重賞レース

第30回 アフター5スター賞(SIII)

  • 2023年9月7日(木)
  • 20:10発走
第30回優勝馬:ギシギシ号

短距離戦で持ち味を発揮する快速馬たちが、自慢のスピードで残暑を吹き飛ばす1,200mのスプリント戦。「東京盃」から「JBCスプリント」へ続く秋の短距離交流重賞に向け、南関東所属の有力馬が始動する注目のレースです。
<優勝馬にテレ玉杯オーバルスプリントおよび東京盃の優先出走権を付与>

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    <第30回 アフター5スター賞(SIII)>
    (8月29日現在)

    ジャスティン
    2020東京スプリント、東京盃、カペラSを制しているダート短距離界のビッグネームが、南関東に仲間入り。森泰斗騎手との新コンビで、移籍初戦Vに期待が高まります。

    キモンルビー
    近走は川崎スパーキングスプリントと習志野きらっとスプリントを逃げ切り、重賞連勝中。元気な6歳牝馬が勢いそののままに4つ目のタイトルをかけて参戦します。

    ギシギシ
    昨年は重賞初挑戦の東京スプリントで僅差の3着。その後は3連勝で習志野きらっとスプリントを制し、初タイトルを獲得しました。1年ぶりの復活Vを狙います。

    プライルード
    2021全日本2歳優駿3着など全国区で戦ってきた実績馬。昨年はクラシック後から路線を転向し、優駿スプリントとアフター5スター賞の重賞を連勝しました。

    マックス
    JRA時代は3歳以上2勝クラスを勝ち上がり、昨年6月から大井の一員に。前走のアフター5スター賞トライアルは連勝で飾り、南関東重賞初挑戦Vを目指します。

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    <第30回 アフター5スター賞(SIII)>

    (9月5日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■ジャスティン
    *大井 坂井英光 厩舎(小林) 牡7歳
    *成績 33戦9勝2着2回
    *重賞タイトル
     カペラS(GIII)(2020)
     東京盃(JpnII)(2020)
     東京スプリント(JpnIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ダート1200mのスペシャリスト・ジャスティンが南関東移籍初戦を迎えます。JRA時代には、2020年の東京スプリントを皮切りに、東京盃、カペラSと3つのタイトルを獲得し、世界にも挑戦してきたビッグネーム。8月上旬に大井の坂井英光厩舎<小林>に入厩しました。*写真は坂井調教師から提供頂きました。

     暑い時期でも小林牧場は比較的涼しく、坂井厩舎には冷房もあり、朝の早い涼しい時間帯に調教をしているそうで、暑さも大丈夫とのこと。

     「7歳ですが馬体のハリや動きを見ていると、馬は若いです。追い切り後に獣医師さんに心臓の音を聞いてもらってもケロッとしているそうで、心臓も強いですね。最終追い切りも満足のいく内容でした。この後の東京盃、JBCスプリントを見据えたレースになりますが、この馬の能力に期待しているので、現状でどのくらいやってくれるか見てみたいです。

     レースは逃げ馬のイメージが強いですが、こだわってはいないので、逆に外枠(6枠10番)に入ったのは良かったと思っています」(坂井調教師)。

     昨年2月の大和S(オープン)以来の勝利を飾ることができるのか、新生ジャスティンの走りに注目です。

     さらに、坂井厩舎からは準重賞・メトロポリタンメイカップを制したロードラズライトも出走します。「状態はいいので一発狙っています!」(坂井調教師)。

    ■ギシギシ
    *大井 栗田裕光 厩舎 牡5歳
    *成績 23戦9勝2着4回
    *重賞タイトル
     習志野きらっとスプリント(SI)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     重賞初挑戦だった昨年4月の東京スプリントは、JRAの強豪たちを相手にタイム差なしの3着。一躍脚光を浴び、それ以降は3連勝で習志野きらっとスプリントを制して重賞ウイナーの仲間入りをしました。ギシギシのポテンシャルの高さから、陣営が目指しているのはダートグレード競走制覇!

     それ以降は目に見えない疲れや得意な条件ではない中で、もう一歩の成績が続いています。前走の習志野きらっとスプリントは連覇を目指しての参戦でしたが、優勝したキモンルビーに半馬身届かず2着。しかし、猛追する姿は復活を感じさせるものでした。

     「左回りはどうしても行きっぷりが良くありませんが、慣れた大井コースではそういうことはないので。これまでの成績を見ても馬体重500キロくらいの方が結果は出しているので、前回は10キロ絞れたのも良かったと思っています。暑い時期でも汗はしっかりかいて問題はないですし、コンディション自体は維持できています。この後の東京盃、JBCスプリントに向けても、いい走りを期待しています」(栗田裕光調教師)。

     ギシギシの完全復活Vをかけ、2つ目のタイトル獲得を狙います。

    ■キモンルビー
    *船橋 川島正一 厩舎 牝6歳
    *成績 38戦17勝2着7回
    *重賞タイトル
     習志野きらっとスプリント(SI)(2023)
     川崎スパーキングスプリント(SIII)(2023)
     船橋記念(SIII)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走の習志野きらっとスプリントで勝利を飾ったキモンルビー。二の脚が早く先頭に立つと、直線ではさらに後続を引き離し、ゴール前はギシギシの猛追を半馬身差しのぎ切りました。昨年はクビ差かわされ2着に涙を呑みましたが、今年はリベンジを果たす結果。

     前走の川崎スパーキングスプリントに続き重賞連勝、通算3つ目のタイトルを獲得しました。6歳牝馬、息の長い活躍を続けています。

     「深い船橋の馬場がどうかなと思いましたが、状態の良さと馬の根性でしっかり勝ち切ってくれて良かったです。まだまだスプリント界で活躍できると思います」と主戦の御神本訓史騎手。

     ここまでのタイトルは左回り1000m以下のレースで、大井コースは昨年のアフター5スター賞(11着)以来です。母キモンレッドも所属していた大井で、愛娘の力走も期待したいところ。

     「ちょっと出遅れたとしても、二の脚を使えるのが強み。6歳の女の子でも無理使いをしていないから、コンディションは変わらずにいいですよ。ただ、左のワンターンの方がいいのかな。1000m以下で結果を出してきているし、1200mは気持ち長いとも思うので、直線でつかまらなければいいなとは思っています。状態の良さで頑張って欲しいですね」(川島正一調教師)。

    ■マックス
    *大井 福永敏 厩舎(小林) セ6歳
    *成績 23戦8勝2着7回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     JRA時代は3歳以上2勝クラスを勝ち、昨年6月から大井の福永敏厩舎<小林>へ移籍しました。B2からコツコツコツコツと走り、現在はA2。今回は格上挑戦ですが、最近のレース内容からも未知の魅力がたっぷりです。

     1200mに路線転向後は、2走前のサジタリウス賞 A2B1(一)と前走のアフター5スター賞トライアルを連勝し、ともに勝ちタイム1分11秒台と好時計をマークしました。勢いそのままに、この路線に新星が誕生するのか注目が集まります。

     「ここを目標に順調に仕上げてきました。レースはある程度前目のポジションにはつけて、流れに乗せたいです。切れ味のある馬ではないので、直線を向いた時の位置取りはポイントですね。相手もそろっているし格上挑戦なのでチャレンジャーですが、前回の勝ち時計(1分11秒0)からも通用はして欲しいです。楽しみにしています!」(福永調教師)。

    ■ポーチュラカ
    *船橋 渋谷信博 厩舎 牝3歳
    *成績 12戦3勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年7月のリアトリスデビューは、船橋・1000mを1分1秒2(やや重)という好タイムで快勝しました。2戦目は船橋から大井に遠征。1200mのゴールドジュニアは牡馬の活躍馬たちに迫る4着に入りました。それ以降はクラシックを見据えたローテーションを組みましたが、前走の優駿スプリントは久しぶりの1200mで僅差の2着となり、改めて距離適性の高さを示しました。

     今回はB1からの格上挑戦。斤量が49キロというのも非常に魅力です。

     「斤量は恵まれましたね。(2枠2番ですが)欲を言えば、もう少し外枠が良かったですが、偶数枠に入ったのでゲートに入れるのが後のぶん、すぐに切れるのはいいなと。この斤量だし、小細工なしで逃げるつもりです。夏は牝馬という言葉もありますが、馬の調子は良く、今までで追い切りも一番動いています。スピードを生かして、軽量のチャンスを生かしたいですね」(渋谷信博調教師)。

     牝馬の出走は3頭(キモンルビー、ポーチュラカ、サダムスキャット)。牝馬が優勝した場合は2013年のハードデイズナイト(斤量50キロ)以来10年ぶりです。ポーチュラカについて他陣営からも「(49キロのぶん)ポンと逃げられた時が怖い」という声も多く聞かれる中、重賞初Vを目指します。

    *アフター5スター賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第30回 アフター5スター賞(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ジャスティン
    小林9/2良 1000m-66.2 秒 800m-50.6 秒 600m-37.0 秒
    ■ギシギシ
    大井9/2良 1000m-62.5 秒 800m-47.8 秒 600m-34.9 秒
    ■キモンルビー
    船橋9/2右良 1200m-78.4 秒 1000m-62.0 秒 800m-48.4 秒 600m-36.6 秒
    ■マックス
    小林9/2坂路 (400m-)26.0秒 200m-13.4 秒
    ■ポーチュラカ
    船橋9/2右良 1000m-62.7 秒 800m-48.4 秒 600m-36.4 秒
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第30回 アフター5スター賞(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     7日に行われたJBCスプリント指定競走のアフター5スター賞(SⅢ)は、東京盃、JBCスプリントに向けても重要な一戦です。1200mの舞台に、南関東のスピード自慢たちが勢ぞろいをしました。

     前夜の東京記念(優勝・セイカメテオポリス)に続き、このアフター5スター賞も大井生え抜き5歳馬がV。1番人気ギシギシ(栗田裕光厩舎)が差し切り勝ちを収めました。昨年7月の習志野きらっとスプリント以来となる2つ目のタイトルで、地元の重賞は初。「本当にお待たせしました」と栗田調教師も満面の笑みを浮かべていました。

     3番手を進めたギシギシは、3コーナー付近では手応えも怪しくなり、5番手に後退しました。昨年Vを飾った時以来のコンビだった笹川翼騎手は「ズブさというか、馬がレースに慣れ過ぎている感じです。追い切りも乗せてもらって、それは感じていたので気をつけようと。スタートを出てからの一歩目も、去年のほうがいいなと思いました」とコメント。

     JRAからの移籍初戦だった重賞3勝馬ジャスティンが直線で先頭に立つと、ギシギシも脚を伸ばしていき、ゴール前にクビ差かわしました。勝ちタイムは1200m1分11秒1(重)。2着がジャスティン、さらにハナ差の3着が南関東の重賞初挑戦だったマックスでした。

     「直線を向く時は手応えがあったのでかわしてくれると思いましたが、馬が寄ってきたらフワッと頭を上げるところもあったので、逆にそういうところもある馬なんだなぁと。最後は気持ちを入れて何とかかわしてくれと必死に追いました。矢野さん(主戦の矢野貴之騎手は負傷により静養中)がこれまで一生懸命乗ってきた馬なので、結果を出すことができて良かったです」。

     ギシギシは3歳時に骨折を発症し、それを乗り越え、重賞に初挑戦したのは昨年4月の東京スプリント。JRAの強豪たちを相手にタイム差なしの3着だったことは記憶に新しいでしょう。その後、3連勝で習志野きらっとスプリントを制してからは、目に見えない疲れや得意な条件ではない中で、もどかしい結果が続きました。ついにつかんだ2つ目のタイトル!

     この後は東京盃とJBCスプリントに出走予定。当初から陣営が目標にしてきたダートグレード競走制覇の夢を叶えて欲しいと思います。



    <他陣営のコメント>

    2着 ジャスティン 森泰斗騎手
    「気持ちは高めていましたが、転入初戦としては良かったです。3、4コーナーでもう1、2馬身後ろでも良かったのかな。早めに行ったぶん、ちょっと甘くなりました。もう少し我慢をしておけば……。今後も十分にやれると思います」

    3着 マックス 御神本訓史騎手
    「乗りやすい馬ですね。3コーナーでちょっと狭くなりましたが、それがなければもう少し面白かったです。2キロの斤量差はありますが、重賞でもやれたので今後も楽しみです」

    4着 ブラックストーム 今野忠成騎手
    「ごちゃごちゃしない競馬をと思っていましたが、周りも速かったので腹をくくりました。自分の競馬はできませんでしたが、終いは反応して伸びてくれました」

    5着 ミチノギャング 達城龍次騎手
    「最高の位置を取れて手応えもとても良かったですが、直線で不利があって本当に残念です」

    6着 マムティキング 荒井朋弘調教師
    「久しぶりの1200mでしたが、よく対応してくれたと思います」

    7着 ロードラズライト 本田正重騎手
    「スタートが良すぎてしまい、もうひとつポジションが後ろでも良かったなと思います」

    8着 マースインディ 藤本現暉騎手
    「1200mは集中して走れるので一番合うとは思いますが……」

    9着 サダムスキャット 稲益貴弘調教師
    「期待はしていましたが、砂をかぶったらひるんで一気に下がってしまいました。今回のスピードを見て、今後は距離を延ばしていくことも考えています」

    10着 シゲルタイタン 山崎誠士騎手
    「スピードのあるところは見せられたんですけど……」

    11着 プライルード 吉原寛人騎手
    「行き脚がついたので、積極的にポジションを取りに行きましたが、想定以上にペースが上がってしまいました。勝負どころではすでに反応がありませんでした」

    12着 ナムラカメタロー 東原悠善騎手
    「久しぶりの1200mだったので、周りのテンが速くて、ついていけないところもありました。それでも最後まで一生懸命頑張ってくれたと思います」

    13着 ポーチュラカ 西啓太騎手
    「ずっと来られたので、息が入りませんでした。この経験が次回に生きてくれれば」

    出走取消 キモンルビー 右前肢挫跖
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    30 令5 ギシギシ 牡5 笹川 翼
    29 4 プライルード 牡3 本田 正重
    28 3 ワールドリング 牡3 張田 昂
    27 2 サブノジュニア 牡6 矢野 貴之
    26 令元 キタサンミカヅキ 牡9 森 泰斗
    25 平30 キタサンミカヅキ 牡8 森 泰斗
    24 29 キタサンミカヅキ 牡7 繁田 健一
    23 28 ルックスザットキル 牡4 早田 功駿
    22 27 ジョーメテオ 牡9 坂井 英光
    21 26 サトノタイガー 牡6 吉原 寛人
    20 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士
    19 24 ジーエスライカー 牡5 坂井 英光
    18 23 タカオセンチュリー 牡8 柏木 健宏
    17 22 ヤサカファイン 牡4 石崎 駿
    16 21 ケイアイジンジン 牡3 的場 文男
    15 20 ディープサマー 牡6 川島 正太郎
    14 19 ベルモントサンダー 牡6 石崎 駿
    13 18 コアレスタイム 牡8 内田 博幸
    12 17 ロッキーアピール 牡7 今野 忠成
    11 16 ハタノアドニス 牡8 早田 秀治
    10 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    9 14 キングリファール 牡5 佐藤 隆
    8 13 スピーディドゥ 牡5 内田 博幸
    7 12 ゴールドヘッド 牡5 的場 文男
    6 11 イナリコンコルド 牡4 内田 博幸
    5 10 サントス 牡5 鈴木 啓之
    4 9 サプライズパワー 牡3 石崎 隆之
    3 8 スペクタクル 牡5 内田 博幸
    2 7 ツキフクオー 牡3 森下 博
    1 6 ツキノイチバン 牡5 佐々木 竹見