重賞レース

第33回 東京スプリント(JpnIII)

  • 2022年4月20日(水)
  • 20:10発走
第33回優勝馬:シャマル号

秋の東京盃(JpnII)と並ぶ1,200mの交流競走です。前身の東京シティ盃から2009年に名称変更とともに、ダートグレード競走へ格上げされました。南関東勢は昨年まで4年連続で連対を果たしています。
<上位2頭(地方所属馬に限る)にかしわ記念、上位2頭以内の南関東所属最先着馬1頭にさきたま杯の優先出走権を付与>

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    <第33回 東京スプリント(JpnIII)>
    (4月12日現在)

    スマートダンディー
    重賞勝ちはありませんがキャリア豊富な8歳馬。現在はオープン特別とリステッド競走をいずれも末脚を生かす内容で連勝中。出走してくれば、地方コース初登場。

    ピンシャン
    未勝利戦を勝ち上がってからの勝ち星は全て逃げ切り。昨年はBCダートマイル7着で、帰国後のリステッド競走で優勝。大井は初出走になり、重賞初制覇を狙います。

    リュウノユキナ
    昨年の東京スプリントは不良馬場の中、4番手から直線で先頭に立って押し切り、重賞初制覇を飾りました。それ以降もこの路線のトップクラスで走り続けています。

    ルーチェドーロ
    中央時代は全日本2歳優駿3着や端午S優勝。南関東移籍2戦目だった前走フジノウェーブ記念は2番手からの競馬で圧勝。スケールの大きな走りに期待が高まります。

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    <第33回 東京スプリント(JpnIII)>

    (4月18日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■ルーチェドーロ
    *川崎 池田孝 厩舎 牡4歳
    *成績 11戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     フジノウェーブ記念(SIII)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央競馬からデビューし、2歳新馬戦優勝後、重賞初挑戦した函館2歳Sはタイム差なしの2着、全日本2歳優駿は優勝したアランバローズの3着。1800m戦のJBC2歳優駿で10着に敗れた以外は全て4着以内という成績を残してきました。

     前走のフジノウェーブ記念は南関東移籍2戦目。御神本訓史騎手が初騎乗し、好スタートを決め道中は外の2番手。3~4コーナーで先頭へ並びかけ、ゴール200m手前で単独先頭に立つと、力の違いを見せつけるかのように、楽な手応えで後続を引き離していきました。勝ちタイムは1400m1分24秒1(良)で、レースレコード!

     御神本騎手は、「力があって頭もいいし、時計の裏付けが大きいです。道中も無理をして走っていないので時計は遅いだろうなと思っていましたが、それであの時計が出たので驚きました。まだ4歳で馬も若くて体の改善の余地もあって、未完成な部分が多いところも含めて期待しかないです」と、いつもは控えめなコメントを出しますが、かなり手応えをつかんだ様子でした。

     これが11戦目というキャリアの浅い4歳馬が、南関東の古馬たちを一蹴。今度は中央馬への挑戦が迫ってきました。スケールの大きな走りで、次はどんな競馬を見せるのか非常に楽しみです。

     「最初からスイッチの入れ方が難しい馬とは聞いていましたが、御神本くんとの相性もピッタリで、あんなに気持ちのいいレースをするとは思わなかったです。あれだけのレースをした後も疲労はさほどでもなかったので、まだ全力ではなかったのかもしれません。中央馬が入ってもそん色はないと思って送り出します」(池田孝調教師)。

    ■ワールドリング
    *船橋 張田京 厩舎 牡4歳
    *成績 16戦5勝2着1回
    *重賞タイトル
     アフター5スター賞(SIII)(2021)
     優駿スプリント(SII)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東生え抜き馬。能力の高さで距離をこなしてクラシック戦線に出走しましたが、東京ダービー(8着)後は短距離戦線にシフト。初めての1200m戦で戸惑いながらだったという優駿スプリントを完勝し、続くアフター5スター賞は初の古馬戦でしたが一蹴し、8年振りに3歳馬が勝利を飾りました。

     初のダートグレード競走だった東京盃は中団からの競馬で最後まで先輩たちに食らいつき、優勝したサクセスエナジーから0.6秒差の5着。タイムも1200m1分10秒9(やや重)で駆け、これまでの自身の持ち時計をグッと短縮しました。

     約4か月の休養明けだった前走のフジノウェーブ記念はこの馬らしさが見られず11着に敗れ、レースに行くと動きも本物ではない重さがあったそうで、変わり身に期待。

     「今回は一度使った分の心臓もできているし上積みはあります。去年の競馬を見ても、中央馬とやれる力はそれなりに持っていると思っています」(張田京調教師)。

    ■カプリフレイバー
    *船橋 稲益貴弘 厩舎 牡5歳
    *成績 14戦7勝2着2回
    *重賞タイトル
     川崎スパーキングスプリント(SIII)(2021)
     優駿スプリント(SII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東生え抜き馬。当初から短距離戦線を中心に使い続け、一昨年の優駿スプリントを優勝して重賞ウイナーの仲間入りをすると、昨年の川崎スパーキングスプリント(900m戦)も圧勝し、短距離はお手の物。

     前走の船橋記念(1000m)は道中3番手の外を進めていくも、最後は直線で先頭に立ったキモンルビーを惜しくも交わせず2着に敗れましたが、4キロ差(カプリフレイバーは57.5キロ)があったことを考慮しても、改めて力のあるところは見せました。

     それ以降は放牧休養に出して3月上旬に帰厩。牧場で数日ゆっくりした後に乗り始め、ここに向けてきたそうです。ダートグレード競走は2年前の東京盃(8着)以来。

     「あの頃に比べればトモもしっかりして完成してきたと思います。久しぶりの1200m戦なので対応して欲しいなというのはありますね。3歳の頃は跳ね返されましたが、力をつけた所を見せたいです」(稲益貴弘調教師)。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■サクセスエナジー
    *JRA 北出成人 厩舎 牡8歳
    *成績 40戦13勝2着5回
    *重賞タイトル
     東京盃(JpnII)(2021)
     兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII)(2020)
     テレ玉杯オーバルスプリント(JpnIII)(2020)
     黒船賞(JpnIII)(2019)
     さきたま杯(JpnII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     長きに渡ってダートグレード競走短距離戦で走り続けている8歳馬。昨年の東京盃は外の3番手付近から差し切り勝ちを収めるなど通算重賞6勝。この最内枠は鍵。

    ■シャマル
    *JRA 松下武士 厩舎 牡4歳
    *成績 7戦4勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     重賞&地方コース初出走というスマートファルコン産駒の4歳牡馬。補欠1番手からの繰上り。先行力を武器に、前走のなにわSを圧勝してオープン入りし、勢い抜群。

    ■ヒロシゲゴールド
    *JRA 北出成人 厩舎 牡7歳
    *成績 34戦7勝2着5回
    *重賞タイトル
     北海道スプリントカップ(JpnIII)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     父サウスヴィグラス、母はエフテーストライク。新馬(1000m)の勝ち星以外は1200m戦。大井実績は3年前の東京スプリントを武豊騎手とのコンビで僅差の3着でした。

    ■ピンシャン
    *JRA 森秀行 厩舎 牡5歳
    *成績 16戦6勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     未勝利戦を勝ち上がってからの勝ち星は全て逃げ切り。昨年はBCダートマイル7着で、帰国後のリステッド競走では優勝。大井初登場で、重賞初制覇を目指します。

    ■リュウノユキナ
    *JRA 小野次郎 厩舎 牡7歳
    *成績 42戦9勝2着9回
    *重賞タイトル
     クラスターカップ(JpnIII)(2021)
     東京スプリント(JpnIII)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年の東京スプリントは4番手から直線で先頭に立ち、サブノジュニアの追撃を振り切り重賞初制覇。それ以降もこの路線では高いレベルで走り続け、連覇がかかります。

    *東京スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第33回 東京スプリント(JpnIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ルーチェドーロ
    川崎4/17稍 1000m-64.2秒 800m-49.1秒 600m-36.2秒 強めに
    ■ワールドリング
    船橋4/16重 1000m-64.8秒 800m-49.8秒 600m-37.4秒 一杯追
    ■カプリフレイバー
    船橋4/16重 1000m-64.1秒 800m-49.3秒 600m-36.9秒 一杯追
    ■サクセスエナジー
    栗東4/13坂路 800m-50.8秒 600m-37.3秒 200m-12.6秒 一杯追
    ■シャマル
    栗東4/15坂路 800m-55.9秒 600m-40.6秒 200m-13.1秒 馬なり
    ■ヒロシゲゴールド
    栗東4/13坂路 800m-50.5秒 600m-36.9秒 200m-11.9秒 一杯追
    ■ピンシャン
    栗東4/17坂路 800m-55.1秒 600m-38.3秒 200m-12.1秒 馬なり
    ■リュウノユキナ
    美浦4/11坂路 800m-56.8秒 600m-41.0秒 200m-12.4秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第33回 東京スプリント(JpnIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     昨年の東京スプリントからちょうど1年が経ちました。嵐のような天候でビチャビチャの不良馬場での実施。直線で先頭に立ったリュウノユキナにサブノジュニアがアタマ差まで詰め寄りました。

     大井生え抜き馬初のJBCスプリントを制したサブノジュニアは、昨年で現役を引退。現在は北海道のイーストスタッドで種牡馬生活に入り、順調に新生活を歩んでいると伺っています。来年にはサブノジュニア産駒が誕生。父のスピードとパワーを受け継いだ産駒の誕生が、今から待ち遠しいです。

     リュウノユキナはそれ以降もこの路線でハイレベルな戦いを続け、今年の東京スプリントも1番人気で単勝オッズは2.7倍。以下、前走のフジノウェーブ記念で圧倒的な強さを見せたルーチェドーロ。ブリーダーズカップダートマイルにも挑戦したピンシャン。上がり馬シャマルまでの4頭が、10倍以下のオッズに続きました。

     優勝したのは、川須栄彦騎手がデビューからコンビを組み続けるシャマル(中央・松 下武士厩舎)。重賞初挑戦で地方コース初参戦での、記念すべき重賞初制覇!

     レースは、カプリフレイバーがハナを主張していくと、抜群のスタートを切った重賞初挑戦のギシギシが外の2番手。内の3番手にリュウノユキナがつけると、その付近にはサクセスエナジーやピンシャン、シャマルが続いていき、前が固まる展開。

     さらに、ルーチェドーロやワールドリング、ハートプレイスらも追走していき、3~4コーナー付近では前の集団がさらにグッと固まりました。

     最後の直線では、ギシギシとシャマルが並んで先頭に立ち内をついてリュウノユキナも馬体を併せていき、3頭の追い比べ。最後までその死闘は続き、タイム差なしでのゴールイン。優勝したシャマルのハナ差の2着がリュウノユキナで、クビ差の3着がギシギシ。勝ちタイムは1200m1分10秒5(不良)。

     「思った以上に前半は余裕を持って良いポジションをキープできました。流れは落ち着いていたのでどこから仕掛けるかでした。初めての環境で、シャマルも先頭に立つと少し気を遣っている印象を受けましたが、内から1頭強い馬も見えていたので最後は頑張ってくれという気持ちでした」(川須騎手)。

     スマートファルコン産駒の4歳馬。ダート界の短距離戦線に新星が誕生し、この路線の主役の1頭として今後も目が離せません。



     一方、タイム差なしの3着だったギシギシにとっては非常に悔しい結果。同じ56キロを背負いながら一度はかわされたシャマルを差し返そうとしたシーンも印象的でした。

     青森産馬のギシギシは大井の栗田裕光厩舎からデビューした生え抜き馬。一時は骨折で休養に入っていたこともありましたが、その休んでいた期間が成長を促す上でもいい時間にもなったようで、復帰後はパワーアップした走りが続いています。

     3連勝を飾り、重賞初挑戦がダートグレード競走でも、「やれると思ったからこそ挑戦した」という厩舎サイド。

     「スタートはめちゃくちゃ上手です。3歳の時は速すぎてトモを滑らすような感じだったので、今は体がついてきてスタートを切れているのが一番大きいです。良くも悪くも相手なりって感じで、かわされてからからもまたやり返そうとしていました。いきなりこのメンツで時計を2秒近くも詰めています。楽しみの何ものでもありませんね」と手綱を取った矢野貴之騎手も絶賛。

     栗田調教師のお話しでは、ギシギシはまだA2クラスのため、しばらくはA1クラスに上がることを念頭に置くそうで、9月のアフター5スター賞は選択肢に入れていきたいそうです。その先には、東京盃やJBCスプリントも待っていることでしょう。大井生え抜きからまた頼もしい馬が出現しました!



    <他陣営のコメント>

    2着 リュウノユキナ 横山武史騎手
    「残念です」

    3着 ギシギシ
    上記参照

    4着 ルーチェドーロ 御神本訓史騎手
    「ポジションも取れたし、ペースが遅かったにしてもリュウノユキナの後ろにつけているので、最後にあれだけ離されてしまいました。弾けるイメージがありましたが、直線ですごくササって今日は伸びませんでした。前回走り過ぎた目に見えない疲れもあったのか、今日の馬場なのか……」

    5着 サクセスエナジー 和田竜二騎手
    「状態は良かったです。枠が恵まれていたらという感じでした。このコースは合うと思いますし、一回ひるんでバラけたらまた盛り返しているので、まだまだ勝ち負けできる力はあります」

    6着 ヒロシゲゴールド 武豊騎手
    「スタートで躓いて、それが全てです。具合はすごく良さそうだったので非常に残念です」

    7着 ワールドリング 張田昂騎手
    「今の状態では上出来な走りはできていると思います。まだ良くなっていきそうです」

    8着 ピンシャン
    初めての地方コース。5番手付近を追走も伸び切れず。

    9着 ハートプレイス 今野忠成騎手
    「思っていたより外々回されるような感じのレースになってしまったので、結果的にはバテてしまいました。1200mでも1400mでも問題はないです」

    10着 ヒカリオーソ 古岡勇樹騎手
    「最初の行き脚がスプリンターたちは速かったですが、最後は馬の力で伸びてくれたと思います」

    11着 カプリフレイバー 真島大輔騎手
    「このメンバーと逃げられるとは思いませんでしたが、スタートは速かったです。900mよりも1200mの方が持ち味は発揮できると思います」

    12着 ヴァルラーム 町田直希騎手
    「この馬なりには頑張っていると思います。自己条件なら」

    13着 ナガタブラック 伊藤裕人騎手
    「相手は強いですけど、一時よりもこの馬なりにゲートは良くなっています。復調の兆しを見せていければ」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    33 令4 シャマル 牡4 川須 栄彦
    32 3 リュウノユキナ 牡6 柴田 善臣
    31 2 ジャスティン 牡4 坂井 瑠星
    30 平31 キタサンミカヅキ 牡9 森 泰斗
    29 30 グレイスフルリープ 牡8 武 豊
    28 29 キタサンサジン 牡5 内田 博幸
    27 28 コーリンベリー 牝5 松山 弘平
    26 27 ダノンレジェンド 牡5 丸田 恭介
    25 26 ノーザンリバー 牡6 蛯名 正義
    24 25 ラブミーチャン 牝6 戸崎 圭太
    23 24 セイクリムズン 牡6 岩田 康誠
    22 23 セレスハント 牡6 福永 祐一
    21 22 スーニ 牡4 川田 将雅
    20 21 ゼンノパルテノン 牡7 内田 博幸
    19 21 フジノウェーブ 牡7 御神本 訓史
    18 20 ベルモントストーム 牡7 石崎 隆之
    17 19 フジノウェーブ 牡5 御神本 訓史
    16 18 ベルモントファラオ 牡7 御神本 訓史
    15 17 ブルーローレンス 牡4 的場 文男
    14 16 ブラウンシャトレー 牡7 張田 京
    13 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    12 14 フレアリングマズル 牡4 的場 文男
    11 13 サプライズパワー 牡7 石崎 隆之
    10 12 アローセプテンバー 牡5 左海 誠二
    9 11 カガヤキローマン 牡6 森下 博
    8 10 セントリック 牡5 宮浦 正行
    7 9 アマゾンオペラ 牡6 石崎 隆之
    6 8 ヒカリルーファス 牡4 早田 秀治
    5 7 ブルーファミリー 牡5 早田 秀治
    4 6 ハナセール 牡6 高橋 三郎
    3 5 ウエルテンション 牡5 久保田 信之
    2 4 テツノヒリユウ 牡9 鷹見 浩
    1 3 ダイコウガルダン 牡6 早田 秀治