重賞レース

第12回 優駿スプリント(SII)

  • 2022年6月28日(火)
  • 20:10発走
第12回優勝馬:プライルード号

3歳限定のスプリント重賞として2011年に新設されました。古馬の短距離路線の充実により、早い段階から短距離のスペシャリストを目指す若駒たちがしのぎを削るレースです。
<優勝馬に習志野きらっとスプリント、上位2頭にアフター5スター賞の優先出走権を付与>

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    <第12回 優駿スプリント(SII)>
    (6月21日現在)

    スティールルージュ
    北海道と南関東で重賞4勝、1000m戦から1600m戦と幅広い距離で活躍中です。前走の若潮スプリントは3コーナーで先頭に立つと後続を4馬身引き離し完勝しました。

    ティアラフォーカス
    1200m戦に距離転向後は負けなしの4連勝。前走の優駿スプリントトライアルはスピードを生かして逃げ切り勝ちを収め、1分11秒8(やや重)と好時計をマーク。

    フィリオデルソル
    北海道では1200m戦で2連勝。南関東に移籍以降もう少しの成績でしたが、前走の優駿スプリントトライアルでは先行して2着に入り好走したばかり。

    ミゲル
    ニューイヤーカップ優勝馬で、今年のクラシック戦線に出走。去年の優勝馬ワールドリングも距離短縮が功を奏しましたがミゲルも続くことはできるでしょうか。

    ママママカロニ
    昨年のゴールドジュニアの勝ち馬。膝の骨折で休養に入りましたが、前走の優駿スプリントトライアルから復帰し5着。一度使いどんな変わり身を見せるか楽しみです。

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    <第12回 優駿スプリント(SII)>

    (6月27日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■スティールルージュ
    *船橋 張田京 厩舎 牝3歳
    *成績 12戦6勝2着2回
    *重賞タイトル
     若潮スプリント(SIII)(2022)
     ユングフラウ賞(SII)(2022)
     ローレル賞(SII)(2021)
     フルールカップ(H3)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビュー地ホッカイドウ競馬の成績も入れると、1000mから1600mまでの重賞勝ち数は4勝。前走の若潮スプリントは、本橋孝太騎手が初騎乗し、3コーナーで先頭に立つとリードを広げ、2着のスタースタイルに4馬身差をつける完勝でした。

     「スタートはちょっとタイミングが合わなくて出遅れ気味になりましたが、スピードにカバーしてもらってあの位置を取れました。強気に乗りましたが最後までしっかり伸びてくれて底力を感じます。牝馬なんですけどカリカリすることなくすごく落ち着いた面としっかりスイッチが入る面と両方を持っていて、競走馬に適した性格の馬ですね」(本橋騎手)。*今回は張田昂騎手騎乗。

     この優駿スプリントは出走組では実績ナンバー1ですが、3歳牝馬が斤量57キロというのが最大の鍵。

     「こればかりはやってみないとわからないです。状態は変わらず維持できているし、牝馬でもずっとコンディションは変わらないです。レース後の口取りでもケロッとしているし、心臓はかなりいいと思います。気になることは他にないので、まずは斤量ですね」(張田京調教師)。

    ■ティアラフォーカス
    *大井 宗形竹見 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦4勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューから4戦は1600mで走り惜しくも未勝利でしたが、1200mに転向後は4戦4勝と負けなしです。前走の優駿スプリントトライアルは二の脚速くハナに立つと後続の追撃を振り切り、2着のフィリオデルソルに1馬身4分の3差をつけ、勝ちタイムが1200m1分11秒8(やや重)。

     コンビを組む和田譲治騎手は「いいところにつけられるし追ってからの反応もいいです。前走砂をかぶりましたが対応もできます。重賞でもかなり楽しみですね」と話しをしていました。

     1200mは全勝。逃げても差しても、良馬場でもやや重でも不良馬場でも、どんな条件でも結果を出してきました。一線級と初対戦とは言え、ここまでの勝ちっぷりからも非常に期待の高い1頭で、5連勝目を重賞初舞台で決めることはできるでしょうか。

     「元々の走る素質はあった馬ですが、1600mでは集中力が持続できず、1200mに切り替えて連勝してくれています。スピード、パワーがあって、世代のトップクラスの力はあると思っています。

     前はソエなど弱いところがあって攻め切れませんでしたが、ここにきて調教でも攻められて今までで一番いい状態だと思います。ハナにはこだわらず枠やメンバー次第で。ここは勝って次に進みたいですね」(宗形竹見調教師)。

    ■フィリオデルソル
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡3歳
    *成績 6戦2勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ホッカイドウ競馬時代に1200mで2戦2勝。南関東移籍以降は距離を延ばして戦ってきましたがもう一歩。

     前走の優駿スプリントトライアルは南関東では初めて1200mに出走し、好スタートを決め道中は2番手から進めていくと最後まで食らいつき、今回の優勝候補でもあるティアラフォーカスに1馬身4分の3差まで詰め寄りました。タイムは1200m1分12秒1(やや重)。

     騎乗した笹川翼騎手は「力があるのはわかっていましたが、(コンビを組んでから)一度も力を発揮できなくてもどかしい競馬が続いていました。1200mはこの馬に明らかに良かったですし、最後も勝ち馬に迫ったいい競馬でした。次も強い馬がいるので甘くはないですが、ノーチャンスではないと思います」と話していました。

     この時は久しぶりの1200mに戸惑いもあったそうで、今回2回続けて使えるのはプラスでしょう。

     「前回と相手は変わりますが、いい状態だし短い距離ならいいところを見せて欲しいです。競馬の中でガ~ッと行ってしまうのとフワッとするのとオンオフがあって難しい馬ではあるので、集中して最後まで走り切って欲しいと思います」(荒山勝徳調教師)。

    ■プライルード
    *大井 藤田輝信 厩舎 牡3歳
    *成績 7戦1勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ここまで重賞勝ちはありませんが、デビュー地のホッカイドウ競馬や移籍後の南関東でも重賞戦線で好走してきた実力馬。全日本2歳優駿と兵庫ジュニアグランプリはいずれも3着で、全国区の力があることは示しています。

     休み明けだった1700mの京浜盃でも優勝したシャルフジンから0.8秒差の4着になったことで、その後は羽田盃にも出走しましたが13着。

     コンビを組んだ本田正重騎手は「3~4コーナーの反応はとても良くて一瞬は伸びましたがすぐに止まってしまいました。距離はもっと短い方がいいし、能力は高い馬です」とコメントしていました。

     レース後は引き続き藤田厩舎の外厩馬として茨城県のミッドウェイファームでトレーニングを続けてきたそうです。

     「京浜盃でも頑張ってはくれましたが、羽田盃の走りで短距離にするきっかけになりました。スピードは天性のものがあるし、体もムキッとして、1400mでも前に壁を作った方がいい前向きな馬です。どんな競馬でもできると思うので出たなりで競馬をさせたいですね。あっさり結果を出してもおかしくない実力はあると思います」(藤田調教師)。

     去年の優駿スプリントの勝ち馬はワールドリング。素質の高さでクラシック戦線に挑戦してきましたが、ここから短距離戦にシフトしました。全国区の実力を見せてきたプライルードが、どんな変わり身を見せるのか楽しみです。

    *優駿スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第12回 優駿スプリント(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■スティールルージュ
    船橋6/24右稍 1000m-66.2秒 800m-50.1秒 600m-37.5秒 一杯追
    ■ティアラフォーカス
    大井6/23良 800m-51.2秒 600m-36.7秒 馬なり
    ■フィリオデルソル
    小林6/24良 1000m-67.1秒 800m-50.8秒 600m-36.7秒 馬なり
    ■プライルード
    牧場6/23坂路 600m-37.7秒 200m-12.0秒 強めに
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第12回 優駿スプリント(SII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     南関東競馬3歳馬短距離王決定戦、優駿スプリント(SⅡ)。勝ち馬たちが母となり父となり、産駒たちに自身のスピード能力を伝えています。

     母となった第1回の覇者ミヤサンキューティは、娘ケウが今年のル・プランタン賞(佐賀)を制して重賞ウイナーになり、第2回優勝馬ゴールドキャヴィアは昨年の若潮スプリントで息子ファイナルキングが重賞初制覇。第5覇者のルックスザットキルは父になり、今年産駒初勝利をあげました。

     2011年から始まりまだ歴史の浅いレースですが、年数を重ねていくことで、こういう楽しみ方もできましたね。

     さて、今年の優駿スプリントもスピード自慢たち16頭が集結。優駿スプリントトライアルを快勝して1200m4連勝中のティアラフォーカスが単勝オッズ2.1倍の断然の1番人気。

     さらに単勝10倍以下には、ダートグレード競走でも好走してきたプライルード、牝馬で57キロと過酷な条件の中でも重賞4勝と実績ナンバー1のスティールルージュ、優駿スプリントトライアル2着のフィリオデルソルが続きました。

     今年は、本田正重騎手が手綱を取った2番人気プライルード(大井・藤田輝信厩舎)が重賞初制覇を飾りました。全日本2歳優駿と兵庫ジュニアグランプリ3着の実績馬で、一時はクラシック路線を目指し能力の高さで距離延長にも挑戦しましたが、今回から短距離戦にシフト。「跳びがピッチ走法だし、短距離は合います」(本田騎手)。

     昨年の覇者ワールドリングも、クラシック路線挑戦後に本来の持ち味が発揮できると言われていた短距離戦に転向し、見事重賞初制覇を飾ったことは記憶に新しいところ。今年もそんなクラシック出走組が勝利を飾ることになりました。

     レースは、ティアラフォーカスとメンタイマヨが出遅れる形で始まり、プライルードは8枠16番から好スタートを決め、外の3番手を追走。3~4コーナーから進出し、4コーナーでは逃げていたスタースタイルに並びかけて先頭へ。

     「急に1200mに変わるのはどうかなと思いましたが、気性が良くてとても前向きな馬なので問題はありませんでした。終始手応えは良くて3コーナーまでの進み具合も抜群で、(フィリオデルソルが)いないなと思って乗っていましたが、途中から外に見えたので自分も上がっていった感じです。

     早く動いたぶんとまるかもしれないので早めには抜け出したくないなと思っていましたが、だいたいは勝てるなという手応えでした」(本田騎手)。

     最後はプライルードが後続を引き離し、2着のエスポワールガイに2馬身差をつける快勝で、勝ちタイムは1分11秒9(良)。3着は半馬身差でフィリオデルソル。1番人気のティアラフォーカスはスタートで遅れたことが響き8着に終わりました。

     プライルードはホッカイドウ競馬デビュー馬で、昨年11月から藤田厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームでトレーニングを積んできました。ダートグレード競走でも好走してきた地力の高さを見せつけた形で、1600m以下のレースは強い相手と戦いながらも全て3着以内。「スタートが速いし砂をかぶっても大丈夫で、体もひと回り大きくなった感じがします。走る馬なのでこれからが楽しみです」。

     デビュー時からこの1年で約30キロも体重が増えている成長著しい3歳馬。レース直後の段階では次走は未定とのことでしたが、今後の短距離戦線での期待がふくらみます。



    <他陣営のコメント>

    2着 エスポワールガイ 岡村健司騎手
    「ゲートの出は良かったです。前がもっとやり合うかと思っていましたがペースも落ち着いたので、思っていたよりも折り合いに欠きました。相手なりにはよく頑張っていますが惜しかったです」

    3着 フィリオデルソル 笹川翼騎手
    「大井1200mが2回目で経験不足のぶんテンについていけませんでしたが、最後までファイトしてやめていないし、競馬内容は良かったです。力がある馬なのでこれから楽しみです。まだメンコも取っていないので、反応はもうひとつありそうな気がします」

    4着 ミゲル 西啓太騎手
    「短いところの瞬発力勝負はいいですね。急に1200mでしたが戸惑わずにうまく対応してくれて、道中もいい感じでたまったので直線でもいい反応をしてくれました。頑張ってくれたと思います」

    5着 カプティフ 藤本現暉騎手
    「展開が向いてこそという感じはあります。先々1600mくらいでも良さそうですよ。現状でひと脚は使ってくれます」

    6着 トップアメリカン 御神本訓史騎手
    「砂をかぶってフワフワしても、最後には来るので成長はしているかなと思います」

    7着 スタースタイル 森泰斗騎手
    「今日はかなり入れ込んでいました。普通だったらもっといい勝負はしたと思いますが……」

    8着 ティアラフォーカス 和田譲治騎手(1番人気)
    「ゲートでガタガタしてしまい、出遅れが全てです」

    9着 ヒストリックノヴァ 矢野貴之騎手
    「砂をかぶってひるむのと、1200mは微妙に忙しかったです。最後はつめてきているので1400mくらいがベストなのかなとは思います。寒い時期より今の方が(体の)柔軟性は出てきました」

    10着 スティールルージュ 張田昂騎手
    「この斤量(57キロ)で、牡馬が相手では……」

    11着 エミーブレイズ 的場文男騎手
    「牡馬を相手に頑張っています。3歳牝馬同士ならもっとやれたと思いますが、1200mは忙しいですね」

    12着 クラサーベル 篠谷葵騎手
    「最後方からの競馬は初めてだったようですが、いい脚は使って頑張ってくれました」

    13着 ポッドヘイロー 今野忠成騎手
    「イメージしていた位置でレースはできましたが、キャリアの差ですね」

    14着 メンタイマヨ 山崎誠士騎手
    「スタートが全てです。尾持ちをしても、前回と同じようなスタートで遅れました。1200mも右回りも問題はないので、もっと走れると思いましたが……」

    15着 ブエラプーラ 町田直希騎手
    「追走一杯でしたね。重賞級のペースとスピードについていけませんでした」

    16着 ジョーストーリー 本橋孝太騎手
    「休み明けのぶんで、とまりすぎましたね」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    12 令4 プライルード 牡3 本田 正重
    11 3 ワールドリング 牡3 張田 昂
    10 2 カプリフレイバー 牡3 繁田 健一
    9 令元 ナガタブラック 牡3 伊藤 裕人
    8 平30 クルセイズスピリツ 牡3 西 啓太
    7 29 バンドオンザラン 牡3 赤岡 修次
    6 28 エイシンヒート 牡3 矢野 貴之
    5 27 ルックスザットキル 牡3 早田 功駿
    4 26 アピア 牡3 御神本 訓史
    3 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士
    2 24 ゴールドキャヴィア 牝3 御神本 訓史
    1 23 ミヤサンキューティ 牝3 真島 大輔