重賞レース

第46回 京浜盃(SII)

  • 2023年3月29日(水)
  • 20:10発走
第46回優勝馬:サベージ号

クラシック戦線開幕を間近に控え、3歳のトップクラスが勢揃いします。数多くのクラシック馬を輩出している伝統のレースで、地元デビューの素質馬だけでなく、初めてTCKコースに参戦する他場の所属馬や、他地区から転入した馬の走りにも注目の一戦です。
<上位3頭に羽田盃の優先出走権を付与>

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    <第46回 京浜盃(SII)>
    (3月22日現在)

    ポリゴンウェイヴ
    北海道時代から安定した走りが続き、成績は全て3着以内。前走のニューイヤーCは勝負どころでかわされましたがゴール前に差し返し、重賞初制覇を飾りました。

    トワシュトラール
    重賞の好走も目立ち、前走の雲取賞はヒーローコールとマンダリンヒーローに先着を許すも逃げ粘り3着でした。祖母の父は97東京ダービー2着ユートカイザーです。

    リベイクフルシティ
    2走前のゴールドジュニアは豪快に伸び、ポリゴンウェイヴに半馬身差をつけ無傷の4連勝で重賞初V。前走のハイセイコー記念は5着でしたが、巻き返しを図ります。

    タイガーチャージ
    北海道ではJBC2歳優駿5着やサンライズC4着と好走。現在は南関東に移籍し、短期放牧を挟んだ前走の雲取賞は4着でした。19東京ダービー馬ヒカリオーソの半弟。

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    <第46回 京浜盃(SII)>

    (3月27日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■ポリゴンウェイヴ
    *浦和 小久保智 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦3勝2着3回
    *重賞タイトル
     ニューイヤーカップ(SIII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ホッカイドウ競馬時代から全て3着以内という堅実な走りが続いていますが、一方では勝ち切れずに涙も呑んできました。

     前走のニューイヤーCは念願の重賞初制覇。勝負どころでステッキが激しく入り完全に置かれたかのようにも見えましたが、4コーナー過ぎから外に持ち出し、3コーナーで先頭に立って押し切ろうとしていたピノホホッアをゴール前に一瞬にして抜き去りました。

     コンビを組む笹川翼騎手は「メンタル的に少し安定していないところが多くて、行く気になったりならなかったり。標的を前に置く瞬間があるんですが、そこからのエンジンの入り方はすごくて、強いなと思いました。背中の良さとかバネ、フットワークはすばらしいものを持っているので、クラシック路線は盛り上げてくれると思います」とコメント。

     担当はランリョウオーやダノンレジーナの田中厩務員で、普段の調教について「後ろから馬が来ると待って遅くなるんですが、抜かれると速く走ろうとします。調教でもレースでもいつもケロッとしてまだまだ本気で走ったことがないですね」と話していました。

     今回もいつものように牧場での調整を入れ、野田トレーニングセンターへ帰厩。これからのクラシック戦線に向けても、前哨戦からどのくらい本気を出して走れるかも注目です。

     「今でも調教で反抗して止まる素振りを見せます。そこが解消すれば完成したことになると思うので、まだですね。元々持っているスピードはありますが、やめてしまう。前回は早めに標的が前に現われたから、そこからエンジンがかかりましたが、やはり展開は鍵です。笹川騎手がどう乗るか。馬の状態に関しては何の心配もないので、集中して力を出せれば楽しみです」(小久保調教師)。

     なお、追い切りでブリンカーを着用して動きは良かったそうですが、先々のことを考えると今回着用するかどうかは考え中とのことです。

    ■リベイクフルシティ
    *大井 宗形竹見 厩舎 セ3歳
    *成績 5戦4勝2着0回
    *重賞タイトル
     ゴールドジュニア(SIII)(2022)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューから無傷の4連勝でゴールドジュニアを制した大井生え抜き期待の星。1番人気に推された前走のハイセイコー記念は5番手の馬群から進め、最後は伸び切れずに5着でした。

     宗形竹見調教師は「1、2コーナーでペースが遅くなり、リズムよく進めず窮屈な競馬になりました。その後に(相手の)まくりもあったり、まだそういうペースが乱れた時の対応力がないですね。力負けではないと思っています」と振り返っています。

     その後は放牧休養を挟み、今回は約4か月ぶりの実戦。さらに、1枠1番に入り、1700mも初距離と、乗り越えなくてはいけない条件もあります。

     「途上の部分は感じられますが、しっかり乗り込んできたし、休み明けにしてはいい仕上がりだと思います。枠に関しては先を見据えていろんな経験をさせたいので、スタート次第でいくつかの競馬パターンをシュミレーションしています。距離は未知数ですが、いい方に出てくれれば。うまくクリアができればいい勝負はしてくれると思っています」(宗形調教師)。

    ■トワシュトラール
    *大井 上杉昌宏 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦2勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     トワシュトラールの母ヒメカイドウは名古屋の重賞ウイナーで、大井の上杉厩舎に移籍後もコンスタントに走り続けたゆかり深い血統。息子のトワシュトラールも重賞戦線で堅実な走りを見せ奮闘中です。

     前走の雲取賞はハナを切り3着。スローペースだったとは言え、今年のクラシック戦線の主役とも言えるヒーローコールにピタリとつけられ3コーナーでは早々並びかけられながらも、最後の直線でも粘っていた姿は立派でした。

     「追いかけられたぶん3着になりましたが、2番手の競馬なら2着はあったんじゃないかなと思っています。新馬戦から能力の高い馬だと感じていて、素直だし、人間の言うことにも従順ですね。ソエの気になっていたところが前走からなくなって、力も出せるようになりました。無理に逃げなくても競馬はできますが、前々でどのくらい粘り込めるかですね」(上杉昌宏調教師)。

    ■タイガーチャージ
    *大井 鈴木啓之 厩舎 牡3歳
    *成績 8戦3勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     2019年の東京ダービー馬ヒカリオーソの半弟です。自身もホッカイドウ競馬時代にJBC2歳優駿で5着になり、南関東移籍後は年末の特別戦でサベージとの叩き合いを制し、その後の雲取賞は4着。

     「(前走は)この馬の展開には向きませんでしたが、後ろからの馬に差されなかったのは良かったと思います。その後は短期放牧でメンテナンスをして、今回もいい意味で平行線ですね。2000mくらいの方がいいかなとは思いますが、なるべくペースが流れた方が競馬はしやすいだろうし、今回が最後になる大輔(真島大輔騎手)にあとは託します」(鈴木啓之調教師)。

     真島騎手は調教師試験に合格したため(4月1日付免許)、この京浜盃が最後の重賞騎乗。調教も自身で乗り、このレースに向けてきたそうです。

     「最終追い切りが終わってからの方が落ち着きが出て調子は上がってきているなと思いますが、成長している段階ですね。まだまだこれからの馬で、奥が深いです。(年末は)根性を出して頑張ってくれて、今回も自分のリズムで走らせてあげたいです」(真島騎手)

     なお、タイガーチャージの母ヒカリヴィグラスも祖母のマイムーンも鈴木調教師が騎手時代も含めて関わってきたゆかり深い血統です。

    ■サベージ
    *大井 森下淳平 厩舎 牡3歳
    *成績 7戦2勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     森下淳平厩舎期待の1頭です。放牧休養明けだった前走のクラシックトライアルは後方から追走し、メンバー最速36秒3の脚を繰り出し4着。1番人気に推されて惜しくも敗れましたが、力のあるところは十分に示しました。

     重賞初挑戦だった昨年の平和賞は8着に終わりましたが、馬が環境の違いに戸惑い全く競馬にならなかったため参考外であることは陣営も振り返っていて、今回はそれ以来となる重賞の舞台。

     「(クラシックトライアルは)ペースが上がらず最後は届きませんでした。まだ競馬の荒いところがあって、上手に走れるように教えながら、東京ダービーを見据えています。逆に疲れていないぶん体の回復は早くて、上向いています。

     普段の調教などを見ても、これまでクラシックを勝ってくれた馬たちとも遜色のない手応えのある馬です。上のクラスに入った方が競馬もしやすいと思うので、自分のリズムで競馬をして、どこまで迫れるか見てみたいです」(森下調教師)。

     2014年のハッピースプリント以来となる9年ぶりのタイトル獲得を目指します。

    *京浜盃の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第46回 京浜盃(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ポリゴンウェイヴ
    浦和3/23良 800m-53.2秒 600m-38.6秒 G前追
    ■リベイクフルシティ
    大井3/25不良 1000m-66.2秒 800m-50.7秒 600m-36.3秒 強めに
    ■トワシュトラール
    大井3/25不良 1000m-65.0秒 800m-51.8秒 600m-37.8秒 強めに
    ■タイガーチャージ
    大井3/25不良 1000m-63.8秒 800m-51.0秒 600m-37.4秒 強めに
    ■サベージ
    大井3/23良 1000m-63.9秒 800m-49.8秒 600m-36.4秒 強めに
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第46回 京浜盃(SII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     今年で46回目を迎えた京浜盃は南関東クラシックの登竜門レース。5月10日に大井競馬場で行われる南関東1冠目・羽田盃のトライアルで、1着から3着までに優先出走権が与えられます。

     地方の重賞レースを戦ってきた馬たちとJRAからの移籍馬たちとの初対決で難解な一戦にもなりましたが、新たな重賞ウイナーが誕生。石崎駿騎手が手綱を取った4番人気サベージ(大井・森下淳平厩舎)が重賞初制覇を飾りました。

     前走のクラシックトライアル4着からの巻き返しを図ったサベージは、いつものように後方からの追走。石崎騎手は「折り合いをどうつけるかは課題でした。3コーナーくらいまで我慢ができればあとはペースが流れてくれると思ったので、何とか頼むと思いながら乗っていました。前半は苦労もしましたが、馬も我慢をしてくれていて、向正面あたりで少し力を抜いて息を入れて走れるようになってきているのは成長を感じます」とコメント。

     3コーナーを過ぎると、サベージは抜群の手応えで外から先団に押し上げました。「3、4コーナー中間でステッキを抜いたら馬なりでスッと上がっていきました。その時点で余裕があったので、(自身も)息を整えることができて、追う準備ができました」。

     最後の直線では、2番手から先頭に立ったトノパーが37秒6の脚を使い押し切りを狙ったところへ、サベージがさらに上回る36秒8の脚を繰り出し、ゴール前に4分の3馬身かわしました。「最後はもっと楽にかわせるなと思っていましたが、相手も全然とまりませんでした。前半あのペースで行っての粘りなので、相手も強いですね」。

     勝ちタイムは1700m1分45秒6(重)で、レースレコード(1996年のナイキジャガー、1分45秒4)に0秒2迫る好タイム。

     2着のトノパーはJRA未勝利から移籍し、南関東で初勝利をあげて連闘で臨みました。この路線に新星登場。そこから3馬身差の3着が短距離戦を走って来たオピニオンリーダーで、ここまでが羽田盃の優先出走権を獲得しました。

     石崎騎手は2019年の東京湾カップをサクセッサーで制して以来4年ぶりの重賞勝利。「くすぶっていた時期でも乗せて頂いていたので、結果を出せたことがうれしいです。(サベージは)瞬発力なら間違いなくトップレベルだと思っています。実際はまだまだ課題がある馬なので、その中でも強い勝ち方をしてくれたので次につながると思います。あとは相手云々よりも、この馬とどう向き合うかですね」。

     石崎騎手は大舞台が似合います!これからのクラシック戦線で、サベージをどうエスコートしていくのか楽しみにしています。



    <他陣営のコメント>

    2着 トノパー 本田正重騎手
    「コーナー、コーナーでもたれながら走っていました。体は全然しっかりしていなくて、まだまだこれからの馬なので楽しみです。引っ掛かったりする馬ではなく、むしろ進まないくらいでした。直線も結構伸びていたし勝てるなっていう感じだったので、かわされると思いませんでした」

    3着 オピニオンリーダー 矢野貴之騎手
    「走りはスプリンターっぽいですが、(距離は)センスで対応してくれている感じでした。1回使っていれば違ったかなと。最後に並ばれてからまたもうひと伸びしているので、いいセンスで対応してくれている感じです。流れさえつかめれば、もっと走れると思います」

    4着 リベイクフルシティ 和田譲治騎手
    「最内枠だったので外に出したくて、1コーナーでうまく出せました。あとは流れに乗りながら、最後はしっかり伸びてくれました。距離は問題ないですし、延びても大丈夫です」

    5着 タイガーチャージ 真島大輔騎手
    「レース自体はすごくいい感じで走ってくれています。まだまだ成長途上なので、徐々にもっと良くなっていくと思います。距離は延びた方がいいですね」

    6着 サグアロ 御神本訓史騎手
    「余裕もあったので、まだこれから良くなっていきそうです」

    7着 ポリゴンウェイヴ 笹川翼騎手(1番人気)
    「ポジションは3番手で展開も理想的。道中は砂をかぶってちょうどいい感じで運べましたが、なんか伸びなかったというか、追っての反応がありませんでした。前回(ニューイヤーC・優勝)は、反応があってやめて反応があってという感じでしたが。

    (馬場が悪くなったことについては)返し馬は良かったし、走りづらそうにもしていなかったので問題はないと思います。距離か?今日は長い仕様にして乗っているので、あの馬には気に食わなかったのかな。道中の雰囲気はすごく良くて、正重さんの馬をかわせば勝てるなという手応えでしたが、3コーナーでペースが上がって少し怪しくなりました。伸び切れなかったのが、何でなのかなと」

    8着 メーサンデュラント 達城龍次騎手
    「いつも以上に気合が乗っていました。直前で雨が降ったことでペースが流れましたが、もっと(ペースが)落ち着いた方が良かったです。速かったぶん垂れてしまいましたが、もっとやれる馬だと思います」

    9着 ルクバー 藤本現暉騎手
    「競馬は上手で、距離が延びてもしっかり終いの脚を使ってくれました」

    10着 サムタイムアゴー 本橋孝太騎手
    「つけたいところにつけられなかったです。終始後手後手になってしまいました」

    11着 トワシュトラール 森泰斗騎手
    「ちょっとハミを取り過ぎました」

    12着 シャープムスタング 安藤洋一騎手
    「今日は内にこだわって競馬をしようと。(他馬が下がった時に)動きが怪しくなるところもありましたが、まずは無事に走り終えました。ポテンシャルは高くて、まだこれからの馬ですね」

    13着 ストライク 吉井章騎手
    「いい位置につけられましたが……これからの馬です」

    14着 グロリオサ 西啓太騎手
    「これが次回に生きてくれればと思います」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    46 令5 サベージ 牡3 石崎 駿
    45 4 シャルフジン 牡3 御神本 訓史
    44 3 チサット 牡3 笹川 翼
    43 2 ブラヴール 牡3 本橋 孝太
    42 平31 ステッペンウルフ 牡3 御神本 訓史
    41 30 ヤマノファイト 牡3 本橋 孝太
    40 29 ヒガシウィルウィン 牡3 森 泰斗
    39 28 タービランス 牡3 森 泰斗
    38 27 オウマタイム 牡3 左海 誠二
    37 26 ハッピースプリント 牡3 吉原 寛人
    36 25 ジェネラルグラント 牡3 石崎 駿
    35 24 パンタレイ 牡3 森 泰斗
    34 23 クラーベセクレタ 牝3 戸崎 圭太
    33 22 ジーエスライカー 牡3 戸崎 圭太
    32 21 ナイキハイグレード 牡3 戸崎 圭太
    31 20 ディラクエ 牡3 今野 忠成
    30 19 トップサバトン 牡3 御神本 訓史
    29 18 サワライチバン 牡3 内田 博幸
    28 17 シーチャリオット 牡3 内田 博幸
    27 16 ベルモントストーム 牡3 石崎 隆之
    26 15 ナイキアディライト 牡3 石崎 隆之
    25 14 ノムラリューオー 牡3 石崎 隆之
    24 13 トーシンブリザード 牡3 石崎 隆之
    23 12 アイアイアスリート 牡3 脇本 一幸
    22 11 オリオンザサンクス 牡3 早田 秀治
    21 10 ゴールドヘッド 牡3 的場 文男
    20 9 キャニオンロマン 牡3 吉井 竜一
    19 8 ナイキジャガー 牡3 的場 文男
    18 7 ジョージタイセイ 牡3 藤村 和生
    17 6 スペクタクル 牡3 張田 京
    16 5 ブルーファミリー 牡3 的場 文男
    15 4 カシワズプリンセス 牝3 高橋 三郎
    14 3 アーバントツプ 牡3 田部 和廣
    13 2 アウトランセイコー 牡3 高橋 三郎
    12 平元 ロジータ 牝3 野崎 武司
    11 昭63 ナスノダンデー 牡3 宮浦 正行
    10 62 クリノロイヤル 牡3 石崎 隆之
    9 61 ハナキオー 牡3 堀 千亜樹
    8 60 マルゼンアデイアル 牡3 的場 文男
    7 59 ステートジヤガー 牡3 山口 勲
    6 58 サンオーイ 牡3 高橋 三郎
    5 57 ホスピタリテイ 牡3 西川 栄二
    4 56 コーナンルビー 牝3 堀 千亜樹
    3 55 タガワテツオー 牡3 高橋 三郎
    2 54 ダイシンプリンス 牡3 成田 清輔
    1 53 ハツシバオー 牡3 宮浦 正行