重賞レース

第69回 東京ダービー(SI)

  • 2023年6月7日(水)
  • 20:10発走
第69回優勝馬:ミックファイア号

羽田盃に続く南関東3歳クラシックの第二関門です。TCK最長となる69年の歴史を持ち、実力だけでなく運も要求される伝統の一戦として、これまで数多くの名馬が誕生してきました。2024年からは日本ダート界の3歳チャンピオンを決める頂点レース(JpnI)に位置付けられます。
<上位2頭にジャパンダートダービーの優先出走権を付与>

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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第69回 東京ダービー(SI)>
    (5月31日現在)

    ミックファイア
    羽田盃は驚異的な逃げ切り勝ちを収め、レースレコードのおまけつき。2001年のトーシンブリザード以来となる無敗の東京ダービー馬誕生なるか、注目が集まります。

    ヒーローコール
    NARグランプリ2歳最優秀牡馬を受賞した実力馬です。羽田盃は2着でしたが、今回の距離延長はプラス。小久保智厩舎はカイルに続き連覇達成に期待が高まります。

    サベージ
    京浜盃は一気の差し切りで重賞初制覇を飾り、羽田盃は出遅れながらも脚を伸ばし3着でした。森下淳平厩舎は2014年ハッピースプリント以来のダービーVを狙います。

    ライズゾーン
    牡馬としては小柄ですが、9番人気だった前走の東京湾Cは最後方からポジションを上げていくと豪快に差し切り、初タイトルを獲得しました。大井は初登場。

    ボヌールバローズ
    3戦目でラブミーチャン記念を優勝。それ以降は大井で走り、前走の東京プリンセス賞は2着でした。2011年のクラーベセクレタ以来となる牝馬Vを目指します。

    ピノホホッア
    重賞勝ちはありませんが、雄大な体とスケールの大きな走りで未知の魅力にあふれた1頭です。祖母の半兄は1997年の日本ダービー馬サニーブライアンという血統。

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    <第69回 東京ダービー(SI)>

    (6月5日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■ミックファイア
    *大井 渡邉和雄 厩舎 牡3歳
    *成績 4戦4勝2着0回
    *重賞タイトル
     羽田盃(SI)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東クラシック1冠目の羽田盃は無傷の4連勝で重賞初制覇を飾りました。

     デビューからスピードの違いで逃げ切ってきましたが、羽田盃は初めて2番手から。3コーナーから抜群の手応えで先頭に立つと直線では後続との差を広げ、6馬身差をつけました。勝ちタイムは1800m1分50秒9(やや重)。速い時計が出やすい馬場とは言え、楽な手応えでレースレコードを叩き出しました。

     初騎乗の御神本訓史騎手は「びっくりするくらい強かったですね。この馬のペースを守りながら追走して、最後は抜群の弾け方をしてくれたので、素質の高い馬だなと思いました。休み明けとは言っても、ゴールしてからなかなか止まらないくらい元気はありました。跳びが柔らかくてバネもあって、最後の弾け方はすごいなと思います」とコメント。

     この時は5か月ぶりの休み明けで、これはクラシックを見据えた休養中に裂蹄になったため。今回も前走に続いて渡邉厩舎の認定厩舎・ミッドウェイファームでトレーニングを積んできたそうです。

     蹄の不安があったからこそレース後のコンディションも非常に気になるところでしたが「あれだけ走っているのにガクッともこないし、カイバも食いもいいし、体のハリも出てきました。歩様にも見せないですし、予定通りの調教をしています。心肺能力と内臓面が本当に強い馬です」(渡邉和雄調教師)。

     今年の3冠馬のチャンスがあるのはミックファイアただ1頭。2001年のトーシンブリザード以来22年ぶりとなる無敗の東京ダービー馬誕生に期待が高まります。

     「他陣営も逆転を狙ってくるでしょうし、立場が変わってマークもきつくなると思います。ただ、5か月ぶりの前走があれだけの走りをしてくれて、その後はさら上向いて、逆に不安のないのが不安って感じです。距離2000mはベストでありませんが、前走の勝ちっぷりと能力、心肺機能の強さでこなしてくれると思っています。

     この先、出会えるかもわからないくらいのすばらしい馬です。歴史的になるかもしれない走りに注目して見て欲しいです」(渡邉調教師)。

     渡邉調教師&御神本騎手ともに東京ダービー初制覇がかかります。

    ■ヒーローコール
    *浦和 小久保智 厩舎 牡3歳
    *成績 10戦6勝2着2回
    *重賞タイトル
     雲取賞(SIII)(2023)
     鎌倉記念(SII)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走の羽田盃は直線でミックファイアに並びかけようとするも引き離され6馬身差の2着でした。

     森泰斗騎手は「サベージの追撃を振り切ったのは評価していいと思いますが、最後に手前を替えられなかったり、デビューの頃から割と促しながらのタイプなので、今日のような速いラップの流れでは持つところがなかったです。距離が延びるのはこの馬の気性からは絶対にプラスなので、東京ダービーでは何とか逆転したいです」とコメント。

     ヒーローコールはNARグランプリ2022の2歳最優秀牡馬を受賞。今年に入ってからも雲取賞を完勝し、鎌倉記念に続く2つ目のタイトルを獲得しました。

     初物尽くしだった伏竜Sは斤量を一番背負いスタートで後手を踏みながらも、優勝したミトノオーから0秒8差の3着。その後のミトノオーは兵庫チャンピオンシップを圧勝し、ヒーローコールも全国区の力があることを改めて示しています。

     ヒーローコールはこの中間も牧場での調整を挟み、野田トレセンへ帰厩。最終追い切りは初めて浦和競馬場で行い、トーセンレビューの外に併せ、力強い動きを見せました。「前走よりも攻めているぶん、気合は良くなっています。追い切りの時計も内容も十分です」と調教パートナーの橋本直哉騎手。

     この世代のトップに君臨してきたヒーローコールの巻き返しにも注目が集まります。

     「羽田盃で負けたのは悔しいし、自分たちの怠慢かなとも思うので反省しています。ここに向けては全て予定通り。羽田盃までは先々を考えるとまだセーブしていたところもありましたが、今回は調教と追い切りでもしっかりと動かしておきました。

     (2枠3番に入りましたが)今までいろんな枠で競馬をしてきているので、この枠も気になりません。2000mは他の馬たちが無用に動けなくなるぶん、アドバンテージは大きいでしょう。ペースが落ち着いていれば前目で、流れる展開ならそれなりのところで、どこからでも競馬ができる仔。

     想定外のアクシデントさえなければ結果は出してくれると思って、ジャパンダートダービーにつながる走りを期待しています」(小久保智調教師)。

     小久保調教師は2015年のラッキープリンス、2022年のカイルに続く3度目、森騎手は2017年ヒガシウィルウィン以来となる東京ダービーVを目指します。

    ■サベージ
    *大井 森下淳平 厩舎 牡3歳
    *成績 9戦3勝2着3回
    *重賞タイトル
     京浜盃(SII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走の羽田盃はスタートで遅れ、道中は最後方からポツンと離れて進めましたが、最後は末脚を繰り出し3着まで追い上げました。

     「時計が出る馬場だったので、いつもの感じで行くときついと思い、まだ緩さのある馬なのでトモを温めて動けるようにしてテンからついていこうと思いました。逆にいつもより気が入ったぶん、出遅れてしまい、最後は残り100mくらいで脚色が衰えました。

     道中は1頭で走り、ペースもだいぶ流れていたので、折り合いはそんなに心配はなかったです。ダービーに向けてこの経験を必ず生かして巻き返したいです」(石崎駿騎手)。

     2走前の京浜盃は差し切り勝ちを収めて重賞ウイナーの仲間入り。強靭な末脚を武器に、大井2000mの舞台でどんなパフォーマンスを魅せてくれるのでしょうか!

     「最終追い切りは石崎騎手が跨ってくれて、しっかりした内容でできました。より力まず大きく走れるようになって、持続力も前走より良化してきていると思います。枠(1枠2番)はもっと外が良かったですが、後ろから行く馬だし、道中ロスなく周れるかなとも考えています。相手もいるし展開にも左右される馬ですが、ダービーは緩い流れにならないと思うし、ある程度は流れて欲しいです。

     この馬は自分のリズムで競馬ができるかどうか。力をしっかり出し切れれば、自ずと結果はついてくると思っています。2歳のうちからダービーに向けてプランニングをしてきた馬で、そこに向けて走りの精度も上がってきました。相手も強いですが、お互い競い合っていい競馬をして盛り上がるといいですね。現地に来て見て頂ければと思います」(森下淳平調教師)。

     東京ダービーは森下調教師が2012年のプレティオラス、2014年のハッピースプリント以来、石崎駿騎手は初制覇に期待がかかります。

    ■ライズゾーン
    *川崎 山崎尋美 厩舎 牡3歳
    *成績 11戦2勝2着1回
    *重賞タイトル
     東京湾カップ(SII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走の東京湾カップは最後方からポジションを上げていき、直線で豪快に差し切り勝ち。9番人気の低評価を覆し、念願の初タイトルを獲得しました。

     初騎乗した今野忠成騎手は「何も癖がなく、すごく乗りやすい仔です。まだ体の小さいところはありますが、これからもっと力をつけてくれる馬だと思います。馬の雰囲気、リズムを崩さないで走らせていたら、結果的にあの位置取りになりました」とコメント。

     ライズゾーンは掲示板を外したのは1度だけという抜群の安定感で走り続けてきました。一方、道中いい感じで追走しても、最後は思ったよりも伸びず勝ち切れないレースも多くありました。前走はこれまでの印象を覆すような最後まで力強い末脚を発揮。

     今回は初の大井コースで、その末脚がどう生かされるでしょうか。

     「前走は一皮むけたかのような走りをしてくれました。前回は極端な後ろの競馬になりましたが元々はそういう馬ではないので、今回は中団くらいから切れを生かす感じになるのかなとは思っています。展開に左右はされず、レースセンスの高い馬です。

     最終追い切りは川崎競馬場の右回りで行いました(通常は左回りコース)。いつもとは逆のコースでフワフワしていましたが、右回りの走りはレースに行ってどんな感じなのかなと。この東京ダービーで走れるのは本当にありがたいことですね。前回がいい走りをしてくれたのでフロックじゃないことを示して欲しいです」(山崎尋美調教師)。

     山崎調教師がダービーを制した場合は初勝利、今野騎手は2015年のラッキープリンス(小久保智厩舎)以来2度目となるダービージョッキーの座を狙います。

    ■ピノホホッア
    *浦和 野口孝 厩舎 牡3歳
    *成績 6戦2勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューから520キロほどの雄大な栗毛の馬体は、ひときわ目立っていました。昨年8月のドリームチャレンジ2歳新馬は逃げ切り、勝ちタイムは浦和新馬のシーズン最速800m47秒6(良)。その1戦のキャリアで大井のゴールドジュニアに遠征したのは期待の表れで、優勝したリベイクフルシティから0秒7差の3着でした。

     重賞実績はハイセイコー記念3着、ニューイヤーカップ2着、東京湾カップ4着。勝ち切れないまでもどんな条件でも状況でも安定して走り続けているのも強さです。

     ここに向け、6月2日の浦和競馬場での最終追い切りは右回りで行いました(通常は左回りコース)。川崎から乗りに来た山崎誠士騎手は「指示通り、1200m近くから行き出して勢いをつけて行った感じです。右回りも問題はないし、気合のりも良くなって気持ちの面で変わってきたかなというのはありますね。前走より上向いています」とのこと。

     2019年の東京ダービーをヒカリオーソで制した山崎騎手はこのピノホホッアにも光るものを感じていて「背中の良さ。あれだけ大きいとばらける馬が多いですが、この馬は軸がしっかりしていて、体幹の強さみたいなものを感じます。僕は高評価です。胸を借りる挑戦ですが、見劣りはしないと思っています」と話していました。

     まだ重賞勝ちはありませんが、馬っぷりの良さとスケールの大きな走りで、関わる人たちを魅了しているピノホホッア。

     この道42年の野口孝調教師は「大跳びの馬で雨馬場は走りにくいところもあると思うので、追い切り時計の内容はこんなものだと思います。動き自体は前回よりも良くなっているし、イメージ通りです。本番は良馬場で走らせたいですね。前が流れるような展開が理想で、距離はここを走ってみてから今後に向けて判断していこうと思います。挫折する馬もいる中で、こうやって東京ダービーにこぎつけるのは良かったです。1997年にグランプリクンで4着だったので、勝ってみたいです」と話していました。

    *東京ダービーの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第69回 東京ダービー(SI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ミックファイア
    牧場6/3坂路 600m-38.3 秒 200m-12.3 秒 強めに
    ■ヒーローコール
    浦和6/2不良 1000m-66.5 秒 800m-51.1 秒 600m-36.5 秒 直強めに
    ■サベージ
    大井6/1重 1000m-61.3 秒 800m-48.4 秒 600m-35.1 秒 強めに
    ■ライズゾーン
    川崎6/1右不良 1000m-68.4 秒 800m-52.4 秒 600m-38.5 秒 一杯追
    ■ピノホホッア
    浦和6/2右不良 1000m-64.7 秒 800m-51.8 秒 600m-37.9 秒 一杯追
  • 高橋華代子のレースレポート

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  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    69 令5 ミックファイア 牡3 御神本 訓史
    68 4 カイル 牡3 本橋 孝太
    67 3 アランバローズ 牡3 左海 誠二
    66 2 エメリミット 牡3 山口 達弥
    65 令元 ヒカリオーソ 牡3 山崎 誠士
    64 平30 ハセノパイロ 牡3 矢野 貴之
    63 29 ヒガシウィルウィン 牡3 森 泰斗
    62 28 バルダッサーレ 牡3 吉原 寛人
    61 27 ラッキープリンス 牡3 今野 忠成
    60 26 ハッピースプリント 牡3 吉原 寛人
    59 25 インサイドザパーク 牡3 左海 誠二
    58 24 プレティオラス 牡3 本橋 孝太
    57 23 クラーベセクレタ 牝3 戸崎 圭太
    56 22 マカニビスティー 牡3 戸崎 圭太
    55 21 サイレントスタメン 牡3 金子 正彦
    54 20 ドリームスカイ 牡3 戸崎 圭太
    53 19 アンパサンド 牡3 戸崎 圭太
    52 18 ビービートルネード 牡3 町田 直希
    51 17 シーチャリオット 牡3 内田 博幸
    50 16 アジュディミツオー 牡3 佐藤 隆
    49 15 ナイキアディライト 牡3 石崎 隆之
    48 14 キングセイバー 牡3 酒井 忍
    47 13 トーシンブリザード 牡3 石崎 隆之
    46 12 ヒノデラスタ 牡3 桑島 孝春
    45 11 オリオンザサンクス 牡3 早田 秀治
    44 10 アトミックサンダー 牡3 張田 京
    43 9 サプライズパワー 牡3 石崎 隆之
    42 8 セントリック 牡3 宮浦 正行
    41 7 ジョージタイセイ 牡3 藤村 和生
    40 6 カネショウゴールド 牡3 一ノ瀬 亨
    39 5 プレザント 牡3 桑島 孝春
    38 4 グレイドショウリ 牡3 石崎 隆之
    37 3 アポロピンク 牝3 鈴木 啓之
    36 2 アウトランセイコー 牡3 高橋 三郎
    35 平元 ロジータ 牝3 野崎 武司
    34 昭63 ウインドミル 牡3 石川 綱夫
    33 62 ジヨージレツクス 牡3 本間 茂
    32 61 ハナキオー 牡3 堀 千亜樹
    31 60 ミルコウジ 牡3 本間 茂
    30 59 キングハイセイコー 牡3 高橋 三郎
    29 58 サンオーイ 牡3 赤間 清松
    28 57 ダイシンシラユキ 牡3 田部 和廣
    27 56 スズユウ 牡3 武井 秀治
    26 55 タカフジミノル 牡3 赤間 清松
    25 54 ソウルシヤトー 牡3 赤間 清松
    24 53 ハツシバオー 牡3 宮浦 正行
    23 52 サンコーモンド 牡3 赤間 清松
    22 51 ロツキライン 牡3 角田 次男
    21 50 ゴールデンリボー 牡3 赤間 清松
    20 49 ダイエイモンド 牡3 高橋 三郎
    19 48 ヨウコウザン 牡3 岡部 正道
    18 47 トキワタイヨウ 牡3 赤間 清松
    17 46 フジプリンス 牡3 溝辺 正
    16 45 リユウトキツ 牡3 佐々木 吉郷
    15 44 ヤマノタイヨウ 牡3 田畑 勝男
    14 43 ウエルスダイバー 牡3 高橋 三郎
    13 42 ヒカルタカイ 牡3 竹山 隆
    12 41 シンオウ 牡3 高柳 恒男
    11 40 ヒガシユリ 牝3 佐々木 竹見
    10 39 パールマウンテン 牡3 大和田 五郎
    9 38 シンニツケイ 牡3 小筆 昌
    8 37 セルコール 牡3 須田 茂
    7 36 ヤグチホープ 牡3 矢熊 壽
    6 35 ダイサンコトブキ 牡3 矢熊 壽
    5 34 セイシヨウ 牡3 吉田 実
    4 33 ダイニコトブキ 牡3 須田 茂
    3 32 ハツユキ 牡3 永井 繁
    2 31 オートネ 牡3 栗田 武
    1 30 ローヤルレザー 牝3 朝倉 文四郎