重賞レース

第16回 東京シンデレラマイル(SIII)

  • 2022年12月30日(金)
  • 16:30発走
第16回優勝馬:スピーディキック号

年末に3日連続で行われる重賞の第2弾は、年の瀬のダートを彩るレディーたちが競演するマイル戦の牝馬重賞。年明けの交流重賞に向けて、地元所属馬の勢力図を確認する意味でも見逃せない一戦です。
<優勝馬にTCK女王盃およびエンプレス杯の優先出走権を付与>

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    <第16回 東京シンデレラマイル(SIII)>
    (12月21日現在)

    スピーディキック
    今年は桜花賞、東京プリンセス賞、戸塚記念、ロジータ記念と4つの重賞制覇。抜群のレースセンスを武器に無敵の強さを発揮してきた3歳女王が、古馬に初挑戦します。

    セパヌイール
    JRA時代は長期休養を挟みながら通算3勝。昨年5月から南関東の一員になり、前走のトライアルは直線で内から抜け出し2連勝を飾りました。7歳でついに重賞初出走!

    ダノンレジーナ
    今年は佐賀、園田、名古屋と重賞3連勝を飾り、グランダム・ジャパン古馬シーズンの総合優勝を飾りました。前人未踏の東京シンデレラマイル三連覇をかけて臨みます。

    リネンファッション
    JRA時代にJBCレディスクラシック(金沢)3着などハイレベルな舞台で好走。南関東移籍後も地力の高さを見せ、2度のダートグレード競走で、地方馬最先着の5着。

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    (12月28日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■ダノンレジーナ
    *浦和 小久保智 厩舎 牝6歳
    *成績 34戦21勝2着4回
    *重賞タイトル
     秋桜賞(SP1)(2022)
     兵庫サマークイーン賞(2022)
     佐賀ヴィーナスカップ(2022)
     東京シンデレラマイル(SIII)(2020・2021)
     しらさぎ賞(SIII)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     今年はグランダム・ジャパン古馬シーズンの戦いに参戦しました。5月の佐賀ヴィーナスC(佐賀)、7月の兵庫サマークイーン賞(園田)、9月に秋桜(あきざくら)賞(名古屋)と、全国の重賞を3連勝。暑い時期に長距離輸送を克服し、見事、総合優勝を果たしました。

     今度は東京シンデレラマイル前人未踏の3連覇をかけて臨みます。2020年、2021年ともに直線で抜け出し完勝。

     前走のレディスプレリュード(9着)後は、いつものように牧場調整を入れ、このレースに向けてきたそうです。

     「今年は長距離輸送が続いたので、前走は疲れもたまっていたのかなと思います。今回のほうが状態はいいです。年齢を重ねて折り合いもつくようになったし、先行馬なので、1800mよりも1600mの方がレースはしやすいです。3連覇を目指して頑張って欲しいですが、無事に帰ってきてくれれば」(小久保調教師)。

    ■スピーディキック
    *浦和 藤原智行 厩舎 牝3歳
    *成績 13戦8勝2着3回
    *重賞タイトル
     ロジータ記念(SI)(2022)
     戸塚記念(SI)(2022)
     東京プリンセス賞(SI)(2022)
     桜花賞(SI)(2022)
     東京2歳優駿牝馬(SI)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東牝馬二冠馬が、いよいよ古馬に初挑戦します!前走のロジータ記念は、3~4コーナーで先頭に立つと後続を引き離し、最後は6馬身差の圧勝。

     一戦ごとに強さが増しているようなパフォーマンスについて、御神本訓史騎手は「桜花賞で跨っていた時には、成長も含めて完成されているんだろうなと思っていました。自分たちが思っている以上に上積みがあって、そこはちょっとびっくりしています。秋から冬にかけてまたグッと成長しているのが、すごいです。力強さとか、精神的なものもだいぶ落ち着いて、いろんな面でスキルアップしています」と絶賛。

     前走後は牧場での調整も入れ、野田トレセンに帰厩後も至って順調に仕上げてきたそうです。

     ここまで南関東3歳牝馬同士には負けなし。関東オークスは惜しくも3着に敗れましたが、優勝したJRAのグランブリッジは、その後のJBCレディスクラシック(盛岡)とクイーン賞で2着になり、牝馬のトップクラスにいることを証明。戸塚記念は、ロジータ記念に向けた仕上がりだったそうですが、牡馬たちを一蹴。今回は古馬牝馬とどんな走りを見せてくれるでしょうか!

     「人気にはなると思いますが、胸を借りるポジションではあると思っています。3歳と違って古馬は脚質が固まっているぶん、自在に走れていたこれまでとは、レース展開が大きく変わります。苦しい戦いになる可能性もありますが、スピーディがどういう競馬をするか楽しみです。ロジータ記念以上に仕上げているし、普段から右回りの方が素直に手前を替えて、自分の中ではマイルが一番合うと思っています。ファンの皆さんの期待に応えたいです」(藤原智行調教師)。

     3歳馬が優勝した場合は、2014年のノットオーソリティ以来8年ぶり2頭目の快挙。

    ■リネンファッション
    *浦和 川村守男 厩舎 牝5歳
    *成績 27戦4勝2着6回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ダートグレード競走の実績馬で、昨年のJBCレディスクラシック(金沢)が3着、スパーキングレディーCとブリーダーズゴールドCは2着と、力を示してきました。

     今年7月から南関東の一員になり、最近ではレディスプレリュードとクイーン賞で地方馬最先着の5着。

     悲願のタイトル獲得までもう一歩です。

     「逃げなくても、先行してスムーズな競馬ができれば、直線でもうひと伸びしてくれます。自分のペースで走らせてあげたいですね。状態自体は維持できていると思っています。跳びが大きく広く走れたほうがいいので、内回りの1600mより外回りの1800mの方が伸び伸び走れるとは思いますが、地力の高い馬なので、南関東同士のここは頑張って欲しいです」(川村守男調教師)。

    ■セパヌイール
    *大井 森下淳平 厩舎 牝7歳
    *成績 29戦7勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     セパヌイールは目下2連中と勢いは抜群です。半年ぶりの実戦だった前走の東京シンデレラマイルトライアルは、道中好位追走から直線で内から差し切り、1馬身半差の完勝。勝ちタイムは1600m1分40秒6(良)。

     主戦の矢野貴之騎手は「これまでと走りが違って、むちゃくちゃ強かったです。今までは勝負どころでもたついて進んでいかないイメージでしたが、今回は自らハミを取って、どこからでも抜け出せそうな感じでした。直線で差し返す感じも、この馬のすごいところです。この感じだと、牝馬の重賞戦線ならやれると思います」と手応えをつかんだ様子でした。

     7歳にして重賞初挑戦が初制覇となるのか、注目が集まる一戦。

     「レースが上手な馬で、いいポジションが取れて脚をためて、終いは確実に伸びてくれます。競り合った時の根性もありますね。すごくいい感じに仕上げられているので、恥ずかしい競馬にはならないと思っています。楽しみの方が大きいですね」(森下淳平調教師)。

    *東京シンデレラマイルの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第16回 東京シンデレラマイル(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ダノンレジーナ
    浦和12/25重 800m-52.9秒 600m-38.5秒 強めに
    ■スピーディキック
    浦和12/24重 600m-45.0秒 馬なり
    ■リネンファッション
    浦和12/25重 800m-53.6秒 600m-39.7秒 馬なり
    ■セパヌイール
    大井12/25良 800m-51.6秒 600m-37.0秒 強めに
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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第16回 東京シンデレラマイル(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     南関東競馬に所属する3歳以上の牝馬たちによって争われた東京シンデレラマイル(SⅢ)。

     出走13頭中、断然の支持を集めたのは、今年の南関東牝馬2冠馬のスピーディキック(浦和・藤原智行厩舎)。桜花賞、東京プリンセス賞を優勝した後は、関東オークスで地方馬最先着の3着。ひと夏を越した後はさらに強さが増したかのように、戸塚記念は3歳牡馬たちを一蹴。ロジータ記念は3歳牝馬たちを圧倒。

     今回は古馬牝馬たちに初挑戦しましたが、レース後には「強すぎる」という声が至る所から聞こえてきたほどの圧巻の内容。「来年が非常に楽しみですし、交流重賞でも結果を残せる馬に育っていけると思っています」とコンビを組む御神本訓史騎手。

     3歳馬の勝利は、同じ御神本騎手が手綱を取った2014年のノットオーソリティ以来8年ぶり2頭目の快挙でした。

     レースは4頭が横並びの激しい先行争いになる中、スピーディキックは中団を追走。「良いスタートを切ってくれて、道中もリラックスして走っていましたが、古馬との初対戦だったので、この馬のペースと気分を重視しながら乗りました」。

     3コーナーで内から外に持ち出し一気に進出すると、場内からもどよめきが起こりました。直線で先頭に立つと他馬を突き放し、最後は楽な手応えで3馬身半差の完勝。勝ちタイムの1分40秒4(良)は、2011年以降では最速。「思った以上の抜群の切れ味でした」。ホッカイドウ競馬時代も入れると通算8つ目のタイトルを獲得しました。

     2着は後方から追い込んできたトップザビル。そこから1馬身差の3着は中団から脚を伸ばしたセパヌイールでした。

     レース前取材で御神本騎手は「桜花賞で跨っていた時には、成長も含めて完成されているんだろうなと思っていました。自分たちが思っている以上に上積みがあって、ちょっとびっくりしています」とコメント。

     今回もさらにパワーアップしたかのような走りについて「前走からそんなに時間も経っていないので大きく変わったところはありませんが、適性距離もあるのかもしれませんね。このくらい(1600m)がいいのかもしれません」と話していました。

     今後について藤原調教師はJRAにも挑戦したいと答えていました。一般的に牝馬は体調管理が難しいと言われていますが、非常に繊細なタイプというスピーディキックが、これほど長い期間に渡り高いレベルで走り続けるのがどれほどすごいことなのか。元益田競馬場の関係者が手掛けていることでも知られていますが、スピーディキックと描く夢を叶えて欲しいと思います。本当に楽しみな馬が出てきてくれました!



     なお、東京シンデレラマイル史上初の2連覇(2020、21年)を達成しているダノンレジーナ(浦和・小久保智厩舎)は、このレースがラストランとなり、生まれ故郷の白井牧場さんで繁殖生活を送ることになりました。ハナを切って厳しい展開に巻き込まれ9着でしたが、無事に走り抜いたのは何よりです。

     レース後は、ダノンレジーナを囲み、関係者の皆さんと記念撮影が行われました。お疲れ様でした!



    <他陣営のコメント>

    2着 トップザビル 町田直希騎手
    「前が競って速くなりましたが、僕も行く予定でしたが、ゲートでよれたのでゆっくり行こうと切り替えました。最初は砂がダメで上に跳んで嫌がっていましたが、1コーナーに入ってすぐに集中してくれました。向正面で動こうと思ったら、すごく反応が良くてそこがいいところですね。展開も向いて長くいい脚を使ってくれました。ためられれば、もっと切れる感じです。このメンバーとこれだけやれたので楽しみです」

    3着 セパヌイール 矢野貴之騎手
    「理想的な展開でした。前が流れてダノンレジーナの真後ろで理想的でしたが、何と言っても勝った馬の切れ味が想像以上で、勝った馬を褒めるしかありません。他馬の影響でもっとリズム良く運べていれば2着は確保できたかもしれません」

    4着 シゲルルビー 伊藤裕人騎手
    「道中のこの手応えならもうちょっと伸びていいかなって感じはしますが、相手も相手なので、展開一つという感じですね。1200mでも2000mでも、どんな距離でもこなしてくれる馬で、牝馬限定ならそこそこいい競馬をすると思います」

    5着 ロカマドール 山崎誠士騎手
    「展開は向きましたが、もっと上位を目指したかったです。距離は長いと良くないタイプなので、1600mぐらいまでがいいですね」

    6着 レディオスター 木間塚龍馬騎手
    「具合は良かったです。3,4コーナーで手応えはありましたが、もっと我慢ができていれば掲示板はあったと思います」

    7着 カンバンムスメ 岡村健司騎手
    「8歳ですが頑張ってくれました。ペースも向いて、終いはすごく切れました。年齢を重ねるとズブくなる馬が多い中で、返し馬から一生懸命に頑張ってくれて、テン乗りでしたが、いい印象を持ちました」

    8着 ディアリッキー 達城龍次騎手
    「ペースも流れていたので位置取りはいい感じでしたが、3コーナー手前で手応えが怪しくなりました」

    9着 ダノンレジーナ 本橋孝太騎手
    「展開も厳しくなりました。これから第二の馬生を無事に過ごして、長生きして欲しいです。レジーナは僕にとってのシンデレラガールです。最後のゼッケンには『大好き、ありがとう』って書きました。レジーナで経験をさせてもらったことを無駄にしないように、これからも騎乗したいです」

    10着 リネンファッション 張田昂騎手
    「外枠だったので行けませんでしたね」

    11着 マルカンセンサー 仲原大生騎手
    「後方追走で3コーナーから徐々に上がっていって、力もたまっていたぶん、直線は伸びてくれました」

    12着 ジュランビル 西啓太騎手
    「積極的な競馬をして絡まれたぶん、あまりいい形ではありませんでした。次回にはつながると思います」

    13着 モンサンラファータ 和田譲治騎手
    「ペースが速くて最後はバテてしまいました」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    16 令4 スピーディキック 牝3 御神本 訓史
    15 3 ダノンレジーナ 牝5 本橋 孝太
    14 2 ダノンレジーナ 牝4 本橋 孝太
    13 令元 ローレライ 牝5 本田 正重
    12 平30 ラーゴブルー 牝4 御神本 訓史
    11 29 ニシノラピート 牝6 的場 文男
    10 28 トーセンセラヴィ 牝5 森 泰斗
    9 27 ブルーチッパー 牝5 森 泰斗
    8 26 ノットオーソリティ 牝3 御神本 訓史
    7 25 ビタースウィート 牝6 佐藤 博紀
    6 24 ミヤサンキューティ 牝4 真島 大輔
    5 23 テイエムヨカドー 牝7 山田 信大
    4 22 ザッハーマイン 牝5 的場 文男
    3 21 パノラマビューティ 牝7 張田 京
    2 20 ミスジョーカー 牝5 本橋 孝太
    1 19 ベルモントノーヴァ 牝6 石崎 駿