にしているので、そこに向けても通過点として、いい走りをして欲しいと思います」(宗形竹見調教師)。■プライルード
*大井 藤田輝信 厩舎 牡4歳
*成績 10戦3勝2着2回
*重賞タイトル
アフター5スター賞(SIII)(2022)
優駿スプリント(SII)(2022)
*詳細データ[ → ]
*調教タイム[ → ]2歳時は全日本2歳優駿と兵庫ジュニアグランプリで3着に入り、全国区で戦ってきた馬です。3歳ではクラシック路線を目指し羽田盃(13着)に出走しましたが、その後は短距離戦にシフト。
優駿スプリントは抜群の手応えで4コーナーから先頭に立つと押し切り、古馬に初挑戦したアフター5スター賞は直線抜け出す完勝。1200mの重賞レースを2連勝しました。JBCスプリントは全国の強豪たちを相手に1秒1差の8着。
今回は牧場の休養も入れ、藤田輝信厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームでトレーニングを続けてきたそうです。4か月を経て、4歳になっての初戦。
「間隔は空きましたが、ここを目標にやってきたので十分に乗り込んでいます。JBCは相手が強かったですが、今後はやれるんじゃないかなという競馬はしてくれたと思います。アフター5スター賞は斤量の恩恵(53キロ)もありましたが、今回の58キロは克服して欲しいです。1400mは初めてですがもっと長い距離で走っていた時期もあるし、今回は大外枠(8枠15番)に入りましたが、距離は違いますが優駿スプリントも大外枠(8枠16番)から勝っています。ここも頑張ってもらいたいですね」(藤田調教師)。3歳時は東京ダービーと東京湾カップで2着だったギャルダル。特に東京ダービーは初物尽くしの中で、アランバローズに0.1秒差まで迫ったのはこの馬の素質の高さを示したと言えるでしょう。その後もコツコツと走り続けながら、現在は川崎1600mのオープンレースで2連勝中です。
秋葉厩務員は「東京ダービーの頃より力をつけているし、馬も大人になりました。レースも矢野貴之騎手がうまく折り合いをつけながら教えてくれてきたのも良かったと思います」と振り返っています。
勢いにのっているギャルダルが、久しぶりの重賞レースでどんな走りを見せるでしょうか。「前走は向正面から動く強い競馬をしてくれました。メンタル面が成長したことで、走りが良くなって機動力が増しています。外目の枠(7枠12番)は気になりますが、状態は引き続きいいです。うまく立ち回ってくれればチャンスはあると思います」(川島正一調教師)。
なお、初コンビの澤田龍哉騎手はかつて2014年の東京プリンセス賞を川島厩舎のスマートバベルで制したことがあります。レースセンスの高さにも定評のある澤田騎手がどうエスコートするのか楽しみです。JRAではオープンレースで2勝をし、重賞レースでも好走してきた実績馬。今年から南関東の一員になり、川崎1600mのオープンレースでいずれもギャルダルに敗れて2着でした。
管理する坂井英光調教師は騎手時代に地方通算2028勝をあげた名手だったことは有名です。調教師に転身後のビッグタイトル獲得への期待も高まります。
坂井調教師は「JRAの実績からも、こっちの重賞も意識できる馬だと思っています。自分が重賞を勝ちたいという気持ちよりも、まだ2年目でこれだけの馬を預けて頂いたので、オーナーに対して結果を出したいという気持ちが強いです。厩舎全体も勢いづくでしょうしね」とコメント。
デュードヴァンが移籍後の2戦とは違う条件で走ることについて「今の大井は馬場が軽くて時計が速いのでこの馬に合うと思うし、手前の替え方からも右回りの方が騎手も乗りやすいんじゃないかなと。反応がいいぶん、1600mよりも1400mの方が合うとも思っています。器用な馬なのでどんな競馬でもできますね。状態も上向いているし、チャンスはあると思って送り出します」と話していました。JRA時代はオープンレース2勝を含む通算6勝をあげ、全て中山1200mで結果を残してきました。浦和に移籍後は3戦を消化。前走の準重賞・ウインタースプリントは1番人気に推されましたが5着。スタートで遅れ後方2番手からの追走でしたが、直線で大外に持ち出すと36秒2の脚を使い豪快に伸びてきました。
移籍後4戦目となり、小久保智調教師は「状態は上向きで今回の方が走れると思います。能力はヒケを取らないものがあります」とコメント。
この1400mを使うことになったのは、コンビを組む笹川翼騎手の進言もあったそうです。「流れ次第ですが、現状では大井1400mが合うんじゃないかなと。前回は1200mでしたが、展開でどうしても差がつめられませんでした。勝っている中山は前の馬が坂で止まったところを差してくる感じで、大井には坂はありませんが、1400mでみんながバテたところを差してくるイメージです。スタートはあまり出ないので終い勝負になると思いますが、ハマった時の末脚を生かして一発狙いたいですね」(笹川騎手)。
浦和勢初のフジノウェーブ記念Vを目指します。*フジノウェーブ記念の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
第14回 フジノウェーブ記念(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■ギシギシ 大井3/4良 1000m-65.9秒 800m-51.4秒 600m-37.3秒 強めに ■ティアラフォーカス 大井3/4良 1000m-65.4秒 800m-50.3秒 600m-36.8秒 強めに ■プライルード 牧場3/4坂路 600m-37.7秒 200m-11.9秒 馬なり ■ギャルダル 船橋3/4右良 1000m-66.6秒 800m-49.3秒 600m-36.2秒 一杯追 ■デュードヴァン 小林3/4良 1000m-66.9秒 800m-50.2秒 600m-37.1秒 馬なり ■アポロビビ 浦和3/3良 800m-54.6秒 600m-38.9秒 強めに -
高橋華代子のレースレポート
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第14回 フジノウェーブ記念(SIII)>
優勝インタビュー動画はこちら
3月9日に大井競馬場で行われたフジノウェーブ記念は、マムティキング競走除外(疾病)により14頭が出走。昨年の覇者ルーチェドーロが1番人気で4.2倍、2番人気がデュードヴァン、以下ギャルダル、プライルード、ティアラフォーカス、ギシギシ、アポロビビまでの7頭が単勝10倍を切る大混戦ムードでした。
そこに終止符を打ったのは、2021年の東京ダービー2着馬ギャルダル(船橋・川島正一厩舎)。惜しい競馬が続き重賞勝ちまでもう少しのところにいましたが、ついに念願の初タイトルを獲得しました。
初騎乗した澤田龍哉騎手は、2014年の東京プリンセス賞を同じ川島厩舎のスマートバベルと制して以来となる重賞勝ち。さらに自身の32歳のバースデーVにもなりました。2月後半に騎乗依頼を受けてからは、騎乗馬だけではなく出走馬の全レースを見返して、ライバルたちのこれまでの勝ちパターンと負けパターンも全て研究して臨んだそうです。
「最初話しを聞いた時は僕もびっくりしましたし、競馬ファンの皆さんも出走表を見た時に何で澤田なの?って一番の不安点だったと思うんです。こういうチャンスはなかなか頂けることはないですし、陣営の考えを正解にするのは結果を出すことだと思っていたので、ホッとしました。返し馬から状態の良さがすごく伝わってきて、馬が『任せろ』と言ってくれているような感じの背中でした」(澤田騎手)。
澤田騎手はギャルダルの課題でもある折り合いに気をつけながら、道中は5番手を追走していきました。3~4コーナーから進出して4コーナーで外目から先頭へ並びかけると、直線では逃げ粘っていたギシギシをかわし、さらに内から伸びてきたアヴァンティストとの競り合いを制してアタマ差でゴールしました。勝ちタイムは1400m1分25秒7(良)。2着がアヴァンティスト、さらに4分の3馬身差で3着がギシギシ。
「意外とペースは落ち着きましたが、周りの馬たちの手応えはもう少しのように感じました。ギャルダルはいつでも動ける抜群の手応えだったので、馬を信じて、ギシギシマークで早めに動きました。矢野さん(ギシギシ)の後ろから泰斗さん(アヴァンティスト)が上がってくるのが見えた時は一瞬ヤバいと思いましたが、脚色は一緒だったので、映像を見ているよりも自分の中では3、4完歩ぶんの余裕はありました。馬の力と陣営の仕上げで勝たせて頂きました」。
元々素質の高さに定評のあったギャルダルが念願の初タイトルを獲得し、元々レースセンスに定評のあった澤田騎手が陣営の期待に応えてエスコート。この勝利がきっかけに、人馬ともに更なる飛躍を期待しています!
<他陣営のコメント>
2着 アヴァンティスト 森泰斗騎手
「仕上がりもすごく良くて、レース自体もうまく行っているとは思いますが、結果2着は残念です。勝ち馬は結構外を回っていたし、今日は(勝ち馬を)褒めるべきだと思います。今日のテンションでは、距離はもうちょっと短くてもいいかもしれません。これから楽しみですね」
3着 ギシギシ 矢野貴之騎手
「スタートの良さが戻っています。勝ちパターンでしたが、休み明けのぶん、ちょっとゴール前で止まったなっていう感じですね。1400mが悪い訳ではありませんが、1200mの方がいいと思います。距離は持っても、最後は甘くなります」
4着 アポロビビ 笹川翼騎手
「3、4コーナーでひと列外に振られた分、2、3馬身という差ですね……。惜しかったなと。それも含めて展開に左右される馬なので、うまくいっているのも半分ありますが、あそこだけスムーズにさばいてあげればなと。力があるのは見せられたので、あとは展開待ちですね。チャンスはいつでもあると思います。大井1400mはめちゃくちゃいいです」
5着 デュードヴァン 山崎騎手
「もうちょっと掛かっていくイメージでしたが砂をかぶったら意外とそんなこともなくて、進みが良くなかったです。終いは脚を使っていますが。もう少し長い方が持ち味は生きそうです」
6着 ルーチェドーロ 御神本訓史騎手
「スタートは出ましたが、全然ついていけませんでした」
7着 クルセイズスピリツ 西啓太騎手
「ペースも落ち着いて4コーナーまで感じは良かったですが、それ以降は他の馬たちが強かったです。やりたいことはできました。今は1400mの方が良さそうです」
8着 ブンロート 的場文男騎手
「レースは想定内でしたが、メンバーが変わればチャンスはあると思います」
9着 ソッサスブレイ 瀬川将輝騎手
「競馬の感じは良かったので、またこれから楽しみだと思います」
10着 ティアラフォーカス 和田譲治騎手
「向正面ではすごく良かったですが、3コーナー過ぎで前との距離が離れた時に砂をかぶったら嫌がりました。前は砂を嫌がるところもありましたがここ何戦かは全然大丈夫だったんですが。意外とパサパサの馬場は嫌がるのかもしれませんね。最後に砂をかぶらないところに出しましたが反応はありませんでした。距離は問題ありませんが1400m以下がいいと思います」
11着 オンザロックス 藤田凌騎手
「一生懸命走ってはくれましたが、相手も強かったです」
12着 グットクレンジング 岡村健司騎手
「先生から中団より後方で終い伸びるようにと言われていましたが、好スタートを切ったので、内枠から前目につけられました。直線入り口まで手応えは抜群でしたが最後は厳しかったです」
13着 ワールドリング 張田昂騎手
「つまずいたのが大きいです」
14着 プライルード 本田正重騎手
「1400mは気持ち長いですね。息遣いはまだ重いですが、プラス20キロはそんなに悪くないと思います」
競走除外 マムティキング 疾病(感冒)
-
回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 14 令5 ギャルダル 牡5 澤田 龍哉 13 4 ルーチェドーロ 牡4 御神本 訓史 12 3 キャプテンキング 牡7 和田 譲治 11 2 トロヴァオ 牡7 藤田 凌 10 平31 キャプテンキング 牡5 坂井 英光 9 30 リッカルド セ7 矢野 貴之 8 29 ケイアイレオーネ 牡7 的場 文男 7 28 ソルテ 牡6 吉原 寛人 6 27 セイントメモリー 牡8 本橋 孝太 5 26 ジェネラルグラント 牡4 石崎 駿 4 25 フジノウェーブ 牡11 御神本 訓史 3 24 フジノウェーブ 牡10 坂井 英光 2 23 フジノウェーブ 牡9 御神本 訓史 1 22 フジノウェーブ 牡8 戸崎 圭太