重賞レース

第10回 JBCレディスクラシック(JpnI)

  • 2020年11月3日(火)
  • 16:30発走
第10回優勝馬:ファッショニスタ号

1日に複数の重賞を行ってきたJBCの新たなカテゴリーとして、2011年に誕生した牝馬戦で、記念すべき第1回はTCKで開催されました。2017年にはTCK所属のララベルが地方勢唯一となる勝利を挙げています。第10回のメモリアルとなる今回も、ダート牝馬最強の座を賭けた激しい戦いが期待されます。

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    <第10回 JBCレディスクラシック(JpnI)>
    (10月27日現在)

    ファッショニスタ
    スパーキングレディーカップ連覇を飾り、3か月半振りの実戦。デビュー後は着外1度だけという抜群の安定感を誇ります。過去のJBC成績は、京都と浦和でいずれも3着。

    プリンシアコメータ
    重賞初挑戦をした3年前のJBCレディスクラシックは、大井のララベルと死闘を演じてタイム差なしの2着。それ以降も牝馬重賞戦線で活躍し、ここまで重賞4勝。

    マドラスチェック
    大井を知り尽くす森泰斗騎手とコンビを組み、今年のTCK女王盃は3番手からの差し切り勝ちでうれしい重賞初制覇を飾り、前哨戦のレディスプレリュードは2着。

    マルシュロレーヌ
    祖母にキョウエイマーチがいる血統で、孫娘はダートに転向後2戦2勝と負けなし。前走のレディスプレリュードは初物尽くしの中でも完勝したばかりで勢いにのります。

    サルサディオーネ
    中央から大井へ移籍後は今年の報知グランプリカップとマリーンカップを制覇。東京プリンセス賞馬サルサクイーンの愛娘で、妹のサルサレイアとの直接対決も見所です。

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    <第10回 JBCレディスクラシック(JpnI)>

    (11月1日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■サルサディオーネ
    *大井 堀千亜樹 厩舎(小林) 牝6歳
    *成績 34戦7勝2着5回
    *重賞タイトル
     マリーンカップ(JpnIII)(2020)
     報知グランプリカップ(SIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     東京プリンセス賞馬(2002年)サルサクイーンを母に持つサルサディオーネ。中央時代は重賞未勝利も、ダートグレード競走で好走してきた実力馬。

     今年から大井の堀千亜樹厩舎<小林>の一員になり、報知グランプリカップで重賞初制覇を飾ると、マリーンカップでは念願のダートグレード競走も制覇。

     前走の日本テレビ盃はハナへ立ったものの息が入らない厳しい展開になり、最後は力尽き9着。逃げて自分の形に持ち込めるととことん粘り強さを見せるだけに、展開が大きな鍵を握ります。

     「前走後は反動もありましたが、間隔が空いていたので疲れを取ってじっくり調整ができて、状態はいい方に向いています。前より素直に動いてくれるようになったので、その分、ゲートにもすんなり入るようになりました。楽に先手を取って息を入れられるかどうか、自分の競馬ができるといいですね」(堀調教師)。

     ここまでサルサディオーネは左回りで好成績を残しているだけに、右回りもポイント。調教パートナーの鎌田滋調教師補佐のお話しでは、普段の追い切りも右回りで行っていて、上手に回れているそうです。あとは充実している今、本番でどんな走りを見せるでしょうか。(移籍緒戦だった今年のTCK女王盃10着は度外視していいそうです)

     なお、サルサディーネの2歳年下の半妹サルサレイアが、中央から川崎の内田勝義厩舎に所属し移籍2戦目。このJBCレディスクラシックに姉妹がそろって参戦し、偶然にも同じ枠。これほどのビッグレースへ娘2頭を送り出す母サルサクイーンも偉大です!

    ■ダノンレジーナ
    *浦和 小久保智 厩舎 牝4歳
    *成績 17戦13勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央、佐賀、浦和の小久保智厩舎で走り、佐賀と浦和では11連勝という成績も残しました。その後は重賞初出走だったプラチナカップで3着になり、今回は初めてのダートグレード競走、JpnⅠへの挑戦です。

     「最終追い切りは野田トレセンで軽めにやったのは予定通りです。いつもより時計も出して動かしましたが、疲れも出なくていい状態で行けますね。

     1800mの距離に関しては、レースに乗ってくれている本橋騎手(本橋孝太騎手)が、対応できるような乗り方をしてくれています。前走は2着に負けましたが、折り合いもついて差す競馬もできるのはつかんだんじゃないかなと思います。

     地方に移籍してからは牝馬に負けていないし、能力の高い馬だけに勝ち切るまであると思っています」(小久保調教師)。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■シネマソングス
    *JRA 小笠倫弘 厩舎 牝5歳
    *成績 23戦4勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     コツコツと積み重ねていき、2走前のブリーダーズゴールドカップで重賞初出走。5番手から進め、優勝したプリンシアコメータから1秒1差の4着。大井コースは2度目。

    ■ファッショニスタ
    *JRA 安田隆行 厩舎 牝6歳
    *成績 21戦7勝2着8回
    *重賞タイトル
     スパーキングレディーカップ(JpnIII)(2019・2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューから掲示板を外したのはたった1度だけという堅実な走りが続いています。JBCレディスクラシック3年連続の参戦で、ここまでの京都と浦和はともに3着。

    ■プリンシアコメータ
    *JRA 矢野英一 厩舎 牝7歳
    *成績 34戦8勝2着7回
    *重賞タイトル
     ブリーダーズゴールドカップ(JpnIII)(2020)
     エンプレス杯(JpnII)(2019)
     レディスプレリュード(JpnII)(2018)
     クイーン賞(JpnIII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3年前のJBCレディスクラシックは、重賞初挑戦ながらラベルとタイム差なしの2着。その後、重賞4勝を挙げてダートグレード牝馬戦線の主役の1頭として活躍中。

    ■マドラスチェック
    *JRA 齋藤誠 厩舎 牝4歳
    *成績 11戦4勝2着3回
    *重賞タイトル
     TCK女王盃(JpnIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     今年のTCK女王盃は3番手からの差し切り勝ちを収めて記念すべき重賞初制覇。前走のレディスプレリュードは2着。ともに大井を知り尽くす森泰斗騎手のエスコート。

    ■マルシュロレーヌ
    *JRA 矢作芳人 厩舎 牝4歳
    *成績 14戦5勝2着2回
    *重賞タイトル
     レディスプレリュード(JpnII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ダートに転向後2戦2勝と負けなしで、前哨戦のレディスプレリュードも初物尽くしの中で圧巻の勝利を挙げたばかりです。祖母にキョウエイマーチがいる血統。

    ■レーヌブランシュ
    *JRA 橋口慎介 厩舎 牝3歳
    *成績 7戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     関東オークス(JpnII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     今年の関東オークスの勝ち馬で、その後は古馬牝馬たちに果敢に立ち向かっています。まだ7戦のキャリア。3歳馬で勝利した場合は5年前のホワイトフーガ以来。

    ■ローザノワール
    *JRA 西園正都 厩舎 牝4歳
    *成績 19戦4勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年の関東オークス4着馬で、大井コースは初。ここまでの4勝はハナか2番手の競馬で、展開の大きな鍵を握ります。同型もいますが、自分の形に持ち込めるでしょうか。

    *JBCレディスクラシックの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第10回 JBCレディスクラシック(JpnI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■サルサディオーネ
    小林10/29良 1000m-64.4秒 800m-49.4秒 600m-36.6秒 馬なり
    ■ダノンレジーナ
    浦和10/28良 800m-53.8秒 600m-38.7秒 馬なり
    ■シネマソングス
    美浦10/30W稍 1000m-67.4秒 800m-52.0秒 600m-38.6秒 200m-13.2秒 強めに
    ■ファッショニスタ
    栗東10/30坂路 800m-51.4秒 600m-37.2秒 200m-11.7秒 一杯追
    ■プリンシアコメータ
    美浦10/28B良 1000m-68.0秒 800m-52.8秒 600m-38.6秒 200m-12.1秒 馬なり
    ■マドラスチェック
    美浦10/31坂路 800m-50.9秒 600m-37.2秒 200m-12.2秒 馬なり
    ■マルシュロレーヌ
    栗東10/30坂路 800m-53.3秒 600m-38.9秒 200m-12.2秒 馬なり
    ■レーヌブランシュ
    栗東10/28CW良 1200m-80.7秒 1000m-65.3秒 800m-51.0秒 600m-37.3秒 200m-12.2秒 直強めに
    ■ローザノワール
    栗東10/29坂路 800m-53.1秒 600m-37.7秒 200m-11.9秒 一杯追
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    <第10回 JBCレディスクラシック(JpnI)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     11月3日に大井競馬場と門別競馬場で行われたJBC開催。20回目の今年はJBC史上初の2場での実施となり、大井競馬場ではJBCクラシック、スプリント、レディスクラシック。門別競馬場ではJBC2歳優駿と、合計4競走が行われました。

     大井競馬場も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場制限付きの事前抽選制とし、コロナ禍の中では最も多い777名のお客様が入場。大声を出せないなどのルールはあるものの、久しぶりに活気のある競馬場らしさに懐かしさを覚えました。先陣を切って行われたのが、牝馬たちの祭典JBCレディスクラシック。

     前哨戦のレディスプレリュードを完勝したキョウエイマーチの孫娘マルシュロレーヌが単勝1.3倍の断然の1番人気となり、全国から集まった15頭が熱戦を展開しました。

     悲願の勝利となったのが、北村友一騎手が騎乗した2番人気ファッショニスタ(中央・安田隆行厩舎)。デビューから一貫してダートで走り続けている馬で、ここまで掲示板を外したのはたった1度だけという抜群の安定感を誇ります。

     一般的に体調管理が難しいと言われている牝馬が、崩れず高いレベルで走り続けていることは、この馬の強さと関わる人たちの尽力でもあるでしょう。

     レースを振り返ってみると、2002年の東京プリンセス賞馬サルサクイーンの愛娘たち『サルサディオーネとサルサレイア』が姉妹そろっての参戦になり、予想通り姉のサルサディオーネが先頭へ。

     2番手にはファッショニスタ、その後ろの内にはマドラスチェック、外にローザノワールなどが続き、中団にはマルシュロレーヌが追走。先頭から最後方までは縦長の展開になるも、前は10頭ほどが固まる展開。

     「調教の時から具合が良く、返し馬もいい雰囲気だったと思います。特に作戦は全くなくて、馬の気分を害さないようなレースができればいいなと思っていました。道中はリラックスして、ブリンカー効果もあって集中して走れていたと思います」と北村騎手。
     
     3~4コーナーでは北村騎手のステッキがファッショニスタに入り気合がつけられると、直線では一気に先頭に立ち、内から森泰斗騎手のマドラスチェックも馬体を併せて、2頭のマッチレース。

     「(3~4コーナーでは)正直手応えは良くなくて、少し嫌気を差しているのかなという感じでした。マドラスチェックが内から並びかけてきた時、もう一度、馬が頑張ってくれて、最後まで長く良い脚を使ってくれました。最後まで交わされないという闘志を見せてくれたことがうれしかったです」。

     最後まで2頭の追い比べが続き、ファッショニスタがマドラスチェックにアタマ差つけたところがゴール。勝ちタイムは1800m1分51秒1(やや重)。3着は中団から脚を伸ばしてきたマルシュロレーヌでした。地方所属馬の最先着が4着のダノンジレーナ。

     ファッショニスタはスパーキングレディーカップ2勝を挙げていて、この重賞3勝目がうれしいJpnⅠタイトル。JBCレディスクラシックには3年連続の参戦で、2年前の京都は3着、昨年の浦和でも3着。あと一歩届かなかっただけに、3度目の正直で、ついに女王の座に輝きました。



    <他陣営のコメント>

    2着 マドラスチェック 森泰斗騎手
    「ハナの後ろのポジションは取れましたが、やっぱりキックバックを嫌がるので外枠の方が競馬はしやすかったです。苦手な内枠からよく走ってくれたと思うし、うまく乗れたとも思うのですが、最後は勝ち馬も頑張りましたね。悔しいです」

    3着 マルシュロレーヌ 川田将雅騎手(1番人気)
    「前走と同じようにスムーズにレースはできました。手応えも良く、あとは前を捕まえるだけでしたが、伸び切れませんでした」

    4着 ダノンレジーナ 本橋孝太騎手
    「絶好の位置から、思った以上に折り合えました。距離はもう少し短い方が持ち味は発揮できると思います。地方同士の重賞ならもっとやれますね」

    5着 レーヌブランシュ 松山弘平騎手
    「最後は伸びましたが、もうひとつ前のポジションが欲しかったですね」

    6着 プリンシアコメータ 岩田康誠騎手
    「この流れでは厳しかったですね。一生懸命走っているのですが」

    7着 サルサディオーネ 矢野貴之騎手
    「3コーナーくらいまでは淡々といいペースで行けているなぁと思ったのですが、3~4コーナーくらいでは苦しそうに手前を替えようとしていました。右回りは大丈夫ですが、直線でもうひと伸びするタイプではないので、直線の短い方がいいと思います」

    8着 シネマソングス 池添謙一騎手
    「人気馬の直後くらいで進められましたし、直後はジリジリ伸びてはいます。着差も離されないようになってきたので、だいぶクラス慣れはしてきていると思います」

    9着 マルカンセンサー 笹川翼騎手
    「仕上がりも良く、ゲートもうまく出て走れてはいるのですが、持ち時計の差ですね。この馬は53秒台の時計を持っていますが、今回の勝ち時計は51秒台だったので。改めてこっちの牝馬同士で」

    10着 サルサレイア 内田勝義調教師
    「移籍2戦目ですが、馬作りをしていてもまだ本当じゃない感じがします。競馬内容は悪くないのですが、本来の動き、体の張りが出てこないので、これからもっと良くなっていきそうです。いい馬だし、良くなれば、南関東牝馬の重賞でも楽しみだと思いますよ。うちにいたサルサクイーンの娘だし、期待したいです」

    11着 ローザノワール クリストフ・ルメール騎手
    「スタートで躓きました。それからずっと忙しくてオーバーペースで走っていたので、直線ではバテてしまいました」

    12着 ナムラメルシー 石崎駿騎手
    「初めて乗せてもらいましたが、いい馬ですね。ちょっとスローで、よーいどん!の瞬発力勝負になると分が悪かったです。展開ひとつではチャンスがあるという感じがします」

    13着 ヨミ 丸山真一騎手
    「初めての場所でも物見などもなく頑張ってくれました」

    14着 レイチェルウーズ 本田正重騎手
    「距離はもっと短い方がいいですね。1200m、1400mくらいでもいい感じです」

    15着 サンルイビル 藤本現暉騎手
    「今はゲートを渋って嫌がったり、レースでも上のクラスと戦っているとは言え、ひと脚も使ってくれませんでした」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    10 令2 ファッショニスタ 牝6 北村 友一
    9 令元 ヤマニンアンプリメ 牝5 武 豊
    8 平30 アンジュデジール 牝4 横山 典弘
    7 29 ララベル 牝5 真島 大輔
    6 28 ホワイトフーガ 牝4 蛯名 正義
    5 27 ホワイトフーガ 牝3 大野 拓弥
    4 26 サンビスタ 牝5 岩田 康誠
    3 25 メーデイア 牝5 濱中  俊
    2 24 ミラクルレジェンド 牝5 岩田 康誠
    1 23 ミラクルレジェンド 牝4 岩田 康誠
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