重賞レース

第53回 ハイセイコー記念(SI)

  • 2020年11月17日(火)
  • 20:10発走
第53回優勝馬:アランバローズ号

ハイセイコーが1972年の青雲賞で記録した1分39秒2の優勝タイムは、40年以上の歳月を経た現在も破られていません。TCKが生んだ国民的スターホースの偉業を称え2001年に現在のレース名に改められました。今年からグレードが「SII」から「SI」に格上げされ、さらに南関東期待の若駒たちが集まる注目のレースとなりました。
<優勝馬に全日本2歳優駿の優先出走権を付与>

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    <第53回 ハイセイコー記念(SI)>
    (11月11日現在)

    アランバローズ
    目下3戦3勝、デビューから負けなしの重賞ウイナー。前走のゴールドジュニアは、初コースながらも持ち前のスピードで逃げ切り、マカベウスらを抑えて優勝しました。

    マカベウス
    女傑ショウリダバンザイの息子。ここまで4戦3勝、騎乗した人たちは皆、その乗り味を絶賛。唯一2着に負けたゴールドジュニアも負けて強しの内容でした。末脚身上。

    ランリョウオー
    女傑ファビラスラフィンの孫。5戦4勝2着1回。特にこの2戦は他馬を圧倒するほどの強さなだけに、上記2頭の重賞ウイナーたちとの戦いが非常に楽しみです。

    ジョーロノ
    スピードを生かす競馬で、デビューから3連勝。その後は鎌倉記念3着、平和賞2着と逃げ粘りながらももう一歩。今回は初の大井コースで、どんな一面を見せるでしょう。

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    <第53回 ハイセイコー記念(SI)>

    (11月16日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■アランバローズ
    *船橋 林正人 厩舎 牡2歳
    *成績 3戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     ゴールドジュニア(SIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     「現状で優れているのはスピードですね。前脚の回転は惚れ惚れする跳びをして、前さばきがすごくきれいです。パドックで見ていても、前脚の出方がすごくスッスッと出て歩きます。スピードだけなら、うちにいた歴代の馬たちよりも上位だと思いますよ」(林正人調教師)。

     今年の南関東2歳重賞は、格上げされたゴールドジュニアから始まりました。優勝したのは林厩舎のアランバローズ。一息入り、さらには初物尽くしながらも、左海誠二騎手を背に逃げ切り勝ち。後方から猛追して2着に入ったマカベウスに2馬身半差でした。これで3戦3勝と無敗の重賞ウイナーが誕生!

     「課題の馬運車も心配だったし、レースでは良くも悪くも気の入りがいい馬なので、ハナへ行ったとしても自分のペースで行けるか?カーッとならないか?などが心配でしたが、うまい具合になだめてもらって走れたのは良かったです」。

     その後はこのハイセイコー記念に向けてきて、陣営が思っているよりもテンションは上がらず、順調に進めることができたそうです。今回も鍵になるのは展開。天性のスピードを生かして自分の形に持ち込めるでしょうか。

     「マイルはギリギリの所かなと思いますが走ってみないとわからないですね。小回りで内回りの分はいいかなと思っています。小細工をしても仕方ないので、逃げてこの馬のスピードを生かした競馬をさせたいです」。

    ■マカベウス
    *船橋 米谷康秀 厩舎 牡2歳
    *成績 4戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     平和賞(SIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     「自分の調教師人生を変えてくれる1頭になると思っています。毎回感じますが、カッコいい跳びをする馬なので、見ていて楽しくなります。乗っている人たち皆、『背中がいい』とその乗り味も必ず褒めてくれるので、そこも自信にはつながりますね」(米谷康秀調教師)。

     マカベウスは、前走の平和賞でのポジションは中団から。3コーナーから一気に進出すると、直線に入るところでは内から外に持ち出し、前に行く馬たちを並ぶ間もなく抜き去りました。最後はメンバー中最速の38秒6の脚を使い、2着のジョーロノに1馬身半差。マカベウスにとっても米谷調教師にとっても、念願の重賞初制覇。

     あれから約20日、今回はデビューしてから最も間隔がありません。通常の最終追い切りは併せ馬をしていたそうですが、今回はあえて単走で行ったものの、以前よりも集中力が増しているようで、思った以上の時計が出たそうです。とは言え、疲れもなく体調も問題ないそう。

     元々がクラシック向きと言われている馬ですが、2走前のゴールドジュニアは大井競馬場の1400m(外回り)で2着、今回は1600m(内回り)に替わります。

     「マイルの内回りコースは多少マイナスに働くとは思いますが、1400mより1600mの流れの方が絶対合っているので、そこは何とも思っていないです。あとは、先行勢がどういう競馬をするか。変わらず順調なので、普通に走ってくれれば、と思っています」。

    ■ランリョウオー
    *浦和 小久保智 厩舎 牡2歳
    *成績 5戦4勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]
    ■ジョーロノ
    *浦和 小久保智 厩舎 牡2歳
    *成績 5戦3勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     「(ランリョウオーは)1歳の時に見た感じのままで、鍛えても同じような可動域で走っていて、動きが硬くならないのがいい所ですね。そういう体の動きをしているから、今はまだ勝手に自然に動けちゃっている感じで、それが本当に走る気になって動き始めたら、どこまで動くのだろうと思っています」(小久保智調教師)。

     上記でご紹介したゴールドジュニアの勝ち馬アランバローズと平和賞の勝ち馬マカベウス。そんな2頭と初対決するのが、目下2連勝中で圧倒的な強さで勝っているランリョウオーです。初めての重賞レースでどんな走りをするのか注目も集まります。

     前走のJBC2歳優駿チャレンジ (1800m)は、本橋孝太騎手とコンビを組み、3番手から進出し、最後の直線で後続を突き放す圧勝劇。大井競馬場、右回り、ナイターと、全てが初物尽くしでした。

     「この中間は短期でリフレッシュ放牧に出しましたが、リフレッシュしている分、前回以上にもっと弾けてくれると思います。(内回りに関しては)後ろから行く馬じゃないし、2、3番手の競馬ができるので、内回りも外回りも関係ありません。今回で力も計れると思います」。

     一方、ジョーロノはここまで5戦走り3勝を挙げ、鎌倉記念は優勝したリーチから0.6秒差の3着、平和賞では優勝馬マカベウスから0.3秒差の2着と、重賞勝ちまでもう一歩。

     持ち前のスピードで、今回はアランバローズとのハナ争いも非常に気になるところ。

     「(使ってきているので)上がり目はありませんが具合は変わらずいいですね。距離は1400mくらいがベストだと思っています。前走は初距離も意識してあのような乗り方になりましたが、今回は強力な逃げ馬がいるからどういう展開になるか。何が何でも行かなくてはいけないという感じではありません」。

    *ハイセイコー記念の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第53回 ハイセイコー記念(SI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■アランバローズ
    船橋11/12良 800m-50.0秒 600m-36.8秒 G前強
    ■マカベウス
    船橋11/13良 1000m-64.8秒 800m-49.8秒 600m-37.1秒 一杯追
    ■ランリョウオー
    浦和11/12良 800m-55.5秒 600m-39.7秒 馬なり
    ■ジョーロノ
    浦和11/12良 800m-55.5秒 600m-39.7秒 馬なり
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    <第53回 ハイセイコー記念(SI)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     1968年に創設され、今年で53回目を迎えた伝統の一戦、ハイセイコー記念。かつては青雲賞という名で親しまれ、現在のレース名ともなった国民的スターホースのハイセイコーをはじめ(1972年覇者)、数多くの有望な若駒たちが、この舞台で戦ってきました。

     大井競馬場開場70周年を記念にして実施されているメモリアルレース。今回は1981年の覇者ホスピタリテイの名を冠したレースも組まれました。

     ホスピタリテイは、デビューから無敗のまま、青雲賞、京浜盃、黒潮盃、羽田盃と重賞勝ちを収め、中央競馬へ移籍後も、セントライト記念を制覇。種牡馬になってからも、数多くの優秀な産駒たちをこの世に送り出してきた名馬です。

     ハイセイコー、ホスピタリテイと、無敗で重賞を制したこのレースで、今年も無敗馬が優勝しました。左海誠二騎手とコンビを組んだ3番人気アランバローズ(船橋・林正人厩舎)です。

     アランバローズは、5月8日の船橋競馬場最初の新馬戦に登場し、一気にハナを奪い終始小気味いい走りで、1000m1分00秒9(やや重)という好タイムでデビュー戦を飾りました。

     それ以降も、地元の特別戦で快勝し、前走のゴールドジュニアは初物尽くしの中でも勝利を挙げて、無敗の重賞ウイナーに!このハイセイコー記念も堂々たる走りで、これで4戦4勝です。

     ハイセイコー記念は、今年からSIに格上げ。例年以上に強いメンバーが出揃ったこともあってか、出走馬は9頭と少頭数になりましたが、これからを担っていく期待が込められた精鋭たちが集結。

     アランバローズは、デビューしてから持ち前のスピードでハナを切っていく競馬が続いていましたが、今回はジョーロノを行かせる形で、自身初となる2番手からの競馬。中団には、人気のランリョウオーやマカベウスが追走していきました。

     3コーナーから、軽快に逃げるジョーロノに並びかけたアランバローズは、最後の直線を迎えたところで一気に先頭に躍り出ました。そのまま最後まで力強い走りは続き、2着に追い込んできたランリョウオーに1馬身半差をつけての勝利。3着が逃げ粘っていたジョーロノ。

     アランバローズの勝ちタイムは1600m1分40秒8(良)で、16年振りに1分40秒台の時計が叩き出されました。

     「行く馬がいたらそれに合わせる競馬をしようと思っていました。距離不安やいろいろな課題もありましたが、うまく立ち回ってくれましたね。2番手に控えたら行きたがって1~2コーナーでは苦戦しましたが、向正面に入ったところでフ~ッと抜けてくれました。今日の経験が今後にも生かせればいいなぁと思います」(左海騎手)。

     スピードで押し切ってきた馬が、初めて2番手の競馬で勝利を飾ることができたのも、大きな収穫です。

     「現状で優れているのはスピードですね。前脚の回転は惚れ惚れする跳びをして、前さばきがすごくきれいです。パドックで見ていても、前脚の出方がすごくスッスッと出て歩きます。スピードだけなら、うちにいた歴代の馬たちよりも上位だと思いますよ。マイルでもこういう競馬ができたので、当初よりも選択肢は広がります」(林調教師)。

     ハイセイコーやホスピタリテイなどに続く無敗の重賞ウイナーとして、これからどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。夢がふくらむ1頭です。



    <他陣営のコメント>

    2着 ランリョウオー 本橋孝太騎手 1番人気
    「かなりいいポジションにつけられて、いきなりの一線級相手でも対応はしてくれているのですが、(勝ち馬に)残られるとは思いませんでした。時計を見ると、スローではないんですよね……。(勝ち馬が)強かったのかな。悔しいですが、レース自体の内容は良かったですし、これからにつながります」

    3着 ジョーロノ 森泰斗騎手
    「逃げにこだわってはいませんでしたが、僕の方が速かったですし、誠二さん(アランバローズ)も距離を意識してか逃げにはこだわってはなさそうだったので、逃げました。初めての右回りも上手に走っていたし、僕が乗った中では一番いいリズムで走れたなっていう感じです。マイルまでなら許容範囲内ですし、現状の力は出していると思います」

    4着 フォルメッシ 石崎駿騎手
    「まだまだ2歳春くらいの体のイメージで、これからの馬ですね。楽しみです」

    5着 マカベウス 本田正重騎手
    「向正面までは問題なかったですが、前走から間隔もなかったからか、3コーナー手前あたりではあれ?という手応えで、さらに3コーナーで、他馬が外にもたれたことでかなり外に回らされる不利もあって、それも大きかったです。内回りでも走りは問題ありませんでしたが、物見はしていました。外回りの方がタイプ的にはいいと思います。これからの馬なので巻き返したいです」

    6着 タブラオ 藤田凌騎手
    「前半は思ったよりも楽についていけましたが、グッとペースが上がった時にスーッとついていけなくて、勝負所での位置取りがひとつ置かれてしまいました。そこから下がりはしませんでしたが、前が止まらなかったのでつかまえられませんでした。休み明けだったし、もっと成長してくれる馬です」

    7着 サッキールビアノ 藤本現暉騎手
    「ゲートで待たされる形になって出負けしてしまいました。最初に砂を嫌がるところもありましたが、競馬を覚えていったらもっと走ってくれそうな馬ですね」

    8着 パストーソ 月岡健二調教師
    「相手も一気に上がったので、道中ついて行った分、終いは疲れてしまった感じですね。幼い面もあって、初ナイターなども含めて警戒したのか、ゲートの入りもいつも以上に良くなかったです。ここまで頑張ってくれたし、まだまだこれからの馬なので、一度リフレッシュ放牧に出して、来年始動したいと思います」

    9着 グランニコラシカ 笹川翼騎手
    「まだ走りも子供っぽいし、砂をかぶったりもまれたりすると、頭を上げて高跳びになったので、その辺が改善されるともっとやれる馬です。来年はいい馬になると思いますよ」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    53 令2 アランバローズ 牡2 左海 誠二
    52 令元 ゴールドビルダー 牡2 森 泰斗
    51 平30 ラプラス 牡2 矢野 貴之
    50 29 ハセノパイロ 牡2 本田 正重
    49 28 ミサイルマン 牡2 笹川 翼
    48 27 トロヴァオ 牡2 本田 正重
    47 26 ストゥディウム 牡2 石崎 駿
    46 25 ブラックヘブン 牡2 有年 淳
    45 24 ソルテ 牡2 金子 正彦
    44 23 ドラゴンシップ 牝2 御神本 訓史
    43 22 セルサス 牡2 石崎 駿
    42 21 ショウリュウ 牡2 的場 文男
    41 20 ナイキハイグレード 牡2 戸崎 圭太
    40 19 ヴァイタルシーズ 牡2 酒井 忍
    39 18 ロイヤルボス 牡2 内田 博幸
    38 17 アタゴハヤブサ 牡2 的場 文男
    37 16 トウケイファイヤー 牡2 有年 淳
    36 15 シルクビート 牡2 的場 文男
    35 14 スオウライデン 牡2 森下 博
    34 13 スオウリージェント 牡2 森下 博
    33 12 レオボストン 牡2 鷹見 浩
    32 11 イチコウキャプテン 牡2 藤村 和生
    31 10 ハイフレンドアトム 牡2 的場 文男
    30 9 ゴールドヘッド 牡2 的場 文男
    29 8 セイントサブリナ 牝2 張田 京
    28 7 バクシンマーチ 牡2 張田 京
    27 6 ジョージタイセイ 牡2 藤村 和生
    26 5 サブノトウショウ 牡2 秋吉 和美
    25 4 ブルーファミリー 牡2 的場 文男
    24 3 ナイキゴージャス 牡2 的場 文男
    23 2 フジノリニアー 牝2 野崎 武司
    22 平元 マスコツトキング 牡2 佐々木 竹見
    21 昭63 リバテイリツチ 牡2 鈴木 啓之
    20 62 ナスノダンデー 牡2 宮浦 正行
    19 61 ダイゴクランド 牡2 本間 光雄
    18 60 タカシマリーガル 牡2 宮浦 正行
    17 59 テイオーカン 牡2 的場 文男
    16 58 ブリージーラツド 牡2 松本 勉
    15 57 チユウオーリーガル 牡2 佐々木 洋一
    14 56 ホスピタリテイ 牡2 西川 栄二
    13 55 ステイード 牡2 高橋 三郎
    12 54 タガワテツオー 牡2 スチーブ・コーゼン
    11 53 マイリマンド 牡2 高橋 三郎
    10 52 リマンドタイコウ 牝2 高橋 三郎
    9 51 サンコーモンド 牡2 赤間 清松
    8 50 リツリンサカエ 牡2 宮浦 正行
    7 49 シタヤロープ 牡2 佐々木 竹見
    6 48 オロマツホース 牝2 桑島 孝春
    5 47 ハイセイコー 牡2 高橋 三郎
    4 46 パールナデイア 牡2 松浦 備
    3 45 フジプリンス 牡2 赤間 清松
    2 44 タマプチー 牡2 赤間 清松
    1 43 カミヤス 牡2 溝辺 正