重賞レース

第41回 サンタアニタトロフィー(SIII)

  • 2020年11月18日(水)
  • 20:10発走
第41回優勝馬:ワークアンドラブ号

1996年に従来の「関東盃」から現在のレース名に改称。名称はTCKと米国・サンタアニタ競馬場の友好交流提携を結んだことに由来します。今年は時期を7月から11月に移しての実施となります。
<優勝馬にゴールドカップの優先出走権を付与>

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    <第41回 サンタアニタトロフィー(SIII)>
    (11月11日現在)

    グレンツェント
    中央時代は重賞2勝をしている実績馬。南関東移籍後も抜群の安定感を誇り、今年は川崎マイラーズとスパーキングサマーカップで重賞2勝を挙げて、ここも有力候補。

    コパノジャッキー
    ダート界の雄コパノリッキーの全弟。前走のサンタアニタトロフィートライアルを快勝したばかり。重賞初挑戦したマイルグランプリは8着だっただけにリベンジの一戦。

    キャプテンキング
    3年前の羽田盃馬。その後もゴールドカップ、フジノウェーブ記念、ブリリアントカップ、川崎マイラーズと重賞4連勝を飾るなど活躍を続けました。久しぶりの実戦。

    ハルディネロ
    7歳上の半兄は金盃の勝ち馬ジャルディーノ。安定して走り続け、前走のスパーキングサマーカップは果敢に逃げましたが、惜しくもグレンツェントから0.5秒差の4着。

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    <第41回 サンタアニタトロフィー(SIII)>

    (11月16日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■グレンツェント
    *大井 藤田輝信 厩舎 牡7歳
    *成績 28戦8勝2着4回
    *重賞タイトル
     スパーキングサマーカップ(SIII)(2020)
     川崎マイラーズ(SIII)(2020)
     東海テレビ杯東海S(GII)(2017)
     レパードS(GIII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代はレパードSと東海Sを勝っている実績馬。南関東移籍後は、今年の川崎マイラーズとスパーキングサマーカップの2つのマイル重賞を制しました。

     前走のスパーキングサマーカップを振り返ると、伊藤裕人騎手が初めて手綱を取り、中団から、直線ではメンバー最速36秒8の脚を繰り出し差し切りました。2着がリッカルド、3着はトロヴァオと、実力馬たちを抑えての勝利。勝ちタイムは1600m1分39秒6(重)。

     「理想はもう一列前に行きたかったですが、前に有力所がいたので見ながら乗りました。内でためていれば最後は絶対に切れると聞いていたので、馬の力を信じて乗りました。58キロの斤量も気にしていなかったし、まだまだ重賞を勝てる馬だと思います」(伊藤騎手)。

     引き続き、藤田輝信厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで調教を積んできました。実績と最近の好調ぶりを考えると、ここも最有力候補。

     「前走後はここを目標にしてきたので、仕上がりに関しては問題ないです。大井ではまだ勝っていませんが、マイルはベスト。期待しています」(藤田調教師)。

     今回は森泰斗騎手が再び騎乗。

    ■キャプテンキング
    *大井 的場直之 厩舎 牡6歳
    *成績 22戦7勝2着3回
    *重賞タイトル
     川崎マイラーズ(SIII)(2019)
     ブリリアントカップ(SIII)(2019)
     フジノウェーブ記念(SIII)(2019)
     ゴールドカップ(SII)(2018)
     羽田盃(SI)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央から南関東に移籍し、3年前の羽田盃を勝つと、古馬になってからは重賞4連勝を飾るなど、ハイレベルな走りを見せています。

     さらに、今年の川崎マイラーズは1年振りの休養明けで、馬体重も+16キロでしたが、直線で壁になって外に持ち出すようなシーンもありながら、優勝したグレンツェントから0.6秒差の3着。改めて、この馬の実力を示しました。

     その後は、さきたま杯7着、京成杯グランドマイラーズ10着と、元気のない成績。的場直之調教師によると、この馬は暑さが得意ではないだけに、この時点でもすでにその影響が出ていたようです。それ以降は無理をさせずに休養に入り、今回は休み明け緒戦。

     「体調はまだ途上ですが、これから上がってきてくれると思います。とは言っても、能力は高い馬なので底力に期待しています」(的場調教師)。

    ■コパノジャッキー
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡5歳
    *成績 27戦10勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央、兵庫、大井で走り続けているコパノジャッキー。5歳上の全兄は偉大なるコパノリッキーです。

     今年のマイルグランプリトライアルを優勝して臨んだ本番のマイルグランプリでは、重賞初挑戦でもこれまでの勢いから1番人気に推されていましたが、中団から追走するも伸びきれずに8着。

     今回も、前哨戦のサンタアニタトロフィートライアルを完勝しての、この舞台。今度こそ!

     「前回のマイルグランプリはもっと走ってくれると思っていたのですが、輪乗りの時に委縮してしまうのか、重賞の雰囲気にのまれてしまったのかなぁというのは僕の予想です。

     状態は平行線なので、この馬の力通りに走ってくれれば。重賞に入ってどんな走りをしてくれるかですね」(荒山調教師)。

     今回は森騎手がグレンツェントに騎乗するため、矢野貴之騎手が初騎乗です。

    ■クロスケ
    *大井 柏木一夫 厩舎 牡5歳
    *成績 30戦6勝2着4回
    *重賞タイトル
     黒潮盃(SII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     大井競馬場の人気者クロスケが、2年2か月振りに帰ってきます!!!

     クロスケは、2017年に大井競馬場からデビューし4連勝を飾り、さらにひばり特別では2歳で58キロを背負っての優勝。クラシック戦線にも出走をし、黒潮盃では悲願の重賞制覇。実力を兼ね備え、さらにはクロスケというかわいらしい名前からも、多くのファンに愛されてきました。

     そんなクロスケが中央競馬へ移籍し、大井競馬場へ再転厩。放牧休養後、10月中旬に慣れ親しんだ柏木厩舎に帰ってきました。

     引き続き高瀬厩務員が担当し、「やっぱり頭のいい馬ですね」と。前にいた時と同じ運動コースを通っているそうですが、クロスケ自身もそのコースを覚えている仕草を見せたり、馬場に出た時にのんびりと4コーナーに向かっても、クルリと反転してゴールの方に向かうと、急にスイッチが入って気合いのりが良くなるという切り替えも、以前と変わらないそうです。

     「いい頃に比べると毛づやや張り、肉付き、動きなど、まだまだ本来のものではないですが、カイバは食べているので、これから良化していくと思います。現状でどのくらいやれるか。次は勝島王冠を考えています」(柏木一夫調教師)。

    *サンタアニタトロフィーの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第41回 サンタアニタトロフィー(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■グレンツェント
    牧場11/14坂路 600m-38.0秒 200m-12.2秒 馬なり
    ■キャプテンキング
    大井11/14良 1000m-65.8秒 800m-52.1秒 600m-38.5秒 馬なり
    ■コパノジャッキー
    小林11/14良 1000m-64.4秒 800m-49.9秒 600m-37.0秒 強めに
    ■クロスケ
    大井11/14良 1000m-64.4秒 800m-51.5秒 600m-38.3秒 一杯追
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第41回 サンタアニタトロフィー(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     大井競馬場70周年を記念して実施しているメモリアルレース。サンタアニタトロフィーメモリアルは、1991年の覇者ジョージモナークの名を冠したレースが行われました。

     サンタアニタトロフィーの前身である関東盃を制したジョージモナークは、中央遠征のオールカマーも優勝。主戦の早田秀治騎手は当時31歳。今年還暦になり、64歳の的場文男騎手に次ぐ大井のベテラン騎手として現役を続けています。

     今年のサンタアニタトロフィーは16頭が出走し、1番人気にグレンツェント(2.1倍)、2番人気がコパノジャッキー(3.9倍)、3番人気はワークアンドラブ(6.6倍)。この3頭が人気の中心で、結果的にも上位を独占する形になりました。

     優勝したのは笹川翼騎手がエスコートしたワークアンドラブ(大井・荒山勝徳厩舎<小林>)。中央や北海道で走り、昨年夏から再移籍し、マイルグランプリに続き2つ目のタイトルを獲得しました。

     「この馬は癖があって、言うことを聞いてくれなかったり、川崎では内ラチに逸走したこともありました。今日は真っ直ぐ走ることだけを意識して、集中力を切らさないように最後まで追いました。僕自身は何も不思議ではない結果だと思っています」(笹川騎手)。

     レースを振り返ると、ワークアンドラブは好スタートを決めて一気に先頭に立ち、縦長の展開を作っていきました。人気の一角グレンツェントとコパノジャッキーは中団から。

     「スタートを出てからでないとわからなかったですが、持ち味が一番生きるのは逃げだと思っていました。イメージよりもいいスタートが切れたので、主導権を握ってレースを運ぶことができました」。
     
     3~4コーナーから後続を振り切りにかかると、4コーナーでは一気にリードを広げました。「仮に馬が後ろからきても、自分の気持ちさえ持ってくれれば非常に頑張ってくれる馬なので、あそこで差が開いたことにはびっくりしましたが、そのまま集中して走ってくれました」。

     大外から猛追してきた2着のグレンツェントに6馬身差をつける圧勝劇。3着がコパノジャッキー。ワークアンドラブは1600m1分38秒8(良)という好タイムを叩き出し、最近の中では5年前の覇者ソルテと同タイム。集中して自分の走りができれば、これだけ強い馬であることを改めて証明しました。

     「(気性面で)普段からしっかり調教ができる馬ではなくて、調教ができないことも多々ある馬でしたが、今回は午後乗りで他の馬がいない所で調教ができたのも良かったと思います。レースでも途中でやめたりすることもある馬なので、3コーナーで後続を離したところは驚きました。笹川騎手もうまくやめさせないように乗ってくれました。

     最後はワーク自身がブレーキをかけたところもあったそうですが、それでも時計は速かったし、気持ち良さそうに走れたのかな。口取り撮影の前にはもう息が入っていたので、『最終レースも使うか』と、担当の小川厩務員に冗談で言ったくらいです。

     笹川騎手は『心臓が半端なく強い』と言ってくれていて、1200mでも3000mでも勝つかもしれないと思わせる馬です。ポテンシャルの高さは相当なので、どれだけのパフォーマンスを秘めているかわからないです」(荒山調教師)。



    <他陣営のコメント>

    2着 グレンツェント 森泰斗騎手
    「逃げ馬が圧倒的に有利な馬場でしたが、58キロを背負って、一番強い競馬はしてくれたと思います。ついてなかったというか……」

    3着 コパノジャッキー 矢野貴之騎手
    「理想の位置取りとリズムで運べた感じはありますが、ここに入るとこの馬にとっては気持ち速い流れで、もう少しためていければ良かったです。時計も速かったし、これからそういうペースに慣れてくれれば」

    4着 ロードアルペジオ 本田正重騎手
    「スタートでボッコリと躓いてしまったし、道中もそんなに進む馬ではないと聞いていたので、無理に急かすこともないと思ったら、ポツンと1頭離される形になりました。最後は鬼脚だったので、勝つんじゃないかと思いましたが、遥か彼方に1頭いました。躓いたのは大きかったですが、よく頑張ってくれました」

    5着 マイネルクラース 丹内祐次騎手
    「今までならズルさを出して、いつも3~4コーナーで置かれていましたが、今日はそんな所もなかったです。休み明けだし、これから楽しみですね」

    6着 トーセンブル 石崎駿騎手
    「すごく乗りやすくていい感じでしたが、ここではもう少しでしたね。マイルは久しぶりでしたが、位置取りはあの辺になっちゃうので展開の助けは必要になりますが、器用な馬だし悪くはなかったです」

    7着 アドマイヤゴッド 今野忠成騎手
    「一生懸命走ってくれましたが、一線級の相手になると置かれちゃうような所もありました。勝った馬は強かったですが、まだ良くなっていきそうです。マイルまでは問題ないですね」

    8着 キャプテンキング 的場直之調教師
    「休み明けで体も余裕があったので、次は変わりますよ。調子は上がってくると思います」

    9着 スウィングビート 張田昂騎手
    「レース運びはイメージ通りというか、内容は悪くなかったです。積極的に行きたかったので最後は甘くなりましたが、スタートはいいし、いい所を取りに行った方が味の出る馬です」

    10着 マイネルバサラ 的場文男騎手
    「いいポジションでいい展開になったのですが、伸び切れませんでした」

    11着 ミキノトランペット
    種子骨の骨折を発症し、引退することになったそうです。

    12着 グリードパルフェ 藤本現暉騎手
    「伸び切れませんでしたが、自己条件ならもっとやれる感じはあります。連闘でも馬は元気いっぱいでした」

    13着 ハルディネロ 藤田凌騎手
    「砂をかぶらないポジションを取りにいって、前半で脚を使った感じもあるので、このメンバーで外の3番手はきつかったです。(ポジションを取りに積極的に行った分)向正面に入ってからハミを噛んだのでなだめようと折り合いをつけたら、今度はフワッとして抜けてしまったので、気難しさを出したところもありました」

    14着 サンロアノーク 御神本訓史騎手
    「マイルも適距離ではなかったですし、ペースもきつかったです。重賞を戦う力を備えたいところなので経験はしていきたいですね」

    15着 クロスケ 繁田健一騎手
    「休み明けだったのでまだまだ途上のようでしたが、やっぱり馬自体はいいモノがあります」

    16着 テルペリオン 山崎誠士騎手
    「周りが速くて行けなかったですし、もまれるのは良くなかったです。力はありそうな感じですけどね」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    41 令2 ワークアンドラブ 牡5 笹川 翼
    40 令元 ノンコノユメ セ7 真島 大輔
    39 平30 ヒガシウィルウィン 牡4 森 泰斗
    38 29 ゴーディー 牡9 的場 文男
    37 28 リアライズリンクス 牡6 的場 文男
    36 27 ソルテ 牡5 吉原 寛人
    35 26 セイントメモリー 牡7 本橋 孝太
    34 25 セイントメモリー 牡6 本橋 孝太
    33 24 ゴーディー 牡4 赤嶺 亮
    32 23 カキツバタロイヤル 牡5 石崎 駿
    31 22 カキツバタロイヤル 牡4 本多 正賢
    30 21 ブルーホーク 牡5 坂井 英光
    29 20 チェレブラーレ 牡4 張田 京
    28 19 ショーターザトッシ 牡5 今野 忠成
    27 18 ボンネビルレコード 牡4 的場 文男
    26 17 スピニングアロー 牡7 張田 京
    25 16 トミケンマイルズ 牡4 張田 京
    24 15 コアレスハンター 牡6 内田 博幸
    23 14 ベルモントアクター 牡6 石崎 隆之
    22 13 サンデーツヨシ 牡4 内田 博幸
    21 12 キクオブメイスン 牡6 的場 文男
    20 11 インテリパワー 牡4 張田 京
    19 10 サントス 牡5 鈴木 啓之
    18 9 アブクマポーロ 牡5 石崎 隆之
    17 8 ホクトムソウ 牡5 郷間 隆
    16 7 プレザント 牡5 石崎 隆之
    15 6 サクラハイスピード 牡6 佐藤 隆
    14 5 モガミキツカ 牡5 石崎 隆之
    13 4 ハナセール 牡4 高橋 三郎
    12 3 ジヨージモナーク 牡6 早田 秀治
    11 2 テツノヒリユウ 牡7 鷹見 浩
    10 平元 ジングウブレーブ 牡4 高橋 三郎
    9 昭63 イーグルシヤトー 牝5 堀 千亜樹
    8 62 テツノヒリユウ 牡4 秋吉 和美
    7 61 ガルダン 牡5 的場 文男
    6 60 テツノカチドキ 牡5 佐々木 竹見
    5 59 マツノセイザン 牡4 奥山 正行
    4 58 ストリートエース 牡4 的場 文男
    3 57 レイクルイーズ 牝3 山崎 尋美
    2 56 ダイロクホーメイ 牡6 的場 文男
    1 55 トウケイホープ 牡4 秋吉 和美