重賞レース

第13回 優駿スプリント(SII)

  • 2023年6月27日(火)
  • 20:10発走
第13回優勝馬:フジコチャン号

3歳限定のスプリント重賞(1,200m)戦として2011年に新設されました。短距離のスペシャリストを目指す若駒たちがしのぎを削るレースで、このレースの優勝馬は夏以降の古馬勢との対決でも活躍が目立ちます。
<優勝馬に習志野きらっとスプリント、上位2頭にアフター5スター賞の優先出走権を付与>

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    <第13回 優駿スプリント(SII)>
    (6月20日現在)

    リベイクフルシティ
    昨年のゴールドジュニア(1200m)は無傷の4連勝で重賞初制覇を飾りました。その後はクラシック路線に挑戦しましたが、今回は久しぶりの1200mで注目が集まります。

    メンコイボクチャン
    ホッカイドウ競馬からデビューし、重賞戦線でも好走。船橋移籍2戦目だった前走の若潮スプリントは4コーナーで先頭に立つと押し切り、重賞初制覇を飾りました。

    シロイトイキ
    ここまで5戦3勝2着2回、連対率100%。前走の優駿スプリントトライアルは馬群をさばいて差し切り、権利を獲得しました。10年振り4頭目の牝馬Vを目指します。

    フジコチャン
    こちらも牝馬の参戦で、準重賞・桃花賞の勝ち馬。1200m初挑戦だった前走の若潮スプリントは最後に脚を使い2着となり、走り慣れた大井コースで巻き返しを図ります。

    クラティアラ
    北海道から浦和へ移籍。2走前の若潮スプリントは出遅れながらも3着となり、力は示しました。女傑スピーディキックを手掛ける同じメンバーが送り出す1頭です。

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    <第13回 優駿スプリント(SII)>

    (6月26日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■リベイクフルシティ
    *大井 宗形竹見 厩舎 セ3歳
    *成績 8戦4勝2着0回
    *重賞タイトル
     ゴールドジュニア(SIII)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューから無傷の4連勝で1200mのゴールドジュニアを制した実力馬。その後はクラシック路線を歩み、羽田盃は4着、東京ダービーが9着でした。今回は重賞Vを飾って以来の1200mが舞台。

     「東京ダービーは積極的に行ったぶん止まってしまいましたが、まだベストな距離は模索中です。東京ダービーを目標に仕上げてきたので、レース後の疲れもありましたが、疲れを抜いてあげながら調整を続けてきて、今は大丈夫です。ゴールドジュニアの時より器用な競馬はできるようになっているので、いいレースはできると思います。結果を出したいですね」(宗形竹見調教師)。

     この優駿スプリントは2021年のワールドリング、2022年のプライルードと2年連続でクラシック出走組が制しています。リベイクフルシティも続くことはできるでしょうか!

     なお、デビューから調教とレースに乗ってきた和田譲治騎手はスタードラマーの手綱を取るため、本橋孝太騎手が初騎乗します。

    ■メンコイボクチャン
    *船橋 渡邊貴光 厩舎 牡3歳
    *成績 9戦3勝2着3回
    *重賞タイトル
     若潮スプリント(SIII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道時代は重賞連続2着。船橋移籍後2戦目だった前走の若潮スプリントは、2番手追走から4コーナーで先頭に立つと押し切り、管理する渡邊貴光調教師とともに念願の重賞初制覇を飾りました。

     初めてコンビを組んだ澤田龍哉騎手は「過去のレースを見た時に左回りの3~4コーナーの進みが良くないなという印象だったので気をつけましたが、それ以上に具合が良くて自分からハミを取って進んでくれました」とコメント。

     その後は短期のリフレッシュ放牧をはさみ、5月下旬に帰厩した後も順調に進めてきたそうです。

     「緩めてはいないので乗り込み十分で、追い切り本数も足りています。馬体もしっかりしてきたので、プラス体重でも成長分だと思います。船橋1200mと大井1200mは別物ですし、砂質も違うとは言っても、時計ももっとつめたいですね。今回の条件でどんな走りをしてくれるか」(渡邊調教師)。

    ■フジコチャン
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牝3歳
    *成績 7戦3勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     準重賞・桃花賞の勝ち馬で、桜花賞(8着)にも出走しました。前走の若潮スプリントは道中5番手付近から追走し、最後は追い込み2着。砂をかぶってもどんな競馬でもできることが強みと、荒山勝徳調教師は話しています。

     前走後は厩舎で調整してきたそうで、「どうしてもピリピリするところのある馬なので、1週間はのんびりと角馬場で軽く乗り、今月に入ってから持ち上げてきましたが、テンションは落ち着いていますね。輸送も平気ですが、レースで鞍を置くとスイッチが入り始めて、パドックに行くとテンションが上がって、人を乗せると一気にテンションが上がります。パドックでは一番後ろを周回させるようにして、騎手を乗せるのも馬場の入口だったり、対応はしています。まだ距離に関しては半信半疑のところもありますが、テンション上がらずに落ち着いて競馬ができれば」(荒山調教師)。

     今年はフジコチャンをはじめ9頭の牝馬が参戦。10年振り4頭目の牝馬Vにも期待がかかります。

    ■クラティアラ
    *浦和 藤原智行 厩舎 牝3歳
    *成績 11戦3勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道から移籍し、浦和所属となってからは5戦を消化。2走前の若潮スプリントはスタートで遅れながらもポジションを上げていき、最後は3着でした。御神本訓史騎手は「力をつけているし、1200mは合いますね」とコメント。

     当初からこの優駿スプリントを目標に仕上げられてきました。クラティアラに関わる藤原智行調教師、御神本騎手、末田厩務員はいずれも女傑スピーディキックと同じメンバーです。(クラティアラの調教パートナーは室陽一朗騎手)。

     「若潮スプリントは出遅れなければ、もっといい競馬はできたんじゃないかなと思っています。大井を使った頃よりも(準重賞・ジェムストーン賞・3着)カイバ食いはいいし、馬自体は良くなっています。馬込みでも大丈夫で、競馬の上手な馬。あとはさばけるかどうか。いい競馬はしてくれると思って、期待しています」(藤原調教師)。

     御神本騎手は東京ダービーをミックファイア、川崎スパーキングスプリントをキモンルビーで制し、南関東重賞3連勝を狙います。

    ■シロイトイキ
    *大井 森下淳平 厩舎 牝3歳
    *成績 5戦3勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年12月にデビューし、5戦3勝2着2回と連対率100%です。目下2連勝中で、前走の優駿スプリントトライアルは5番手追走から直線で抜け出し2馬身差V。コンビを組む矢野貴之騎手は「細かい課題はありますが、馬自体は純粋に良くなっているし、競馬内容もすばらしかったです」と笑顔で話していました。

     その後はこの舞台に向け調整を続け、重賞初挑戦での勝利を目指します。

     今回は8枠16番の大外枠に入りましたが「この枠は一般的には不利ですが、内でもまれるよりも外でスムーズに気持ちよく走れるというメリットもあると思います。まだ体も固まっていないですし、これからの馬ですが、競馬をしながら成長してくれています。一筋縄ではいきませんが、重賞を勝てるポテンシャルは持っていると思うので、自分の競馬をしてどのくらいの走りをしてくれるかですね」と森下調教師。

    ■スタードラマー
    *大井 須田和伸 厩舎 牡3歳
    *成績 14戦6勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道と南関東で通算14戦をしているキャリアが豊富な馬です。大井へ移籍後は、船橋初遠征のクロッカススプリントも含む3連勝、重賞初挑戦だった若潮スプリントは5着。前走の優駿スプリントトライアルは中団から脚を伸ばし2着となり、本番への優先出走権を獲得しました。

     「まだ緩さはありますが、その柔かさが走りのバネにつながっています。性格はとても気が強いですが、走らせれば無駄なことは一切しない自在な馬。とは言っても、我の強さはあるので、スムーズに気持ちよく走れたほうがいいです。自分の走りができた時は、前走のように最後まで脚を使ってくれますね。入厩当初からここを目標にしてきて、予定通りきっちり仕上がりました。まだこれからの馬ですが、現状ではうちに来てから一番いい状態だと思うので、楽しみにしています!」(須田和伸調教師)。

     スタードラマーはもちろん管理する須田調教師も重賞初Vに期待が高まります。

    *優駿スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第13回 優駿スプリント(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■リベイクフルシティ
    大井6/23重 800m-53.4 秒 600m-38.7 秒 馬なり
    ■メンコイボクチャン
    船橋6/23良 1000m-68.4 秒 800m-50.9 秒 600m-37.8 秒 G前強
    ■フジコチャン
    小林6/22良 1000m-67.5 秒 800m-50.8 秒 600m-37.3 秒 G前強
    ■クラティアラ
    浦和6/22良 800m-53.7 秒 600m-38.4 秒 強めに
    ■シロイトイキ
    大井6/22良 1000m-63.2 秒 800m-49.6 秒 600m-35.8 秒 一杯追
    ■スタードラマー
    大井6/23重 1000m-66.4 秒 800m-52.0 秒 600m-37.7 秒 馬なり
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    <第13回 優駿スプリント(SII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     大井×浦和ファンタスティックリレー開催中、大井競馬場では南関東3歳短距離馬たちの頂上決戦・優駿スプリント(SⅡ)が行われました。

     出走16頭中、牝馬が9頭。その中から、フジコチャン(大井・荒山勝徳厩舎<小林>)が4度目の重賞挑戦で念願の初タイトルを獲得しました。牝馬の勝利は2013年のハードデイズナイト以来4頭目の快挙です。

     地方通算4000勝目前の森泰斗騎手を背に、道中は3番手を追走。「少しペースは速いと感じましたが、昨日から競馬が前残りばかりだったので、なるべく前の方につけたいと思いました。理想的な位置でしたね。速いペースについていっているので、(追い出してからは)しっかり反応した感じではありませんでしたが、最後疲れている中でも頑張って走り切ってくれました」(森騎手)。

     直線に入り、残り200m付近から力強く抜け出すと、2番手追走から2着に粘り込んだ同じ牝馬のポーチュラカに1馬身差のV。勝ちタイムは1200m1分11秒7(良)でした。そこから2馬身半差の3着が若潮スプリントの覇者メンコイボクチャン。

     フジコチャンは大井生え抜き馬です。母のムービングアウトはJRA未勝利から川崎所属となり、大井遠征で1勝をあげた馬。半兄は1400mのダートグレード競走4勝馬テイエムサウスダンがいる血統です。

     フジコチャンは準重賞・桃花賞を優勝しましたが、南関東牝馬1冠目の桜花賞は入れ込みがきつく8着に終わりました。それ以降は兄が短距離路線で活躍していることを考慮し、フジコチャンも短距離戦へ。前走の若潮スプリント(2着)からは入れ込み対策も入念に行っているそう。

     荒山調教師の代表馬と言えば、地方所属馬として初めてJBCレディスクラシック(2017年)を制した生え抜きのララベルがいます。

     荒山調教師は「フジコチャンの兼松康太オーナーはララベルを所有していた20人のうちのお1人でした。今は1頭を個人で所有されていて、『今度はこの仔(フジコチャン)で先生と重賞を取りたい』と言ってくださっていたので、それが現実になりました。フジコチャンも牝馬で生え抜き、ゆくゆくはララベルようになってくれたらうれしいですね」とニッコリ。



    <他陣営のコメント>

    2着 ポーチュラカ 藤本現暉騎手
    「前残りの馬場だったので強気に行きましたが、パッタリは止まっていません。すごく乗りやすい馬で、またチャンスはあると思います。短いところなら重賞でもやれそうな感じですね」

    3着 メンコイボクチャン 澤田龍哉騎手
    「まだ余裕のある感じもあって、枠順(8枠15番)を含めて、トータルしてこの着差は力のある証拠です。大井なら1200mより1400mの方がいいと思います。ここを使って、さらに良くなると思うので、これからも期待しています」

    4着 ウインドフレイバー 的場文男騎手
    「1200mなので、もっとダッシュ力が欲しかったです。最後は4着に追い込んできましたが、距離はちょっと短いですね。1800mの黒潮盃がいいんじゃないですか?」

    5着 ボルドートロギル 野畑凌騎手
    「頑張りましたね。いつもより仕掛けて行きましたが、終いも脚を使って5着に来てくれました。競馬もすごい上手で、これから楽しみですね」

    6着 ラヴラブクロフネ 荒井朋弘調教師
    「2番手からの方が息は入ったと思いますが、あの枠(2枠3番)なら逃げるしかないですし、それでも最後もバタバタにならず頑張ってくれたと思います」

    7着 スタードラマー 和田譲治騎手
    「自分の競馬はできましたが、前残りの馬場だったので、後ろから行く馬にはちょっと不利ですね。(3コーナーも)前がごちゃついて進路がなくなりました」

    8着 シロイトイキ 矢野貴之騎手(1番人気)
    「外枠(8枠16番)だったし、キャリアの浅さが出ました。馬場もこの馬には向いていません」

    9着 デザートウインド 山崎誠士騎手
    「成長はしていると思うし、手応え的に見せ場はありました。距離は短い方がいいです」

    10着 マテリアルガール 今野忠成騎手
    「(この距離は)ちょっと忙しいですね。自分の競馬ができれば、まだまだやれます」

    11着 クラティアラ 藤原智行調教師
    「状態は良かったですが、結果的には馬が気分よく走れるように持っていくことができませんでした。力はある馬なので、また立て直して頑張ります」

    12着 サグアロ 笹川翼騎手
    「3コーナー付近で狭くなったところがあって競馬ができませんでした。もっとやれる馬だと思いますし、1400m、1600mくらいの方がよりいいと思います」

    13着 グリーリー 古岡勇樹騎手
    「追走いっぱいになってしまいました」

    14着 リベイクフルシティ 本橋孝太騎手
    「スタートは五分に出ていますが、全然進まなかったですね。砂もちょっと嫌がっていました」

    15着 パクスロマーナ 池谷匠翔騎手
    「このクラスになると、前に行く馬たちのスピードも速いので、自分の走りができませんでした」

    16着 ハーンドルフ 本田正重騎手
    「行ければ行こうと思いましたが行けませんでした。砂も嫌がっていました」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    13 令5 フジコチャン 牝3 森 泰斗
    12 4 プライルード 牡3 本田 正重
    11 3 ワールドリング 牡3 張田 昂
    10 2 カプリフレイバー 牡3 繁田 健一
    9 令元 ナガタブラック 牡3 伊藤 裕人
    8 平30 クルセイズスピリツ 牡3 西 啓太
    7 29 バンドオンザラン 牡3 赤岡 修次
    6 28 エイシンヒート 牡3 矢野 貴之
    5 27 ルックスザットキル 牡3 早田 功駿
    4 26 アピア 牡3 御神本 訓史
    3 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士
    2 24 ゴールドキャヴィア 牝3 御神本 訓史
    1 23 ミヤサンキューティ 牝3 真島 大輔