重賞レース

第47回 京浜盃(JpnII)

  • 2024年3月20日(水)
  • 20:10発走
第47回優勝馬:サントノーレ号

いよいよ翌月に迫った「3歳ダート三冠競走」の第1戦「羽田盃」の前哨戦(トライアルレース)として行われるダートグレード競走です。数多くのクラシックホースを輩出している伝統のレースで、重賞戦線を順調に歩んできた実績馬や全国各地の実力馬が集結する、本番に向けて見逃せない一戦です。
<上位2頭(地方所属馬に限る)に羽田盃の優先出走権を付与>

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    <第47回 京浜盃(JpnII)>
    (3月12日現在)

    アンモシエラ
    前走のブルーバードCはゴール寸前で差し切り、牡馬を抑えて重賞初制覇を収めました。初の大井コースで、2011年のクラーベセクレタ以来となる牝馬Vを目指します。

    パッションクライ
    先行して押し切るスタイルで、オープンレース&サンライズCを連勝しました。前走のJBC2歳優駿は3~4コーナーで先頭に立ち4着でしたが、力は示しました。

    サントノーレ
    昨年のNARグランプリ2歳最優秀牡馬受賞馬(鎌倉記念優勝、全日本2歳優駿3着)です。移籍初戦の雲取賞も3着に好走しました。同厩からはティントレットも参戦。

    ブラックバトラー
    デビューから無傷2連勝でブリーダーズゴールドジュニアCを優勝。2走前のJBC2歳優駿は大きく出遅れましたが追い上げ、最後は地方最先着の3着に入りました。

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    <第47回 京浜盃(JpnII)>

    (3月19日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■サントノーレ
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡3歳
    *成績 7戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     鎌倉記念(SII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道時代は鎌倉記念で初タイトルを獲得し、全日本2歳優駿は地方最先着の3着に好走。NARグランプリ2023の2歳優秀牡馬を受賞しました。その後は大井の荒山勝徳厩舎<小林分厩舎>へ移籍し、初戦の雲取賞は地方最先着の3着。大外枠から先行力を生かして3番手につけていくと粘り込み、力は示しました。服部茂史騎手は「成長を感じたし、次が楽しみになる競馬でした」とコメント。2度目となる舞台で、期待が高まります。「見た目もいい馬で、体重が増えているのは成長分。1700mの距離はいいと思います。まだ右トモの緩さはありますが、コンディションは前走より良くなっているので、羽田盃に向けてもいい走りをして欲しいですね」(荒山調教師)。

    ■ティントレット
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡3歳
    *成績 7戦3勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道から移籍し、荒山厩舎で2連勝中。準重賞・セラフィナイト賞は逃げ切り、サルビア特別は2番手から抜け出し、いずれも5馬身差をつける完勝でした。「体重は増えていても、太目感はないです。バネがあって柔らかみもあるし、乗っていて気持ちのいい馬。これから楽しみです」と森泰斗騎手。この中間は山元トレーニングセンターと小林分厩舎でトレーニングを行ってきました。「前走はハナに行けず行きたがって惨敗パターンかなと思ったところに、あれだけの強さを見せてくれました。リフレッシュはできていますが、この馬もトモの緩さなどで成長途上。現状でどのくらいやれるか見てみたいです」(荒山調教師)。母は2011年の東京プリンセス賞馬マニエリスムです。

    ■フジマサテイオー
    *大井 久保杉隆 厩舎 牡3歳
    *成績 5戦1勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     大井生え抜き馬で、昨年10月30日の新馬戦から5戦を消化。脚質に幅があるタイプで、2戦目からは掲示板を外していません。3戦目の2歳戦は差し切りを決め、念願の初勝利を挙げました。前走の準重賞・スターバーストCはジワジワと脚を伸ばし5着。久保杉隆調教師は「前走の前くらいから追い切りも動くようになってきましたが、まだトモの緩さはあるし、子供っぽいですね。そのぶん、伸びしろは十分なので、これからの馬。血統面や折り合いがつくことからも、1700mの距離も問題はないと思っています。状態は維持できていますが、相手は強くなるので、あくまでも挑戦者。今後につながる走りをして欲しいですね」と話していました。

    ■マッシャーブルム
    *大井 坂井英光 厩舎(小林) 牡3歳
    *成績 2戦2勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     JRAの新馬勝ちを収めた後は、3歳ダート三冠を目指し、坂井英光厩舎<小林分厩舎>に移籍。初戦となった準重賞・スターバーストCは競り合いを制し、無傷2連勝を飾りました。この中間は前走の課題から調整方法を変え、「JRAでは行きっぷりのいいところがあったので、前回は馬をリラックスさせる方向に持っていきすぎたぶん、ゲートは出ないし、競馬も集中して走れませんでした。今回は気を乗せるようにしてきて、最終追い切りも良かったので、それがレースに直結できるか。自分の走りがしっかりできれば、勝ち切ってもおかしくない力はあると思っています」(坂井調教師)。未知の魅力にあふれた2戦2勝の無敗馬。そのパフォーマンスに注目が集まります。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■アンモシエラ
    *JRA 松永幹夫 厩舎 牝3歳
    *成績 7戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     ブルーバードカップ(JpnIII)(2024)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     2歳未勝利&もちの木賞2歳1勝クラスで2連勝を飾りました。その後は2歳芝G1・ホープフルSへ挑戦。初物づくしだった前走のブルーバードCは牡馬を抑えて差し切り、初タイトルを獲得しました。鞍上は引き続き坂井瑠星騎手。(父は大井の坂井英光調教師)。2011年のクラーベセクレタ以来となる牝馬Vを目指します。

    ■シークレットキー
    *JRA 杉山晴紀 厩舎 牡3歳
    *成績 4戦2勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューから2戦は芝の短距離で走り、新馬V、ききょうSオープン3着と、適性を見せました。その後はダートへ転向。2走前のオキザリス賞は8着でしたが、前走のくすのき賞は直線でキッチリと抜け出し、3歳1勝クラスを勝ち上がりました。今回は南関東リーディング・笹川翼騎手との初コンビで、重賞初挑戦Vを狙います。

    ■ハビレ
    *JRA 武井亮 厩舎 牡3歳
    *成績 4戦2勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     4戦2勝2着&3着1回と、安定感のある走りが続きます。約7か月ぶりだったヒヤシンスS(リステッド競走)は脚を伸ばす内容で、2着にハナ差まで迫る3着でした。前走は3歳1勝クラスで差し切り勝ち。ダイオライト記念で地方交流重賞初Vを飾ったばかりのバウルジャン・ムルザバエフ騎手を迎え、地方&重賞に初挑戦します。

    <他地区馬の顔ぶれ>

    ■パッションクライ
    *北海道 山口竜一 厩舎 牡3歳
    *成績 5戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     サンライズカップ(H1)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     1100mのフレッシュチャレンジ2歳新馬を制すると、その後は距離を延ばしました。1700mのオープンと1800mのサンライズCはいずれも先行して押し切り勝ち。3コーナーで先頭に立った前走のJBC2歳優駿は粘り込み4着で、力を見せました。母のグラッドクライは2012年のロジータ記念3着で、ゆかりの血統です。

    ■ブラックバトラー
    *北海道 田中淳司 厩舎 牡3歳
    *成績 5戦2勝2着1回
    *重賞タイトル
     ブリーダーズゴールドジュニアカップ(H2)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     フレッシュチャレンジ2歳新馬を制した後に臨んだブリーダーズゴールドジュニアCは、のちに南関東の遠征で重賞勝ちを収めるカプセルやサントノーレを抑えてV。2走前のJBC2歳優駿は大きく出遅れましたが猛烈に追い上げ、地方最先着の3着でした。ブルーバードCは6着でしたが、巻き返しは必至。スタートは鍵を握ります。

    *京浜盃の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第47回 京浜盃(JpnII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■サントノーレ
    小林3/15稍 1000m-63.3秒 800m-48.8秒 600m-36.2秒
    ■ティントレット
    小林3/15稍 1000m-65.9秒 800m-50.0秒 600m-36.3秒
    ■フジマサテイオー
    大井3/16良 1000m-67.0 秒 800m-52.1 秒 600m-37.8 秒
    ■マッシャーブルム
    小林3/15稍 1200m-86.7秒 1000m-68.2秒 800m-52.5秒 600m-38.8秒
    ■アンモシエラ
    栗東3/17坂路 800m-54.3 秒 600m-39.3 秒 200m-12.6 秒
    ■シークレットキー
    栗東3/17坂路 800m-57.5 秒 600m-41.4 秒 200m-12.7 秒
    ■ハビレ
    美浦3/17坂路 800m-56.7 秒 600m-40.8 秒 200m-12.7 秒
    ■パッションクライ
    門別3/16坂路 600m-36.0 秒 200m-12.3 秒
    ■ブラックバトラー
    門別3/16坂路 600m-38.3 秒 200m-12.1 秒
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第47回 京浜盃(JpnII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     3月20日に大井競馬場で3歳馬の京浜盃(1700m)が行われました。新たなダート三冠により、今年から交流重賞(JpnⅡ)に格上げ。地方馬は上位2頭&中央馬は5着以内の上位2頭が、一冠目・羽田盃の優先出走権が獲得できます。今後のこの路線を占う意味でも重要な一戦に、JRA3頭、北海道2頭、地元の大井4頭が出走しました。

     服部茂史騎手が手綱を取った3番人気の大井・サントノーレが7馬身差V。ダート三冠の主役として名乗り出ました。

     2戦2勝のマッシャーブルムがハナを切り、2番手には2連勝中のティントレットが追走。その後ろの内にサントノーレが続いていきました。

     服部騎手は「返し馬で、前走よりも馬の調子が良くなっているなと思いましたが、力んで走っていました。レースもポジションを取るために出していかなくてはいけないので少し気が入り、前の馬を追いかけるような形に。向正面に入った時には掛かってはいるけど、抜けた掛かりだったので、これなら行けるなと思いました。何とかリズムは崩さずに、我慢ができたのも良かったです」とコメント。

     3~4コーナーで進出して外に持ち出すと、4コーナーからは一気に先頭に立ち、後続をグングン引き離していきました。「セーフティーリードだけは取りたいなと思って直線を迎えましたが、思っていた以上に伸びてくれました。一瞬の瞬発力がだいぶついてきましたね」。

     2着は道中サントノーレと並んで追走したブルーバードCの勝ち馬アンモシエラ。そこから3/4馬身差の3着が1番人気のハビレでした。勝ちタイムは1700m1分48秒7(良)。

     サントノーレは北海道デビュー馬です。遠征の鎌倉記念で初タイトルを獲得し、全日本2歳優駿は地方最先着の3着でした。この年のNARグランプリ2歳最優秀牡馬を受賞した実力馬です。

     現在は大井の荒山勝徳厩舎<小林分厩舎>に所属。通算2つ目のタイトルを手にしました。服部騎手は「今日勝てたことは人馬ともに自信になりました。素直で操縦性のいい馬。前より芯はしっかりしてきましたが、まだ成長してくれているし、2000mも持ちそうだと思います。(地方競馬の)代表として頑張りたいです」と力を込めました。



     残念なお知らせがありました。

     レースの翌朝、サントノーレの歩様に違和感があったためレントゲンを取ったところ、右前脚の膝の骨折が判明したそうです。羽田盃と東京ダービーの出走は断念。三冠目となるジャパンダートクラシック(10月2日、大井)の出走は回復次第になるそうです。とても残念で言葉になりませんが、強いサントノーレのままで帰ってきてくれることを、今は願っています。



    <他陣営のコメント>

    2着 アンモシエラ 坂井瑠星騎手
    「1コーナーでちょっと後ろに乗っかけられるところはありましたが、それ以外はすごくスムーズなレース。今日は勝ち馬が強かったです」

    3着 ハビレ バウルジャン・ムルザバエフ騎手
    「1コーナーの不利が一番の後悔です。内から押されて、だいぶ外にふくらんで行かなくてはいけませんでした。この馬自身はとてもいい馬です」

    4着 シークレットキー 笹川翼騎手
    「不利があって力を出し切れませんでしたが、将来性はあって、まだまだこれから良くなる馬だと思います。今日の競馬も必ずしもマイナスにはならないと思うし、順調に成長していって欲しいですね」

    5着 ティントレット 森泰斗騎手
    「内容的には良かったです。4コーナーで勝てると思いましたが、ソラを使いました。今までそんなことはなかったので予想外でした。もっと力はある馬ですよ」

    6着 マッシャーブルム 矢野貴之騎手
    「ちょっと(ハミを)嚙みすぎている感じはあるので、もう少しリラックスしてくれたら良かったです。まだキ甲も抜けていないし、幼さもあります。バネがあって、いい馬。素質は高いですね」

    7着 フジマサテイオー 和田譲治騎手
    「この馬なりに頑張っていますよ。真面目だし、注文のつかないタイプ。1400mの方がいいかな。馬自体はだいぶ良くなっています」

    8着 パッションクライ 桑村真明騎手
    「久しぶりの競馬だったり、長距離輸送。いつものメンバーとも違ったので、ちょっと苦しかったです」

    9着 ブラックバトラー 落合玄太騎手
    「ゲートは出てくれて、1コーナーで不利があったにしても、あそこまでやめちゃうとは思いませんでした。気持ちが難しいですね。ここで終わる馬ではないので、もう一回戻って立て直したいです」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    47 令6 サントノーレ 牡3 服部 茂史
    46 5 サベージ 牡3 石崎 駿
    45 4 シャルフジン 牡3 御神本 訓史
    44 3 チサット 牡3 笹川 翼
    43 2 ブラヴール 牡3 本橋 孝太
    42 平31 ステッペンウルフ 牡3 御神本 訓史
    41 30 ヤマノファイト 牡3 本橋 孝太
    40 29 ヒガシウィルウィン 牡3 森 泰斗
    39 28 タービランス 牡3 森 泰斗
    38 27 オウマタイム 牡3 左海 誠二
    37 26 ハッピースプリント 牡3 吉原 寛人
    36 25 ジェネラルグラント 牡3 石崎 駿
    35 24 パンタレイ 牡3 森 泰斗
    34 23 クラーベセクレタ 牝3 戸崎 圭太
    33 22 ジーエスライカー 牡3 戸崎 圭太
    32 21 ナイキハイグレード 牡3 戸崎 圭太
    31 20 ディラクエ 牡3 今野 忠成
    30 19 トップサバトン 牡3 御神本 訓史
    29 18 サワライチバン 牡3 内田 博幸
    28 17 シーチャリオット 牡3 内田 博幸
    27 16 ベルモントストーム 牡3 石崎 隆之
    26 15 ナイキアディライト 牡3 石崎 隆之
    25 14 ノムラリューオー 牡3 石崎 隆之
    24 13 トーシンブリザード 牡3 石崎 隆之
    23 12 アイアイアスリート 牡3 脇本 一幸
    22 11 オリオンザサンクス 牡3 早田 秀治
    21 10 ゴールドヘッド 牡3 的場 文男
    20 9 キャニオンロマン 牡3 吉井 竜一
    19 8 ナイキジャガー 牡3 的場 文男
    18 7 ジョージタイセイ 牡3 藤村 和生
    17 6 スペクタクル 牡3 張田 京
    16 5 ブルーファミリー 牡3 的場 文男
    15 4 カシワズプリンセス 牝3 高橋 三郎
    14 3 アーバントツプ 牡3 田部 和廣
    13 2 アウトランセイコー 牡3 高橋 三郎
    12 平元 ロジータ 牝3 野崎 武司
    11 昭63 ナスノダンデー 牡3 宮浦 正行
    10 62 クリノロイヤル 牡3 石崎 隆之
    9 61 ハナキオー 牡3 堀 千亜樹
    8 60 マルゼンアデイアル 牡3 的場 文男
    7 59 ステートジヤガー 牡3 山口 勲
    6 58 サンオーイ 牡3 高橋 三郎
    5 57 ホスピタリテイ 牡3 西川 栄二
    4 56 コーナンルビー 牝3 堀 千亜樹
    3 55 タガワテツオー 牡3 高橋 三郎
    2 54 ダイシンプリンス 牡3 成田 清輔
    1 53 ハツシバオー 牡3 宮浦 正行