重賞レース

第47回 東京2歳優駿牝馬(SI)

  • 2023年12月31日(日)
  • 16:30発走
第47回優勝馬:ローリエフレイバー号

2023年のラストを飾る重賞は、デビュー間もない2歳馬の女王決定戦。ゴール前写真判定装置やスターティングゲートの採用などTCKには国内初の試みが数多く存在しますが、2歳牝馬限定の重賞創設もJRAに先んじた画期的な試みでした。翌年春のクラシックロードに向けて、若き乙女たちが精一杯の走りを繰り広げます。

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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第47回 東京2歳優駿牝馬(SI)>
    (12月21日現在)

    モズミギカタアガリ
    北海道遠征馬。前走のエーデルワイス賞は10番人気の低評価を覆す内容で豪快に差し切り、重賞初制覇を飾りました。今回は南関東リーディングの笹川翼騎手が騎乗予定。

    アメリアハート
    北海道時代はフローラルCを制した重賞ウイナーです。前走のローレル賞は初物尽くしの中、ミスカッレーラに0秒2差の2着でした。南関東移籍初戦を迎えます。

    スティールマジック
    1番人気のエーデルワイス賞はモズミギカタアガリから0秒1差の2着でした。南関東移籍初戦で重賞初Vを目指します。伯父は稀代な名馬フジノウェーブという血統。

    ミスカッレーラ
    初遠征だった前走のローレル賞は4コーナー先頭から押し切り、無傷3連勝で重賞初制覇を飾りました。半兄は今年のフジノウェーブ記念を制したギャルダルです。

    ローリエフレイバー
    新馬戦は3着でしたが、それ以降は3戦とも圧巻の走り。デビュー2年目の有望株・野畑凌騎手とのコンビで、人馬ともに記念すべきタイトル獲得を目指します。

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    <第47回 東京2歳優駿牝馬(SI)>

    (12月30日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■キッショウテン
    *大井 宗形竹見 厩舎 牝2歳
    *成績 9戦0勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     7月デビュー以降、今回が10戦目というキャリアを誇ります。惜しくも勝ち星はありませんが、通算3着4回。ここ2戦は1200mを使い連続3着と、堅実な走りを見せています。宗形竹見調教師は「スタートで少し怖がり、馬から逃げるようなところもありましたが、今は解消されてきました。不器用な面はありますが、前がやり合って、直線で追い込んでこれるような競馬が理想ですね」とコメント。南関東のレースを振り返ると、重賞の舞台で初勝利をあげた馬もいます。キッショウテンも続くことができるでしょうか。「追い切りも動いて、馬は元気いっぱいです。使う以上は何が起きるかわかないですし、大仕事をして欲しいです」。

    <素顔>田中厩務員
    呼び名 キチ
    性格 臆病なところはあるけれど、ひと懐っこい仔です
    好きな食べ物 ニンジン

    ■フェルディナンド
    *大井 藤田輝信 厩舎 牝2歳
    *成績 1戦1勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3番手の外で進めた1400mの新馬戦は、4コーナーで先頭に立つと直線で5馬身突き放して完勝しました。コンビを組む安藤洋一騎手は「ペースも楽で、ちょうどいい遊びもありました。追ってからの切れ味は予想通り良かったです」と笑顔。キャリアは1戦ですが、スケールの大きな走りで、重賞の舞台に上がります。藤田輝信調教師は「砂をかぶっても平気。後ろからも脚を使えて、競馬が上手そうです。デビュー前からいい馬で、レースは安心して見ていられるし、現状では心配なこともありません。今回の追い切りは古馬が一杯になっても楽についていけるポテンシャルの高さを見せていました。どのくらいやれるか楽しみです」と話していました。

    <素顔>栃木厩務員

    呼び名 フェルディナンド
    性格 ヤンチャだけど、周りに動じず度胸が据わっています
    好きな食べ物 ニンジン

    ■アメリアハート
    *川崎 高月賢一 厩舎 牝2歳
    *成績 9戦2勝2着3回
    *重賞タイトル
     フローラルカップ(H3)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道2歳のハイレベルな舞台で活躍。4走前のフローラルCは内から差し切る競馬で初タイトルを獲得しました。前走のローレル賞は長距離輸送もあり-18キロ(450キロ)の競馬でしたが、コース、左回りと初経験のなかでも、ミスカッレーラに3/4馬身差まで詰め寄りました。そのまま川崎に入厩。調教パートナーの高月優馬厩務員は乗り味について、「背中の柔らかさがあって、機動力もあるし、反応がいい馬です」とコメント。高月賢一調教師は「減っていた馬体や疲労は徐々に回復してきました。追い切りはいい時計が出たし、動きも良かったです。前走の勝ち馬もいますが、右回りで何とか挽回したいですね」と話していました。

    <素顔>本田厩務員

    呼び名 アメリアさん、アメちゃん
    性格 馬場に入るとテンションは上がりますが、普段はとても大人しいです
    好きな食べ物 青草

    ■ヘリアンフォラ
    *船橋 石井勝男 厩舎 牝2歳
    *成績 4戦2勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     石井勝男厩舎はこの年末3重賞に3頭の管理馬を送り出しています。東京2歳優駿牝馬は生え抜きヘリアンフォラが出走。ここまでの成績は4戦2勝2着&3着1回です。前走の1500mで実施したクラーベセクレタ・メモリアルは直線抜け出しV。今回は中11日での競馬となります。「思っていたよりも疲れが残っていないので使うことにしました。一線級とは初めてなので、今の状態でどこまで通用するか見てみたいです。操縦性のいい馬なので、右回りは心配していませんが、それよりも初輸送をクリアして欲しいです。レースに行けば一生懸命走ってくれる馬。負けたレースも理由はハッキリしているので、まだ底を見せていません」(石井調教師)。

    <素顔>今村厩務員

    呼び名 ヘリちゃん
    性格 基本は大人しく、甘えん坊です
    好きな食べ物 ニンジン

    ■ミスカッレーラ
    *船橋 川島正一 厩舎 牝2歳
    *成績 3戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     ローレル賞(SII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走のローレル賞は無傷3連勝で初タイトルを獲得しました。道中は2番手追走から4コーナーで先頭に立つと、北海道の重賞勝ち馬アメリアハートの追撃を3/4馬身振り切りました。休み明け、コース、距離と、全てクリアしての結果。ミスカッレーラの半兄は今年のフジノウェーブ記念覇者のギャルダルで、関わる人たちの期待も大きい馬です。「力はあるので、前回あのくらい走れるのはわかっていました。時計は少し物足りないなとは思いましたが、休み明けのぶんですね。ここに向けて予定通りに調教メニューをこなしてきて、いい状態。来年の牝馬クラシック路線を見据えても楽しみな馬だと思っています」(川島正一調教師)。

    <素顔>秋葉厩務員

    呼び名 おじょう
    性格 気は強いけど、ひと懐っこいです
    好きな食べ物 何でも好き

    ■スピニングガール
    *大井 森下淳平 厩舎 牝2歳
    *成績 4戦2勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     最初の3戦は1200mで走りました。新馬戦から2連勝を飾り、続くゴールドジュニアは砂を嫌がりながらも、狭いポジションから抜け出し3着でした。前走のローレル賞は、コース、左回り、1600mと、全てが初物尽くし。さらにはポジション取りのところで他馬から接触を受け、3着でした。「大きな不利でしたが、最後まであきらめずに頑張ってくれました。いいモノは持っている馬。バランスのいい走りをするし、競馬に行って一生懸命走ってくれます。前走よりも状態は上向いていますが、成長途上。現状でどんな走りをしてくれるかですね」と森下淳平調教師。なお、このレースは森下調教師が2011年に管理馬エンジェルツイートで重賞初Vを飾った舞台です。
    *母セラミックガールは2012年の東京2歳優駿牝馬に出走しました。

    <素顔>佐藤厩務員

    呼び名 スピニング
    性格 おてんばです
    好きな食べ物 何でも好き

    ■ボレロオブソロウ
    *川崎 久保秀男 厩舎 牝2歳
    *成績 5戦0勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ここまで5回走り、2着3回3着&4着1回という成績。初勝利までもう一歩です。前走のローレル賞は4着。中団から追走し、最後まで粘り強い走りで12番人気の低評価を覆しました。「休み明けで初のマイルでしたが、それなりの競馬はしてくれました。勝ち切れないという弱みはありますが、能力はあると思うし、相手なりには走れる馬です。カイバ食いを考慮し、間隔を空けたぶん、調子はいいと思います。初めての右回りは心配していませんが、いつもより輸送が長くなるし、知らない場所で走ることになるので、どこまで緊張しないでやれるかですね」(久保秀男調教師)。母は南関東生え抜きのイチリンソウというゆかりある血統です。

    <素顔>高橋厩務員

    呼び名 ボレロ
    性格 繊細で敏感です
    好きな食べ物 ニンジン

    ■パペッティア
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牝2歳
    *成績 5戦3勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道と南関東で5走し、全て2着以内という安定した走り。1200m以下を中心に使ってきましたが、前走のカナリア特別は自身初となる1600mで優勝しました。持ち前のスピードでハナに立つと、かなり行きたがる素振りも見せていましたが、それでも押し切れたのは能力の高さでもあるでしょう。荒山勝徳調教師は「スピードのある馬なので、今回も折り合いは鍵になりますね。スムーズな競馬でどこまで頑張れるか。具合は変わらず。430キロ台の小柄な仔ですが、芯はしっかりしています。いいモノはありますが、心身ともにもっと成長して欲しいです」とコメント。なお、荒山調教師は2014年にララベルでこのレースを制しています。

    <素顔>永田厩務員
    呼び名 パぺタン
    性格 驚くと暴れるところはありますが、普段はとてもかわいいです
    好きな食べ物 エン麦

    ■ローリエフレイバー
    *大井 月岡健二 厩舎 牝2歳
    *成績 4戦3勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     新馬戦は3着でしたが、2戦目からは圧巻のパフォーマンスで現在3連勝中です。前走の1600mで行われたはくたか特別は、3番手の外を追走。4コーナーから先頭に立つと最後まで楽な手応えで9馬身差Vでした。いよいよ重賞に初出走。「インパクトのあるレースをしてきましたが、まだキャリアも浅いですし、ここはチャレンジャーです。1週前追い切りで砂をかぶる練習をしましたが、その時点では気にしていたので、ごちゃつく競馬は未知です。ただ、一戦ごとにイメージ以上の走りをしてくれていて、持っているものはすごいと思います。どんな走りを見せてくれるか楽しみですね」(月岡健二調教師)。母は月岡厩舎ゆかりのマヒナズヒルです。

    <素顔>石原厩務員

    呼び名 ローリエ
    性格 大人しくて手はかからないけど、かと言って、ボーッとしている訳ではありません。お利口さんですね
    好きな食べ物 何でも好き

    ■ミライヘノメグミ
    *大井 朝倉実 厩舎 牝2歳
    *成績 8戦1勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道のフレッシュチャレンジを勝ち、それ以降は重賞などに出走してきました。前走のカナリア特別から南関東へ移籍。今回は2度目のレースです。朝倉実調教師は「前走はスタートが良すぎて3番手からの競馬になりましたが、終いを発揮した方がいい馬。展開が速くなって、その持ち味を生かしたいですね。一度使ったことで、気合乗りは良くなってきました。前走よりもいい競馬はしてくれると思いますが、暖かくなってからの方がいい夏馬のように感じます。今後に向けていい経験になって欲しいです」と話していました。なお、母ハクシュウベリーは南関東生え抜き馬。曾祖母の父が大井が生んだ名馬イナリワンという血統です。

    <素顔>大中厩務

    呼び名 メグミン、メグチャン
    性格 大人しい馬です。気の小さいところもありますね
    好きな食べ物 特になし

    ■モノノフブラック
    *浦和 野口寛仁 厩舎 牝2歳
    *成績 6戦1勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道で6回走り、全て3着以内という成績。前走のエーデルワイス賞は中団から脚を伸ばし、優勝したモズミギカタアガリから0秒1差の3着でした。移籍初戦を迎えます。「牧場で調教を行い、12月上旬に入厩しました。420キロから30キロ台の小柄な馬ですが、トモに迫力があって、根性もありますね。道営のパフォーマンスからも芯がしっかりしているなと思いますが、5月生まれなので、まだこれからの馬のように感じます。レースでの輸送や1600mなどクリアしなくてはいけないことも多いですが、距離はこなしてくれるだろうなと。相手なりに走れるのも強みで、このメンバーとどのくらいやれるか期待しています」(野口寛仁調教師)。

    <素顔>小薗厩務員

    呼び名 モノノフ
    性格 気が強いです
    好きな食べ物 草

    ■ケテンドリーム
    *大井 上杉昌宏 厩舎 牝2歳
    *成績 6戦1勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     1600mの新馬戦は逃げ切り、後続の追撃を半馬身振り切りました。それ以降も1600mを中心に使い、強い牡馬が集まったハイセイコー記念にも果敢に挑戦。今回は自身2度目となる重賞の舞台です。「素直で乗りやすい馬。1200mを1度使ったこともありましたが、1600mがこの馬には一番合いますね。具合自体はいいですが、今回のメンバーも強いです。先につながるようないい経験になって欲しいです」と上杉昌宏調教師。一時期はゲートが良くないこともあり、前走は尾持ちをしていいスタートが切れたそうです。「今回も尾持ちはするので、スタートが決まったら前目に仕掛けて、いいポジションを取って進めていきたいです」とのこと。

    <素顔> 井上厩務員

    呼び名 ケテン
    性格 大人しいけど、怒りん坊です
    好きな食べ物 ニンジン

    <北海道遠征馬の顔ぶれ>

    ■コモリリーガル
    *北海道 米川昇 厩舎 牝2歳
    *成績 7戦4勝2着2回
    *重賞タイトル
     プリンセスカップ(M1)(2023)
     園田プリンセスカップ(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビュー4戦目で初勝利をあると、そのまま破竹の4連勝中です。園田プリンセスCと盛岡のプリンセスC(いずれも1400m)は遠征競馬でタイトルを手にしました。

    ■シトラルテミニ
    *北海道 田中淳司 厩舎 牝2歳
    *成績 6戦2勝2着2回
    *重賞タイトル
     金沢シンデレラカップ(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     フレッシュチャレンジを勝ち、4戦目からは遠征が続いています。2走前の金沢シンデレラC(1500m)は3コーナーで先頭に立つと押し切り、重賞初Vを飾りました。

    ■モズミギカタアガリ
    *北海道 米川昇 厩舎 牝2歳
    *成績 7戦2勝2着1回
    *重賞タイトル
     エーデルワイス賞(JpnIII)(2023)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     2走前のブロッサムC(1700m)は追い上げ及ばずアタマ差の2着でした。前走のエーデルワイス賞(1200m)は後方から豪快に脚を伸ばし、初タイトルを獲得。

    *東京2歳優駿牝馬の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第47回 東京2歳優駿牝馬(SI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■キッショウテン
    追切り手控え
    ■フェルディナンド
    大井12/27良 1000m-66.8秒 800m-53.0秒 600m-38.9秒
    ■アメリアハート
    川崎12/26右良 1000m-67.3 秒 800m-50.6 秒 600m-37.6 秒
    ■ヘリアンフォラ
    追切り手控え
    ■ミスカッレーラ
    船橋12/27良 1000m-66.9 秒 800m-48.4 秒 600m-36.2 秒
    ■スピニングガール
    大井12/26良 1000m-68.4 秒 800m-53.2 秒 600m-38.5 秒
    ■ボレロオブソロウ
    川崎12/25良 1000m-69.0 秒 800m-53.1 秒 600m-39.7 秒
    ■パペッティア
    小林12/26良 1200m-83.0 秒 1000m-67.6 秒 800m-53.1 秒 600m-39.3 秒
    ■ローリエフレイバー
    大井12/25良 600m-41.4 秒
    ■ミライヘノメグミ
    大井12/27良 1000m-67.1 秒 800m-52.5 秒 600m-38.4 秒
    ■モノノフブラック
    浦和12/26良 1000m-71.8 秒 800m-53.3 秒 600m-37.8 秒
    ■ケテンドリーム
    大井12/27良 1000m-67.4 秒 800m-52.8 秒 600m-39.0 秒
    ■コモリリーガル
    門別12/26坂路 600m-36.6 秒 200m-11.8 秒
    ■シトラルテミニ
    門別12/27坂路 600m-37.4 秒 200m-11.7 秒
    ■モズミギカタアガリ
    門別12/26坂路 600m-35.3 秒 200m-11.8 秒
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第47回 東京2歳優駿牝馬(SI)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     12月31日に大井競馬場で行われた地方交流戦の東京2歳優駿牝馬。来年の牝馬クラシック戦線を見据えても重要な一戦です。北海道から3頭、南関東12頭、合計15頭で争われました。

     デビュー2年目の野畑凌騎手が手綱を取った大井・ローリエフレイバー(2番人気)が完勝。人馬ともに4連勝で、初タイトルを獲得しました。

     ローリエフレイバーは持ち前のスピードで2番手の外を追走しました。3コーナーで先頭に立つと、直線まで食らいついてきたローレル賞馬ミスカッレーラを退け、2馬身差V。勝ちタイムは1600m1分44秒6(良)でした。2着がミスカッレーラ。3着は新馬戦を圧勝し、これが2戦目のフェルディナンド。

     47代目の2歳女王の座についたローリエフレイバーについて野畑騎手は「スムーズな競馬ができれば力は抜けていると思っていました。賢く、競馬が上手。折り合いはつくし、長くいい脚を使える馬です。(3コーナーは)急に加速して来られても、馬がわかっているというか、反応が速かったです。今回が最大限の走りではありませんよ。距離は短くても長くてもいいですし、まだまだ未知数です」と期待をふくらませていました。

     管理する月岡健二調教師は母のマヒナズヒルも手掛けました。そんな思い入れのある1頭で、重賞6勝をあげた生え抜きセイントメモリー以来となるタイトルを獲得。

     月岡調教師は「うれしいですね。インパクトのあるレースはしてきましたが、まだキャリアは浅いのでチャレンジャーだと思っていました。ただ、一戦ごとにイメージ以上の走りをしてくれて、持っているものはすごいと思います。頭のいい仔で、本当に良い競馬をしてくれました。野畑君も気分良く走らせてくれましたね」と人馬をたたえていました。

     うら若き2歳牝馬15頭が暮れの大一番を立派に走り抜きました。2024年の牝馬クラシック戦線はどんな戦いが待っているのでしょうか。今から待ち遠しいです。



    <他陣営のコメント>

    2着 ミスカッレーラ 矢野貴之騎手
    「追いかけるより追いかけられる方が、現状では良さが生きるのかなと思いました。いい競馬はできて収穫はありました。後々に逆転できると思います」

    3着 フェルディナンド 安藤洋一騎手
    「今日が2戦目でメンバーも強かったですが、いい競馬はしてくれると思っていました。内々からロスなく乗ろうと、馬なりであの位置につけてスムーズな競馬ができました。4コーナーで一発あるかなと思うくらいで、力のあるところは見せてくれました。切れる馬ですね。距離が延びてもやれると思います」

    4着 シトラルテミニ 桑村真明騎手
    「器用で根性があり、どんな競馬でもできそうです。遠征慣れしているので、初コースも気にしませんでした。現状の力は出し切れたと思います」 *グランダムジャパン2歳シーズンの総合優勝を果たしました。おめでとうございます!

    5着 アメリアハート 森泰斗騎手
    「4コーナーで膨れましたが、(初コースでも)上手に競馬をしてくれました。上位2頭は強かったですね」

    6着 ケテンドリーム 藤本現暉騎手
    「行き脚がないのであのポジションになりましたが、直線はしっかり脚を使ってくれました。1400mや1800mの直線の長い方がより持ち味が生きると思います」

    7着 スピニングガール 御神本訓史騎手
    「初めて乗りましたが、それなりに競馬はできているかなと思います」

    8着 モズミギカタアガリ 笹川翼騎手
    「初コースに戸惑っていました。返し馬から入れ込んでいて、力を出し切れませんでした」

    9着 ヘリアンフォラ 本橋孝太騎手
    「終始我慢をさせるようなストレスのかかる競馬になりましたが、馬は頑張っています。力はあるので、これから楽しみです」

    10着 パペッティア 本田正重騎手
    「スタートが決まり、無理なく先手が取れました。ただ、終始外へモタれながら走っていたので、最後は脚がなくなってしまいました。背中の感触はすごくいい馬。普通に走れれば、このメンバーでも十分にやれそうですね」

    11着 モノノフブラック 落合玄太騎手
    「前半はいい感じで進んでいきましたが、距離はちょっと長いかもしれません」

    12着 ボレロオブソロウ 今野忠成騎手
    「性格がまだ若く、かなり入れ込んでいました。返し馬も周りを気にして汗をかいて、レース前に消耗してしまった感じです。右回りは問題ありませんが、(いつもより長い)輸送ですね。平常心ならやれる馬です」

    13着 キッショウテン 江里口裕輝騎手
    「ここ2戦のレースイメージで臨みました。相手は強かったかもしれませんが、馬自体は良くなっていたので、もう少し前目の位置につけても良かったかもしれません」

    14着 ミライヘノメグミ 岩橋勇二騎手
    「能力はあるので、これから走ってくると思いますよ。反応がいい馬。後ろからの競馬の方が良さそうですね」

    15着 コモリリーガル 和田譲治騎手
    「これまでの競馬を見ると砂をかぶっていなかったので、行く気で行きましたが、周りも速くて、ハナの後ろになりました。3コーナーでまともに砂をかぶる形になったら、すごく嫌がりました。コース自体は問題ありません」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    47 令5 ローリエフレイバー 牝2 野畑 凌
    46 4 メイドイットマム 牝2 本橋 孝太
    45 3 スピーディキック 牝2 本橋 孝太
    44 2 ケラススヴィア 牝2 森 泰斗
    43 令元 レイチェルウーズ 牝2 本田 正重
    42 平30 アークヴィグラス 牝2 瀧川 寿希也
    41 29 グラヴィオーラ 牝2 今野 忠成
    40 28 ピンクドッグウッド 牝2 戸部 尚実
    39 27 モダンウーマン 牝2 阿部 龍
    38 26 ララベル 牝2 真島 大輔
    37 25 ブルーセレブ 牝2 森 泰斗
    36 24 カイカヨソウ 牝2 戸崎 圭太
    35 23 エンジェルツイート 牝2 森 泰斗
    34 22 クラーベセクレタ 牝2 戸崎 圭太
    33 21 プリマビスティー 牝2 左海 誠二
    32 20 ネフェルメモリー 牝2 戸崎 圭太
    31 19 マダムルコント 牝2 町田 直希
    30 18 ブラックムーン 牝2 的場 文男
    29 17 ダガーズアラベスク 牝2 内田 博幸
    28 16 アサティスジョオー 牝2 張田 京
    27 15 ビービーバーニング 牝2 甲斐 年光
    26 14 パレガルニエ 牝2 今野 忠成
    25 13 ラヴァリーフリッグ 牝2 石崎 隆之
    24 12 ベルモントデーンズ 牝2 的場 文男
    23 11 トミケンブライト 牝2 的場 文男
    22 10 テーケーレディー 牝2 森下 博
    21 9 ダイアモンドコア 牝2 森下 博
    20 8 セイントサブリナ 牝2 張田 京
    19 7 ハイフレンドムーン 牝2 石崎 隆之
    18 6 パルブライト 牝2 藤江 昭徳
    17 5 ニイタカローズ 牝2 佐々木 竹見
    16 4 アーデルエルザ 牝2 鈴木 啓之
    15 3 カシワズプリンセス 牝2 野口 睦三
    14 2 フジノリニアー 牝2 山崎 尋美
    13 平元 ホクトフローラ 牝2 秋田 実
    12 昭63 エスエスレデイー 牝2 的場 文男
    11 62 シナノエンペリー 牝2 宮浦 正行
    10 61 スタードール 牝2 山崎 尋美
    9 60 トミアルコ 牝2 宮浦 正行
    8 59 スービツクマギー 牝2 佐々木 竹見
    7 58 グレイスタイザン 牝2 森下 博
    6 57 サーペンスール 牝2 山口 勲
    5 56 ラドンナリリー 牝2 篠原 久雄
    4 55 テスコフアイヤー 牝2 高橋 三郎
    3 54 ツキメリー 牝2 古市 修二
    2 53 ユウコークイン 牝2 石崎 隆之
    1 52 リマンドタイコウ 牝2 高橋 三郎