重賞レース
第13回 東京シンデレラマイル(SIII)
- 2019年12月30日(月)
- 16:30発走
年末に3日連続で行われる重賞の第2弾は、年の瀬のダートを彩るレディーたちが競演するマイル戦の牝馬重賞。年明けの交流重賞に向けて、地元所属馬の勢力図を確認する意味でも見逃せない一戦です。
<優勝馬にTCK女王盃およびエンプレス杯の優先出走権を付与>
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<第13回 東京シンデレラマイル(SIII)>
(12月20日現在)
■アークヴィグラス
昨年の東京2歳優駿牝馬などを優勝し、NARグランプリ2歳最優秀牝馬を獲得した実力馬。放牧休養以降は精彩に欠く走りが続いているだけに、復活が待たれます。
■サラーブ
中央から南関東に移籍し、緒戦のレディスプレリュードは、自身にとって重賞初挑戦。初物尽くしの中でも勝ち馬から0.8秒差の5着に入り、力は示しました。
■サンルイビル
5連勝を上げるなど勢いは抜群で、東京シンデレラマイルトライアルも優勝し、優先出走権を獲得。藤本現暉騎手とのフレッシュコンビが重賞初制覇を狙います。
■ミッシングリンク
中央時代の昨年はTCK女王盃を優勝。寒い時期に調子を上げてくるようで、移籍以降のダートグレード競走でもこの2戦は好走続き。南関同士のここは力が入る舞台。
■ローレライ
女傑ロジータのひ孫が悲願の重賞初制覇に向けて!今年のスパーキングレディーカップは3着。前走のトライアルは斤量差もあり3着に敗れたものの、実績上位。
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<第13回 東京シンデレラマイル(SIII)>(12月29日現在)
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昨年のTCK女王盃の勝ち馬で、今回出走メンバー中唯一の古馬牝馬のダートグレードウイナー。この東京シンデレラマイルでは初めて南関牝馬同士と戦います。
南関移籍以降は京成盃グランドマイラーズから始動し、牡馬に混ざりながらも3着。その後はダートグレード競走とは言えもう少しの走りでしたが、ここ2戦は復調の兆し。
前走のクイーン賞は大井のクレイジーアクセルが逃げる中、ミッシングリンクは4番手から追走し、最後の直線でも見せ場たっぷりの内容で4着でした。
「理想通りの競馬でしたが、ペースが思ったよりも落ち着いて、勝ち馬にはその差でうまくやられた感じです。4コーナーでは勝てるんじゃないかなという手応えでしたが、最後はちょっと止まりましたね。大井1600mの内回りコースは、先行力がある馬なので乗りづらさは感じないでしょうし、むしろいいと思います」と、コンビを組んだ笹川翼騎手。
レース直後からこの東京シンデレラマイルに向けて調整を続けてきたそうです。同厩舎には、JBCスプリントと先日のゴールドカップを優勝したブルドッグボス(中央へ移籍)、オーバルスプリントの勝ち馬ノブワイルドも所属しています。ミッシングリンクも厩舎の勢いに続いていきたいところ。
「この馬は夏場より冬場の方がいいみたいですね。暑さが抜けてから状態を上げてきています。また先行できるようになってきたし、この舞台もいいので楽しみにしています」(小久保調教師)。女傑ロジータのひ孫にあたるローレライ。大井・堀千亜樹厩舎<小林>の生え抜き馬で、3歳デビューからコツコツと走り続け、ロジータ記念4着、今年のスパーキングレディーカップは3着、2走前のレディスプレリュードは勝ち馬から0.8秒差の6着。
そんなダートグレード競走でも好走してきたローレライが、この東京シンデレラマイルを最後に引退し繁殖入りすることになりました。
「展開が遅いとあまりよくないので、速くなってくれた方が持ち味は発揮できると思います。ここまで順調に調整もできているので、最後のレースでいい所を見せて欲しいですね」(堀調教師)。
悲願の肩掛けを獲得することはできるでしょうか?!中央からの移籍緒戦だった2走前のレディスプレリュードは、初物尽くしの中で、勝ち馬から0.8秒差の5着。騎乗した御神本訓史騎手の話しでは、展開は抜群によく4コーナーでは勝てると思ったほどだったそうですが、手前を替えなかったのと初めての地方コースで少しずつ消耗した分、最後は伸びきれなかったのではとのことでした。
引き続き、藤田厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームでトレーニングを積んでいて、南関同士のここはもちろん力の入るところ。
「JBCレディスクラシック(7着)の内容も決して悪くはなかったですし、大井の方が合うと思います。状態は絶好調ですね。強い相手と戦ってきた馬なので、地元同士のここは期待しています」(藤田調教師)。■アークヴィグラス
*大井 嶋田幸晴 厩舎 牝3歳
*成績 14戦6勝2着1回
*重賞タイトル
東京2歳優駿牝馬(SI)(2018)
ローレル賞(SII)(2018)
エーデルワイス賞(JpnIII)(2018)
リリーカップ(H3)(2018)
フルールカップ(H3)(2018)
*詳細データ[ → ]
*調教タイム[ → ]昨年のNARグランプリ2歳最優秀牝馬を受賞しているアークヴィグラス。東京2歳優駿牝馬を優勝以降、勝ち星はありませんが、今年のクラシック戦線も、決して向く条件ではない中でも、この馬の力は示してきました。しかし、放牧休養後、この馬の走りが見られません……。
今回は一週前追い切りを強く行い、最終追い切りは調整程度でリラックスさせる内容に変えてみたそうです。ポテンシャルの高い馬であることに変わりはないので、何とか本来の走りを見せて欲しいというのが、関係者の共通の想い。
「古馬の強い相手ですが、的場さん(的場文男騎手)に初めて乗って頂くので、レジェンドの力を借りて注入して頂きたいです。先行一辺倒では厳しいので、今回は控えて終いの競馬をしてみたいですが、あとは的場さんの感性にお願いしたいと思っています」(嶋田調教師)。
*なお、的場騎手は去年まで重賞38年連続勝利を重ねていますが、今年はまだ勝っていません。この東京シンデレラマイル(アークヴィグラス)と東京2歳優駿牝馬(ジャギーチェーン)は、重賞39年連続勝利がかかっています。出走メンバーの中で最大の上がり馬、この夏から一気に5連勝!
前走のシンデレラマイルトライアルは、道中4、5番手から進め、最後の直線では一歩抜け出していたペタルーダとの叩き合いに持ち込み、ハナ差交わしたところがゴールでした。勝ちタイムは1600m1分42秒5(良)。「斤量に恵まれた感じはありますが、競馬が上手で切れる脚もあります。楽しな馬です」とコンビを組んだ藤本現暉騎手。
人馬ともに勢いは抜群で、ともに重賞初制覇を狙います。
「ちょうど成長期のタイミングが合ったのでしょうね。牝馬の割に落ち着いていて癖がなくて素直な馬です。前回は斤量差がありましたが、それでも力をつけているから勝ってくれたと思っています。レースもうまくなっているし、中団から終いを生かす感じが理想的ですね。期待しています」(阪本調教師)。*東京シンデレラマイルの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
第13回 東京シンデレラマイル(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■ミッシングリンク 浦和12/25本馬場重 1000m-71.1秒 800m-52.8秒 600m-37.6秒 馬なり ■ローレライ 小林12/25不良 1000m-67.1秒 800m-50.6秒 600m-36.9秒 馬なり ■サラーブ 牧場12/25坂路 800m-37.7秒 600m-12.1秒 馬なり ■アークヴィグラス 大井12/26重 800m-54.8秒 600m-40.0秒 馬なり ■サンルイビル 大井12/26重 800m-53.3秒 600m-38.5秒 馬なり -
高橋華代子のレースレポート
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第13回 東京シンデレラマイル(SIII)>
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前日に行われた東京大賞典の熱気冷めやらぬ中、その翌日には、南関東3歳以上の牝馬たちによる東京シンデレラマイルが行われました。今年で13回目とまだ歴史の浅いレースですが、毎年様々なドラマが誕生し、年の瀬を彩ってきました。
今年は出走16頭中唯一の古馬のダートグレード競走を制している、昨年のTCK女王盃の覇者ミッシングリンクが3.1倍の1番人気に推されたものの、混戦ムード。そんな中、本田正重騎手とコンビを組んだ5番人気ローレライ(大井・堀千亜樹厩舎<小林>)が念願の重賞初制覇を飾りました。
「マイルの大外枠(8枠16番)はハンデが大きいですよ。ペースが遅くなるのは嫌でしたが速くなってくれたので、この馬の脚質にはいいペースだなぁと思いながら乗っていました」と、ローレライの本田騎手。
レースは、ユングフラウ賞馬ポッドギルが持ち前のスピードを生かして軽快に逃げていき、2番手にミッシングリングなどが続き、先団がかたまっていく中、ローレライは中団後方からじっくり追走。
「3コーナーで内に入れられて脚がいい感じでたまったので、最後は伸びそうだなという感じはありました。あまり外に出すのは嫌でしたが内がごちゃついていたので、勝負所で外に出しました」。
内がかたまる中で、ローレライは6、7頭分外に回しながら一気に進出。最後は7,8頭が横一直線になるような展開の中、この馬の勝負根性が発揮され、わずかな差で先頭でゴールに飛び込みました。2着が中団から進めたオルキスリアン。3着が大外からローレライとともに突っ込んできたサンルイビル。勝ちタイムは1600m1分42秒1(やや重)。
1着のローレライから4着のペタルーダまでが、クビ、クビ、ハナで、タイム差なしの決着。
「最後は無我夢中でした。現暉(サンルイビル)が外からきたので併せていけてちょうどよかったです。どうしても後ろから行く馬なので展開に左右されますが、いつも末脚を使ってくれる馬です。ペースが上がってくれるのはこの馬の持ち味が生きますね」。
レースを終え、枠場に引き上げてきたローレライとオルキスリアン。2頭とも女傑ロジータの血を引く馬たち。ローレライはロジータのひ孫で、オルキスリアンがロジータの孫。そんなロジータの血が騒いだかのような、牝馬ダート重賞のドラマチックな結末。
ローレライは堀厩舎生え抜き馬で3歳1月にデビュー。「手のかかる仔」と堀調教師は振り返っていますが、そもそも中央デビュー予定でしたが、ゲートがうまくいかなかったり、調教では今でも1頭になると落ち着いて走れないことから調教パートナーとともに励むなど、厩舎全体で見守り続けてきた馬だそうです。
重賞初挑戦だった3歳時のロジータ記念は4着になり、その後もコツコツコツコツと走りながら、今年のスパーキングレディーカップでは3着となり、レディスプレリュードは6着になるも勝ち馬から0.8秒差。無冠ながらもダートグレード競走での好走も光り、5歳についにつかんだ念願のタイトルでした。
レース前はこのまま引退し繁殖入りということを陣営は公言していましたが、結果的には繁殖入りする前にTCK女王盃も視野に入れていこうという話しになったそうです(状態面を見ながら)。
一方で、ロジータの孫娘オルキスリアンはこのレースを最後に引退し繁殖入りすることになりました。惜しくも重賞タイトルを手にすることはできませんでしたが、その勲章は子供たちに託していくことになります。
赤メンコがローレライ
白メンコがオルキスリアン
<他陣営のコメント>
2着 オルキスリアン 今野忠成騎手
「馬もよくなっていました。イメージ通りには乗れませんでしたが、最後にもう一回馬のスイッチが入って反応してくれたので差し返せるかなとも思ったのですが惜しかったです。よく走ってくれたと思います」
3着 サンルイビル 藤本現暉騎手
「ペースが速かったのであの位置になってしまいましたが、重賞のペースもあるので、それは想定内でした。内は下がってきそうな馬が多かったし、この馬自体は外から行くのがベストなので、予定通りには乗れましたが、最後は上のクラスで走っている馬ばかりだったので一杯になってしまいました。斤量は関係なさそうで、馬は精一杯頑張ってくれたと思います。力はついています」
4着 ペタルーダ 吉原寛人騎手
「流れが厳しくなると思っていたので、自分から動く競馬はやめようと、理想的な位置取りでした。内にこだわって運べたし、タイミングが噛み合えばもうちょっとやれたかなと思います。これから牝馬のトップレベルと戦っていけると思うので楽しみです」
5着 レガロデルソル 西啓太騎手
「ゲートから出たらこうしたいなというポジションにつけられました。レースも思い通りに運べて4コーナーまで手応えもよかったのですが、最後は決め手のある馬にやられてしまいました。翼さん(ミッシングリンク)を交わせればもしかしたらと思ったのですが惜しかったです。元々の力はある馬ですし、もっとよくなると思います」
6着 サラーブ 町田直希騎手(御神本訓史騎手が疾病により騎乗変更)
「内で包まれるのは嫌で、手応えはあったので外に出したのですが……。接戦だったので惜しかったです。折り合いはついてレースもすごく乗りやすくて力のある馬です」
7着 ナンヨーオボロヅキ 有年淳騎手
「枠順もよかったし、軽量を生かすというイメージで乗りました。高知ではハナや2番手で競馬をしていたようなので行かせれば行けるでしょうし、今日のように抑えてもいいので、どこからでも競馬ができるとても乗りやすい馬です。最後は伸びていますが、外の馬たちも伸びています。これから面白い馬だと思いますよ」
8着 ミッシングリンク 笹川翼騎手
「いつも通りの競馬でしたが、抜け出してからソラを使って、手応えの割には伸びずに遊んでいました。今まで乗った中では、そういう癖を見せなかったし、むしろ渋いくらいに思っていました。もう少しひきつけて乗っていれば……。馬はよかったですし、そういう部分が噛み合えば、このクラスでは勝つ力のある馬です」
9着 アークヴィグラス 的場文男騎手
「行きっぷりはよくて4コーナーまで持ったままでしたが、追ってから伸びませんでした。まだよくなっていきそうだし、よくなってくれば通用する馬です」
10着 ジェッシージェニー 山口勲騎手
「躓く所があるとは聞いていたのですが、まさかあそこまで躓くとは思いませんでした。スタートが全てでしたが、最後は脚を使ってくれました」
11着 ストロングハート 森泰斗騎手
「体の緩さが出てきています。スピードもあって競馬は上手ですが、最後に頑張れない感じでした」
12着 エースウィズ 繁田健一騎手
「ゲートでガチャガチャして遅れて、リズムがよくありませんでした」
13着 ステップオブダンス 本橋孝太騎手
「リズムはよかったですが、中途半端な形になってしまい、直線での伸びはいまいちでした」
14着 ポッドギル 矢野貴之騎手
「テンに速いしスタートもうまいので、変に下げて外を回るよりも思い切っていった方がいいのかなと逃げました。早めにこられて厳しい流れになって、マイルも微妙に長いように思います」
15着 エターナルモール 赤岡修次騎手
「休み明けというのもあって馬は緩い感じで、マイルも長いのかな。いつもの感じではありませんでした」
16着 エイシンセラード 山崎誠士騎手
「指示通り積極的に前に行く競馬をしましたが、厳しい展開になり、最後もバタバタになってしまいました」
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回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 13 令元 ローレライ 牝5 本田 正重 12 平30 ラーゴブルー 牝4 御神本 訓史 11 29 ニシノラピート 牝6 的場 文男 10 28 トーセンセラヴィ 牝5 森 泰斗 9 27 ブルーチッパー 牝5 森 泰斗 8 26 ノットオーソリティ 牝3 御神本 訓史 7 25 ビタースウィート 牝6 佐藤 博紀 6 24 ミヤサンキューティ 牝4 真島 大輔 5 23 テイエムヨカドー 牝7 山田 信大 4 22 ザッハーマイン 牝5 的場 文男 3 21 パノラマビューティ 牝7 張田 京 2 20 ミスジョーカー 牝5 本橋 孝太 1 19 ベルモントノーヴァ 牝6 石崎 駿