重賞レース
第11回 優駿スプリント(SII)
- 2021年6月29日(火)
- 20:10発走

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レースについて
レース概要3歳限定のスプリント重賞として2011年に新設されました。古馬の短距離路線の充実により、早い段階から短距離のスペシャリストを目指す若駒たちがしのぎを削る、注目のレースです。
<優勝馬に習志野きらっとスプリント、上位2頭にアフター5スター賞の優先出走権を付与>コース紹介4コーナーからゴールまでの直線部分が長い外回りコースを使用。発走地点は向正面の2コーナー付近で、スタートから3コーナーまでの直線部分が長く、外寄りの枠からでもレース序盤の先行争いに加わりやすいコース形態と言えます。 -
高橋華代子の注目馬情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第11回 優駿スプリント(SII)>
(6月23日現在)
■ブラックストーム
新馬戦以降は一貫して1200m戦を走り、逃げても差しても脚質に幅のあるタイプ。前走の優駿スプリントトライアルは6番手からの競馬で2着。母馬はツキノテンシ。
■ハートプレイス
北海道ではフレッシュチャレンジを優勝し、重賞レースでも好走。前走の優駿スプリントトライアルは3番手からの差し切りで、南関東初勝利を挙げて勢いにのります。
■ワールドリング
新馬戦を優勝し(1000m1分00秒8(不良))、それ以降は距離を延ばしていきながら東京ダービーにも出走。路線変更し、どんな一面を見せてくれるでしょうか?!
■チュラウェーブ
新馬勝ち馬で(1000m1分00秒5(やや重))、前走の新設重賞・若潮スプリントは脚を伸ばしてきての2着でした。父は中央と北海道で走ったクリーンエコロジー。
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高橋華代子の重賞直前情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第11回 優駿スプリント(SII)>(6月28日現在)
調教追い切り動画はこちら
ホッカイドウ競馬デビュー馬で、1200m戦の重賞イノセントカップでは2着、1600m戦の平和賞では遠征競馬ながらも3着になり、その後は大井の佐宗応和厩舎<小林>の一員になりました。
南関東では2走前の若潮スプリントから本格的に1200m戦に転向し4着でしたが、前走の優駿スプリントトライアルは、今野忠成騎手を背に好スタートを決め3番手から、最後は力強く差し切って勝利を飾りました。勝ちタイムは1200m1分12秒9(重)。
「2走前は短距離戦に替えた緒戦だったし、レースの間隔もあまりありませんでした。前走はしっかり結果を出してくれたので、距離を変更して良かったなぁと思っています。前走後はここを目標に仕上げてきて、状態の維持はできています。
テンが速いのでスムーズにいい位置で競馬ができるのはいい所で、今回もすんなりといい位置を取りたいですね(佐宗調教師)。南関東の重賞戦線ではゆかり深い馬の仔たちの活躍が目立ちます。ブラックストームの父は2001年の第1回JBCスプリントの覇者ノボジャック、母は2012年のしらさぎ賞2着になるなど、浦和所属として南関東の重賞にも出走したツキノテンシ。
母譲りの青毛の馬体をしたブラックストームは、大井の的場直之厩舎からデビューし、1200m戦を中心に3勝を挙げています。
2走前の若潮スプリントは、初コースや初めての輸送競馬などで戸惑い、本来の走りができず7着でしたが、前走の優駿スプリントトライアルはスタートがもう一歩でも、最後は脚を伸ばしてきて2着でした。コンビを組むのは矢野貴之騎手。
「前走は流れも不利だったし、強い内容だったと思います。馬も成長して力をつけているし、今回は調教も強化をして、やるべきことはやってきたので仕上がりに関しては自信があります。先に行っても後ろからでも競馬ができるし、時計は速くても遅くても対応のできる馬です。楽しみにしています」(的場調教師)。サブノハクタカの母サブノハゴロモも大井の鷹見浩厩舎に所属し、2012年の東京2歳優駿牝馬は3着で、翌年の優駿スプリントにも出走したゆかり深い血統。
2番仔サブノハクタカは、1200m戦を中心に3勝を挙げています。一時はもう少しの成績が続いたこともありましたが、この3戦は的場文男騎手とのコンビで好内容の走りを見せ、2走前は4番手からの差し切り勝ちで、1200m1分12秒2(重)。前走は古馬たちと初対戦し、外を回りながらも優勝したマルパソから0.2秒差の4着でした。
「成績がもう一歩の時も、追い切りでは動くし元気もあったので何で走らないのかなぁと思っていて、いつも通りのスタイルでやってきたら盛り返してくれた感じです。馬に合わせたローテーションの中で、いいリズムで迎えられたと思っています。
的場さんが調教にも乗ってくれて、追い切りは遅れましたが相手なりでズルさのある馬なので悲観はしていません。ゴチャゴチャして闘志が出るような位置取りからジワジワ伸びてくる競馬が理想ですね」(鷹見調教師)。父は中央からホッカイドウ競馬へ移籍し重賞ウイナーとなったクリーンエコロジー。その稼ぎ頭でもあるのがチュラウェーブです。昨年10月のアマリネデビュー2歳新馬では1000m1分00秒5(やや重)で快勝し、それ以降は一貫して1200m戦を走り、掲示板は外していません。デビューからコンビを組むのは川島正太郎騎手。
この2戦はいずれもファイナルキングの2着。特に、前走の若潮スプリントは、中団から最後はメンバー中最速37秒5の脚を使い0.1秒差まで詰め寄りました。
「勝った馬は強かったですが、一戦ごとに成長をしてくれているので、あまり人気はありませんでしたが2着に入ったのは不思議ではないと思っています。
今回は初物尽くしになるのでやってみないとわかりませんが、調教では右回りも問題はないですね。1200mの外目の枠に入ってしまいましたが、中団の前くらいからスムーズに流れに乗っていければと思っています」(山下貴之調教師)。この優駿スプリントには、東京ダービー参戦組からワールドリングが出走してきます。遡れば、昨年6月のライラックデビュー2歳新馬に出走。張田昂騎手を背に、2番手から先頭に立つ競馬で、1000m戦1分00秒8(不良)で完勝しました。
早い時期にデビューした馬(船橋)で、1000m戦を1分00秒台で優勝しているのは、5月デビューのアランバローズ(1分00秒9、やや重)、8月デビューのファイナルキング(1分00秒5、良)と、そうそうたるメンバー。
ワールドリングも早いうちに短距離戦への転向を予定していましたが、能力の高さでクラシックトライアルを制したことからクラシック路線に向かった経緯もあり、今回が初の1200m戦でどんな走りをするのか興味深いです。
「もうちょっと成長して欲しいなぁというのはありますが、東京ダービー後も状態面は変わらずにきています。今回は一気に距離が短縮するのでやってみないことにはわかりませんが、この馬の集中力を考えると短距離戦はいいですし、気の難しい馬ではないので対応して欲しいと思います」(張田京調教師)。*優駿スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
第11回 優駿スプリント(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■ハートプレイス 小林6/24稍 1000m-65.1秒 800m-50.1秒 600m-37.5秒 G前強 ■ブラックストーム 大井6/25稍 1000m-63.1秒 800m-49.9秒 600m-36.7秒 一杯追 ■サブノハクタカ 大井6/25稍 1000m-63.8秒 800m-50.1秒 600m-37.4秒 一杯追 ■チュラウェーブ 船橋6/25稍 1000m-64.5秒 800m-49.5秒 600m-36.8秒 馬なり ■ワールドリング 船橋6/25稍 1000m-65.1秒 800m-50.0秒 600m-37.0秒 一杯追 -
高橋華代子のレースレポート
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第11回 優駿スプリント(SII)>
優勝インタビュー動画はこちら
今年で11回目を迎えた、南関東3歳馬によるスプリントチャンピオン決定戦の優駿スプリント(SⅡ、1200m)。新設重賞・若潮スプリントを制したファイナルキングは、第2回の覇者ゴールドキャヴィアの息子ですが、レース後に右膝の剥離骨折を発症していることがわかり、現在は休養中です。
混戦を極めた今年の優駿スプリントは、どの馬が勝ってもおかしくないようなメンバー構成。
単勝オッズも16頭中7頭が10倍以下にひしめき合い、1番人気は優駿スプリントトライアルを優勝したハートプレイスで4.9倍、2番人気が中央から南関東入りしている快速馬エンテレケイアで5.1倍、3番人気は若潮スプリント3着で安定した走りが続くチャンプタイガーで6.2倍。
そして、ブラックストーム、ワールドリング、ジョーロノ、チュラウェーブと続きました。
そんな状況に終止符を打ったのは、張田昂騎手が手綱を取った5番人気ワールドリング(船橋・張田京厩舎)。メンバー中唯一の東京ダービー出走馬です。
さかのぼって、昨年6月に船橋競馬場で行われたライラックデビュー2歳新馬で、1000m1分00秒8(不良)という好タイムで快勝。当初からスピードは秀でていましたが、能力の高さで距離もこなしていき、今年3月のクラシックトライアルを優勝したことから羽田盃と東京ダービーの優先出走権を獲得し、そのままクラシック路線へ。
この優駿スプリントは新馬戦以来の短距離戦。2000mから一気に800mも距離を短縮しましたが、短距離適性の高さを改めて示す結果になりました。
「短めの距離でも長めの距離でも掛かり気味に行く馬です。今回はそんなに無理をしていないように見えるかもしれませんが、かなり気合をつけて位置を取りにいっています。一気の距離短縮で馬も戸惑っていましたが、よく対応してくれました。元々の能力は高い馬ですが、思っていた以上の走りをしてくれました」(張田騎手)。
ただ1頭斤量58キロを背負っての競馬になったジョーロノがハナを主張していくと、2番手にエンテレケイア、その外3番手にはリュウノヘラクレスが並んでいき、それらを見る形でワールドリングが追走。先頭から後方までは縦長の展開も、中団までは固まる隊列。
4コーナーでワールドリングは3頭分の外に持ち出すと、前に行く馬たちを力強く抜き去りました。「4コーナーでの反応がとても良かったので今日は勝ち負けだなという感触はありました。馬自身が力をしっかり出してくれて最高の競馬ができたと思います。いきなりの距離短縮で、よく対応してくれましたよ」。
ワールドリングは2着のハートプレイスに2馬身差をつける完勝で、3着には逃げ粘ったジョーロノ。勝ちタイムは1200m1分12秒1(重)。
東京ダービー出走組がこの優駿スプリントを制したのは、牝馬のゴールドキャヴィア以来9年振り。張田調教師と張田騎手の親子重賞制覇は、今年のクラウンカップをジョエルが制して以来2度目です。さぁ、ワールドリングはこれからどんな路線を進んでいくことになるのでしょうか!
なお、レース中には本格的に雨が降り始め、走り終えた馬たちが検量前に引き返してくる時には滝のような雨が地面を叩きつけました。その後の口取り撮影や優勝インタビューでも、人馬ともにびしょ濡れになりながら行われたことも、忘れられない時間になりました。
<他陣営のコメント>
2着 ハートプレイス 今野忠成騎手
「外から2、3番手に切り返せないかなと思いましたが、4頭も5頭も並んでいたので、あの形になってしまい、馬にはかわいそうなことになりました。ただ、道営で砂をかぶるとやめてしまうと聞いていましたが、最後もちゃんと反応はしてくれました」
3着 ジョーロノ 左海誠二騎手
「1200m戦だから周りも速いでしょうが、もっと内枠からシュッと行ければ違ったんでしょうけど。58キロを背負っているのはかわいそうだったし、それでもよく頑張ってくれています」
4着 エンテレケイア 森泰斗騎手
「大井コースも全く問題はなかったし、砂をかぶると嫌がるのでポジション的にもうまくいったなという競馬はできたと思います。勝ち時計も速かったし、伸び切れなかったのは、あのメンバーに入るともう少し力をつける必要はあるかなと。多少気難しさがあって出し切れていないところはありますが、現状の走りはできていると思うし、まだこれから良くなる馬です」
5着 チャンプタイガー 御神本訓史騎手
「初コースでも物見はなくて、右回りも大丈夫でした。最内枠も良かったし、この馬自身の時計もつめています。自分の競馬はできて、現状の力は出したと思います」
6着 ブラックストーム 矢野貴之騎手
「ゲートも出てくれたし、馬も良くなっていて、前がスパーンと開けば来そうな感じでしたが、結果的には前に行った方が良かったのか、内々で閉じ込められて、ちょっと不完全燃焼でしたね」
7着 チュラウェーブ 川島正太郎騎手
「いつも装鞍所からうるさい馬ですが、今日は厩舎装鞍をして、落ち着いてレースに臨むことができました。ゲートの中もいつもより落ち着いていました。初コースも右回りは問題なかったですが、1200m戦はちょっと忙しい感じもしました。4コーナーでの手応えは良かったですが、直線で伸び切れませんでした」
*レース後、右膝の軽い骨折がわかり休養へ。
8着 アイスボウル 吉井章騎手
「ゲートが上手じゃないので、もう少し出てくれれば。それでも、いい所についていくことはできましたが、外を回るような感じになりました。終いも一生懸命伸びてくれて、力はあるのでうまくいけばチャンスはあるかなと思いましたが……。自己条件ならまた違うと思います」
9着 リュウノヘラクレス 瀬川将輝騎手
「先行力はありましたが、最後は止まってしまいました。4コーナー立ち上がりでちょっとしてから止まってしまいました。直線でバタバタにはなっていませんが、自己条件ならもっとやれると思います」
10着 ミラコロカナーレ 本橋孝太騎手
「これまでとこんなにペースが違うのかと思うくらいに、追走でいっぱいになりました。馬場もあったのかもしれませんが、もうちょっと前に行けると思っていましたが行き脚もつかなくて、これでは弾けないなという感じでした」
11着 サブノハクタカ 的場文男騎手
「まだまだこれからの馬なので、もっと良くなっていきますよ」
12着 カモミールティー 和田譲治騎手
「砂を嫌がるとは聞いていましたが、意外と我慢をしてくれました。道中はちょっとついていけませんでしたが、終いはあの仔なりにジリジリ伸びてきてはくれています。大外枠は不利ですね」
13着 エイノスケ 石崎駿騎手
「現状の力は出していると思います。このメンバーではスピード勝負になると分が悪くて、距離はもうちょっとあった方がいいのかなと感じました。素直な馬です」
14着 リンクスショウ 山口達弥騎手
「初コースも気にしていなかったし、競馬も上手で乗りやすい馬です。1200m戦はちょっと忙しいかもしれません」
15着 スティールストーム 達城龍次騎手
「馬場が悪くなってしまったのが想定外でしたね。まだ幼いところがあるので、砂をかぶったら跳びがバラバラになって嫌がっていました」
16着 ディーノランページ 山崎誠士騎手
「ペースに戸惑ったのかついていけませんでした」
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回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 11 令3 ワールドリング 牡3 張田 昂 10 2 カプリフレイバー 牡3 繁田 健一 9 令元 ナガタブラック 牡3 伊藤 裕人 8 平30 クルセイズスピリツ 牡3 西 啓太 7 29 バンドオンザラン 牡3 赤岡 修次 6 28 エイシンヒート 牡3 矢野 貴之 5 27 ルックスザットキル 牡3 早田 功駿 4 26 アピア 牡3 御神本 訓史 3 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士 2 24 ゴールドキャヴィア 牝3 御神本 訓史 1 23 ミヤサンキューティ 牝3 真島 大輔