重賞レース

第22回 TCK女王盃(JpnIII)

  • 2019年1月23日(水)
  • 16:10発走
第22回優勝馬:ビスカリア号

年明け最初の重賞となる、牝馬限定のダートグレード競走です。全国から集まった女傑が真冬のダート女王の座を目指します。このところはJRA所属馬の攻勢が続いており地方所属馬の奮起にも期待が寄せられます。
<上位2頭(地方所属馬に限る)にエンプレス杯の優先出走権を付与>

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    <第22回 TCK女王盃(JpnIII)>

    アイアンテーラー
    ゴールドアリュールの愛娘。6勝全てスピードを生かした逃げ切り勝ちで、今回も展開の鍵を握ります。前走のクイーン賞も軽快に逃げて、重賞初制覇を飾りました。

    エイシンセラード
    カネヒキリの愛娘。3歳デビューで、目下3連勝と勢いにのります。牝馬で510キロ台の雄大な体。初めての大井コースをどう攻略するでしょうか。重賞初挑戦。

    ラビットラン
    ローズSとブリーダーズゴールドカップを制し、芝とダートの重賞ウイナー。JBCレディスクラシックはアンジュデジールからタイム差なしの2着で惜しい結果に。

    ブランシェクール
    昨年のTCK女王盃は2着。その後も南関東に移籍し、ダートグレード競走で存在感を示しています。大井1800mは好走してきた舞台なだけに、期待が高まります。

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    <第22回 TCK女王盃(JpnIII)>

    (1月21日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■ブランシェクール
    *大井 藤田輝信 厩舎 牝6歳
    *成績 24戦4勝2着5回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ブランシェクールはこれまで大井・1800m戦は2度走り、連対率はパーフェクト。

     中央所属馬だった昨年のTCK女王盃は、三浦皇成騎手を背に優勝したミッシングリンクから0.4秒差の2着。南関東の一員になってからは、レディスプレリュードで吉原寛人騎手とコンビを組み、道中は中団から勝負所で進出していき、最後は抜け出していたプリンシアコメータに並びかけるも、タイム差なしの2着。

     「体も絞れていてバッチリ仕上がっていたので、チャンスはあると思っていました。TCK女王盃(2着)の時のようなイメージで、ちょっと早めにいい位置につけていって、一瞬アタマくらいは出たのですが、併せたら向こうも反応しました。いい流れだったし、悔しいです」と、とても残念そうだった吉原騎手。

     まだ重賞の肩掛けは取っていませんが、ここまでの成績を見ても、大井・1800mはブランシェクールが最も力を発揮できる舞台と言っても過言ではありません。今度こそ……。

     引き続き、藤田厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームでトレーニングを続けてきて、順調な仕上がりだそうです。

     「ゲートでうるさいところがあって、枠は外で偶数が希望だったので、いい所に入りました(7枠10番)。吉原君も、クイーン賞(6着、船橋・1800m)の走りとレディスプレリュードの走りは、全然違うって言っていました。スタートを決めて、いいポジションで進めることができれば。6歳という年齢もありますし、この一番合う舞台で決めたいです」(藤田輝信調教師)。

    ■クレイジーアクセル
    *大井 渡邉和雄 厩舎 牝4歳
    *成績 12戦4勝2着2回
    *重賞タイトル
     東京湾カップ(SIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     クレイジーアクセルも4歳になり、いよいよ古馬戦に挑んでいきます。昨年1年間を振り返ると、1度4着はあるものの、それ以外は全て3着以内。東京湾カップ優勝や、ロジータ記念2着、関東オークスと戸塚記念では3着。3歳牝馬が1年を通して重賞を中心に使いながらも、崩れることなく走り続けることができたのは、すばらしいという一言に尽きます。

     前走のロジータ記念はこの馬の現在のスタイルでもある逃げに持ち込みながら、最後は惜しくもクロスウィンドに交わされて2着になりました。コンビを組んだ御神本訓史騎手はレース後にこのように振り返っています。

     「スタート1歩目でミスステップをした以外は、道中ためも作れて完ぺきなレース運びができました。2歳から走ってこの時期まで成長してくれて、今回の状態も前走よりグンと上がっていました。馬の作りもよくなっていたので、その分2100mの距離も辛抱してくれたと思います。

     こんな風によく仕上げてくださっているスタッフの皆さんには感謝しています。最後は何とか取らせてあげたかったですが……」と、とてもしんみりしていた御神本騎手。

     クレイジーアクセルも渡邉厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームでトレーニングを積んでいて、今回も前走と同じくらいのいい状態で出走できるそうです。

     「2歳の頃はコーナーリングで外に張るようなところがあって、ハナに行く競馬をしていますが、今はだいぶ成長しているので真っすぐに走ってくれれば。ハナに行ってどこまで粘れるか?でも、このメンバーなので、ハナに行けない時に控えてどんな競馬をするのか?見てみたいです。相手は強いですが頑張って欲しいですね」(渡邉調教師)。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■アイアンテーラー
    *JRA 飯田雄三 厩舎 牝5歳
    *成績 16戦6勝2着1回
    *重賞タイトル
     クイーン賞(JpnIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     6勝全てが逃げ切り勝ちで、今回も展開の鍵を握ります。前走のクイーン賞は地方コース初出走でしたが、逃げて渋太さを発揮し、念願の重賞初制覇を飾りました。

    ■エイシンセラード
    *JRA 今野貞一 厩舎 牝4歳
    *成績 4戦3勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     一貫してダート1800m戦を走ってきました。新馬戦は5着で、それ以降は先行力を生かしての押し切り勝ちで3連勝。まだ4戦のキャリアで、未知の魅力。

    ■ビスカリア
    *JRA 山内研二 厩舎 牝7歳
    *成績 46戦4勝2着7回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     森泰斗騎手とは優勝経験もあり、JBCクラシックは6着。今回は初の地方コースで、1枠1番からこの馬の脚をどう生かすのか。森騎手の手綱さばきも楽しみです。

    ■ラビットラン
    *JRA 角居勝彦 厩舎 牝5歳
    *成績 13戦4勝2着2回
    *重賞タイトル
     ブリーダーズゴールドカップ(JpnIII)(2018)
     関西テレビ放送賞ローズS(GII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     芝とダートの重賞ウイナー。前走のJBCレディスクラシックは優勝したアンジュデジールからタイム差なしの2着に敗れて涙を呑んだばかり。格の違いを見せたいところ。

    ■ワンミリオンス
    *JRA 小崎憲 厩舎 牝6歳
    *成績 19戦6勝2着1回
    *重賞タイトル
     エンプレス杯(JpnII)(2017)
     TCK女王盃(JpnIII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     2年前のTCK女王盃とエンプレス盃を連勝。それ以降勝ち星からは遠ざかっていますが、大崩れのない走りは続いていて、思い出深いこの場所で輝きをもう一度!

    *TCK女王盃の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第22回 TCK女王盃(JpnIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ブランシェクール
    牧場1/19坂路 600m-38.0秒 200m-12.2秒 馬なり
    ■クレイジーアクセル
    牧場1/19坂路 600m-37.8秒 200m-12.1秒 馬なり
    ■アイアンテーラー
    栗東1/20坂路 800m-54.0秒 600m-38.9秒 200m-12.8秒 馬なり
    ■エイシンセラード
    栗東1/17坂路 800m-51.1秒 600m-37.4秒 200m-12.2秒 一杯追
    ■ビスカリア
    栗東1/16坂路 800m-55.8秒 600m-39.3秒 200m-12.5秒 強めに
    ■ラビットラン
    栗東1/20坂路 800m-54.6秒 600m-38.8秒 200m-12.2秒 馬なり
    ■ワンミリオンス
    栗東1/20坂路 800m-53.9秒 600m-38.8秒 200m-12.6秒 一杯追
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第22回 TCK女王盃(JpnIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     今年で22回目を迎えたTCK女王盃。昨年のJBCレディスクラシックの覇者アンジュデジール不在も、全国から強豪牝馬たちが集まりました。

     1番人気に推されていたのは、芝とダートの重賞を制しているラビットラン。JBCレディスクラシックはアンジュデジールとタイム差なしの2着だったことで、ここも1.4倍の断然の人気。2番人気が3連勝中で重賞初挑戦のエイシンセラード(4.3倍)。3番人気は前走のクイーン賞で持ち前のスピードを生かして逃げ切り勝ちを収めたアイアンテーラー(5.9倍)。

     しかし、中央馬5頭の中で最も人気が低かった(27.6倍)6番人気ビスカリア(中央・山内研二厩舎)が、後続馬たちを突き放していく圧巻の内容で優勝しました。7歳にして念願の重賞ウイナーの仲間入り!

     手綱を取った森泰斗騎手は、大井を知り尽くす南関リーディングジョッキー。ビスカリアとはこれが3度目のコンビでしたが、これまでも相性は抜群。

     レースは、クレイジーアクセルが逃げる形になり、すかさずアイアンテーラーが2番手。3番手にエイシンセラードがつけていくと、少し離れて、ビスカリアは5番手の内を追走していきました。先頭から後方まで縦長の展開。

     「何回か乗せて頂いていたので、前半急かしてしまうと終いは脚を使えない印象で、その辺りのさじ加減というか、そんなに離されずに脚をためる感じでした。いつもより前の位置取りになったのは、この馬のリズムで走っていたら、周りとの兼ね合いで前目になったというだけです。あとはラチ沿いが割とよかったので、ラチから離れないぞって思いました」(森騎手)

     最後の直線に入り、クレイジーアクセルが粘り込もうとするも、外に持ち出したビスカリアが一気に並んで交わすと、後続馬たちを突き放していきました。2着の大井所属マルカンセンサーに5馬身差。1番人気だったラビットランは中団外目から脚を伸ばしてきましたが3着でした。勝ちタイムは1800m1分53秒3(良)。

     「地方の深い砂がどうかなとも思いましたが全く心配することはありませんでしたね。今日は理想的に運べて自分なりにはうまく乗れたので、いい仕事ができました。枠や流れに恵まれた部分もありますが、そもそもの馬の脚力がなければこれだけ強い勝ち方はできないと思います。最高の結果になってよかったです」(森騎手)。



     そして、地方馬最先着が2着に入った的場騎手初騎乗の9番人気マルカンセンサー(大井・高野毅厩舎)でした。多くの人たちが驚いた瞬間でもあり、改めて競馬は何が起きるかわからないことを教えてくれました。あきらめてはいけないことを……。

     マルカンセンサーのここまではC1クラスでも勝ち切れませんでしたが、高野調教師はデビュー前から惚れ込んでいた馬で、「いつも脚を余していたので、レースの後は全く疲れもなくて元気がよすぎるくらいでした。C1でも勝てませんでしたが、スタミナと持久力に持ち込めれば強いと思っていたので、ここは格上挑戦でしたが選択しました」(高野調教師)。

     レースは後方の内から脚をため、最後は2着に突っ込んできました。

     「道中は手応えがよすぎたように見えるかもしれませんが、あれだけ手応えがよくなければ最後も伸びませんよ。ゆっくりじっくりいって直線にかけましたが、こんなに走れるんだぁって驚きました。南関同士の重賞で勝つチャンスはありますね。乗り味はいい馬だし、これからどんな風に変わっていくのか楽しみです」(的場騎手)。

     今年の明け4歳勢は、牡馬も牝馬も非常に楽しみで頼もしいメンバーがそろっています。マルカンセンサーも同世代。母は大井生え抜き馬だったキャニオンドリーム。今後の牝馬戦線においてどんな存在になっていくのか、見守っていきたいと思います。



    <他陣営のコメント>

    3着 ラビットラン ミルコ・デムーロ騎手(1番人気)
    「いつもいろんな競馬をしている馬で、道中の手応えもよかったし、向正面では勝てるなと思っていましたが、4コーナーでズブくなって、直線では思ったよりも伸びませんでした。勝った馬と同じくらいのところにいて、いい競馬はできましたが……」

    4着 アルティマウェポン 真島大輔騎手
    「よく仕上がっていたし、馬も頑張ってくれました。この馬にはちょっと速い流れになってしまいましたが、まとまって走ってくれていたと思います。この馬、走りますね!」

    5着 クレイジーアクセル 御神本訓史騎手
    「外に速い馬もいて、ペースは上がっていましたが、よく逃げ粘ってくれたと思います。走りに張るような癖は全くないし、大井の右回りの方が乗りやすいです」

    6着 ガーデンズキュー 笹川翼騎手
    「強い相手とやってそこそこ走れているので、今後のためにはなったというか、すごくいい経験はできたと思います。ペースの出し入れが利かない仔なので、強い相手とやってペースが上がった方がスムーズに走れるので、その辺りはいいと思います」

    7着 ワンミリオンス 北村友一騎手
    「返し馬から前向きさに欠くような感じで、ブリンカーは着けていましたがフワフワしているような感じでした。道中も左に少しもたれるようなところがあって、伸びる気配はありませんでした」

    8着 エイシンセラード 福永祐一騎手
    「スムーズな競馬はできましたが、相手も一気に強化されて、今日のところは力負けかなと感じています。いずれはこういうクラスでやれる馬だと思います」

    9着 ブランシェクール 吉原寛人騎手
    「レースの中盤までは悪くない形で運べていましたが、勝負所で前との間隔が一気に詰まった時に、外から来られてリズムを崩してしまいました。周りの状況に過敏に反応するところがあるタイプなので、今日はそこで終わってしまったのがとても残念です」

    10着 スプリングキャロル 吉井章騎手
    「馬は頑張って走ってくれました。(吉井騎手はダートグレード競走初騎乗でしたが)テレビで見ていた方たちと一緒に騎乗することができて、隣の枠は憧れのミルコ・デムーロ騎手だったのでうれしかったです。普段乗れない皆さんとご一緒できたのは楽しかったです」

    11着 ジュエルクイーン 岡部誠騎手
    「いい位置を取れましたが、3コーナーから置かれて厳しくなりました」
    *このレースを最後に生まれ故郷の明治牧場さんで繁殖入りすることになりました。

    12着 アイアンテーラー 濱中俊騎手
    「逃げて結果を出してきた馬なので、逃げないとモロイところもあります。本当は逃げられればよかったですが、こういう感じになると逃げ馬は厳しいですね」

    13着 ラモントルドール 加藤聡一騎手
    「見せ場がありませんでした。今日初めて乗せて頂きましたが、体に余裕があった分、最後は離されてしまったように思います」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    22 平31 ビスカリア 牝7 森 泰斗
    21 30 ミッシングリンク 牝4 戸崎 圭太
    20 29 ワンミリオンス 牝4 戸崎 圭太
    19 28 ホワイトフーガ 牝4 大野 拓弥
    18 27 サンビスタ 牝6 C.デムーロ
    17 26 メーデイア 牝6 濱中 俊
    16 25 メーデイア 牝5 濱中 俊
    15 24 ハルサンサン 牝4 今野 忠成
    14 23 ラヴェリータ 牝5 M.デムーロ
    13 22 ユキチャン 牝5 今野 忠成
    12 21 ヤマトマリオン 牝6 幸 英明
    11 20 ラピッドオレンジ 牝5 内田 博幸
    10 19 サウンドザビーチ 牝6 勝浦 正樹
    9 18 グラッブユアハート 牝6 安藤 勝己
    8 17 レマーズガール 牝5 武 豊
    7 16 レマーズガール 牝4 武 豊
    6 15 ネームヴァリュー 牝5 佐藤 隆
    5 14 レディバラード 牝5 藤田 伸二
    4 13 ベラミロード 牝5 内田 利雄
    3 12 ヤマノリアル 牝4 張田 京
    2 11 ケープリズバーン 牝4 熊沢 重文
    1 10 トミケンクイン 牝4 川原 正一