重賞レース

第3回 ブリリアントカップ(SIII)

  • 2020年4月7日(火)
  • 20:10発走
第3回優勝馬:ストライクイーグル号

5月に行う「大井記念」のトライアル競走として、2018年から重賞に格上げとなりました。昨年からは2,000mから1,800mへと距離が変更され、中距離だけでなくマイル路線の有力馬も参戦。トゥインクルレース開幕を飾る最初の重賞レースとして注目が集まります。
<上位2頭に大井記念の優先出走権を付与>

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    <第3回 ブリリアントカップ(SIII)>
    (3月31日現在)

    ゴールデンブレイヴ
    中央4勝から高知で1勝をあげ、南関東の一員に。前走のブリリアントカップトライアルは矢野貴之騎手とのコンビで優勝し、優先出走権をつかんでこの舞台に参戦。

    ノンコノユメ
    中央時代にビッグレースを制してきた実力馬が、南関東移籍後も大活躍。東京大賞典2着や帝王賞3着など、ダートグレード競走でも格の違いを見せています。

    サウンドトゥルー
    中央時代に大活躍してきたダート界の雄が、南関東移籍後も輝いています。一時は元気のない成績も、今年の金盃は10歳にして圧倒的な強さで大きな感動を呼びました。

    ヒカリオーソ
    フリオーソの愛息で昨年の東京ダービー馬。前走の川崎記念は初の古馬ダートグレード競走への挑戦でしたが、地方最先着の2着。今後に夢がふくらむ内容でした。

    マルカンセンサー
    昨年のTCK女王盃2着になり、前走の隅田川オープンは約半年ぶりの実戦も牡馬に混ざり3着。追い切り後に出否を決める予定で、出走してきた際には非常に楽しみです。

    タービランス
    4年前の羽田盃馬で、その後も北海道と南関東で活躍。昨年の報知グランプリカップ優勝以降、惜しくも勝ち切れませんでしたが、前走の日吉オープンを優勝。

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    <第3回 ブリリアントカップ(SIII)>

    (4月6日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■ノンコノユメ
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) セ8歳
    *成績 34戦9勝2着6回
    *重賞タイトル
     サンタアニタトロフィー(SIII)(2019)
     フェブラリーS(GI)(2018)
     根岸S(GIII)(2018)
     東京中日スポーツ杯武蔵野S(GIII)(2015)
     ジャパンダートダービー(JpnI)(2015)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走のフェブラリーSは久しぶりに中央の舞台へお里帰り。真島大輔騎手とのコンビで、道中11番手から追走し最後は8着でした。「スタートした後が忙しかったです。サンタアニタトロフィー(優勝)の時もそうでしたが、今のノンコは、1800mから2000mでゆっくり行った方がいいと思います」と真島騎手。

     その後は、当初からこのブリリアントカップを視野に入れて、トレーニングを積んできたそうです。南関東に移籍以降は、ダートグレード競走も含めて全て馬券圏内で(中央遠征以外)、ここまでの競馬内容も考えれば、ノンコノユメがどんな強さを見せるのかとても楽しみな一戦です。

     「フェブラリーSの後は少し疲れも出たので、緩めてあげてから持ち上げてきて、順調にはきています。ただ、最近は大人しくなってきたというか落ち着いてきているので、それがどう出るのかなとは思っています。この後は帝王賞を予定しているので、そこに向けてもいい走りをして欲しいですが」(荒山勝徳調教師)。

    ■サウンドトゥルー
    *船橋 佐藤裕太 厩舎 セ10歳
    *成績 61戦12勝2着11回
    *重賞タイトル
     金盃(SII)(2019・2020)
     JBCクラシック(JpnI)(2017)
     チャンピオンズカップ(GI)(2016)
     東京大賞典(GI)(2015)
     日本テレビ盃(JpnII)(2015)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     2走前の金盃は森泰斗騎手が手綱を取り、2着のフレアリングダイヤに8馬身差をつける圧勝劇。前年に引き続き連覇を飾りましたが、さらにパワーアップしたかのような走りで、10歳馬のこのパフォーマンスは多くの感動を呼びました。

     その後はダイオライト記念に出走し、4番手から進めていき、地方馬最先着の3着。優勝したのは、弟のアナザートゥルースでした。「最後はもうちょっと伸びるかなというイメージでしたが、あの流れではあれ以上後ろからになるのはきつかったので、いい競馬はできたと思います。10歳になっても頑張っているし、偉い馬です」(森騎手)。

     去年もブリリアントカップに参戦し8着でしたが、年齢を一つ重ねた今でも、さらに充実したかのような走り。「自分のリズムで走れているというのもあるのか、レース後のダメージもなくて、回復力は今の方がいいです。レースでは前に行っても終いは伸びてくれるので、森君との相性もいいです。普通の10歳馬とは違ってまだまだ若いですね」(佐藤調教師)。

    ■ヒカリオーソ
    *川崎 岩本洋 厩舎 牡4歳
    *成績 14戦5勝2着3回
    *重賞タイトル
     戸塚記念(SI)(2019)
     東京ダービー(SI)(2019)
     雲取賞(SIII)(2019)
     平和賞(SIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     偉大なフリオーソを父に持つヒカリオーソ。今年4歳になり、報知オールスターカップは優勝したオールブラッシュから0.1秒差の3着で、前走の川崎記念は優勝したチュウワウィザードから1秒2差つけられたものの、地方馬最先着の2着でした。

     「出遅れてあの位置になりました。馬込みで競馬をさせたことがなかったので、ちょっとムキになっていましたが、最後まで脚も上がらずに頑張ってくれました」と、手綱を取った山崎誠士騎手。ヒカリオーソにとって初めての古馬のJpnⅠレースでのこのパフォーマンスは、改めて強さを示しました。

     そういう経験を生かし、今回は南関東の一線級たちとの戦い。「疲れをケアするのに時間はかかりましたが、追い切り時計は3本出しているし、前走に比べれば途上の所はありますが、力は出せる状態だと思います。1800m戦でどんな走りをするかで、今後どういう路線を進ませるか夢を見ていきたいですね」(岩本洋調教師)。

    ■タービランス
    *浦和 水野貴史 厩舎 牡7歳
    *成績 25戦12勝2着8回
    *重賞タイトル
     報知グランプリカップ(SIII)(2019)
     羽田盃(SI)(2016)
     京浜盃(SII)(2016)
     サンライズカップ(H2)(2015)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東所属としては、一度も馬券圏内を外したことがないタービランス。前走の日吉オープンは山崎誠士騎手が初騎乗。道中は中団から進出していくと、最後はどのくらい突き放すのだろうと思うほどの手応えでしたが、最後はバンズームと接戦になり僅差での優勝。

     「道中は癖もなくてすごく乗りやすいし反応もありますが、最後は抜け出して半馬身くらいしてからやめようとしたのでびっくりしました。話しには聞いていたのですが、それ以上にソラを使われてしまって、これほどの馬はなかなか珍しいと思います。馬がきたらまたグッときましたが、力はかなりあるんですけどねぇ……」と山崎騎手。

     今回ももちろんその部分は大きな鍵を握るでしょう。初コンビとなる酒井忍騎手がどう導くのか楽しみです。

     「前回よりも今回の方がしっかり調整はできています。早く抜け出す形にはなりたくないのでタイミング一つですね。相手なりには走れるし能力は高い馬なので善戦はできると思っています」(水野貴史調教師)。

    ■マルカンセンサー
    *大井 高野毅 厩舎 牝5歳
    *成績 21戦6勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     今回、牝馬で果敢に参戦するのがマルカンセンサーです。重賞勝ちはまだありませんが、昨年のTCK女王盃2着になるなど、重賞レースでも好走してきました。

     前走の隅田川オープンは約半年ぶりの実戦でしたが、優勝したリコーワルサーに0.3秒差の3着。「強いセンサーを見られたかもしれませんが、前はもっとダイナミックさがあったのでもう少しだったと思います。でも、一度使った効果は抜群で、今はいい意味でフワフワ跳んでいて、休み前のセンサーに戻りつつあるように思います」(高野毅調教師)。

     前走後、コンビを組む的場文男騎手から、「俺に全て任せて欲しい」と高野調教師は言われたそうで、このブリリアントカップに向けて的場騎手がつきっきりで調教をつけてきたそうです。

     「最終追い切りが終わって、その後の乗り出し日に、『別馬のようになった』と的場さんから言ってもらいました。牝馬でも牡馬ともヒケの取らない破壊力のある馬ですし、的場さんも牡馬と思って乗ってくれているのかなとも感じています。こういうご時世ですが、勝って、世の中を明るくできれば」(高野調教師)

    ■ゴールデンブレイヴ
    *大井 藤田輝信 厩舎 牡7歳
    *成績 16戦6勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     A2以下の馬たちによるブリリアントカップトライアルは、矢野貴之騎手が騎乗した2番人気ゴールデンブレイヴが優勝し、ブリリアントカップの優先出走権を獲得しました。道中は外の3、4番手から進めると、最後の直線で先頭に立って押し切る形。

     「抜け出したらソラを使っているというか遊んでいました。後ろから来る分伸びる感じで、着差以上の強さだと思います。交わす時の脚はすばらしかったし、もうちょい下げていっても面白いかもしれません。まだ若干太目(プラス15キロ)ですし、これで変わってくると思います。次の重賞も楽しみですね」と矢野騎手。

     その後は引き続き大井競馬場でトレーニングを積み、この舞台に向けて進めてきたそうです。「最初はポーッとしている印象でしたが、今回はピリピリしてさらによくなっていますね。追い切りもしっかり動いて雰囲気はいいです。体も立派で、毛づややハリはやっぱりオープン馬だなぁと感じます」(藤田輝信調教師)。

    *ブリリアントカップの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第3回 ブリリアントカップ(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ノンコノユメ
    小林4/2不良 1200m-80.2秒 1000m-64.4秒 800m-50.0秒 600m-37.1秒 馬なり
    ■サウンドトゥルー
    船橋4/3重 1000m-63.2秒 800m-49.5秒 600m-37.6秒 G前強
    ■ヒカリオーソ
    川崎4/2不良 1000m-62.1秒 800m-48.8秒 600m-37.3秒 一杯追
    ■タービランス
    浦和4/1稍重 1000m-65.7秒 800m-49.6秒 600m-36.6秒 強め
    ■マルカンセンサー
    大井4/3稍重 1000m-62.6秒 800m-51.0秒 600m-37.9秒 強め
    ■ゴールデンブレイヴ
    大井4/3稍重 1000m-66.2秒 800m-52.3秒 600m-38.3秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第3回 ブリリアントカップ(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     この大井開催から今年度のトゥインクルレースが開幕。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、引き続き無観客競馬で実施されました。

     ブリリアントカップは、大井記念のトライアルレースとして重賞に格上げされ、今年で3回目。過去の勝ち馬には、リッカルドとキャプテンキングというその世代のトップホースたちの名があります。

     今年も超豪華メンバーが集い、1番人気にはノンコノユメ(2.5倍)、2番人気がヒカリオーソ(3.3倍)、3番人気はサウンドトゥルー(6.4倍)、4番人気がタービランス(8.4倍)と、10倍以下のオッズには4頭。

     この豪華メンバーを抑えて優勝したのが、御神本訓史騎手が初騎乗だった8番人気のストライクイーグル(32.4倍)でした。

     ストライクイーグルは、大井の藤田輝信厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで調教を積んでいる馬です。昨年の東京記念では中央から移籍後2戦目で重賞初制覇を飾ると、それ以降はもう一歩の成績が続きました。今回は人気を落としていましたが、そんな実力馬が御神本騎手エスコートのもとで、見事な復活劇。

     レースは、ワークアンドラブが逃げ、2番手にヒカリオーソがつけると、ストライクイーグルは昨年のNARグランプリ3歳最優秀牡馬を受賞し移籍緒戦となったリンゾウチャネルと並びながら、3、4番手を追走。

     「すんなり2、3番手を取れればいいなぁという話しはしていましたが、そのような展開になってスムーズにいきました」と御神本騎手。その後ろに、ノンコノユメとタービランスが進めていき、サウンドトゥルーは後方。

     3コーナーでペースが上がったところでヒカリオーソが一気に後退していき、直線で競走中止(鼻出血を発症)。

     逃げるワークアンドラブに、ストライクイーグルとノンコノユメが馬体を併せて上がっていき、3頭のデッドヒート。

     「3コーナーまではかなりゆっくり入れたので、あとは有力馬が後ろからいつくるのかなと思いました。追ってからの反応もよかったですし、ノンコノユメと競り合いになりましたが、最後にもう一度踏ん張ってくれて何とか凌いでくれました」(御神本騎手)。

     残り200m付近では、ストライクイーグルとノンコノユメの2頭の叩き合いになり、最後はストライクイーグルがノンコノユメに4分の3馬身差をつけたところがゴール。勝ちタイムは1800m1分54秒0(良)。2着にはノンコノユメ、3着がワークアンドラブ。

     ストライクイーグルの今後の予定は大井記念を目指していくそうです。その先には帝王賞も待っているのでしょうか。普通の日々が1日も早く帰って来ることを祈るばかりです。

     「コロナの影響で世界中が元気のない中で、こういう風に競馬を開催できることに感謝しつつ、少しでも皆さんに元気を与えられるように一生懸命頑張っていきます」(御神本騎手)。



    <他陣営のコメント>

    2着 ノンコノユメ 真島大輔騎手
    「フェブラリーSの時にゲート内でピリピリした感じもあったので、その影響もあるのか、いつもよりゲートの中はイライラしていたのですが、荒山先生もノンコのお尻をなでてくれたり、スタートはいつもより上手に出られて、二の脚もよかったです。

    4コーナーもすごくいい感じで回れたのですが、最後はちょっとササって苦しがっていました。差し返されて、本来なら抜け出す感じだったと思うんですが。これも競馬ですね、悔しいです」

    3着 ワークアンドラブ 笹川翼騎手
    「前回は走るのをやめてしまいましたが、今日は最後までしっかり走ってくれました。3着でしたが能力を感じさせる走りだったし、勝った馬は強かったです」

    4着 タービランス 酒井忍騎手
    「もうちょっと流れてくれれば。3コーナーで落ち着いていたペースが急に早くなって、あの馬には向かない展開になりました。道中も走るのをやめるような加減して走っている感じもあって、乗り難しさはあるかもしれませんが、持っている力はすごいものがあると思います。すごくいい馬です」

    5着 サウンドトゥルー 森泰斗騎手
    「スローで流れて、36秒台の上がりでは差し馬にはきついですね。今日は展開負けの部分もあるし、内枠がアダになって動けませんでした」

    7着 リンゾウチャネル 繁田健一騎手
    「いい馬ですね。休み明けの分、最後は止まっちゃったみたいなところはありますが、力はあります」

    競走中止 ヒカリオーソ 鼻出血(2度目のため、60日間の出走制限)

    出走取消 ヒガシウィルウィン 左前ざ石
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    3 令2 ストライクイーグル 牡7 御神本 訓史
    2 平31 キャプテンキング 牡5 坂井 英光
    1 30 リッカルド セ7 矢野 貴之