重賞レース

第20回 ジャパンダートダービー(JpnI)

  • 2018年7月11日(水)
  • 20:05発走
第20回優勝馬:ルヴァンスレーヴ号

羽田盃、東京ダービーと続いた南関東3歳クラシック三冠レースの最終関門です。地方・JRA共にトップクラスの3歳馬が結集する「砂のダービー」は、これまでにトーシンブリザード、カネヒキリ、フリオーソ、サクセスブロッケンなど数多くの名馬を送り出しています。近年は早い時期からダートの頂点を目指すJRA所属馬も多く、全国から大きな注目が集まります。

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    <第20回 ジャパンダートダービー(JpnI)>

    グレートタイム
    砂の女王として一時代を築いたミラクルレジェンドの2番仔。前走のユニコーンSは重賞初挑戦でしたが、母譲りの末脚を繰り出して2着に入りました。母も走った思い出の大井競馬場で、初物尽くしをクリアし、どんな走りを見せるでしょうか。

    テーオーエナジー
    父はカネヒキリ、伯父にはビワシンセイキという、ダートグレード競走にゆかり深い血統の持ち主です。自身も兵庫チャンピオンシップを優勝した重賞ウイナー。前走は日本ダービーで芝に初挑戦して18着に敗れましたが、ダート戦で見直し。

    ドンフォルティス
    モーニンを送り出したヘニーヒューズの産駒。南関東でもケイアイレオーネやプロミストリープらが活躍しています。北海道2歳優駿の勝ち馬。全日本2歳優駿はルヴァンスレーヴの2着で、伏竜Sはその借りを返す形で優勝。3か月ぶりの実戦。

    ルヴァンスレーヴ
    デビューしてからここまでの成績はダートの1600m戦から1800m戦で5戦4勝。全日本2歳優駿と前走のユニコーンSを完勝し、この路線の主役としての参戦です。これからのダート界を担っていくニューヒーローが誕生するのでしょうか?!

    ハセノパイロ
    昨年のハイセイコー記念を優勝し、全日本2歳優駿では地方最先着の3着で、NARグランプリ2歳最優秀牡馬を受賞。もう少しの成績だった時期もありましたが、東京ダービーは矢野貴之騎手と堂々優勝。地方競馬の大将格として迎え撃ちます。

    クリスタルシルバー
    大井と笠松で長きに渡って走り続けたマルヨシロワインの初仔。東京ダービーは的場文男騎手にエスコートをされ、優勝したハセノパイロとタイム差なしの惜しい2着でした。現在怪我で負傷中の的場騎手は、この大井開催から復帰予定とのこと。

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    <第20回 ジャパンダートダービー(JpnI)>

    (7月9日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■ハセノパイロ
    *船橋 佐藤賢二 厩舎 牡3歳
    *成績 9戦4勝2着1回
    *重賞タイトル
     東京ダービー(SI)(2018)
     ハイセイコー記念(SII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     大混戦ムードの東京ダービーを制したのは、矢野貴之騎手騎乗のハセノパイロでした。

     昨年はNARグランプリ2歳最優秀牡馬を受賞。今年に入ってもう少しの成績だったこともありましたが、そこからリフレッシュ放牧をはさみ短期間で立て直し、南関東3歳最高の栄誉を手にしたのは、ハセノパイロはもちろんのこと陣営の手腕もお見事だったと言えるでしょう。

     レースは5番手外を追走していき、3~4コーナーでは4頭分の外を回りながら、最後の直線では内にクロスケとクリスタルシルバー、外にはモジアナフレイバーと4頭が横一直線に並ぶ大激戦でしたが、2着のクリスタルシルバーにクビ差つけたところがゴールでした。1着から4着までがクビ、クビ、ハナ差。勝ちタイムは2000m2分6秒7(重)。

     「余計なことに力を使わないことが、この馬の最大の武器ですね。勝負所の手応えが凄すぎて、『勝てる!』と思ったら頭が真っ白になって、明らかに仕掛けは早かったですが動いてしまいました。これがダービーなんですね(苦笑)。最後は勝負根性を出して頑張ってくれて、馬のお蔭で勝てました」と、ダービー初制覇を飾った矢野騎手は振り返っていました。

     さすがにレース後はお疲れだったそうですが、1週間ほどのんびり過ごしてからトレーニングを開始したそうです。「状態の維持はできていると思います。相手は強くなりますが、地方馬の意地を見せたいですね。3、4番手から脚をためていって、直線で外に出して伸びてくることができれば」(佐藤調教師)。

     昨年の全日本2歳優駿組との再戦。優勝したルヴァンスレーヴには0.9秒差をつけられての3着。あれから7か月の月日が流れ、その差がどうなっているのでしょう。厩舎の偉大なる先輩トーシンブリザードもヒガシウィルウィンも東京ダービーを制し、ジャパンダートダービーも優勝しました。ハセノパイロも続くことはできるでしょうか?!

    ■クリスタルシルバー
    *大井 村上頼章 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦2勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走の東京ダービーは的場文男騎手が初騎乗。強引に3番手を取りにいくと、その後は内でジッと進め、最後の直線では一瞬先頭に立つシーンもありましたが惜しくもハセノパイロに交わされて、クビ差で涙を呑みました。的場騎手は東京ダービー37回目の騎乗で、2着は10回目。

     その後、的場騎手はレース中の落馬で足を20針も縫うアクシデントに見舞われましたが、この大井開催から復帰することになりました。「今度は強い中央馬たちが入りますからね。ひとつでも上の着順を目指して、精一杯のレースをしたいです」(的場騎手)。

     クリスタルシルバーの母マルヨシロワインは大井と笠松で長きに渡って走ったファンの多い馬でした。繁殖入りをして最初に送り出した仔がこのクリスタルシルバー。母譲りの芦毛の馬体で、魅了し続けています。

     「2歳から走ってくれている馬で、放牧休養に出したことで心身ともに成長が見られて、落ち着きも出てきました。前走は惜しかったですが馬が頑張ってくれました。レース後はさすがに疲れも見られましたが、また状態は戻ってきていますね」(村上頼章調教師)。

    ■クロスケ
    *大井 柏木一夫 厩舎 牡3歳
    *成績 12戦5勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年の南関東2歳最初の新馬戦を優勝したクロスケ。どんな相手とでも条件でも、堅実で崩れないのがこの馬の凄さです。重賞勝ちはありませんが、記憶に残る走りを見せてきました。

     前走の東京ダービーは中団内を進めていき、勝負所では抜群の手応えながらも、最後は壁になる不利などもあって惜しくも3着。優勝したハセノパイロとは0.1秒差でした。これまでコンビを組んできた柏木健宏騎手が負傷のために、笹川翼騎手が初騎乗。

     「競馬は上手な馬でした。直線で前がつまってブレーキがかかってしまったのが痛かったです。あそこからまた伸びているし、もっとスムーズに走れていれば勝っていたかもなぁと。距離も持ちそうですし、本当に惜しかったです」と笹川騎手も悔しそうでした。

     普段から状態の波が少ない馬だそうで、あれだけの競馬をしながらも、レース後は疲れを見せなかったそうで、本当にタフな馬です。

     「前走は惜しかったですがいい競馬はしてくれました。今回は相手も強いですし胸を借りるつもりですね。終いを生かすような競馬になると思います」(柏木一夫調教師)。

    ■リコーワルサー
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡3歳
    *成績 7戦2勝2着1回
    *重賞タイトル
     鎌倉記念(SIII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     リコーワルサーは3戦目で初物尽くしだった鎌倉記念を優勝し、重賞ウイナーの仲間入り。休み明け2戦目だった羽田盃は優勝したヤマノファイトから0.2秒差の2着に入ると、前走の東京ダービーはポジション取りで不利を受けるアクシデントもあり、5着に終わりました。ハセノパイロから0.6秒差の5着。

     不完全燃焼だっただけに、このジャパンダートダービーでリコーワルサーらしい走りを期待したいところです。母のエトワールステージは荒山厩舎をはじめ南関東所属として走り続けた馬。そんなゆかり深い愛息が南関東クラシック3冠全てに出走。

     「この間はレース直後でも息が乱れていないしケロッとしていました。まだ真剣に走っていない感じでしたが、心肺能力も相当いいものがある馬です。今回は瞬発力ではなくこの馬の持久力を生かす形で、鎌倉記念の時のようにまくらせたいですね。ただ、暑さで馬がバテているようにも思うので、この後は夏休みに入るのでもうひと頑張りして欲しいです」(荒山勝徳調教師)。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■オメガパフューム
    *JRA 安田翔伍 厩舎 牡3歳
    *成績 4戦3勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3歳1月デビューでまだ4戦のキャリアですが、ダート1600mから1800mを中心に、4戦3勝3着1回という成績を残し、末脚を発揮してきました。地方競馬初登場、初物尽くしの中でどんな走りを見せるでしょうか。馬体重鍵。

    ■グレートタイム
    *JRA 藤原英昭 厩舎 牡3歳
    *成績 7戦2勝2着4回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走のユニコーンSは重賞初挑戦での2着。ここまで勝ちきれないレースもありますが、持ち味の末脚を武器に、安定した走りを見せています。母は砂の女王だったミラクルレジェンドというのも懐かしく、母もJDDに出走して4着でした。

    ■テーオーエナジー
    *JRA 宮徹 厩舎 牡3歳
    *成績 6戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     兵庫チャンピオンシップ(JpnII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     兵庫チャンピオンシップは4番手からの差し切り勝ち。前走は日本ダービー(18着)にも挑戦しましたが、初めての芝コースだったため、ダートで改めて見直し。父はカネヒキリ、伯父にはビワシンセイキがいるダートにゆかり深い血統の持ち主。

    ■ドンフォルティス
    *JRA 牧浦充徳 厩舎 牡3歳
    *成績 6戦4勝2着1回
    *重賞タイトル
     北海道2歳優駿(Jpn3)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道2歳優駿は後方から徐々に進出していく内容での優勝。全日本2歳優駿はルヴァンスレーヴに惜しくも敗れて2着でしたが、前走の伏竜Sはルヴァンスレーヴを抑えて勝利を飾りました。約3か月半ぶりの実戦。鞍上の武豊騎手はJDD3勝。

    ■バイラ
    *JRA 川村禎彦 厩舎 牡3歳
    *成績 12戦3勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビュー戦は芝1800m戦でしたが(9着)、それ以降はダートの1200mから1400mを中心に走り、脚質も自在。2走前の端午Sは豪快に追い込んで、オープンレース初勝ち。前走のユニコーンSは14着に敗れ、距離延長も鍵を握ります。

    ■ハーベストムーン
    *JRA 浅見秀一 厩舎 牡3歳
    *成績 6戦3勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3歳1月デビュー。オープン勝ちを含む、ダート1700mから1800mで安定した走りを見せてきました。前走のユニコーンSは13着でしたが度外視。脚質にも幅があり、大井を知り尽くす戸崎圭太騎手がどんな手綱さばきを見せるでしょうか。

    ■ルヴァンスレーヴ
    *JRA 萩原清 厩舎 牡3歳
    *成績 5戦4勝2着1回
    *重賞タイトル
     ユニコーンS(GIII)(2018)
     全日本2歳優駿(JpnI)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ダートの1600mから1800mで5戦4勝2着1回。プラタナス賞では2歳レコード勝ち、全日本2歳優駿とユニコーンSも完勝。実績ナンバー1ホースをミルコ・デムーロ騎手がエスコート。初物尽くし、最内枠からどんな走りをするのでしょう。

    <他地区馬の顔ぶれ>

    ■アルファーティハ
    *金沢 金田一昌 厩舎 牡3歳
    *成績 15戦2勝2着2回
    *重賞タイトル
     石川ダービー(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央未勝利で、金沢へ移籍。前走の石川ダービーは吉原寛人騎手が初めて手綱を取り、自身初となる逃げ切り勝ちを収めました。金沢のダービー馬が大井競馬場に初登場!父はパイロ、母のハチノヨウニサスは大井所属だった時期もありました。

    ■サンダベンポート
    *高知 細川忠義 厩舎 牝3歳
    *成績 14戦2勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代は新馬戦で逃げ切り勝ち(函館・芝1200m)、函館2歳Sにも出走しました。現在は高知所属となり、前走の高知優駿は好位から進めていっての3着でした。紅一点の果敢な挑戦、強豪牡馬を相手にどんな戦いで挑むのでしょう。

    ■スーパージェット
    *佐賀 九日俊光 厩舎 牡3歳
    *成績 20戦6勝2着3回
    *重賞タイトル
     高知優駿(2018)
     DS2018九州ダービー栄城賞(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道からデビューし、兵庫競馬で走っていた時期もあり、現在は佐賀の所属馬として大活躍しています。地元の九州ダービー栄城賞を勝ち、前走の高知優駿は遠征をしての勝利。今回出走メンバー中、ダービーの称号を唯一2勝している馬です。

    *ジャパンダートダービーの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第20回 ジャパンダートダービー(JpnI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ハセノパイロ
    船橋7/6重 1200m-79.3秒 1000m-63.8秒 800m-49.7秒 600m-37.2秒 一杯追
    ■クリスタルシルバー
    大井7/7不良 1000m-65.5秒 800m-52.1秒 600m-38.1秒 強めに
    ■クロスケ
    大井7/6不良 1000m-62.1秒 800m-51.1秒 600m-38.1秒 強めに
    ■リコーワルサー
    小林7/6重 1000m-68.5秒 800m-52.6秒 600m-38.3秒 馬なり
    ■オメガパフューム
    栗東7/7坂路 800m-53.9秒 600m-38.9秒 200m-12.6秒 一杯追
    ■グレートタイム
    栗東7/6CW不良 1200m-79.6秒 1000m-63.7秒 800m-50.1秒 600m-38.3秒 200m-12.7秒 強めに
    ■テーオーエナジー
    栗東7/4坂路 800m-52.4秒 600m-38.1秒 200m-12.4秒 一杯追
    ■ドンフォルティス
    栗東7/7坂路 800m-58.8秒 600m-43.8秒 200m-13.9秒 馬なり
    ■バイラ
    栗東7/8坂路 800m-69.2秒 600m-51.1秒 200m-17.0秒 馬なり
    ■ハーベストムーン
    栗東7/4坂路 800m-51.3秒 600m-37.3秒 200m-12.8秒 末一杯追
    ■ルヴァンスレーヴ
    美浦7/7W重 1200m-きり 1000m-68.7秒 800m-53.4秒 600m-39.0秒 200m-12.8秒 馬なり
    ■アルファーティハ
    金沢7/6不良 1000m-66.1秒 800m-49.4秒 600m-35.8秒 200m-11.7秒 強めに
    ■サンダーベンポート
    高知7/1不良 600m-46.1秒 馬なり
    ■スーパージェット
    佐賀 中間軽め
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第20回 ジャパンダートダービー(JpnI)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     上半期の3歳ダートチャンピオン決定戦ジャパンダートダービーは、1999年に創設されました。

     第1回の覇者は、早田秀治騎手とのコンビでもお馴染みだった大井所属のオリオンザサンクス(赤間清松厩舎)で、持ち前のスピードを発揮し、逃げ切り勝ちを収めました。2着はクビ差まで詰め寄った船橋のオペラハット、3着は大井のサマーシャドウ。南関勢独占だったことが、非常に懐かしく思い出されます。

     20年目を迎えた節目の年。中央からは、全日本2歳優駿とユニコーンSを制しているルヴァンスレーヴや、北海道2歳優駿の覇者ドンフォルティス、兵庫チャンピオンシップ優勝馬テーオーエナジー、砂の女王ミラクルレジェンドの愛息グレートタイムなど、豪華メンバーが参戦しました。

     地方勢も、東京ダービー馬ハセノパイロ、九州ダービー栄城賞と高知優駿の2つのダービータイトルを獲得している佐賀のスーパージェット、石川ダービー馬アルファーティハと、各地のダービー馬たちが集結。

     そんな中、これからのダート界においてどんな存在になっていくのだろうとワクワクするような、非常にスケールの大きな馬が優勝しました。

     ミルコ・デムーロ騎手がエスコートをした1番人気ルヴァンスレーヴ(中央・荻原清厩舎)。先ほども書いたように、昨年の全日本2歳優駿の覇者で、前走はユニコーンSを優勝。「本当にすばらしい馬ですよ。初めて乗った時にビックリしましたが、そこからまたどんどん成長してくれています」と、満面の笑みを浮かべていたデムーロ騎手。

     レースはテーオーエナジーが逃げる展開になり、ルヴァンスレーヴは最内枠からどんな戦い方をするのか注目を集めていましたが、スタートがゆっくりで、後方から追走。

     「スタートはいつも通りあまり速くもないし、出していきませんでしたが、距離も延びたのでゆっくり行こうとは思っていました。いいところにつけていくことができました」。

     ルヴァンスレーヴは3コーナー付近から5、6頭分の外を回りながら一気に進出。最後は36秒5というメンバー中一番の脚を繰り出して、大外から豪快に差し切りました。勝ちタイムは2000m2分5秒8(良)。「3~4コーナーではバッチリの手応えで、直線に入った時には手前を替えて、素晴らしく伸びてくれました」。

     2着のオメガパフュームと3着のグレートタイムはともに、中団から脚を伸ばしてくる内容でした。

     ルヴァンスレーヴはこれで6戦5勝2着1回とほぼパーフェクトの内容で、3歳ダートチャンピオンの座に!!!「まだ体ができていなくて緩いですが、どんな距離でもどんな位置からでも何でもできる馬です。頭がよくて気持ちも強いし、能力も高くてすごいです」。


     なお、地方最先着は4着のクリスタルシルバーでした。鞍上の的場文男騎手はレース中の落馬で足を20針も縫う大怪我から復帰したばかりでしたが、猛者たちにも果敢に立ち向かい、3、4番手から好位に取りついていきました。「最高の展開で自分の走りはできました。中央のトップクラスの馬たちとも差のない走りはしてくれたと思いますよ」と的場騎手。

     クリスタルシルバーの母マルヨシロワインは、大井と笠松で長きに渡って走った馬なので、懐かしく思う人たちも多いでしょう。母になって最初に送り出した仔が、このクリスタルシルバーです。東京ダービーは優勝したハセノパイロにタイム差なしの2着に敗れて涙を呑みましたが、全国区の力があることを証明。

     この後は順調に進めば、8月15日に実施される黒潮盃(大井・1800m)を視野に入れていくそうで、悲願のタイトル獲得を目指していくことになります。



    <他陣営のコメント>

    2着 オメガパフューム 川田将雅騎手
    「直線に入ってからも盛り返してくれましたが、勝った馬は着差以上に強かったです」

    3着 グレートタイム クリストフ・ルメール騎手
    「4コーナーでは砂をかぶって頭を上げたところもありましたが、直線ではいい脚を使ってくれました。距離は問題ないですし、精一杯走っていました。勝った馬が強かったです」

    4着 クリスタルシルバー 的場文男騎手
    上記参照

    5着 テーオーエナジー 岩田康誠騎手
    「マイペースで逃げましたが、ラストひとハロンでパタッと止まってしまいました」

    6着 ドンフォルティス 武豊騎手
    「残念です。状態はよかったと思いますが、最後は脚が上がってしまいました。距離が少し長いのかな?」

    7着 クロスケ 笹川翼騎手
    「器用な馬で、自分の競馬はできました。いい走りだったと思いますよ」

    8着 リコーワルサー 真島大輔騎手
    「久しぶりに乗せて頂きましたが、前より馬もしっかりしてきたし、やっぱりいい馬だなと思いました。まだこれからの馬なので、今後がとても楽しみです」

    9着 ハーベストムーン 戸崎圭太騎手
    オープン特別を勝った時に体重を戻しての出走。4番手から進めていくも、最後は伸び切れず。

    10着 バイラ 和田竜二騎手
    「距離が長いかもしれませんね」

    11着 ハセノパイロ 矢野貴之騎手
    「東京ダービーの時とは行きっぷりが違いました。進んでいかなかったです」

    12着 アルファーティハ 吉原寛人騎手
    「初コースでも落ち着いていて立派なものだなと思いました。レースはずっと外を回らされましたが、それでも一生懸命に走り抜いてくれて、金沢のダービーを勝っただけあるポテンシャルのある馬だなぁと思いました」

    13着 サンダベンポート 上田将司騎手
    「意外と普段よりも落ち着いていましたが、レースではいつもとペースが全く違いました」

    14着 スーパージェット 山口勲騎手
    「気の難しいところがある馬なので多少そういう面も出たかもしれませんが、追走一杯でした」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    20 平30 ルヴァンスレーヴ 牡3 M.デムーロ
    19 29 ヒガシウィルウィン 牡3 本田 正重
    18 28 キョウエイギア 牡3 戸崎 圭太
    17 27 ノンコノユメ 牡3 C.ルメール
    16 26 カゼノコ 牡3 秋山 真一郎
    15 25 クリソライト 牡3 内田 博幸
    14 24 ハタノヴァンクール 牡3 四位 洋文
    13 23 グレープブランデー 牡3 横山 典弘
    12 22 マグニフィカ 牡3 戸崎 圭太
    11 21 テスタマッタ 牡3 岩田 康誠
    10 20 サクセスブロッケン 牡3 横山 典弘
    9 19 フリオーソ 牡3 今野 忠成
    8 18 フレンドシップ 牡3 内田 博幸
    7 17 カネヒキリ 牡3 武 豊
    6 16 カフェオリンポス 牡3 柴田 善臣
    5 15 ビッグウルフ 牡3 武 豊
    4 14 ゴールドアリュール 牡3 武 豊
    3 13 トーシンブリザード 牡3 石崎 隆之
    2 12 マイネルコンバット 牡3 大西 直宏
    1 11 オリオンザサンクス 牡3 早田 秀治