重賞レース

第17回 JBCクラシック(JpnI)

  • 2017年11月3日(金)
  • 17:10発走
第17回優勝馬:サウンドトゥルー号

地方競馬最大のイベントであるJBCは、生産界の提唱により2001年に誕生し、創設から17年目となります。全国の地方競馬場の持ち回りで開催。第1回目を開催したTCKは、今年で通算7回目の開催になります。創設以来の16年間、全てJRA所属馬が勝利を飾っており、地方所属馬の初優勝に期待がかかります。
<上位5頭のうち南関東所属最先着馬1頭に浦和記念の優先出走権を付与>

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    <第17回 JBCクラシック(JpnI)>

    アウォーディー
    昨年のJBCクラシック(川崎・2100m)は王者ホッコータルマエを抑えて優勝し、ダート重賞5連勝を決めました。それ以降もドバイワールドカップ(5着)やチャンピオンズカップ(2着)など高いレベルに挑戦し続け、実力を示しています。

    アポロケンタッキー
    昨年の東京大賞典は内田博幸騎手との初コンビで優勝し、560キロ台の体から繰り出すパワフルな走りで、G1ウィナーの仲間入り。前走の日本テレビ盃は、ドバイワールドカップ(9着)遠征後2戦目で、中央馬4頭の叩き合いを見事制しました。

    ケイティブレイブ
    今年の帝王賞覇者。スピードを生かして先手を取っていくイメージの馬ですが、この時はスタートで躓き後方から差し切る内容での勝利。道中は自分のリズムを大切にしながら、最後は中央のライバルたちを豪快に差し切ったシーンは圧巻でした。

    サウンドトゥルー
    昨年のチャンピオンズカップと一昨年の東京大賞典など重賞3勝馬。JBCクラシックは3年連続の出走ですが、惜しくも優勝には手が届いていません。自慢の末脚を生かして、3度目の正直になりますか?!大井所属だったキョウエイトルースの愛息。

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    <第17回 JBCクラシック(JpnI)>

    (11月1日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■タマモネイヴィー
    *浦和 小久保智 厩舎 牡6歳
    *成績 45戦6勝2着4回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央4勝の実績で南関東の一員になると、今年はすでに11戦を消化していますが、持ち前のタフさを武器に走り続けています。

     前走の埼玉新聞栄冠賞はここまでのパフォーマンスから1番人気に推されていましたが、後方から脚を伸ばしてくるも、馬場や展開などが向かず3着に敗れました。

     「相手は強くなるけど今回の条件は問題ないからね。ペースが流れてくれる分、折り合いもつけやすくなるし、中団から直線勝負」(小久保智調教師)。

    ■バルダッサーレ
    *大井 中道啓二 厩舎 牡4歳
    *成績 19戦3勝2着1回
    *重賞タイトル
     東京ダービー(SI)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走の準重賞ムーンライトカップは、脚部不安などの休み明けで約1年ぶりの実戦でした。3番手を進めていくも3~4コーナーから一気に下がり14着。

     「3コーナーで外に出した時に気持ちが切れてハミが抜けちゃった感じです。気分よく行く方がやめちゃうというか、馬群の中で怒らせて掛かっていくくらいの方がこの馬には向くと思います。(大敗したのは)体よりも気持ちの部分が大きいですね」(中道啓二調教師)。

     一度使ったことでハリも出て、最終追い切りの動きもよかったそうです。この大舞台で、東京ダービー馬が最後まで走り切った時にどんな走りをするのか楽しみです。

    ■サブノクロヒョウ
    *大井 阪本一栄 厩舎 牡4歳
    *成績 29戦5勝2着7回
    *重賞タイトル
     東京記念(SII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     JBCクラシック出走馬唯一の地方生え抜き馬。前走の東京記念は和田譲治騎手が久しぶりに手綱を取り、好位外目から最後の直線で先頭に立つと、そうそうたるメンバーを抑えて念願の人馬ともに重賞初タイトルを手にしました。

     「譲治と手が合うというか、本来の力を引き出してくれたと思う。相手はかなり上がるけど、前回がフロックじゃないことを示したいし、唯一の生え抜き馬として頑張りたいね。スタートを決めてスムーズに走らせたい」(阪本一栄調教師)。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■アウォーディー
    *JRA 松永幹夫 厩舎 牡7歳
    *成績 36戦10勝2着6回
    *重賞タイトル
     JBCクラシック(JpnI)(2016)
     日本テレビ盃(JpnII)(2016)
     アンタレスS(GIII)(2016)
     名古屋大賞典(JpnIII)(2016)
     シリウスS(GIII)(2015)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年のJBCクラシック(川崎・2100m)は王者ホッコータルマエを抑えての勝利。今年のドバイワールドカップ(5着)後は帝王賞(3着)に出走し、約4か月ぶりの実戦です。

    ■アポロケンタッキー
    *JRA 山内研二 厩舎 牡5歳
    *成績 22戦9勝2着3回
    *重賞タイトル
     日本テレビ盃(JpnII)(2017)
     東京大賞典(GI)(2016)
     みやこS(GIII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年の東京大賞典は初騎乗の内田博幸騎手にエスコートされG1初制覇を挙げました。ドバイワールドカップ(9着)挑戦後は、2戦目の前走日本テレビで混戦を制したばかり。

    ■オールブラッシュ
    *JRA 村山明 厩舎 牡5歳
    *成績 22戦6勝2着4回
    *重賞タイトル
     川崎記念(JpnI)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     今年の川崎記念は持ち前のスピードで押し切って念願の重賞初制覇を飾りました。前走の帝王賞も逃げに持ち込みましたが、他馬からのプレッシャーを受けて反応今ひとつで6着。

    ■グレンツェント
    *JRA 加藤征弘 厩舎 牡4歳
    *成績 12戦6勝2着2回
    *重賞タイトル
     東海S(GII)(2017)
     レパードS(GIII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビュー2戦目からダートを走り、常に末脚を発揮し安定した成績が光ります。ここ2戦は案外な走りですが、この出走馬たちともヒケの取らない実力は示してきました。森泰斗騎手初騎乗。

    ■ケイティブレイブ
    *JRA 目野哲也 厩舎 牡4歳
    *成績 22戦7勝2着5回
    *重賞タイトル
     帝王賞(JpnI)(2017)
     名古屋大賞典(JpnIII)(2017)
     浦和記念(JpnII)(2016)
     白山大賞典(JpnIII)(2016)
     兵庫チャンピオンシップ(JpnII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     今年の帝王賞覇者。先手を取っていくイメージとは真逆で、スタートで躓き後方から。それでも道中はリズムを大事にしながら進めていき、豪快に差し切ったシーンは圧巻でした。

    ■サウンドトゥルー
    *JRA 高木登 厩舎 セ7歳
    *成績 43戦9勝2着10回
    *重賞タイトル
     チャンピオンズカップ(GI)(2016)
     東京大賞典(GI)(2015)
     日本テレビ盃(JpnII)(2015)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     JBCクラシックは今年3年連続の出走。このタイトルはまだ無冠ですが、自慢の末脚を存分に発揮し、3度目の正直になりますか⁈大井所属だったキョウエイトルースの愛息です。

    ■ミツバ
    *JRA 加用正 厩舎 牡5歳
    *成績 31戦9勝2着4回
    *重賞タイトル
     マーキュリーカップ(JpnIII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走のマーキュリーカップは5、6番手からの差し切りで重賞初制覇を飾りました。大井競馬場初出走。脚質に幅があり、偉大なるカネヒキリの愛息がどんな競馬を見せるでしょう⁈

    *JBCクラシックの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第17回 JBCクラシック(JpnI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■タマモネイヴィー
    浦和10/28稍 800m-54.7秒 600m-40.5秒 馬なり
    ■バルダッサーレ
    大井10/30不 1000m-63.3秒 800m-49.5秒 600m-36.2秒 一杯追
    ■サブノクロヒョウ
    大井10/30不 1000m-66.2秒 800m-52.1秒 600m-37.7秒 仕掛け
    ■アウォーディー
    栗東10/30CW不 1200m-7F99.9秒 1000m-67.2秒 800m-52.6秒 600m-38.9秒 200m-12.6秒 一杯追
    ■アポロケンタッキー
    栗東10/30坂路 800m-54.5秒 600m-38.6秒 200m-12.7秒 強めに
    ■オールブラッシュ
    栗東10/30CW不 1200m-84.9秒 1000m-67.7秒 800m-52.4秒 600m-38.5秒 200m-12.9秒 一杯追
    ■グレンツェント
    美浦10/31W稍 1000m-69.0秒 800m-53.8秒 600m-39.4秒 200m-13.5秒 馬なり
    ■ケイティブレイブ
    栗東10/29坂路 800m-52.1秒 600m-38.1秒 200m-12.7秒 馬なり
    ■サウンドトゥルー
    美浦10/31坂路 800m-53.3秒 600m-39.4秒 200m-12.9秒 馬なり
    ■ミツバ
    栗東10/30坂路 800m-56.9秒 600m-40.2秒 200m-12.6秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第17回 JBCクラシック(JpnI)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     JBC3競走が豪華に行われたこの日。JBCレディスクラシック、JBCスプリントと続き、このJBCクラシックでは場内の熱気も最高潮に達していました。

     中央からはダート界の猛者たちが集結し、出走馬7頭が上位人気を独占。重賞ウィナーたちであることはもちろんですが、GⅠ・JpnⅠ優勝馬は5頭。昨年の覇者アウォーディーが1番人気に支持されると、昨年の東京大賞典馬アポロケンタッキーが2番人気、今年の帝王賞の勝ち馬ケイティブレイブは3番人気でした。

     そんな中で格の違いを見せつけたのは、大野拓弥騎手が騎乗した4番人気サウンドトゥルー(中央・高木登厩舎)。今年7歳になりましたが、持ち味である強靭な末脚は健在。

     2年前に日本テレビ盃を制して重賞初制覇を飾ると、その後は東京大賞典とチャンピオンズカップも勝ち、2つのG1・JpnⅠタイトルウィナーに。後ろからいく脚質だけにどうしても展開に左右される面はあるものの、高いレベルで戦いながら、常に大崩れなく走り続けているのはすばらしいの一言に尽きます。

     ここもサウンドトゥルーの強さが存分に光りました。「惜しい競馬が続いていたので、ここは勝ちたいと思っていました。一度使ったことで具合もグンとよくなっていましたし、寒くなって体調を上げてくる馬です」(大野騎手)。

     レースはオールブラッシュが逃げる展開で、600m通過が36秒7、前半1000m通過が62秒1というゆったりした流れを作っていき、2番手には唯一の地方生え抜き馬としての出走となった大井のサブノクロヒョウがつけ、ミツバやアウォーディーが続き、逃げると思われていたケイティブレイブが中団を追走。

     サウンドトゥルーは中央勢の中では一番後ろの10番手から進めていきました。「いつも通りポコンというスタートでしたが、慌てずに(前と)離れていても、この馬のペースで進ませようと思いました」。

     向正面に入るところでは先頭から後方まで縦長の展開。サウンドトゥルーは3~4コーナーで大外から一気に進出していくと、最後の直線ではケイティブレイブやミツバが必死に食い下がるも競り落として差し切りました。

     「今回はしっかり手前を替えてくれて交わせると思いました。ケイティブレイブは渋太かったですが、残り100mのところで振り切ってからは確信に変わりました」。

     優勝したサウンドトゥルーが2着のケイティブレイブに1馬身差。3着にはミツバ。勝ちタイムは2000m2分4秒5(重)でした。

     サウンドトゥルーの母キョウエイトルースは中央から大井に移籍し、数か月の短い間でしたが、2003年TCK女王盃(7着、優勝馬ネームヴァリュー)に出走するなど大井競馬場で走ったゆかりのある血統。

     この後のサウンドトゥルーは、去年と同じローテーションで、チャンピオンズカップを使ってから、再び東京大賞典に参戦を予定しているそうです。「(チャンピオンズカップの)タイトルを取ってここに戻ってきたいです」(高木調教師)。また目が覚めるような末脚が、この大井競馬場の砂上で炸裂することを待ちたいと思います。

     地方競馬で行われてきたこのJBC競走、来年は京都競馬場で行われます。



    <他陣営のコメント>

    2着 ケイティブレイブ 福永祐一騎手
    「返し馬の感触もよかったです。1~2コーナーでも手応え十分に進めることができて、終いもしっかり伸びてはくれたんですが、もう少しでした。以前までは前に馬を置くと力むようなところがありましたが、どんな流れにも対応できるようになってきましたね」

    3着 ミツバ 松山弘平騎手
    「力のある馬ですが気難しい面もあるので、道中は集中力を切らさないように走らせました。前々で競馬ができて最後も差し返そうとしてくれましたが……」

    4着 アウォーディー 武豊騎手
    「状態はすごくよかったです。道中も気の悪さを出さずにいい感じで走ってくれて余力はまだ十分にあったんですが、伸びなかったのは意外でした。大井コースも合わないのか……。左回りの方がいい走りを見せてくれているので巻き返したいですね」

    5着 グレンツェント 森泰斗騎手
    「休み明けで息遣いは重かったですが頑張って走ってくれました。このメンバーとでもやれる力のある馬です」

    6着 オールブラッシュ クリストフ・ルメール騎手
    「今日はハミを取ってしまい、リラックスして走れませんでした」

    7着 サブノクロヒョウ 和田譲治騎手
    「スタートもよくて楽にあの位置につけることができました。向正面でペースが上がったところでついていけなくなりましたが、それでも最後まで我慢をして走ってくれて渋太く粘っています。力はつけていますよ」

    8着 アポロケンタッキー 内田博幸騎手
    「徐々に上がっていければいいなと思っていたんですが、前にいた馬たちの手応えがよすぎました。(前に)砂をかぶっても競馬はしているし、敗因はわからないです。いくら何でも負けすぎですね……」

    9着 タマモネイヴィー 繁田健一騎手
    「川崎で勝った時のようなハミを噛んで進む感じがありませんでした」

    10着 バルダッサーレ 中道啓二調教師
    「馬体も絞れていたし、3~4コーナーくらいまでの手応えもよかったんですが、4コーナーで(接触されたことで)ハミが抜けてやめてしまったみたいです。御神本の話しでは我慢させずにまくるくらいでもよかったかなと言っていました。着順はよくないですが悲観する内容ではなかったですし、前進していると思います」

    11着 フェスティヴイェル 的場文男騎手
    「相手が強かったですね」

    12着 ハーキュリーズ 保園翔也騎手
    「スタートはいい馬ですが今回は抑えていって終いの脚にかけようと思いました。相手が強かったです」

    13着 スパイア 安藤洋一騎手
    「相手は強かったですがいい経験になりました」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    17 平29 サウンドトゥルー セ7 大野 拓弥
    16 28 アウォーディー 牡6 武 豊
    15 27 コパノリッキー 牡5 武 豊
    14 26 コパノリッキー 牡4 田邊 裕信
    13 25 ホッコータルマエ 牡4 幸 英明
    12 24 ワンダーアキュート 牡6 和田 竜二
    11 23 スマートファルコン 牡6 武 豊
    10 22 スマートファルコン 牡5 武 豊
    9 21 ヴァーミリアン 牡7 武 豊
    8 20 ヴァーミリアン 牡6 武 豊
    7 19 ヴァーミリアン 牡5 武 豊
    6 18 タイムパラドックス 牡8 岩田 康誠
    5 17 タイムパラドックス 牡7 武 豊