重賞レース

第16回 レディスプレリュード(JpnII)

  • 2019年10月3日(木)
  • 20:10発走
第16回優勝馬:アンデスクイーン号

プレリュード(前奏曲)の名の通り、2011年に新設されたJBCレディスクラシックの前哨戦として、TCKディスタフから名称変更となりました。2013年からは「JpnII」競走となり、JRAも含め、全国各地からトップクラスの実力馬が参戦する交流競走として見逃せない1戦となっています。
<優勝馬にJBCレディスクラシックの優先出走権を付与>

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    <第16回 レディスプレリュード(JpnII)>
    (9月24日現在)

    アンデスクイーン
    前走のブリーダーズゴールドカップは戸崎圭太騎手が騎乗し、念願の重賞ウイナーの仲間入りを果たしました。牝馬ながらも508キロの大型馬。大井は初コース。

    ファッショニスタ
    昨年は重賞初挑戦ながら、JBCレディスクラシックは僅差の3着。前走のスパーキングレディーカップは他馬を圧倒し、重賞初制覇を飾りました。同じく大井は初コース。

    プリンシアコメータ
    昨年のレディスプレリュードの勝ち馬で、ブランシェクールと死闘を演じたシーンも記憶に新しいところ。通算タイトルは3勝で、高い実力を示し続けています。

    グランダムジャパン古馬シーズンの最終戦でもあるこの舞台に、暫定上位組のクレイジーアクセルジェッシージェニーステップオブダンスの登録もあり、そういう視点からも目が離せない1戦になりそうです。

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    <第16回 レディスプレリュード(JpnII)>

    (10月1日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■アルティマウェポン
    *北海道 林和弘 厩舎 牝6歳
    *成績 23戦4勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央3勝の成績で北海道の林和弘厩舎に移籍し、昨年のレディスプレリュードはすばらしいパフォーマンスを見せました。

     真島大輔騎手を背に道中は後方2番手から、内からロスなく徐々に進出。最後はメンバー中最速の37秒4の脚を繰り出して、13番人気ながらも優勝馬プリンシアコメータから0.3秒差の3着に入りました。(今回は矢野貴之騎手が初騎乗)。

     その後も南関遠征の相性はよく、クイーン賞5着、TCK女王盃4着。北海道からの長距離輸送を行いながらも結果を出せているのは、この馬の強さでしょう。意外にもまだ重賞勝ちはありませんが、地方の牝馬戦線のトップクラスで走り続けていると言っても過言ではありません。

     この馬のセールスポイントは、末脚です。ペースが速くなってくれた方が持ち味を生かしやすいため、中央馬が入って自然にペースが上がるのはこの馬向き。とは言っても、前走のブリーダーズゴールドカップはペースが落ち着き、優勝馬アンデスクイーンから3秒1差つけられての6着だっただけに、今回もペースは鍵を握ります。

     「ここまでの調整も状態も、去年とは変わらずに順調にやってこれたと思います。あとはひとつ年を取った分(6歳)、どんな走りをしてくれるかですね。前半はゆっくり進めて、この馬の末脚が生かせる展開になって欲しいと思います」(林調教師)。

    ■クレイジーアクセル
    *大井 渡邉和雄 厩舎 牝4歳
    *成績 18戦6勝2着2回
    *重賞タイトル
     ビューチフルドリーマーカップ(M1)(2019)
     ノースクイーンカップ(H2)(2019)
     東京湾カップ(SIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3歳時には東京湾カップを勝ち、ロジータ記念2着、関東オークスと戸塚記念で3着など。逃げて渋太さを発揮するスタイルで、重賞戦線で活躍してきたクレイジーアクセル。尾花栗毛のようなあでやかなルックスも目を引きます。

     4歳になった今年は、グランダムジャパン古馬シーズンのノースクイーンカップ(門別)とビューチフルドリーマーカップ(水沢)で重賞連勝中です。これにより、グランダムジャパン古馬シーズンでは暫定1位タイ。このレディスプレリュードは最終戦なので、結果次第で女王の座が決定します。

     この馬は渡邉厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームでトレーニングを積んでいます。普段から牝馬らしくないような落ち着きのある馬だそうで、だからこそ、長距離輸送や環境が変わっても、しっかり結果を出せるのでしょう。

     「今回も展開ですね。スタートはあまり速くないのですが二の脚は速いので、ハイペースでも自分の競馬をして4コーナーまで向くことができれば。直線でギアが残っているタイプなので、そういう競馬になればなかなか止まらないと思います」(渡邉調教師)。

    ■サラーブ
    *大井 藤田輝信 厩舎 牝4歳
    *成績 9戦3勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東の重賞戦線は中央から仲間入りをした馬たちが多く活躍している昨今ですが、今回から移籍初戦となるサラーブも楽しみな存在でしょう。中央時代は芝とダートで3勝を挙げ、脚質的にも幅のあるタイプ。

     このレディスプレリュードからの始動に向け、藤田厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで順調に乗り込んできたそうです。

     「走りを見ると、頭が高くてピッチ走法なので短距離向きのような印象ですが、実際は長めの距離も走れていますよね。牧場での走りを見てもすごくよくて、乗っている人たちも『何をしなくても前に進んでいくような感じでとても乗りやすい』と言っていました。どんな走りをしてくれるか期待しています」(藤田調教師)。

     今回は初コースや初ナイター、初重賞と初物尽くしの中で行われますが、ここまでも相手なりに走れている印象で、これから南関の一員としてどんな存在になっていくのでしょうか。

    ■ローレライ
    *大井 堀千亜樹 厩舎(小林) 牝5歳
    *成績 28戦6勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     名牝ロジータのひ孫にあたるローレライ。生え抜き馬としてキャリアを重ねてきて、3走前のスパーキングレディーカップは本田正重騎手とコンビを組み、内の後方から猛追して11番人気ながらも3着でした。ダートグレード競走でも力のあるところを示した形です。

     川崎マイルよりも大井1800m戦の方がより持ち味が発揮できるタイプと陣営の期待も高まる舞台。

     「スパーキングレディーカップの頃よりも馬の状態は上がっていると思います。追い切りは外から動けるタイプではありませんでしたが、今回はしっかり伸びていい走りを見せてくれました。筋肉も増えて成長してくれていますね。レースでは基本的に終いの脚を生かした方がいい馬なので、ペースが速くなってこの馬の持ち味が発揮できるといいです」(堀千亜樹調教師)。

     このレディスプレリュードは『ロジータふたたび』を合言葉にしたグランダムジャパン古馬シーズンの最終戦。そんな名牝のひ孫にあたるローレライの走りにも注目したいと思います

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■アンデスクイーン
    *JRA 西園正都 厩舎 牝5歳
    *成績 26戦6勝2着4回
    *重賞タイトル
     ブリーダーズゴールドカップ(JpnIII)(2019)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年のJBCレディスクラシック5着馬(勝ち馬から0.6秒差)。前走のブリーダーズゴールドカップは5番手付近から進出して差し切る内容で念願の初タイトルを獲得。

    ■ファッショニスタ
    *JRA 安田隆行 厩舎 牝5歳
    *成績 16戦6勝2着7回
    *重賞タイトル
     スパーキングレディーカップ(JpnIII)(2019)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年は重賞初挑戦ながらJBCレディスクラシック(京都)は3着(勝ち馬から0.1秒差)。前走のスパーキングレディーカップは他馬を圧倒し、重賞初制覇を飾ったばかり。

    ■プリンシアコメータ
    *JRA 矢野英一 厩舎 牝6歳
    *成績 28戦7勝2着6回
    *重賞タイトル
     エンプレス杯(JpnII)(2019)
     レディスプレリュード(JpnII)(2018)
     クイーン賞(JpnIII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東で走ったベルモントフェリスの愛娘。2年前のJBCレディスクラシック(大井)はララベルと死闘を演じて僅差の2着。昨年のレディスプレリュードなど通算重賞3勝馬。

    ■マドラスチェック
    *JRA 齋藤誠 厩舎 牝3歳
    *成績 7戦3勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     今年の関東オークス2着、スパーキングレディーカップ4着と重賞の舞台で好走。キャリアの浅い3歳馬ですが未知の魅力はたっぷりで、先輩たちに立ち向かいます。

    ■ラビットラン
    *JRA 角居勝彦 厩舎 牝5歳
    *成績 14戦4勝2着2回
    *重賞タイトル
     ブリーダーズゴールドカップ(JpnIII)(2018)
     関西テレビ放送賞ローズS(GII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     芝とダートの重賞ウイナー。昨年のJBCレディスクラシック(京都)は優勝馬とタイム差なしの2着になり涙を呑みました。1月のTCK女王盃(3着)以来の実戦。

    *レディスプレリュードの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第16回 レディスプレリュード(JpnII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■アルティマウェポン
    門別9/29稍 1000m-69.3秒 800m-54.8秒 600m-40.3秒 200m-13.6秒 馬なり
    ■クレイジーアクセル
    牧場9/28坂路 600m-37.9秒 200m-12.2秒 馬なり
    ■サラーブ
    牧場9/28坂路 600m-38.1秒 200m-12.1秒 馬なり
    ■ローレライ
    小林9/29良 1000m-68.0秒 800m-50.4秒 600m-36.7秒 一杯追
    ■アンデスクイーン
    栗東9/29坂路 800m-55.4秒 600m-40.0秒 200m-12.8秒 馬なり
    ■ファッショニスタ
    栗東9/29坂路 800m-55.8秒 600m-40.0秒 200m-12.7秒 馬なり
    ■プリンシアコメータ
    美浦9/29W稍 800m-50.2秒 600m-36.3秒 200m-12.0秒 馬なり
    ■マドラスチェック
    美浦9/29W稍 1000m-67.0秒 800m-52.0秒 600m-38.5秒 200m-12.4秒 強めに
    ■ラビットラン
    栗東9/29坂路 800m-53.5秒 600m-38.6秒 200m-12.2秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第16回 レディスプレリュード(JpnII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     この大井開催はダートグレード競走が二夜連続で行われる豪華な開催でした。前日の東京盃の熱気冷めやらぬ中、レディスプレリュードが実施され、11月4日のJBCレディスクラシック(浦和)に向けても重要な位置づけのレースが展開されました。

     ここは、大井競馬場を知り尽くしている戸崎圭太騎手が手綱を取った、3番人気アンデスクイーン(中央・西園正都厩舎)が優勝。前走のブリーダーズゴールドカップに続いて2つ目のタイトルを獲得しました。

     レースは、クレイジーアクセルがハナを切って自分の形に持ち込むと、ファッショニスタやミッシングリンク、エイシンセラードなどが続いていきました。アンデスクイーンは内の後方から追走。

     「1枠だったのである程度いい位置につけたかったのですが、スタートをして少しもたつくようなところがあったので、位置取りは後ろからになりました。その後の手応えは終始よかったです」(戸崎騎手)。アンデスクイーンは3コーナー手前で内から外に持ち出すと、そのまま大外からグイグイ進出していきました。

     最後の直線に入っても、逃げたクレイジーアクセルはすばらしい粘りを見せていましたが、ファッショニスタが先頭に変わると、さらに、アンデスクイーンがファッショニスタをとらえて先頭でゴール。アンデスクイーンは最速38秒2の脚を繰り出しました。勝ちタイムは1800m1分53秒2(良)。2着がファッショニスタ、3着はラビットラン。

     「追い出してからはしっかり反応して勢いよく伸びてくれました。直線に入って差し切れるという手応えで伸びてくれたので交わすまではよかったのですが、先頭に立ってからは少し遊ぶところがあったので差し返されそうになりましたが、力的に余裕はありました。

     4戦乗せて頂いていますが、使うたびに調子も上がっていて、レースっぷりもよくなっている印象です。今後もさらに楽しみですね」。

     西園調教師の話しでは、アンデスクイーンのいい所はハートの強さで、どんな場所に行っても動じない馬だそう。「自分の名前通り、クイーンになって欲しいです」(西園調教師)。混沌としている牝馬ダートグレード戦線において、どんな存在になっていくのでしょうか。



     一方、このレディスプレリュードはグランダムジャパン古馬シーズンの最終戦で、地方最先着の4着に入ったクレイジーアクセル(大井・渡邉和雄厩舎)が女王の座につきました。

     クレイジーアクセルは大井競馬場デビュー馬で、渡邉厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで調教を積んでいます。3歳時は東京湾カップを制すると、4歳になった今年はグランダムジャパン古馬シーズンに矛先を向けて、ノースクイーンカップ(門別)、ビューチフルドリーマーカップ(水沢)と、長距離輸送をこなしながらも重賞連勝。

     牝馬ながら精神面の強さもすばらしく、尾花栗毛のような目立つルックスも愛らしい馬です。

     「本当にすばらしい馬です。いいペースで逃げることができて、4コーナーでは一瞬夢を見ちゃいましたね。多少速くても4コーナーまでハナを切らせてもらえれば、そう簡単には止まらないと。昨日の菜七子ちゃんではないですが、大井の直線はこんなに長いのかなと思いました。

     前は細身のひょろっとしたところもありましたが、体重がちょっとずつ増えて体もたくましくなってきたし、精神的なものも大きいです。オーナーさんもめちゃめちゃ喜んでくださったのでよかったです」(渡邉調教師)。

     この後は、クイーン賞や東京シンデレラマイル、TCK女王盃などを選択肢に入れていく予定ということです。クレイジーアクセル、おめでとうございました!



    <他陣営のコメント>

    2着 ファッショニスタ 大野拓弥騎手
    「以前1回乗せてもらった時に比べると、だいぶ走る気が出ていい形で進められました。集中力にムラがあるようなところがあるのですが、今日くらい集中して走ってくれると、競馬で崩れるのは考えにくいのかなと思います」

    3着 ラビットラン ミルコ・デムーロ騎手
    「少しスタートで遅くなりました。体は増えていましたが成長分なので太くはないです。厩務員さんも、背が伸びて前よりも筋肉がついてきたと言っていました。状態は今が一番いいと思います。今回は久しぶりの分ですね。頑張りました」

    4着 クレイジーアクセル 吉原寛人騎手
    「持ち味を生かしてしっかり走ってくれて、意識していたグランダムジャパン古馬シーズンも何とか優勝することができました。並ばれてからもうひと伸びして踏ん張ってくれました」

    5着 サラーブ 御神本訓史騎手
    「4コーナーでは勝つかなと思うくらいの手応えでしたが最後伸びなかったのは、手前を替えていなかったのと深いダートで、道中たまっているようでちょっとずつ消耗していたのかなという印象です。跳びがすごく軽い馬なので懸念はありました。展開も抜群にうまくいったので、もう少し上の着順は欲しかったです。転厩初戦にしてはよかったと思います」

    6着 ローレライ 本田正重騎手
    「スタートで躓いてしまって、1列前で競馬はさせたかったです。3着ともそんなに差がないし内容もよかったのでこれから楽しみです」

    7着 アルティマウェポン 矢野貴之騎手
    「枠順が外過ぎたので、もう少し内枠なら。それでもいい脚を使ってくれて、3着とは差のないすばらしい走りでした」

    8着 マドラスチェック 森泰斗騎手
    「聞いてはいましたが、キックバックを嫌がっていました。今日はレース展開で、外に出せるスペースがないし、一瞬も出せるタイミングがありませんでした。このクラスでも間に合う力はすごくある馬なので、砂を被るのに慣れてくれれば」

    9着 オルキスリアン 繁田健一騎手
    「具合はよかったですが、1コーナーと3コーナー手前でごちゃごちゃしてしまいました。折り合いはついた方ですが、流れがよくなくて、本来ならもう少し前にはこれたと思います」

    10着 プリンシアコメータ 岩田康誠騎手
    「スタートしてちょっと進んでいかなくて、後手に回ってしまいました」

    11着 ミッシングリンク 笹川翼騎手
    「道中の走りはよかったですが、勝負所で置かれてしまいました。初めて乗せて頂いたので何とも言えないですが、もう少し走れていいと思います。体はめちゃめちゃ大きくてパワフルな馬です」

    12着 エイシンセラード 大畑雅章騎手
    「物見などもなく内容はよかったです。まだよくなる余地はあります」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    16 令元 アンデスクイーン 牝5 戸崎 圭太
    15 平30 プリンシアコメータ 牝5 J.モレイラ
    14 29 クイーンマンボ 牝3 C.ルメール
    13 28 タマノブリュネット 牝4 田邊 裕信
    12 27 サンビスタ 牝6 岩田 康誠
    11 26 ワイルドフラッパー 牝5 蛯名 正義
    10 25 メーデイア 牝5 濱中 俊
    9 24 ミラクルレジェンド 牝5 岩田 康誠
    8 23 ミラクルレジェンド 牝4 岩田 康誠
    7 22 ザッハーマイン 牝5 的場 文男
    6 21 ツクシヒメ 牝3 山田 信大
    5 20 パフィオペディラム 牝5 左海 誠二
    4 19 パフィオペディラム 牝4 左海 誠二
    3 18 アウスレーゼ 牝4 真島 大輔
    2 17 ジーナフォンテン 牝7 佐藤 隆
    1 16 プルザトリガー 牝5 内田 博幸