重賞レース

第29回 マイルグランプリ(SII)

  • 2022年7月27日(水)
  • 20:10発走
第29回優勝馬:ゴールドホイヤー号

スピードと持久力のバランスが試される1マイル(1,600m)戦で、過去の優勝馬には昨年地方所属馬として初めてJBCクラシックを制したミューチャリーをはじめ、南関東を代表する数多くの実力馬が名を連ねています。
<上位2頭に日本テレビ盃の優先出走権を付与>

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    <第29回 マイルグランプリ(SII)>
    (7月20日現在)

    グレンツェント
    前走のマイルグランプリトライアルは直線抜け出し、後続に4馬身差をつける圧勝で、勝ちタイムも1分38秒1(良)。大井初勝利をして勢いにのる元気な9歳馬。

    コズミックフォース
    日本ダービー0.2秒差の3着。南関東に移籍し、昨年の勝島王冠は3連勝で重賞初制覇を飾りました。近走はもう少しも、負けなしのコースで巻き返しを図ります。

    スマイルウィ
    前走の京成盃グランドマイラーズはそうそうたるメンバーを抑え、3連勝で重賞初制覇!今回は4か月ぶりの実戦で、大井内回りコースは鍵を握ります。

    タイムフライヤー
    ホープフルSとエルムSの勝ち、今年のフェブラリーSは勝ち馬から0.7秒差の5着。実績抜群の1頭が、南関東へ移籍し3戦目でどんな走りを見せるでしょうか!

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    <第29回 マイルグランプリ(SII)>

    (7月25日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■スマイルウィ
    *船橋 張田京 厩舎 牡5歳
    *成績 21戦11勝2着3回
    *重賞タイトル
     京成盃グランドマイラーズ(SII)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     スマイルウィの前走は3月24日に船橋競馬場で実施した京成盃グランドマイラーズ。素質の高さに定評はありながらも、体の緩さや体質の弱さなどでゆっくり育てられてきた馬で、重賞は2度目の挑戦で古馬になってからは初。

     そんな浅いキャリアの中、道中は2番手につけるスピードを見せ、直線で先頭へ立つとそのまま押し切り、カジノフォンテンやモジアナフレイバー、ギガキング、グレンツェントなどの強豪たちを抑え、重賞初勝利を飾りました。

     考えていた以上の強さだったことを陣営も振り返っています。一戦ごとに強くなっている印象です。

     その後は5月18日の川崎マイラーズも選択肢には入っていたそうですが自重。このマイルグランプリに向けてじっくりと調教を重ねてきたそうです。

     張田京調教師は「納得のいく状態で出走させたかったので川崎は自重しましたが、間隔は空いてもずっと乗り込んできているので、ここも京成盃グランドマイラーズとは変わらずにいい状態で出走できます。

     右回りコースは初めてですが、普段の調教や追い切りでも右回りの時はうるさいくらい気合が良くて、一度使ってみたかったです。体が大きくても器用な馬なので、内回りコースは問題ないと思っています」とコメント。

     なお、調教パートナーは庄司大輔騎手。上山時代にミツアキタービンなどに騎乗していたことでも知られています。「(スマイルウィは)言葉で伝えるのは難しいですが、若い騎手たちに教える時、『競走馬のお手本のような馬』であることを自信を持って言える馬ですね」と話しています。

     スマイルウィは芳住鉄兵さん(新冠)の生産馬で、地方競馬の総大将ミューチャリーの牧場の後輩です。偉大な牧場の先輩に近づけるように、スマイルウィもまずは2つ目のタイトル獲得を目指します。

    ■グレンツェント
    *大井 藤田輝信 厩舎 牡9歳
    *成績 42戦11勝2着7回
    *重賞タイトル
     スパーキングサマーカップ(SIII)(2020)
     川崎マイラーズ(SIII)(2020)
     東海テレビ杯東海S(GII)(2017)
     レパードS(GIII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     グレンツェントは中央時代に2つのタイトルを獲得している実力馬。2019年10月から大井・藤田輝信厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームでトレーニングを積み、2020年の川崎マイラーズとスパーキングサマーカップを制覇。

     川崎マイルを中心に好成績を残してきた馬ですが、前走の大井競馬場で実施したマイルグランプリトライアルを完勝して、大井初勝利。本田正重騎手を背に、道中4番手付近を追走し、4コーナーで外に持ち出すと直線で抜け出し、最後は後続に4馬身差をつけました。勝ちタイムも1600m1分38秒1(良)。

     「今日は理想的なポジションに行けました。前はかなり引っかかっていましたが、今はいい意味でズブさが出て折り合いもつくようになりました。この勝ちっぷりならこれからも楽しみです」(本田騎手)。

     2歳からデビューし9歳になっても進化を遂げているかのような走り。今度は大井競馬場の重賞の舞台でどんな走りをするのか興味深いです。

     「前走は時計が優秀でしたよね。夏に強いのか、9歳という年齢を感じさせないくらい元気いっぱいです。中間も順調でマイル戦もいいので期待しています」(藤田調教師)。

     さらに、藤田厩舎からは大井コースに戻って楽しみなコズミックフォースと中央からの移籍初戦となるアヴァンティストも出走します。

    ■タイムフライヤー
    *大井 村上頼章 厩舎 牡7歳
    *成績 32戦5勝2着3回
    *重賞タイトル
     エルムS(GIII)(2020)
     ホープフルS(GI)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     タイムフライヤーは中央の芝のG1を制し、ダート重賞も制している実績馬。今年のフェブラリーSは優勝したカフェファラオから0.7秒差の5着でした。南関東移籍以降、前走の大井記念では抜群の手応えで進出するも直線では伸び切れずに4着。

     現在は村上頼章厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで調整を行っています。「仕上がりは上々です。大井記念を見ても軽い馬場の方が合っていると思います。フェブラリーS5着だし、距離短縮は良いと思うので期待しています」(村上調教師)。

     この馬とコンビを組み3戦目になる森泰斗騎手にもお話しを伺いました。

     「前走のレース運びはかなりうまくいったと思うので、あの手応えで伸び切れないのは……。マイルになって距離替わりは感触的にプラスだと思いますが、これまで乗っていた騎手たちとも話しをさせてもらって、ちょっと気持ちが切れちゃうところがあるみたいです。集中して気持ちを切らさないように乗らなくてはいけないなと思っています。まだ探っている段階ですね。

     乗り味はすばらしいです。軽い走りをして持久力より瞬発力タイプなので、軽い馬場の方がいいですし、何なら雨がいっぱい降ってもいいとも思います」(森騎手)。

    ■リンゾウチャネル
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡6歳
    *成績 33戦11勝2着7回
    *重賞タイトル
     楠賞(2019)
     王冠賞(H2)(2019)
     北海優駿(H1)(2019)
     北斗盃(H2)(2019)
     ジュニアグランプリ(M1)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     大井・荒山勝徳厩舎<小林>は4頭出しです。前走のマイルグランプリトライアル2着のリコーシーウルフ。昨年のサンタアニタトロフィー3着のハルディネロ、2年前のサンタアニタトロフィー3着コパノジャッキー。

     そして、ホッカイドウ競馬三冠馬でNARグランプリ3歳最優秀牡馬(ホッカイドウ競馬所属時代)を受賞している実力馬リンゾウチャネルです。

     ここではリンゾウチャネルをクローズアップさせて頂くと、2走前のフジノウェーブ記念は久しぶりの1400m戦でしたが、圧勝したルーチェドーロから1.4秒差の4着。騎乗した笹川翼騎手は「上手に走れていたし、1400mからマイルの適性は感じました」とコメント。

     今回は約4か月の休み明け初戦です。

     「疲れが出たので放牧休養に出しましたが、思っていたよりも疲れはなく、いい意味でリフレッシュはできました。追い切りの動きも良かったです。マイル戦を使ってみたいということは笹川騎手も言っていて、力のある馬なのでどのくらいやれるか楽しみですね。1頭になると遊んでしまうところがあるので、仕掛けのタイミングは鍵になると思います」(荒山調教師)。

    ■アディラート
    *大井 森下淳平 厩舎 牡8歳
    *成績 47戦6勝2着6回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代にリステッド競走など6勝をあげ、ゴドルフィンマイル(3着)にも挑戦。

     大井の森下淳平厩舎に移籍したのは、前走のマイルグランプリトライアルからで、真島大輔騎手を背に5着でした。スタート直後に挟まれる不利もあり、道中は中団追走から脚を伸ばす内容。

     馬体重も+12キロで過去最高体重の520キロでの出走。「前走はスタートの不利もありましたが、仕上がり途上の部分もあったので、及第点の走りはしてくれたと思います」と森下調教師は振り返っていました。

     一度使い、今回はどんな一面を見せてくれるでしょうか。

     「乗り込んできて力は出せる状態で、体重も絞れて反応も良くなり上積みはあります。(仕上がってきていい所は?)背中が柔らかく体も大きく使えて、フットワークの素軽い馬です。まだ腰は緩めですが前走よりしっかりしてきました。現状でどのくらいやれるか見てみたいです」(森下調教師)。

    *マイルグランプリの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第29回 マイルグランプリ(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■スマイルウィ
    船橋7/22良 1000m-62.2秒 800m-48.4秒 600m-36.2秒 G前強
    ■グレンツェント
    牧場7/23坂路 600m-38.1秒 200m-12.3秒 馬なり
    ■タイムフライヤー
    牧場7/23坂路 600m-37.9秒 200m-12.2秒 馬なり
    ■リンゾウチャネル
    小林7/22良 1000m-62.7秒 800m-48.4秒 600m-36.2秒 馬なり
    ■アディラート
    大井7/23良 1000m-67.0秒 800m-51.6秒 600m-36.4秒 強めに
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第29回 マイルグランプリ(SII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     29回目を迎えたマイルグランプリは、南関東競馬の名馬たちが優勝馬として名を連ね、この10年だけでも、ダートグレード競走を制しているセイントメモリーやソルテ、ミューチャリー、もう一歩のところまできているティーズダンクなど、実力馬たちが先頭で駆け抜けています。

     今年は出走12頭中5頭が単勝オッズ10倍以下で、前走のトライアルを圧勝し9歳で初めて大井コースを制した、重賞4勝馬グレンツェントが3.7倍の1番人気。以下、タイムフライヤー、スマイルウィ、リコーシーウルフ、ゴールドホイヤーが続きました。

     そんな混戦ムードを断ち切ったのは、山崎誠士騎手が騎乗したゴールドホイヤー(川崎・岩本洋厩舎)。2020年の雲取賞を皮切りに、南関東一冠目の羽田盃、翌年も報知グランプリカップで古馬重賞制覇。それ以降、勝ち星から遠ざかりましたが、1年5か月ぶりのうれしい勝利になりました。

     レースは、リコーシーウルフが逃げ、2番手にスマイルウィ。外の3番手にはゴールドホイヤーで、最近は中団・後方からの競馬が続きましたが、久しぶりに好位から。

     「羽田盃の頃のような行きっぷりの良さが戻ってきました。報知グランプリカップも勝ちましたが、どちらかと言うと気持ちが後ろ向きというか走りたくない方に向いていたと思います。今日はパドックや返し馬での変化は感じませんでしたが、ゲートを出てからスーッとあの位置につけられたので、いつもより気持ちが前向きでした。勝つならこういう競馬しかないと思っていたので、あの位置につけられたのは大きいです」。

     馬群は固まり加減で、3コーナー付近からスマイルウィが先頭に変わるとゴールドホイヤーも並びかけていき、直線では2頭の競り合い。100m付近からはゴールドホイヤーが抜け出し、そのまま力強く先頭でゴールしました。2着のスマイルウィに1馬身差。3着は1馬身半差で、中団から脚を伸ばしてきたタイムフライヤー。

     勝ちタイムは1600m1分38秒2(重)。最近のマイルグランプリは39秒台40秒台での決着が続いている中、2006年のアジュディミツオーが1分37秒2でコースレコードを出して以来の速いタイムでの決着。

     「ペース自体は遅かったので(スマイルウィと)一緒についていこうと、馬の気持ちが途切れなければ力は出せるなと思いました。相手も地力があるので勝てなくてもおかしくない感じでしたが、最近は差す競馬をしてきたので、その経験も生きたと思います。頭が良くて、そんなに大きくありませんが走りのバランスが良くて体感がしっかりしている馬です」。

     南関東競馬の重賞戦線はJRAからの移籍馬の活躍も目立ちますが、前日に船橋競馬場で実施した習志野きらっとスプリントは、大井生え抜きのギシギシが重賞初制覇を飾り、マイルグランプリでは川崎生え抜きの羽田盃馬ゴールドホイヤーが優勝。

     岩本洋調教師のお話しでは、この3走は調教での反応も良く気合も乗ってきて、コンディションは上昇していたそうです。所属の古岡勇樹騎手が調教パートナーとして毎朝調教に乗り、調教が難しいゴールドホイヤーをしっかり御してくれていると、愛弟子の日々の仕事ぶりも称えていました。

     クラシックホースの復活は明るい話題。若馬の頃から能力はピカイチと言われていた馬が目覚めたことで、更なる活躍を期待しています。



    <他陣営のコメント>

    2着 スマイルウィ 張田昂騎手
    「体重は減っていましたが、状態はすごく良かったです。ペースが遅くて、イメージと違ってもっと行く馬がいると思っていたのでラッキーと思いましたが……。初斤量・初コースでよく頑張ってくれました」

    3着 タイムフライヤー 森泰斗騎手
    「今日はゲートでうるさくなり出遅れたので、スタートが全てです。前が楽な競馬になったし、内枠で動くに動けない形になってもったいなかったです。地方のダートにもだいぶ馴染んできたし、すぐにチャンスがある馬だと思いますよ。雨が降ってビチャビチャの馬場はさらにいいです。1400mから1600mくらいの距離はいいし、1800mくらいまでが許容範囲内だと思います」

    4着 グレンツェント 本田正重騎手
    「ペースが遅いと思ってポジションを取りにいきましたが、最後は甘くなってしまいました。内枠で脚をためるのが理想ですね。それにしても、もっと走れると思いましたが……」

    5着 コズミックフォース 石崎駿騎手
    「いい馬ですね。勝ってもおかしくない力のある馬です。スムーズに行かなかったのと、枠順の差で切り替えしてから行かなきゃいけないので、勝った馬にいい所に行かれてしまいました。マイルも問題はありません」

    6着 アヴァンティスト 藤田輝信調教師
    「考えていたよりもペースが遅くなったので、前に行けていればとも思いますが、砂をかぶるような展開になっても終いは走ってこれたので、移籍初戦としては頑張れたかなと思います」

    7着 コパノジャッキー 今野忠成騎手
    「ペースが違うからか、重賞になると見えない壁があるのかはわからないですが、いつもの重賞の走りでした……」

    8着 リンゾウチャネル 笹川翼騎手
    「ちょっとタイミングが合わなくて出遅れました。重賞でもやれる力はあると思います」

    9着 アディラート 真島大輔騎手
    「スタートはすごく良かったですが、その後に挟まれてからリズムが悪くなってしまいました」

    10着 クロスケ 達城龍次騎手
    「1コーナーでごちゃついた時に控える形になってしまい、もっと中団くらいにつけたかったですが……」

    11着 ハルディネロ 藤田凌騎手
    「休み明けだったので行きっぷりがもう少しでした」

    12着 リコーシーウルフ 和田譲治騎手
    「スタートが良くてハナに行きましたが、このクラスになると、ペースの違いでいっぱいになってしまいました」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    29 令4 ゴールドホイヤー 牡5 山崎 誠士
    28 3 ティーズダンク 牡4 矢野 貴之
    27 2 ミューチャリー 牡4 御神本 訓史
    26 令元 ワークアンドラブ 牡4 笹川 翼
    25 平30 クリスタルシルバー 牡3 岡部 誠
    24 29 セイスコーピオン 牡7 赤岡 修次
    23 28 セイスコーピオン 牡6 森 泰斗
    22 27 ソルテ 牡5 吉原 寛人
    21 26 セイントメモリー 牡7 本橋 孝太
    20 25 トーセンアドミラル 牡6 川島 正太郎
    19 24 ピエールタイガー 牡4 真島 大輔
    18 23 ボク 牡6 A.ムンロ
    17 23 中止 -- ------
    16 22 クレイアートビュン 牡6 的場 文男
    15 21 ロイヤルボス 牡5 張田 京
    14 20 デスモゾーム 牡4 真島 大輔
    13 19 フジノウェーブ 牡5 御神本 訓史
    12 18 アジュディミツオー 牡5 内田 博幸
    11 17 ナイキアディライト 牡5 石崎 駿
    10 16 ブラウンシャトレー 牡7 張田 京
    9 15 ベルモントアクター 牡7 石崎 隆之
    8 14 フレアリングマズル 牡4 的場 文男
    7 13 アローセプテンバー 牡6 張田 京
    6 12 インテリパワー 牡5 張田 京
    5 11 ゴールドヘッド 牡4 的場 文男
    4 10 アブクマポーロ 牡6 石崎 隆之
    3 9 コンサートボーイ 牡5 内田 博幸
    2 8 コンサートボーイ 牡4 石崎 隆之
    1 7 アマゾンオペラ 牡4 石崎 隆之