重賞レース

第27回 アフター5スター賞(SIII)

  • 2020年9月8日(火)
  • 20:10発走
第27回優勝馬:サブノジュニア号

短距離戦で持ち味を発揮する快速馬たちが、自慢のスピードで残暑を吹き飛ばす1,200mのスプリント戦。東京盃からJBCスプリントへ続く秋の短距離交流重賞に向け、南関東所属の有力馬が始動する注目のレースです。
<優勝馬にテレ玉杯オーバルスプリントおよび東京盃の優先出走権を付与>

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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第27回 アフター5スター賞(SIII)>
    (9月1日現在)

    サブノジュニア
    今年の東京スプリントで2着になるなど、ダートグレード競走でも実力の高さを見せています。その後も大井1200m戦で連勝中です。悲願の重賞勝ちまで、もう少し。

    カプリフレイバー
    デビューから6戦5勝(優駿スプリントを含む)、1200m以下は負けなし。これからの南関東短距離界を担っていくプリンスが、先輩たちとどんな走りを見せるでしょう!

    ブロンディーヴァ
    昨年はローレル賞を制し、現在は短距離戦線へ。優駿スプリントはカプリフレイバーから0.3秒差の2着、アフター5スター賞トライアルは優勝。今回は斤量51キロ。

    キャンドルグラス
    羽田盃3着などクラシックに出走した馬ですが、その後は短距離戦線にシフト。ダートグレード競走でも好走し、今年の船橋記念は悲願の重賞初制覇を飾りました。

    クルセイズスピリツ
    2年前の優駿スプリントの勝ち馬。前走の流星賞で大井1000mを58秒8で駆け優勝し、従来のレコード58秒9から0.1秒上回り、44年振りにコースレコードを更新。

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    <第27回 アフター5スター賞(SIII)>

    (9月7日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■サブノジュニア
    *大井 堀千亜樹 厩舎(小林) 牡6歳
    *成績 33戦10勝2着9回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ここまで重賞勝ちは惜しくも逃してきましたが、東京スプリント(優勝 ジャスティン)では中央のそうそうたるメンバーの中で地方馬最先着の2着になるなど、実力の高さは示してきました。マイル路線に挑戦したこともありましたが、現在は一貫して、大井1200m戦を走り続けています。悲願の重賞勝ちまで、もう少し。

     当初から、アフター5スター賞、東京盃、JBCスプリント(大井)というローテーションが組まれ、4月30日の神田川オープン(優勝)後は放牧休養へ。7月9日のジュライ賞は、この後の目標に向かっていくためにも、休み明けだったので仕上がり途上だったそうですが、格の違いを見せつける勝利。

     矢野貴之騎手を背に、道中は外の4番手から、4コーナーでは3頭分の外を回って、最後は逃げていたクルセイズスピリツをしっかり抜き去りました。勝ちタイムは1200m1分11秒7(不良)。クルセイズスピリツはのちの大井1000mのコースレコードを更新。

     「休み明けで一息入れた後のレースでしたが、気も抜けて体の張りつめたものもなくなっていて、うまくリセットされていい感じで緩んでくれたなぁという印象でした。この状態で、外々4頭目の厳しい競馬で普通に勝てたというのが、今日は一番です。

     ちょっと外に出すともたれるようなところもありますが、内々で我慢ができればもっと弾けると思います。前は半馬身出るとやめる所もありましたが、今日は休み明けの分突き放すようなところはなかったですが、下がる感じはなかったです。気性的にも成長しているし、充実期に入りましたね」と、矢野騎手も今後に向けてかなり手応えをつかんだ様子。

     その後は、これからの目標3重賞に向け、厩舎でじっくりとトレーニングを積み重ねてきたそうです。

     「力はつけています。速く走らせた時の沈み込み方や反応の仕方が前とは違いますね。真面目になってきて気持ちも出てきました。充実してきたなぁと感じます。

     1枠1番に入りましたが、先に行く馬ではないしごちゃごちゃしなきゃいいので、あとは矢野騎手に任せます。これからどんな走りをしていくのか楽しみです。肩掛けを獲らせてあげたいですね」(堀千亜樹調教師)。

    ■キャンドルグラス
    *船橋 川島正一 厩舎 牡6歳
    *成績 32戦11勝2着4回
    *重賞タイトル
     船橋記念(SIII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道から南関東へ移籍し、羽田盃3着などクラシック戦線にも挑戦し地力の高さで距離もこなしてきましたが、短距離戦に転向後は抜群の安定感を誇っています。

     今年1月の船橋記念では6歳で悲願の重賞初制覇を飾り、2走前の東京スプリントでも3着になるなど、ダートグレード競走でも好走してきました。3走前のフジノウェーブ記念はスタート直後に躓き、内にもたれながら本来の走りではなかったそうですが(8着)、それ以外はこの1年間だけでも大崩れはありません。

     アフター5スター賞は3年連続の参戦で、昨年は直線で先頭に立って勝ったかと思ったところに、王者キタサンミカヅキが力でねじ伏せる形で2着となり涙を呑みました。

     「終いを生かす競馬にはなるでしょうが、道中のペースが速くなったとしても、エンジンの掛かりがゆっくりなところもあるので、とにかく展開がはまってくれればと思っています。状態は変わらずいいし、力はある馬なので頑張って欲しいですね」(川島正一調教師)。

    ■カプリフレイバー
    *船橋 稲益貴弘 厩舎 牡3歳
    *成績 6戦5勝2着0回
    *重賞タイトル
     優駿スプリント(SII)(2020)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     1200m以下5戦5勝で負けなし。前走の優駿スプリントは逃げ切り勝ちを収め、勝ちタイムは1200m1分12秒5(不良)でした。

     「どう乗っても勝てるだろうなぁとは思いました。今後のことを考えると砂をかぶせるようにハナには行かない競馬もありましたが、スタートも出たのでそのまま行かせました。

     道中はリラックスして走れて、最後の直線でステッキを入れたのはとぼける面もあるので、今後のためにもちゃんと促しておきたかったからです。ギュンと切れる馬ではありませんが、来られたら来られただけジワーッと伸びていけます」(繁田健一騎手)。

     その後は放牧休養に出て、習志野きらっとスプリントという選択肢もありましたが、結果的にはこのアフター5スター賞から始動。ひと夏越して、背は伸びたそうですよ。

     「この中間もしっかり乗り込んできました。最終追い切りをやってみて、元々大人しい馬でまだ気持ちポーッとしているようにも思いましたが、動き自体は問題ありません。今回は挑戦者ですが、いい競馬はしてくれると思っています」(稲益貴弘調教師)。

    ■ブロンディーヴァ
    *川崎 内田勝義 厩舎 牝3歳
    *成績 10戦4勝2着1回
    *重賞タイトル
     ローレル賞(SII)(2019)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年ローレル賞を勝ち、それ以降の3戦(東京2歳優駿牝馬、桜花賞、東京プリンセス賞)はもう少しの成績でしたが、2走前から短距離戦にシフト。

     優駿スプリントは優勝したカプリフレイバーから1馬身4分の3差の2着。前走のアフター5スター賞トライアルは、5番手から、ゴール前にしっかり差し切って、ここへの権利をつかみました。

     ブロンディーヴァは内田勝義厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで調教を積んでいます。「前に比べると馬も成長してくれていますね。今回は斤量51キロを生かして、このメンバーとどのくらいやれるか楽しみです」(内田調教師)。

     7年前のアフター5スター賞は同じ3歳牝馬ハートデイズナイトが斤量50キロで完勝したこともありましたが、ブロンディーヴァはどんな走りを見せてくれるのでしょうか。

    ■クルセイズスピリツ
    *大井 荒井朋弘 厩舎(小林) 牡5歳
    *成績 41戦11勝2着5回
    *重賞タイトル
     優駿スプリント(SII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道、愛知所属として走り、南関東移籍後は2年前の優駿スプリントを制覇。その後も短距離戦で快速ぶりを披露してきました。

     前走の流星賞は西啓太騎手の手綱で逃げ切り勝ち。大井1000mを58秒8で駆け、従来のレコード58秒9から0.1秒上回り、44年振りにコースレコードを更新しました。

     「習志野きらっとスプリント(6着)は前がカットされる不利があってレースにならなかったので、自分のレースができれば上位争いもあったなぁと。ここもいい走りをしてくれるとは思っていましたが、レコードにはびっくりしました。名前が残るのはうれしいですね」(荒井朋弘調教師)。

     その後はこのアフター5スター賞に向け調教を積んできて、レコードを叩き出した後の一戦だけに注目が集まります。

     「間隔もないので状態は現状維持です。ある程度自分の形で進めて、競り合うように粘り込めれば。レコードホルダーとして恥じないレースをしたいですね」(荒井調教師)。

    *アフター5スター賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第27回 アフター5スター賞(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■サブノジュニア
    小林9/3稍 1000m-64.8秒 800m-48.6秒 600m-35.4秒 馬なり
    ■キャンドルグラス
    船橋9/4良 1000m-63.0秒 800m-49.0秒 600m-36.8秒 馬なり
    ■カプリフレイバー
    船橋9/4良 1000m-62.3秒 800m-48.1秒 600m-36.0秒 一杯追
    ■ブロンディーヴァ
    牧場9/3坂路 600m-38.0秒 200m-11.9秒 強めに
    ■クルセイズスピリツ
    小林9/4稍 1000m-67.0秒 800m-51.9秒 600m-38.7秒 強めに
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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第27回 アフター5スター賞(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     秋競馬に向け、短距離戦線の重要な一戦となってくるアフター5スター賞。 この後の、東京盃、JBCスプリント(大井)も見据え、今年もスピード自慢たちが勢ぞろいしました。

     そんな中、東京スプリント2着のサブノジュニア(大井・堀千亜樹厩舎<小林>)が、単勝2.3倍の1番人気に応えての完勝。矢野貴之騎手を配し非常に強い勝ち方で、6歳にして初のタイトルを獲得しました。

     レースを振り返ると、大井1000mでコースレコードを更新したばかりのクルセイズスピリツがハナへ立つと、すかさずサイタスリーレッドが続き、カプリフレイバーやサンダーマックス、エッシャーも並びかけ、先団には5頭という激しい展開。
     
     2か月ぶりの実戦となったサブノジュニアは、プラス13キロで過去最高体重の541キロ。最近は先団についていく競馬が続いていましたが、この日は後方4番手から。

     ある程度は前に行くことを考えていたという矢野騎手も、思っていたより進んでいけなかったことは振り返っていましたが、それも終わってみれば、より強さを強調するものでしかありませんでした。

     4コーナーを回ったところでも前から7、8番手付近でしたが、最後は35秒8のメンバー中最速の脚で、残り200m付近を過ぎたところから間を割って突き抜けました。勝ちタイムは1200m1分11秒7(重)。

     「窮屈な狭い所に入ったのですが、力があるから出てこれました。直線では届かないんじゃないかと思ったのですが、抜かす時のあのパワフルな切れ味はなかなかないですよ。例えるとスピードのある重戦車みたいで、今まで味わったことがありません。勢いがつけば、差し脚は南関東ではナンバー1じゃないかなぁと思います」(矢野騎手)

     2着はメンバー中一番重い58キロを背負ったキャンドルグラス。3着が最軽量51キロのブロンディーヴァ。

     サブノジュニアは新馬戦のパドックから独特の雰囲気で周回していた姿も懐かしいですが、当初から重賞級と大きな期待をかけられてきた逸材。しかし、優駿スプリント2着を皮切りに、重賞レースであと一歩のところで涙を呑みながらも、ダートグレード競走でも好走し、その片鱗は覗かせてきました。

     「若い頃は気難しい面があったり、2度の骨折で戦線離脱をしたこともありましたが、今は充実してくれているのでありがたいです。体重はちょっと増えたかなと思いましたが、調教の内容が良かったので、あえて意識しないで調整してきました」と堀調教師も目を細めます。

     今年は大井1200m戦にこだわったローテーションを組んできたのも、これから続く中央馬との対戦を見据えてのもの。「今日も抜け出すとフワッとしてまだ余裕はあったので、中央馬たちと戦っていくのが楽しみです。次からが本番ですが、今年の充実度はすごいです」(矢野騎手)。

     サブノジュニアは大井生え抜き馬。母サブノイナズマと祖母サブノアフロディアも大井で走り、半兄には東京記念の勝ち馬サブノクロヒョウ。中川三郎オーナーの思いも強く込められている血統です。

     そんな大井にゆかり深い馬が、大井の代表として、大井のビッグレースに立ち向かっていくこれからの戦い。東京盃、そして、JBCスプリント、夢を叶えて欲しいです。またこういう生え抜き馬が出てきてくれたこと、見続けているファンにとっても、幸せな瞬間です。



    <他陣営のコメント>

    2着 キャンドルグラス 御神本訓史騎手
    「この馬のレースはできましたが、やはり58キロはきつかったです。同じ斤量だったらもう少し接戦になったと思います」

    3着 ブロンディーヴァ  今野忠成騎手
    「斤量が軽かったので一発を狙っていましたが、やはり相手が強かったです。砂をかぶっても大丈夫ですし、レースが上手です」

    4着 ライクアロケット  庄司大輔騎手
    「前半は流れに乗れなかったですが、それがかえって良かったのかもしれません。展開が向いてくれて、よく頑張ってくれました」

    5着 クルセイズスピリツ  西啓太騎手
    「この馬の持ち味である前で渋太く粘るレースはできました。前半競られたのは痛かったですが、現状の力は出せたと思います」

    6着 サイタスリーレッド 山崎誠士騎手
    「感触は悪くなかったです。予想のできた流れでしたが、ペースが速くなりました。スタートも出たし無理に下げることもないと思いましたが、きつくなってしまいましたね」

    7着 フランシスコダイゴ 本橋孝太騎手
    「手応えの割には追い出してからの伸びがもう少しでした」

    8着 ハヤブサマカオー 吉井章騎手
    「スピードはあるのでこのペースにもついていけて、この馬なりに最後までしっかり走ってくれました」

    9着 メモリーメンヒル 的場文男騎手
    「ペースも速かったしついていけなかったですね。今後の経験ですね」

    10着 エポック 藤本現暉騎手
    「ゲートは普通に出てくれたのですが、後手を踏んでしまって、後ろからになりました。短距離馬のスペシャリストの中でペースが速くなりましたが、終いは止まっていません。1400mくらいがベストですね。いい馬ですよ!」

    11着 アンサンブルライフ 保園翔也騎手
    「スタートはもっと出していければ良かったのですが」

    12着 カプリフレイバー 繁田健一騎手
    「指示通り行きましたが、今まで逃げる競馬しか経験していないですし、ペースもきつかったですね」

    13着 サンダーマックス 町田直希騎手
    「この馬の持ち味は逃げて残れるかどうかという部分なので、逃げられなかった時点でこの馬の競馬はできなかったです。追い出してからも遊んでいる感じで、集中力が持続できなかったです。残念です」

    14着 エッシャー 笹川翼騎手
    「行くというのは陣営からの指示通りでしたが、枠も少し悪くて思ったような競馬ができませんでした。速いペースで追走していったので厳しくなりましたが、スピードはあるし、枠や展開ひとつで巻き返せると思います。今日は度外視です」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    27 令2 サブノジュニア 牡6 矢野 貴之
    26 令元 キタサンミカヅキ 牡9 森 泰斗
    25 平30 キタサンミカヅキ 牡8 森 泰斗
    24 29 キタサンミカヅキ 牡7 繁田 健一
    23 28 ルックスザットキル 牡4 早田 功駿
    22 27 ジョーメテオ 牡9 坂井 英光
    21 26 サトノタイガー 牡6 吉原 寛人
    20 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士
    19 24 ジーエスライカー 牡5 坂井 英光
    18 23 タカオセンチュリー 牡8 柏木 健宏
    17 22 ヤサカファイン 牡4 石崎 駿
    16 21 ケイアイジンジン 牡3 的場 文男
    15 20 ディープサマー 牡6 川島 正太郎
    14 19 ベルモントサンダー 牡6 石崎 駿
    13 18 コアレスタイム 牡8 内田 博幸
    12 17 ロッキーアピール 牡7 今野 忠成
    11 16 ハタノアドニス 牡8 早田 秀治
    10 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    9 14 キングリファール 牡5 佐藤 隆
    8 13 スピーディドゥ 牡5 内田 博幸
    7 12 ゴールドヘッド 牡5 的場 文男
    6 11 イナリコンコルド 牡4 内田 博幸
    5 10 サントス 牡5 鈴木 啓之
    4 9 サプライズパワー 牡3 石崎 隆之
    3 8 スペクタクル 牡5 内田 博幸
    2 7 ツキフクオー 牡3 森下 博
    1 6 ツキノイチバン 牡5 佐々木 竹見