重賞レース
第7回 優駿スプリント(SII)
- 2017年6月27日(火)
- 20:10発走

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レースについて
レース概要3歳限定のスプリント重賞として2011年から新設されました。古馬の短距離路線の充実により、早い段階から短距離のスペシャリストを目指す若駒たちの新しい目標となるレース。2015年からグレードをSⅡに格上げして実施しています。
<優勝馬に習志野きらっとスプリント、上位2頭にアフター5スター賞の優先出走権を付与>コース紹介4コーナーからゴールまでの直線部分が長い外回りコースを使用。発走地点は向正面の2コーナー付近で、スタートから3コーナーまでの直線部分が長く、外寄りの枠からでもレース序盤の先行争いに加わりやすいコース形態と言えます。 -
高橋華代子の注目馬情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第7回 優駿スプリント(SII)>
■サブノジュニア
優駿スプリントの最有力候補。的場文男騎手とのコンビで大井1200m戦を目下4連勝中。前走の優駿スプリントトライアルも危なげない走りで完勝しました。どんな競馬にも対応でき、一戦ごとに強さを増しているこの馬が、ここもどんな強さを見せるのでしょうか。
■アイアンハート
5代母に名牝イットーがいる血統の持ち主。ここまで12戦して掲示板を一度も外していません。2勝を挙げ、2着はなんと8回。初コースも気にせずにどんな相手とでも安定して走っている魅力的な牝馬。前走の優駿スプリントトライアルはサブノジュニアの2着でした。
■ハウマーナ
南関東の至宝フリオーソ初年度産駒から活躍馬が多く出ています。先日はフリビオンが高知2冠を達成しましたが、このハウマーナも非常に楽しみな愛娘。川崎で行われた優駿スプリントトライアルを優勝。フリオーソ産駒南関東重賞初制覇なるのか期待が高まります。
■ポッドジーニー
中央デビューで全てスプリント戦を走ってきた牝馬。新馬勝ちをし(函館芝)、2歳500万下では2着(中山ダート)。川崎の八木正喜厩舎の一員となり、半年ぶりの実戦を迎えます。厩舎の先輩たちは活躍中ですが、この馬もどんな競走生活を送ることになるのでしょう。
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高橋華代子の重賞直前情報
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<第7回 優駿スプリント(SII)>
(6月25日現在)
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今回の主役はもちろんサブノジュニア。大井生え抜きサブノイナズマの愛息で、兄はサブノクロヒョウがいる血統。父サウスヴィグラス、母父カコイーシーズと言えば、東京スプリントを制したキタサンサジンと同じです。
サブノジュニアは勝ち上がるまでに5戦を要しましたが、現在は的場文男騎手とのコンビで目下4連勝中。当初からこの優駿スプリントを大目標にしてきて、大井1200m戦を一貫して使ってきたことも好感が持てます。
前走の優駿スプリントトライアルは中団内目を進出していき、最後の直線で外目に持ち出しステッキが入ると加速。的場騎手が両サイドから後方を確認する余裕もたっぷりあるほどで、最後は楽な手応えでフィニッシュしました。勝ちタイムは1分13秒5(重)。
逃げても差してもどんな競馬にも対応できるレースセンスがあり、馬っぷりも芸術品のような惚れ惚れする美しさ。馬がどんどん変わってきたと関わる皆さんが言っていますが、その成長力も目を見張るものがあります。
前走はここまでのレースの中では負荷のかかった内容になりましたが、特に大きな疲れもなかったそうで、「触っている感じや乗っている感じでは、柔らかさが出てきたと思います。カイバ食いもすごくいいんですよ」(塚本竹瑠厩務員)。
取材時に写真を撮らせて頂いた時も、こちらのことは何も気にせずに、カイバ桶の中に首を突っ込みご飯を食べ続けていて、その食いつき方が何とも激しい。調教をしっかり行いながも食欲旺盛なのは好調の証でしょう。
「枠(5枠9番)もちょうどいいところに入りました。どんな競馬もできますが器用な馬ではないので内に入るよりはよかったと思います。いい意味で変わらないし、予定通りの内容でここまで順調にくることができました。いい結果が出ると思って送り出します
的場さんは指示を出しても言うことは聞かないので出しません(笑)。ジュニアの性格はとぼけているところがあって、前は集中して走れていないこともあったので、的場さんが遊ばせないので合うんでしょうね」(堀千亜樹調教師)。
的場騎手は先週の京成盃グランドマイラーズでリアライズリンクスを勝利に導き、自身が持つ地方競馬最高齢重賞勝利(60歳9か月14日)を更新したばかり。
競馬に絶対はあるのか……競馬に絶対はないのか……。サブノジュニアの走りと的場騎手の手綱さばきに大きな注目が集まります。
南関東の至宝フリオーソは父になっても活躍中です。先日の高知優駿では愛息フリビオンが圧勝して高知2冠を達成したばかり。
愛娘ハウマーナは産駒初勝利をプレゼントした馬です。前走の川崎競馬場で行われた優駿スプリントトライアルでは逃げ切り勝ちを収めてここの優先出走権を得ました。420キロ台の小柄な牝馬ですが、父譲りのスピードを持ち、物怖じしない精神力も武器。
「前より硬さも取れて、その分、跳びもよくなってきたと思う。体重が増えていても成長分。砂をかぶらない方がいい馬だから、逃げが好位か、スムーズな競馬はさせたいね。1分13秒台の決着になるかなとは思うんだけど、展開次第ではつめられるんじゃないかな」(田邊陽一調教師)。
北海道時代はフローラルカップ(門別1600m)を優勝して重賞ウィナーの仲間入りを果たすと、エーデルワイス賞では4着に入り、2着のアップトゥユー、3着のピンクドッグウッドとはタイム差なしの差のない走りで力は示してきました。
前走(大井1200m)から荒山勝徳厩舎に仲間入りをし、真島大輔騎手を背に4番手内から、最後は突き抜ける完勝で、ここに矛先を向けてきました。勝ちタイムは1分14秒2(重)。
「この時は内が深くて伸びないと言われていた中でもあれだけ伸びてくれて、約5か月の休養明けだったし、思っていた以上の走りをしてくれました。一度使っての変わり身はありますが、あとは二走ボケと時計をどのくらい縮められるかですね」(荒山調教師)。
馬主の(株)MMC様は、東京ダービー馬ヒガシウィルウィンやダートグレードレースでも大活躍したリンダリンダなどを所有されていて絶好調でいらっしゃいます!
■バンドオンザラン
北海道時代は門別競馬場の1200m戦で行われた栄冠賞とイノセントカップを優勝している快速馬。栄冠賞はヒガシウィルウィンやアップトゥユー、ピンクドッグウッドなどそうそうたるメンバーを抑えて勝利を挙げています。
南関東に移籍後はマイルの重賞レースを中心に走ってきましたが、前走の優駿スプリントトライアルは久しぶりに1200m戦へ。2番手を進めるも最後は伸び切れずに4着で、案外な結果に終わってしまいました。
「もっと走っていい馬なんだけどね。今回は中間の追い切りをビッチリいって、直前の追い切りは軽めにして、調整方法を変えてみたからそれがどう出るかだね。スピード能力は高い馬だから自分の力を出してくれれば」(内田勝義調教師)。
中央デビュー馬で、この優駿スプリントから南関東の一員になって始動。中央時代は新馬戦(函館芝1200m)を快勝し、2歳500万下(中山ダート1200m)では2着。
この優駿スプリントに向けて移籍をしてきた馬で、約5か月の間隔は空きましたが、入厩後もじっくりと乗り込んできたそうです。ここまでの実績からも、どんな走りをするのだろうと興味深い1頭。
「大井競馬場の馬場見せを兼ねた最終追い切りでは、見た目では速くないけど、実際の時計は出ていて、すごくいい内容だったと思う。一回使ってみないとわからない部分はあるけれど、いきなりがあってもおかしくない能力はあると思うから、どんな走りをするのか楽しみだね」(八木正喜調教師)。
新馬戦はスタートの出がよくなく後方から進めて4着になりましたが、それ以降は1200m戦を4戦4勝とパーフェクトの成績。持ち時計もどんどん縮めていて、前走の大井競馬場で行われた中央交流戦では1分13秒8(重)の時計で駆けました。
*優駿スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
先日1000勝を達成したばかりの岡林光浩厩舎の外厩馬として、ミッドウェイファームでトレーニングを積んでいます。
「能力試験の段階から動きが抜けていて期待していた馬。ここまではすばらしい走りを見せてくれているけど、今回は相手が上がるからその速いペースでどんな走りをしてくれるかだね。スムーズに走ることができればいいけれど」(岡林調教師)。
鞍上は大井記念をウマノジョーで制したばかりの山本聡哉騎手。岩手のリーディングジョッキーがどうエスコートするのでしょうか?!
第7回 優駿スプリント(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■サブノジュニア 小林6/21良 1000m-65.5秒 800m-50.2秒 600m-37.3秒 一杯追 ■ハウマーナ 川崎6/23稍 1000m-66.4秒 800m-50.7秒 600m-37.9秒 馬なり ■オーブスプリング 小林6/23重 800m-53.4秒 600m-38.4秒 馬なり ■バンドオンザラン 川崎6/22右不良 800m-53.1秒 600m-39.3秒 馬なり ■ポッドジーニー 大井6/22重 1000m-64.2秒 800m-49.8秒 600m-36.6秒 強めに ■ハッピーブーケ 牧場6/22坂路 600m-37.5秒 200m-12.1秒 馬なり -
高橋華代子のレースレポート
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3歳馬のスピード自慢たちが集う優駿スプリントが創設されて、早いもので7年。
大井の貴公子ルックスザットキルも、2年前の覇者です。ここを優勝した後も活躍を続け、習志野きらっとスプリントとアフター5スター賞を制し、中央勢を迎え撃つ東京スプリントでは5着。現在はレース中の怪我で放牧休養中ですが、また華麗なる走りを見せて欲しいと願います。
今年もスプリント適性の高い馬たちが一堂に集まり、熱戦が繰り広げられました。
優勝したのは、赤岡修次騎手が手綱を取った8番人気バンドオンザラン(川崎・内田勝義厩舎)。北海道の角川秀樹厩舎時代に、門別競馬場の1200m戦が舞台の栄冠賞とイノセントカップを優勝しているタイトルホルダーです。
栄冠賞は日本一早い2歳重賞レースとしてもお馴染みで、将来有望な馬たちが多くデビューする印象も強いでしょう。今年優勝したバンドンザランの他にも、のちの東京ダービー馬ヒガシウィルウィンやNARグランプリ2歳最優秀牝馬を受賞したピンクドッグウッド、重賞戦線で活躍してきたアップトゥユーが名を連ねています。
そんなバンドオンザランが南関東に移籍し、マイル重賞を中心に使ってきましたが今一つの成績が続き、優駿スプリントトライアルでは久しぶりに持ち前のスピードを生かせる場でしたが、好位につけていくも伸び切れずに4着でした。
「もっと走っていい馬なんだけど……」と、この内容に首をかしげていた厩舎サイド。それ以降、「同じことをしていても勝つことはできないから」(内田調教師)と、調教やカイバ、ハミなども替えて挑み、新生バンドオンザランとして挑んだ戦いになったそうです。そして、この強さ……。
レースは、岩手の山本聡哉騎手が騎乗した4連勝中のハッピーブーケがハナを主張していき、好位内目にバンドオンザランが進めていきました。「行ってもいいし、行く馬がいなければ包まれないようにということに気をつけて乗りました。いい位置を取ることができて、折り合いもついていたのでよかったです」(赤岡騎手)。
最後の直線に入ると、バンドオンザランが抜群の手応えで先頭に立ち、内からは断然の1番人気に推されていたサブノジュニアが追いすがるも引き離しました。バンドオンザランがサブノジュニアに1馬身4分の1差をつけてゴール。勝ちタイムは1200m1分13秒0(重)。
「こっちが気を抜くと気を抜いちゃうところがあるので、馬と会話しながら乗りました。今回はハミを替えて(ジェーンビット⇒リングビット)、道中は折り合いがついて逆に頼りないのかなと思うくらいでしたが、直線で1回押すとすごい手応えがあったので、折り合いがついていたから弾けたんですね。今後に向けてもいい走りでした」(赤岡騎手)。
高知から期間限定騎乗中の赤岡騎手にとっても待望の南関東の重賞勝ちになりました。
実績馬が再び大きな花を咲かせたこの優駿スプリント。今後については具体的には未定だそうですが、アフター5スター賞なども選択肢のひとつに置きながら、ゆくゆくは中央馬とも戦っていけるような馬に育てていきたいと内田調教師は言っていました。
<他陣営のコメント>
2着 サブノジュニア 的場文男騎手
「スタートが今一歩だった。いつもより大人しいかなと思ったけど……。今日は残念だけど、これからの馬だから巻き返したいね」
3着 ジャワラルム 左海誠二騎手
「大外枠だったし、内ならもっと上の着順もあったと思います。1200mから1400mがベストの馬です」
4着 ソッサスブレイ 柏木健宏騎手
「1200mからマイルくらいまでが合っていると思います。気難しさがあるので、いつもとゲート位置が違ったことで気持ちを高めていて、スタートは逆に出なくてフワッとしてしまいました。ずっと長い距離を使っていたので、1200mと気づいてからハミを取ってくれた感じです。力のある馬ですよ」
5着 アイアンハート 中野省吾騎手
「小さい牝馬ですが頑張って走ってくれたと思います」
6着 フライングショット 本田正重騎手
「考えていたよりもいいポジションで進められましたが、本来ならもっと最後は弾けていい馬なのですが……」
7着 ハッピーブーケ 山本聡哉騎手
「隊列的に厳しい競馬になってしまい、ためていった方がより持ち味を発揮してくれそうです」
8着 リアルファイト 藤井勘一郎騎手
「流れが速くずっと忙しかったですが、最後まで脚を使ってくれてよい走りでした。調子も戻ってきたし、近い将来また好走してくれそうですね」
9着 ポッドジーニー 瀧川寿希也騎手
「移籍初戦だったので、一度使って次は変わってくれると期待したいです。かなり入れ込んでいたんですが、ゲートではポカーンとするところがあって出遅れてしまいました」
10着 マリスレーン 矢野貴之騎手
「現状では行った方が持ち味は生きそうです。素質は高い馬なので、全体的にパワーアップしてくればもっと走れると思います」
11着 キャッスルクラウン 渋谷信博調教師
「距離も短かったし、右回りよりも左回りの方が得意かもしれません。ただ、これまでは右回りでは外にふくれるところがありましたが、吉原寛人騎手はそうでもなかったと言ってくれたので、今後につなげていきたいですね」
12着 ハウマーナ 山崎誠士騎手
「本当は行きたかったですが行ききれなくて、それでも最後まで嫌気を差さずに走ってくれました。今後の糧になってくれればと思います」
13着 マルボルクシチー 林正人調教師
「装鞍所までは落ち着いていましたが、パドックで一気に気持ちを高めてしまった感じです。道中も進んでいかなかったそうで、もっと走れる馬なので残念です」
14着 シャヒーン 水野貴史調教師
「まだもまれ弱いところがあって、交わされたら下がってしまいました。自分の競馬ができないと現段階ではもろいですね」
競走除外 ハタノオヌール(右後肢挫跖)オーブスプリング(右後肢跛行)
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回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 7 平29 バンドオンザラン 牡3 赤岡 修次 6 28 エイシンヒート 牡3 矢野 貴之 5 27 ルックスザットキル 牡3 早田 功駿 4 26 アピア 牡3 御神本 訓史 3 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士 2 24 ゴールドキャヴィア 牝3 御神本 訓史 1 23 ミヤサンキューティ 牝3 真島 大輔