重賞レース

第15回 東京シンデレラマイル(SIII)

  • 2021年12月30日(木)
  • 16:30発走
第15回優勝馬:ダノンレジーナ号

年末に3日連続で行われる重賞の第2弾は、年の瀬のダートを彩るレディーたちが競演するマイル戦の牝馬重賞。年明けの交流重賞に向けて、地元所属馬の勢力図を確認する意味でも見逃せない一戦です。
<優勝馬にTCK女王盃およびエンプレス杯の優先出走権を付与>

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    <第15回 東京シンデレラマイル(SIII)>
    (12月20日現在)

    カイカセンゲン
    6つのタイトルを獲得したカイカヨソウ。その初仔カイカセンゲンの前走はロジータ記念で、母も制した舞台で重賞初制覇を飾るドラマチックな結末になりました。

    ミラバーグマン
    父はサウスヴィグラス、母が愛知の女傑ピッチシフターで、成長著しい3歳牝馬。前走の東京シンデレラマイルトライアルを圧勝したばかりで、南関東の重賞初登場!

    ウワサノシブコ
    今年のユングフラウ賞は斤量差も味方につけて、女王ケラススヴィアを抑えて重賞初制覇を飾りました。それ以降も幅広い距離でキャリアを重ね、牝馬同士で再び。

    ケラススヴィア
    南関東牝馬2冠を制するなど重賞4勝馬で、圧倒的な強さを見せてきた3歳女王。秋以降はもう少しの成績が続いているだけに、何とかきっかけをつかみたい1戦。

    ダノンレジーナ
    中央未勝利から佐賀、南関東へ。昨年の東京シンデレラマイルで重賞初制覇。今年のしらさぎ賞優勝後は強い相手に挑戦してきただけに、南関東牝馬同士で改めて。

    メモリーコウ
    中央から南関東の一員になり初戦。まだ重賞勝ちはありませんが、ダートグレード競走でも好走し続け、昨年のTCK女王盃では3着になるなど大井適性もあり。

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    <第15回 東京シンデレラマイル(SIII)>

    (12月28日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■メモリーコウ
    *大井 鷹見浩 厩舎 牝6歳
    *成績 28戦4勝2着5回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代にダートグレード競走で活躍してきたメモリーコウが、大井の鷹見浩厩舎所属になり初戦を迎えます。まだ重賞勝ちはありませんが、昨年のマリーンカップやブリーダーズゴールドカップ2着、TCK女王盃でも3着になるなど、実績は十分。悲願のタイトルを目指し、新天地での活躍が期待されます。

     「1か月前に入厩した頃よりも、今は慣れてカイバを食べてくれるようになったので、前走くらいの馬体重でいければと思っています。折り合いが鍵になるようなので、早めに最終追い切りを行ってテンションを上げないようにしながら、折り合いをつけて最後に弾けさせるような、本番を見据えた内容で行いました。

     今回は緒戦なので走ってみないとわからないところはありますが、コース適性もあるし、マイルはペースが流れてくれると思うので、どんな走りをしてくれるのか楽しみにしています」(鷹見調教師)。

     コンビを組むのは真島大輔騎手。

    ■ダノンレジーナ
    *浦和 小久保智 厩舎 牝5歳
    *成績 26戦17勝2着3回
    *重賞タイトル
     しらさぎ賞(SIII)(2021)
     東京シンデレラマイル(SIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]
    ■ケラススヴィア
    *浦和 小久保智 厩舎 牝3歳
    *成績 10戦6勝2着2回
    *重賞タイトル
     東京プリンセス賞(SI)(2021)
     桜花賞(SI)(2021)
     東京2歳優駿牝馬(SI)(2020)
     ローレル賞(SII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東リーディング・浦和の小久保智厩舎から、昨年の覇者ダノンレジーナと今年の南関東牝馬2冠馬ケラススヴィアという実績馬が、2頭そろって参戦してきます。厩舎でも馬房が隣同士。

     ダノンレジーナは中央1戦未勝利で地方競馬へ移籍。佐賀と南関東で11連勝を飾り、昨年のJBCレディスクラシック(大井)を4着、東京シンデレラマイルでは念願の重賞初勝利。5番手から、最後の直線では内から鋭く伸びて後続を引き離す圧巻の内容でした。

     「どんな競馬でもできることと瞬発力がこの馬の凄さですかね。指示した時にピューッと伸びてくれるところは、心臓の強さもあると思います」と、当時話していた本橋孝太騎手。

     しらさぎ賞を優勝し2つ目のタイトルを獲得。それ以降もダートグレード競走などに挑戦するももう一歩の成績ですが、戦ってきた相手が違うことや相性のいいこの舞台で巻き返しは必至。

     一方、ケラススヴィアは昨年無敗のまま東京2歳優駿牝馬を制すると、今年に入ってからは桜花賞と東京プリンセス賞を勝ち、関東オークスはウェルドーンに0.4秒差の2着。しかし、夏休み以降は、ダービーグランプリ14着、ロジータ記念10着と、先行しても失速してしまうこの馬らしさが全くありません。

     気持ちの問題ということで、これまでとは違う刺激を与えながら取り組んできたそうで、そのひとつに、野田トレーニングセンターで行った最終追い切りは、ゴール板まで流さず最後までプレッシャーをかけさせるという内容。

     ダノンレジーナもケラススヴィアも、この中間はエスティファーム小見川の坂路などの調教も入れて、この年末の大一番に向けてきたそうです。

     「(ダノンジレーナは)JBCレディスクラシックは不完全燃焼でした。力があるのはわかっていますがなかなか結果が出ないので、去年勝っているこのレースはいい結果を出したいです。

     (ケラススヴィアは)状態自体はいつも通りの良さなので、何が違うと言えば、レースに行っての気持ちだと思います。気持ちさえ入ってくれれば……」(小久保調教師)。

    ■ミラバーグマン
    *大井 須田和伸 厩舎 牝3歳
    *成績 9戦4勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     新星登場に大きな注目が集まる大井生え抜きミラバーグマン、成長著しい1頭です。前走の東京シンデレラマイルトライアルは道中3番手から進め、最後の直線では笹川翼騎手のステッキが入ると瞬時に後続を引き離し、2着のフクサンローズに4馬身差をつける快勝でした。

     「僕の中では順当勝ちで、まだ3歳でこの強さなんですね。前に比べると、メンタルもしっかりしてきたし、競馬も上手に走れるようになりました。切れ味は牝馬の中でも凄いと思います。本番も楽しみですね」(笹川騎手)。

     まだB1クラスなので、前走同様に斤量52キロで走れるのも非常に魅力的です。ミラバーグマンにとっても須田厩舎にとっても、念願の重賞初勝利となるのでしょうか?!

     「カイバ食いは良くなっていて、胸前やお尻など肉がつく所にはついていますが体は締まって、馬の体調はいいです。騎手の指示通りに動いて、どこからでも競馬ができるようになりました。無事に走ってくれることが一番ですが、相手はオープン馬たちなので、胸を借りるつもりで頑張って欲しいです」(須田調教師)。

    ■カイカセンゲン
    *大井 藤田輝信 厩舎 牝3歳
    *成績 8戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     ロジータ記念(SI)(2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走のロジータ記念は南関東3歳牝馬最後の限定重賞レース。張田昂騎手とコンビを組んだカイカセンゲンは、道中9番手から進出していき、最後はケラススヴィアやウワサノシブコといった同世代の重賞ウイナーたちを差し切って、念願の重賞初制覇。

     母のカイカヨソウは北海道と南関東で6つのタイトルを獲得した活躍馬だったことはあまりにも有名ですが、その初仔カイカセンゲンが、母も制した舞台で初めて重賞勝ちを収めるという、とてもドラマチックな結末になりました。

     この中間も藤田輝信厩舎の外厩馬としてミッドウエイファームで調教を積み、今回はタイトルホルダーとしての参戦。マイル戦は昨年の東京2歳優駿牝馬以来(15着)です。

     「前走は自分のペースに徹した分、直線で余力が残っていたからこそあの脚を使えたと思います。張田騎手もうまく乗ってくれました。今回も調整は順調で、以前よりも大人になっています。前走を見ると、長い距離で良さが出るのかなとも思いますが、牝馬同士なので、能力でカバーして欲しいです。やれる力はあるので頑張って欲しいですね」(藤田調教師)。

    *東京シンデレラマイルの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第15回 東京シンデレラマイル(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■メモリーコウ
    大井12/26良 800m-54.5秒 600m-39.5秒 馬なり
    ■ダノンレジーナ
    浦和12/25稍 800m-53.9秒 600m-39.1秒 末強めに
    ■ケラススヴィア
    浦和12/25稍 800m-53.4秒 600m-39.3秒 直一杯追
    ■ミラバーグマン
    大井12/25重 1000m-64.4秒 800m-50.0秒 600m-36.3秒 一杯追
    ■カイカセンゲン
    牧場12/25坂路 600m-38.2秒 200m-12.2秒 強めに
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第15回 東京シンデレラマイル(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     東京大賞典の熱気冷めやらぬ中、翌日には南関東3歳以上の牝馬たちによる東京シンデレラマイルが行われました。

     ダートグレード競走を4勝しているサルサディオーネ(大井・堀千亜樹厩舎<小林>)は、得意の左回りを求め、東海Sや川崎記念に向かうプランがあるとのこと。東京シンデレラマイル出走組も、そんな女王に続いていけるような今後の活躍を期待します。

     人気を集めたのは単勝オッズ2.9倍のミラバーグマン。東海の女傑ピッチシフターの愛娘で、南関東の重賞初挑戦ながらも成長著しい活躍から1番人気。2番人気が昨年の覇者ダノンレジーナで3.2倍。以下10倍以下には、中央からの移籍緒戦でダートグレード競走を好走してきたメモリーコウ、今年の南関東牝馬二冠馬ケラススヴィアが続きました。

     終わってみれば、出走メンバー中一番重い斤量57キロを初めて背負ったダノンレジーナ(浦和・小久保智厩舎)が、本橋孝太騎手を背に完勝。

     ダノンレジーナは中央1戦0勝の成績で、佐賀から南関東へ。昨年の東京シンデレラマイルで重賞初勝利を飾ると、今年はしらさぎ賞も制して2つ目のタイトルを獲得。その後はJBCレディスクラシック(金沢)に向け強い牡馬たちに挑戦していくも、本番では悔しい6着。その鬱憤を晴らすかのような走りでした。

     ダッシュよくケラススヴィアが先頭に立っていくと、すかさず2番手にはダノンレジーナが続き、同厩2頭が先行していく形。上位人気馬ではミラバーグマンが中団前につけ、その後ろにメモリーコウが追走し、馬群は先頭から後方まで終始固まり加減。

     「最近は一列後ろで競馬をしていましたが、今日は好スタートから行き脚もついて強気に行きました。同じ小久保厩舎の馬が逃げていたので、ペースが速くならない程度に、まくってくる馬にだけは気を付けて、折り合い重視でした」(本橋騎手)。

     勝負所からはケラススヴィアにダノンレジーナが並びかけ、その外からミラバーグマンも進出。最後の直線はこの3頭が馬体を併せる形になりましたが、ダノンレジーナが間から力強く抜け出しました。

     メンバー中最速タイ38秒7の脚で大外から突っ込んできたメモリーコウに1馬身4分の1差。3着が4分の3馬身差で逃げ粘ったケラススヴィア。勝ちタイムは1600m1分41秒0(良)。東京シンデレラマイル史上初の連覇達成。

     他馬よりも重い斤量を背負いながらのこの走りは、ダノンレジーナの強さを強調する材料にしかなりませんでした。「斤量差もあって牝馬で57キロは結構しんどいと思いますが、最後までバテずに走り切ってくれたので、改めてすごい馬だなと思いました」。

     なお、ケラススヴィアはメモリーコウに差され3着でしたが、南関東牝馬クラシック主役の久しぶりの力走は明るい話題。「今日はファイトして最後まで一生懸命に走ってくれて、精神的にも戻ってきたなぁという感じです。復活していると思いますし、来年に向けて期待が大きくなりました」(森泰斗騎手)。

     現段階で聞いているのは、ダノンレジーナをはじめとした5着のマルカンセンサーまでは、TCK女王盃の出走を予定しているとのこと(4着ミラバーグマンはリフレッシュ放牧へ)。TCK女王盃は2012年にハルサンサンが優勝してから南関東勢の勝利はありません。10年振りの勝利を目指し、それぞれの悲願を達成して欲しいと思います。



    <他陣営のコメント>

    2着 メモリーコウ 真島大輔騎手
    「引っ掛かり気味に行く馬なのかなと思ったら意外と進んでいかなかったですが、レースでは逆に良かったかもしれません。最後は伸びてくれて脚もしっかり使ってくれました」

    3着 ケラススヴィア 森泰斗騎手
    「ここ2戦も体調の悪さは感じなかったので、気持ちが乗っていなかったのかもしれません。今日はファイトしていたし、精神的にも戻ってきたなぁという感じでした。東京プリンセス賞(優勝)の行きっぷりと変わらなくて、最後まで一生懸命に走ってくれました。

    マイルくらいの距離もいいですね。大井マイル戦は東京2歳優駿牝馬以来でしたが、時計も2秒ほどつめているので、かなり走っています。今回に関しては、古馬の先輩たちの経験値が一枚上で称えるべきですね。

    出走した3歳馬の中では、ずば抜けていいパフォーマンスをしてくれて、同じ3歳馬にも負けなかったのは、3歳路線を引っ張ってきたプライドみたいなものを見せてくれました。復活していると思いますし、来年に向けて期待が大きくなりました」

    4着 ミラバーグマン 笹川翼騎手
    「1600mはちょっと長いかもしれません。お母さんも古馬になって活躍した馬ですし、来年は重賞戦線でも楽しみです」

    5着 マルカンセンサー 矢野貴之騎手
    「調教から乗ってきましたが、自分なりに工夫しながら、馬も前向きになってくれていました。スローペースで外を回らされる形になり、展開も向かず、1600mは若干忙しいかなという中で、最後はいい脚を使ってくれたのでうれしかったです」

    6着 ヒイナヅキ 岡村健司騎手
    「展開的にはずっと弾かれながら不利もあったので、それがなければ掲示板はあったと思います」

    7着 ルイドフィーネ 町田直希騎手
    「出負けして挟まれてしまい、あの位置になりました。ペースも遅かったので、(あの位置では)どうにもなりませんでした」

    8着 ラインカリーナ 福原杏騎手
    「スタートはあまり良くなくて思ったより後ろからの競馬になりました。上がっていこうと思った時に不利があって、そこで力を使ってしまいました。スムーズに上がっていければ、JBCクラシック(5着)の時のようないい脚を使えたかもしれません」

    9着 レイナブローニュ 藤田凌騎手
    「外枠だったのでうまいことさばけなくて、もう少し攻めた競馬でも良かったです。牝馬同士の重賞なら戦える力はある馬です」

    10着 フクサンローズ 和田譲治騎手
    「いいポジションはつけられましたが、最後は伸び切れませんでした」
    *このレースを最後に繁殖入り。

    11着 サルサレイア 的場文男騎手
    「もっとゆっくりいった方がいい馬かもしれませんね。切れませんでした」

    12着 ウワサノシブコ 達城龍次騎手
    「砂はかぶらない方がいいと聞いていたのですが、かぶっても大丈夫でしたが、終いの脚は使えずバテてしまいました。古馬との経験を積んでいければ」

    13着 グロリオーソ 篠谷葵騎手
    「自分の走りはできたかなと思いますが、古馬との対戦は初めてなので、展開やペースについていければチャンスは出てくると思います」

    14着 ヴィルトファン 御神本訓史騎手
    「ゲートは速いと聞いていたのですが、ゲートから出ませんでした。ゲートの位置が初めてというのもあったのか……。距離も長かったです」

    15着 カイカセンゲン 張田昂騎手
    「1600mは忙しいです。ペースもかなり遅かったので、あそこでは動きましたが……」

    16着 テーオーブルベリー
    鞍ずれがあり、3番手につけていくも後退。
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    15 令3 ダノンレジーナ 牝5 本橋 孝太
    14 2 ダノンレジーナ 牝4 本橋 孝太
    13 令元 ローレライ 牝5 本田 正重
    12 平30 ラーゴブルー 牝4 御神本 訓史
    11 29 ニシノラピート 牝6 的場 文男
    10 28 トーセンセラヴィ 牝5 森 泰斗
    9 27 ブルーチッパー 牝5 森 泰斗
    8 26 ノットオーソリティ 牝3 御神本 訓史
    7 25 ビタースウィート 牝6 佐藤 博紀
    6 24 ミヤサンキューティ 牝4 真島 大輔
    5 23 テイエムヨカドー 牝7 山田 信大
    4 22 ザッハーマイン 牝5 的場 文男
    3 21 パノラマビューティ 牝7 張田 京
    2 20 ミスジョーカー 牝5 本橋 孝太
    1 19 ベルモントノーヴァ 牝6 石崎 駿