重賞レース
第4回 雲取賞(SIII)
- 2022年2月10日(木)
- 16:10発走
2018年まで準重賞として実施していましたが、2019年から重賞での実施となりました。TCKで行う年明け最初の3歳重賞となり、雲取賞→京浜盃→南関東3歳クラシック三冠レースと続く路線を確立しました。
<上位3頭に京浜盃、上位2頭に羽田盃の優先出走権を付与>
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高橋華代子の注目馬情報
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<第4回 雲取賞(SIII)>
(2月2日現在)
■ライアン
浦和デビュー馬。平和賞は5番手から直線で先頭に立って押し切り重賞初制覇。全日本2歳優駿(7着)はスタートで大きく躓き競馬にならず、巻き返しを図ります。
■シルトプレ
北海道から遠征の鎌倉記念では初物尽くしながらも好位から直線抜け出す完勝。全日本2歳優駿はスタートで大きな不利があり5着でした。船橋の米谷厩舎から始動。
■ナッジ
北海道時代にサンライズカップを勝ち、JBC2歳優駿は地方馬最先着の2着で、NARグランプリ2歳最優秀牡馬を受賞。大井の佐野厩舎所属になりトレーニング中。
■シャルフジン
北海道では持ち前の先行力を発揮し、ブリーダーズゴールドジュニアカップを優勝。サンライズカップ2着で、続くJBC2歳優駿5着。現在は船橋の川島厩舎所属。
■マイブレイブ
北海道と南関東で4着以下のない安定した走りが続いています。平和賞は2着で、前走は初めての大井コースも慣れた右回りコースで叩き合いに持ち込み快勝。
■クライオジェニック
大井デビュー馬。安藤洋一騎手とのコンビでスピードを生かした競馬で、2戦2勝。休み明けを一度使い上積みにも期待。キャリアは浅いですが未知の魅力はたっぷりです。
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高橋華代子の重賞直前情報
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<第4回 雲取賞(SIII)>(2月8日現在)
調教追い切り動画はこちら
北海道時代は主に1700m戦、1800m戦で、末脚を伸ばしてくる内容で好走。サンライズカップを優勝し、JBC2歳優駿は地方馬最先着の2着。NARグランプリ2021の2歳最優秀牡馬を獲得。12月の全日本2歳優駿(8着)以降に、大井の佐野謙二厩舎へ移籍し、南関東クラシック戦線に向け、この雲取賞から始動。
「調教や追い切りでフワフワするところがあるので集中して走れるように、今回はチークを着けてみて、もっと自分から行けるようなイメージですね。追い切りの動きも良かったのでここから始動させますが、初めてなので走らせてみないとわからない部分もあると思います。いい形でバトンをもらっているので、現時点でのやれることはやってきました。
川崎1600mより大井1800mの方が走りやすいと思います。大井の競馬にも慣れていって欲しいですし、今後に向けていい走りを見せられるように頑張っていきたいです」(佐野調教師)。北海道時代はオープンレースを連勝。長距離遠征の鎌倉記念では、初物尽くしながらも好位から直線抜け出し重賞初制覇を収めました。全日本2歳優駿は、スタート直後に他馬からの接触でバランスを崩し後方から余儀なくされる大きな不利がありながも、気持ちを切らさず追い上げて5着。負けて強し。
その後は船橋の米谷康秀厩舎へ移籍し、ここに向けてきました。
「引継ぎの段階でカイバ食いはあまり良くない馬と聞いていたのでどこまで調整できるかという感じでしたが、ゆったりしたローテーションを組んで、思ったよりも食べてくれています。一週前追い切りはビッチリ行いましたが抜群の走りで、最終追い切りは調整程度だったのは予定通りです。
スムーズに位置を取って自分で形を作っていきたいですね。大井1800m戦という条件は未知ですが、右回りは経験があるし、距離が延びても大丈夫だと思っています。移籍初戦ですがここは落としたくないですね」(米谷調教師)。浦和生え抜き馬でここまで4勝。平和賞は5番手付近から勝負所で進出すると、最後は若さを見せてふらつきながらも押し切り、重賞初制覇を飾りました。続く全日本2歳優駿はスタートで大きく躓き後方から進めていきましたが、7着まで追い上げました。
当初は中央の芝に挑戦するプランもありましたが、まずは南関東クラシックに専念。この中間もいつものように牧場調整を挟み、この雲取賞へ。
「この間のようにスタートで遅れたり、牧場での中間追い切りで明け2歳馬にあおられるくらい、まだ幼いです。能力はかなりあると思いますが、まだ本人は必死に走らず余裕を持っているので、その能力をどう引き出してあげるか。コース云々は関係のない馬で、距離が長いのはいいと思います」(小久保智調教師)。
なお、今回は的場文男騎手が初めて手綱を取ります。■シャルフジン
■マイブレイブ
北海道時代のシャルフジンは、ブリーダーズゴールドジュニアカップで2番手から早め先頭に立って後続に5馬身差をつけ重賞初制覇を飾ると、JBC2歳優駿も先行力を生かした競馬で5着。12月中旬に船橋競馬場入りし調整が続けられてきました。
マイブレイブは脚質に幅があるタイプで、北海道と南関東で安定した走りを続けています。移籍後の平和賞はライアンの惜しい2着でしたが、前走の白鳥特別は雲取賞と同じ大井1800m戦を舞台に、中団から進出して最後は叩き合いに持ち込み快勝しました。
母のラペルラは長きに渡って南関東で走った馬で、曾祖母の父がホスピタリテイという南関東にゆかりある血統。
「(シャルフジンは)良くなるのは暖かくなってからかなという感じですが、能力は相当なものだと思っています。条件的には問題ないので、現状でどんな走りを見せてくれるか。(マイブレイブは)状態は維持できていますが、少しずつ少しずつ成長してくれています。同じ条件の実績もあるので、重賞でもいいパフォーマンスを期待しています」(川島調教師)。新馬戦以来勝ち星はありませんが、末脚を生かす競馬で重賞でも好走しています。平和賞3着、ハイセイコー記念5着ともに、メンバーの中で一番の上りを繰り出しました。今回は大井1800m外回りを舞台に、この馬の末脚がどのくらい発揮されるか興味深いです。
「前走後は牧場で休まず乗ってきて、疲れも取れてフレッシュな状態です。最終追い切りもいい動きで、仕上がりも8割、9割くらいまで来ているかなという感じですね。ハイセイコー記念はスローにはまってしまったので、もうちょっと流れが速くなって終いを生かせる競馬になれば、重賞でも勝てる力は持っていると思います。
距離が延びて良さが出ると思うので、条件はプラスです。今回はもう少し前の中団くらいのイメージですが、あとは乗り役の道中の感触などに任せたいと思います」(石井勝男調教師)。*雲取賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
第4回 雲取賞(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■ナッジ 大井2/6良 1000m-64.6秒 800m-51.6秒 600m-37.6秒 強めに ■シルトプレ 船橋2/5右良 1000m-65.5秒 800m-50.3秒 600m-36.9秒 一杯追 ■ライアン 浦和2/5良 800m-56.2秒 600m-40.0秒 直強めに ■シャルフジン 船橋2/6右良 1000m-64.8秒 800m-50.6秒 600m-37.9秒 一杯追 ■マイブレイブ 船橋2/6右良 1000m-65.3秒 800m-50.6秒 600m-37.9秒 一杯追 ■ミスターブラスト 船橋2/5右良 1000m-66.6秒 800m-51.3秒 600m-38.5秒 強めに -
高橋華代子のレースレポート
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第4回 雲取賞(SIII)>
優勝インタビュー動画はこちら
今年も南関東クラシック戦線の足音が少しずつ近づいてきました。3年前に準重賞から重賞に格上げされた雲取賞。ホッカイドウ競馬からの実績馬たちが、南関東競馬の一員になっての初戦を迎えました。
北海道のサンライズカップを勝ちJBC2歳優駿で2着になり、昨年のNARグランプリ2歳最優秀牡馬を受賞したナッジを筆頭に、ブリーダーズゴールドジュニアカップ優勝馬シャルフジンや、遠征競馬で鎌倉記念を制しているシルトプレらが参戦。
圧巻のスピードで逃げ切り勝ちを収めたのが、御神本訓史騎手騎乗の2番人気シャルフジン(船橋・川島正一厩舎)でした。雪などの影響で馬場が湿りやや重で行われた中、勝ちタイムが1800m1分51秒7(やや重)と破格のタイムでレースレコードを樹立。
「朝からレースを見ていても1秒半くらいはいつもより速かったので、この時計だけではなかなか図れませんが、立派な時計だと思っています」と御神本騎手。
参考までに、同じ1800m戦で実施している勝島王冠の歴代の優勝タイムと比較しても、3番目に速いタイム。3歳になったばかりの馬が、仕上がり途上で初コースの中でも、このスピードと強さ。シャルフジンは2つ目のタイトル獲得で、御神本騎手と川島調教師は2日間続けての重賞勝ちで勢いにのります!
シャルフジンは好スタートを決めてスーッとハナに立っていくと、直後の2番手に大井2戦2勝のクライオジェニックがつけ、少し離れた3、4番手にマイブレイブとシルトプレが併走し、さらに離れたところから平和賞の勝ち馬ライアン、中団にはナッジが追走。
速い流れで、さらには10頭立ての少頭数での競馬になったため、馬群は先頭から最後方まで大きくばらけながら縦長になりました。そのまま隊列は変わらず、直線に入ってからもシャルフジンのスピードは衰えず、最後まで力強くゴールイン。
「スタートも決まって行き脚もあったので無理に控えることなく促しました。前向き過ぎるところはありましたが向正面に入るとちょっとリラックスして走ってくれたので、その分、直線ではもう一回直線で脚を使ってくれたと思います。距離に関してはまだ課題はありますが、今後に向けても克服して欲しいですね」。
シャルフジンから1馬身半差の2着がメンバー最速の上り37秒5の末脚で伸びてきたナッジ、クビ差の3着がシルトプレで、北海道時代の重賞ウイナーたちが上位を独占。4着以下に5馬身離す内容でした。
シャルフジンを担当しているのは、川島調教師のお父様・川島正行調教師時代から支えている多田圭治厩務員。サプライズパワーやサクラハイスピードなど数多くの重賞勝ち馬を手掛けていますが、多田厩務員のお話しではノットオーソリティ以来となる久しぶりの重賞勝ちだったそうです。
「良くなるのはまだ先だと思っていましたが、こんなにいい走りをしてくれて、能力は相当あると思います」(多田厩務員)。
多田厩務員は3月3日に69歳のお誕生日を迎えるそうですが、今でも体に痛みなどはなく健康そのものだそうです。馬に寄り添うこの仕事を長く続けていきたいと、空き時間には筋トレなども行って、馬だけではなく自身の体調面にも気をつけているそうです。
この道50年以上の大ベテラン多田厩務員が、これからのクラシック戦線に向けてどんな風に愛馬を作り上げていくのかも楽しみです!
<他陣営のコメント>
2着 ナッジ 矢野貴之騎手
「追い切りに乗っていると動きがあまり良くありませんでしたが、レース本番ではしっかり走ってくれました。馬場的に前が残りやすいのと時計も速くて差し馬には厳しいレースでしたが、それでも4コーナーでは勝つ感じかなというくらいの手応えで、レースに行くといい馬ですね。力はあります」
3着 シルトプレ 本橋孝太騎手
「道中もうちょっとハミを取るイメージでしたが、意外とそういうタイプではありませんでした。3コーナーでは一か八か後ろに入れたら手応えが良かったので、スムーズじゃなくてストレスがかかるくらいの方が、この馬は集中して走れるかもしれません。最後もナッジが来たらもうひと伸びしたので、距離も問題はありませんね」
4着 マイブレイブ 本田正重騎手
「転厩緒戦に乗せて頂いて、その時よりも体が良くなっているのもあってか、逆にゲートは元気が良かったです。位置取りは許容範囲内ですが、切れるタイプではないので前々に行けた方がいい馬です。現状の力は出していると思います」
5着 クライオジェニック 安藤洋一騎手
「能力はありますね。スタートの感じではハナに行こうかなとも思いましたが、1800mの初距離のこともあったので、ハナにはこだわらずに前に目標を置いた方がいいかなと、理想的な競馬にはなりました。まだ2戦しか走っていませんが、初距離で周りも強くなった中で頑張ってくれました。砂はかぶっていませんが、調教の感じでは大丈夫そうに思います」
6着 ライアン 的場文男騎手
「初コースで戸惑っていたところもあったし、直線でも遊ぶような所がありました。まだこれからの馬ですね」
7着 マイジュネス 川島正太郎騎手
「自分のペースを守って乗ってきてくれという指示通りに乗ることができて、あの馬のパフォーマンスは出せたかなと思います。距離とコースはバッチリ合っています。あとは力関係ですね」
8着 グレイテストワーク 森泰斗騎手
「前走が先行して終い甘くなったので、今回はゆっくり行ってみるプランでしたが、馬場が合わなかったです。軽すぎる馬場と雨で渋って脚が取られていました。メンバー的にも現状ではもっと力をつけたいです」
9着 ミスターブラスト 石崎駿騎手
「この馬の末脚ならもっとやれていいはずが、今回は馬場と休み明けですね。速い決着になると現状では分が悪かったです。まだまだこれからの馬です」
10着 バイザウェイ 山口達弥騎手
「位置取りは問題なかったです。本来ならグッとハミを取る部分はありますが、今日は反応がなかったです。もっと走れる馬です」
競走除外 クロールキック
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回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 4 令4 シャルフジン 牡3 御神本 訓史 3 3 ランリョウオー 牡3 本橋 孝太 2 2 ゴールドホイヤー 牡3 吉原 寛人 1 平31 ヒカリオーソ 牡3 瀧川 寿希也