重賞レース

第32回 東京スプリント(JpnIII)

  • 2021年4月14日(水)
  • 20:10発走
第32回優勝馬:リュウノユキナ号

秋の東京盃(JpnII)と並ぶ1,200mの交流競走です。前身の東京シティ盃から2009年に名称変更とともに、ダートグレード競走へ格上げされました。名称変更後はJRA所属馬の勝利が続きましたが、南関東勢も近年は強さを見せており、2019年のキタサンミカヅキ(船橋所属)優勝を含め、昨年まで3年連続で連対を果たしています。
<上位2頭(地方所属馬に限る)にかしわ記念、上位2頭以内の南関東所属最先着馬1頭にさきたま杯の優先出走権を付与>

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    <第32回 東京スプリント(JpnIII)>
    (4月6日現在)

    アポロビビ
    重賞初挑戦で、地方コースにも初登場。前走の千葉S(中山ダート1200m)は初のオープン戦でしたが、後方からメンバー中最速の上り36秒3の脚を使い快勝しました。

    リュウノユキナ
    南関東から中央に遠征していた時期もあった卒業生。現在は中央のダート1200m戦を走り、オープンレースを連勝中です。アジュディミツオーの藤川ファームさん生産馬。

    サブノジュニア
    大井生え抜き馬として初めてJBCスプリントを勝ち、NARグランプリの年度代表馬など3部門を獲得。昨年の東京スプリントは惜しくも2着でリベンジの一戦。

    キャンドルグラス
    現在は短距離のスペシャリストとして、船橋記念を連覇中。昨年の東京スプリントは勝ち馬から0.6秒差の3着で、悲願のダートグレード競走制覇に向けて出走してきます。

    ベストマッチョ
    中央6勝の実績馬が南関東入りし、プラチナカップで重賞初制覇。オーバルスプリントや兵庫ゴールドトロフィーでは僅差の2着になり、ダートグレード競走制覇ももう少し。

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    <第32回 東京スプリント(JpnIII)>

    (4月12日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■サブノジュニア
    *大井 堀千亜樹 厩舎(小林) 牡7歳
    *成績 39戦12勝2着9回
    *重賞タイトル
     JBCスプリント(JpnI)(2020)
     アフター5スター賞(SIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年は大井生え抜き馬初のJBCスプリントを制し、NARグランプリ年度代表馬など3部門を獲得したサブノジュニア。

     前走のフジノウェーブ記念は、中央遠征以来の地元戦で、後方から追い上げてくるも、いつもの伸び脚が見られず4着に終わりました。

     「斤量59キロもあるでしょうけど、続けて使っている疲れもあるかもしれません。レース自体は去年に比べても流れはよくて、いい位置で競馬はできましたが、もう一列後ろでもよかったかなと。最後は脚色が一緒になってしまいました。直線で伸びかけて終わってしまい、少し物足りない感じがします」(矢野貴之騎手)。

     その後は当初から大目標にしてきた東京スプリントに向けて調整を続けてきたそうです。去年のこのレースは優勝したジャスティンから0.2秒差の2着。ここから飛躍したと言っても過言ではありませんでした。再び、相性抜群の大井1200m戦。

     「最終追い切りの時計は出ていますが、前よりもズブさはあるかなぁという感じですが、去年のこの時期よりも力はつけています。

     最近はずっと斤量59キロで走ってきましたが、今回は58キロなので、1キロ軽くなった分、いい方に向いてくれれば。折り合うように、ペースが遅くなりすぎずに流れてくれればいいですね。ここは挽回して、ジュニアのいい走りを見せたいです」(堀千亜樹調教師)。

    ■ベストマッチョ
    *川崎 佐々木仁 厩舎 セ8歳
    *成績 31戦7勝2着7回
    *重賞タイトル
     プラチナカップ(SIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央6勝の実力馬で、昨年夏から南関東へ移籍。川崎・佐々木仁厩舎の外厩馬として、ミッドウェイファームで調教を積んでいます。プラチナカップで重賞初制覇を飾ると、オーバルスプリントや兵庫ゴールドトロフィーでも僅差の2着になるなど、古巣・中央勢とも差のないパフォーマンスを展開してきました。

     前走のフジノウェーブ記念は、サブノジュニアなどもいる中で1番人気に推されていたのは、そういう実績も評価されてのことでしょう。しかし、2番手から進めるも、最後はキャプテンキングに交わされての2着でした。

     コンビを組む森泰斗騎手は、「いつもスタートの上手な馬ですが珍しくひと息でした。道中はちょっと力んでいたのが悔やまれますね」と振り返っていて、今回は改めてこの馬の力を見せて欲しいところ。

     「年齢は8歳ですが、馬は元気いっぱいですよ!位置取りはスタート次第で、その辺は騎手に任せますが、うまく立ち回ってくれれば。ダートグレード競走でも十分にチャンスのある馬だと思っているので、今年のJBCスプリントに向けてもいい走りをして欲しいです」(佐々木調教師)。

    ■キャンドルグラス
    *船橋 川島正一 厩舎 牡7歳
    *成績 35戦12勝2着5回
    *重賞タイトル
     船橋記念(SIII)(2020・2021)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     1月13日に船橋競馬場で実施した船橋記念は、御神本訓史騎手のエスコートで1番人気キャンドルグラスが連覇を飾りました。道中は内の中団から追走していき、最後の直線で外に持ち出すと、昨年同様、キャンドルグラスの末脚が炸裂。

     「斤量も背負っていたし、枠もよかったので、スタートがよければいい所についていこうとは決めていました。うまくレースを進めることができて4コーナーからは必ずいい脚を使ってくれる馬なので、最後は何とか自力で差し切ってくれました」(御神本騎手)。

     その後は東京スプリントに向けていくことは予定通りのローテーションで、厩舎でじっくりと調整をしてきたそうです。

     昨年の東京スプリントは優勝したジャスティンから0.6秒差の3着になるなど、ダートグレード競走でももう一歩のところまできています。

     「今年7歳ですがレース数は使っていないので、馬は若いですし完成の域に入ってきたなぁという感じです。いい状態で送り出せるので、何とかこのタイトルを取らせてあげたいですね」(川島正一調教師)。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■イモータルスモーク
    *JRA 金成貴史 厩舎 牡4歳
    *成績 12戦4勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走は古馬になって初のオープン戦で、2走前に勝利を飾ったような内の6番手から進めるも、伸び切れず。こういう舞台は初挑戦ながら、大井を知り尽くす内田博幸騎手が初騎乗。

    ■サイクロトロン
    *JRA 音無秀孝 厩舎 牡4歳
    *成績 13戦4勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     2走前は持ち前のスピードを生かし先行して押し切りましたが、前走は初のオープン戦で、自分の形に持ち込むも最後は後続馬たちに交わされました。今回は初物づくし。

    ■ノボバカラ
    *JRA 森秀行 厩舎 牡9歳
    *成績 54戦9勝2着6回
    *重賞タイトル
     さきたま杯(JpnII)(2020)
     カペラS(GIII)(2016)
     プロキオンS(GIII)(2016)
     かきつばた記念(JpnIII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     全国のダートグレード競走を中心に遠征するノボバカラも今年9歳になりました。5年前のかきつばた記念を皮切りに昨年のさきたま杯まで、タイトルは通算4勝。

    ■ヒロシゲゴールド
    *JRA 北出成人 厩舎 牡6歳
    *成績 27戦6勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道、中央、南関東で走ったエフテーストライクの息子。重賞勝ちはありませんが、先行力を武器に、ダートグレード競走でも好走中。2年前の東京スプリントは3着。

    ■リュウノユキナ
    *JRA 小野次郎 厩舎 牡6歳
    *成績 35戦7勝2着5回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     オープン戦で差し切り勝ちを決めて連勝中と、中央馬で最も勢い抜群なこの馬が、初タイトルをかけて臨みます。南関東にいた時代もありますが、大井は初登場。

    *東京スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第32回 東京スプリント(JpnIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■サブノジュニア
    小林4/9稍 1000m-65.4秒 800m-49.6秒 600m-36.4秒 強め
    ■ベストマッチョ
    牧場4/10坂路 600m-37.9秒 200m-12.1秒 馬なり
    ■キャンドルグラス
    船橋4/10右良 1200m-81.4秒 1000m-65.2秒 800m-50.5秒 600m-36.6秒 馬なり
    ■イモータルスモーク
    美浦4/11坂路 800m-58.0秒 600m-42.7秒 200m-13.8秒 馬なり
    ■サイクロトロン
    栗東4/10坂路 800m-51.9秒 600m-37.7秒 200m-12.7秒 一杯に
    ■ノボバカラ
    栗東4/11坂路 800m-54.1秒 600m-38.8秒 200m-13.0秒 一杯に
    ■ヒロシゲゴールド
    栗東4/11坂路 800m-50.6秒 600m-36.6秒 200m-11.9秒 一杯に
    ■リュウノユキナ
    美浦4/11坂路 800m-56.8秒 600m-41.0秒 200m-12.4秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第32回 東京スプリント(JpnIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     4月14日に大井競馬場で実施したダートグレード競走・東京スプリント。11月に金沢競馬場で行われるJBCスプリントを見据えても重要な一戦になってくるでしょう。例年以上に新興勢力が目立った中央馬たちの中で、ニュースターが次から次へと誕生するのも、中央勢の層の厚さ。

     ここは柴田善臣騎手騎乗の1番人気リュウノユキナ(中央・小野次郎厩舎)が重賞初制覇を飾りました。

     リュウノユキナはホッカイドウ競馬からデビュー。一時は南関東競馬へ移籍し中央競馬の舞台に挑戦しましたが、南関東4競馬場での出走はないまま、中央へ転厩。あれから3年が経ち、初コース&初ナイターなど初物尽くしの中で、見事タイトルホルダーの仲間入りを果たしました。これで3連勝と勢いも抜群!

     この日は雨が降り続き、ビチャビチャの不良馬場。特に、東京スプリント前には嵐のような大雨と強風、時折雷まで鳴るような悪天候になりました。

     レースは、ベストマッチョやサイクロトロン、ヒロシゲゴールドが先行争いを激しく繰り広げる中、リュウノユキナはそれらを見る形で4番手を追走。3コーナーでは前の馬たちに早々並びかけていき、残り200mでは力強く先頭へ。

     「返し馬から気合が入っていたので行きすぎる面が出なきゃいいなと思っていたのですが、ちょっと行き過ぎましたね。調教も乗って調子の良さはわかっていたので、このくらいでも辛抱してくれるんじゃないかという感じで追い出しました。もう少しリラックスして走れれば、もっと強い勝ち方ができたと思います」(柴田騎手)。

     地方競馬の短距離王サブノジュニアも中団からその差をグングン縮めていき、最後はリュウノユキナがサブノジュニアの猛追をアタマ差凌ぎ切ったところでゴール。勝ちタイムは1200m1分11秒5(不良)。2着がサブノジュニア、3着はキャンドルグラス。

     コンビを組む柴田騎手は現在54歳で中央競馬最年長騎手としても知られています。大井競馬場での騎乗は久しぶり。

     「競馬に乗るのが好きで、馬が好きで、ここまでやってきています。まだまだ乗っていたいので、楽しんで競馬に乗りたいので応援して頂ければありがたいです。

     (リュウノユキナは)もうワンランク上がらないともっと大きいところには手が届かないと思うので、またスタッフと相談しながらやっていきたいです。もっと力をつけてもっといいパフォーマンスができるようになると思います」。




     一方、昨年のJBCスプリントの覇者サブノジュニアにとっては惜しい2着。ただ1頭58キロの斤量を背負う中(56キロのリュウノユキナとは2キロ差)、しっかりと追い込んできました。最近は斤量を背負うレースが増えていますが、それでいながらも常に自分の走りを貫こうとする姿勢、本当に立派な馬です。

     「惜しかったですね。並びかけてから向こうももうひと伸びしたなぁと。(歴戦の)疲れもあると思うので、本来ならもっとキレは増すと思います。今日は残念です」と矢野騎手。

     レース後に放牧休養へ出たそうで、また夏以降、サブノジュニアのパワフルな末脚に会えることを楽しみに待ちたいと思います。ここまですばらしい頑張りを見せ続けてくれました。サブノジュニア、ゆっくり癒してきてください!


    <他陣営のコメント>

    3着 キャンドルグラス 御神本訓史騎手
    「スタートは良かったですがそこから進まない馬なので想定内でしたが、たらればですけど、馬場状態がもう少し良くて内枠なら、というのはあの着差なので感じました。まだ馬も若くて実績も残していますし、何とかダートグレード競走を勝たせてあげたいです」

    4着 ノボバカラ 戸崎圭太騎手
    「9歳ですけどあまり衰えは感じないですね。返し馬での雰囲気も良くて、4着ですが接戦の中で頑張ってくれていると思います」

    5着 ヒロシゲゴールド 北村宏司騎手
    「スタートは良かったです。外目の3番手で馬のリズムで走れました。勝ち馬がかなりいい勢いでまくってきた時に、少し速めに動かざるを得ない形になったので、その分かな。ゴール前はちょっと離れてしまいましたが、直線入り口まで食いしばって頑張ってくれました」

    6着 ベストマッチョ 森泰斗騎手
    「水が浮くような馬場だったので一発あるなら逃げかなと思いそういう作戦に出ましたが、同じように行きたい馬たちが3頭いたということで、さすがにオーバーペースになりました。これも競馬のアヤの部分ですね」

    7着 トロヴァオ 藤田凌騎手
    「休み明けの方がいい成績を残しているので、追い切りの動きも良く期待はしていました。テンに置かれてしまいましたが、3コーナーからいい感じの手応えで伸びてくれました。この後が楽しみです」

    8着 サイクロトロン 北村友一騎手
    「早め早めに来られるのは仕方ないですが、この馬には厳しい形になりました」

    9着 ブルミラコロ 達城龍次騎手
    「落鉄していたようで、あの馬場ではスリップするので、前4頭は強かったですがあの着差なら5着はあったかもしれません。年齢は9歳ですが若さがみなぎっていて、すごくいい馬ですよ」

    10着 クロスケ 真島大輔騎手
    「この距離は忙しい感じで、1400mや1600mの方が良さそうですね。馬場もいい方が走りやすそうです」

    11着 イモータルスモーク 内田博幸騎手
    「周りが速かったですね。経験していければ」

    12着 グランドボヌール 笹川翼騎手
    「スピードもパワーもあって、ダートも大丈夫そうですね。いいモノはある馬で、まだ状態も上がっていきそうなので、これから非常に楽しみな素材だと思います。あのラップで楽についていけました」

    13着 ナリタスターワン 川島正太郎騎手
    「周りが速くて追走一杯になってしまいましたが、直線は反応して伸びてくれて、この馬なりに頑張って走ってくれています」

    14着 ドーヴァー 東原悠善騎手
    「1600mくらいの方がいいですね」

    15着 ナイトオブナイツ 千田洋騎手
    「追走一杯でした」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    32 令3 リュウノユキナ 牡6 柴田 善臣
    31 2 ジャスティン 牡4 坂井 瑠星
    30 平31 キタサンミカヅキ 牡9 森 泰斗
    29 30 グレイスフルリープ 牡8 武 豊
    28 29 キタサンサジン 牡5 内田 博幸
    27 28 コーリンベリー 牝5 松山 弘平
    26 27 ダノンレジェンド 牡5 丸田 恭介
    25 26 ノーザンリバー 牡6 蛯名 正義
    24 25 ラブミーチャン 牝6 戸崎 圭太
    23 24 セイクリムズン 牡6 岩田 康誠
    22 23 セレスハント 牡6 福永 祐一
    21 22 スーニ 牡4 川田 将雅
    20 21 ゼンノパルテノン 牡7 内田 博幸
    19 21 フジノウェーブ 牡7 御神本 訓史
    18 20 ベルモントストーム 牡7 石崎 隆之
    17 19 フジノウェーブ 牡5 御神本 訓史
    16 18 ベルモントファラオ 牡7 御神本 訓史
    15 17 ブルーローレンス 牡4 的場 文男
    14 16 ブラウンシャトレー 牡7 張田 京
    13 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    12 14 フレアリングマズル 牡4 的場 文男
    11 13 サプライズパワー 牡7 石崎 隆之
    10 12 アローセプテンバー 牡5 左海 誠二
    9 11 カガヤキローマン 牡6 森下 博
    8 10 セントリック 牡5 宮浦 正行
    7 9 アマゾンオペラ 牡6 石崎 隆之
    6 8 ヒカリルーファス 牡4 早田 秀治
    5 7 ブルーファミリー 牡5 早田 秀治
    4 6 ハナセール 牡6 高橋 三郎
    3 5 ウエルテンション 牡5 久保田 信之
    2 4 テツノヒリユウ 牡9 鷹見 浩
    1 3 ダイコウガルダン 牡6 早田 秀治