重賞レース
第3回 雲取賞(SIII)
- 2021年2月18日(木)
- 16:10発走

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レースについて
レース概要2018年まで準重賞として実施していましたが、2019年から重賞での実施となりました。TCKで行う年明け最初の3歳重賞となり、雲取賞→京浜盃→南関東3歳クラシック三冠レースと続く路線を確立しました。
<上位3頭に京浜盃、上位2頭に羽田盃の優先出走権を付与>コース紹介4コーナーからゴールまでの直線部分が長い外回りコースを使用。発走地点はゴールの200mほど手前で、スタート直後にゴールを一旦通過し、そのまま一周します。スピードもスタミナも問われるスタンダードなコースです。 -
高橋華代子の注目馬情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第3回 雲取賞(SIII)>
(2月9日現在)
■ランリョウオー
浦和生え抜き馬で、デビューから一度も連を外していない抜群の安定感。全日本2歳優駿とハイセイコー記念はアランバローズの2着。念願のタイトル獲得を目指します。
■トランセンデンス
北海道デビュー馬で、重賞戦線でも活躍。JBC2歳優駿は2着となり、その後の全日本2歳優駿は6着と敗れましたが、移籍緒戦となったニューイヤーカップで完勝。
■タブラオ
大井生え抜きで新馬勝ちを収めるも、その後は勝ちきれないレースもありましたが、ここに来て3連勝と勢いは抜群。前走は内の5番手から差し切って完勝したばかり。
■シビックドライヴ
北海道時代にサンライズカップを勝っている重賞ウイナーで、JBC2歳優駿は9着。その後は大井の米田厩舎に移籍し調教を重ね、いよいよ始動。父はカジノドライヴ。
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高橋華代子の重賞直前情報
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<第3回 雲取賞(SIII)>(2月16日現在)
調教追い切り動画はこちら
デビューから一度も連を外さずに抜群の安定感を誇っているランリョウオー。前走の全日本2歳優駿は、本橋孝太騎手を背に、逃げるアランバローズの2番手を進めていきましたが、最後は5馬身引き離されての2着。優勝は逃しましたが、このレースで2着に入ったことも力のある証。
「中央馬のことも考慮して2番手を取りに行きましたが、結果的には(前に)追いつける感じにはなりませんでした。最後はササりながら走るところもありましたが、現状の力は出せたと思います。
この馬は左回りも右回りも問題はないですし、どんな競馬でもできてセンスは高いです。前は行き過ぎちゃうようなところもありましたが、それも改善されてきたので、すぐに覚えられるのもセンスですね」(本橋騎手)。
前走後は、これまで賞金加算などでコンスタントに使ってきたことから、クラシック戦線に向けて疲れをしっかり取って、これからの戦いに向けてきたそうです。
「いつも真面目に一生懸命走ってくれる馬なので、前回は今思えば疲れもあったと思うので、これから4か月戦うだけのケアはできました。追い切りでサーッと軽く走らせただけでも水準の時計が出る馬なのでスピードはありますが、本来は体型からも距離が延びてからの馬です。距離が延びて楽しみしかないので、ここは負けられないレースだと思って送り出します」(小久保智調教師)。ホッカイドウ競馬デビュー馬で、JBC2歳優駿は優勝したラッキードリームのクビ差の惜しい2着でしたが、全国区の力を見せつけました。全日本2歳優駿は6着でしたが、これは初コースで物見などもあり戸惑って力を出し切れなかったとのこと。
ニューイヤーカップは南関東移籍緒戦。森泰斗騎手が前走に続いて手綱を取り、道中は6番手付近から進め、向正面では外から一気に上がり3コーナー手前では2番手へ。逃げ粘るジョーロノとの一騎打ちに持ち込むも、トランセンデンスが先頭に変わり3馬身差をつける圧勝でした。勝ちタイムは1600m1分42秒1(良)。
「広いコース向きだと思うので、浦和のマイルという適性に対して不安に思っていましたが問題なかったです。最後は手応えが違ったし、文句のつけようもない内容で、これから先の楽しみがすごくふくらみました。抜け出してから馬自体はまだまだ余裕があるぞという感じで、奥の深さを感じましたね」(森騎手)。
この勝利は、小久保厩舎1500勝のメモリアルにもなりました。
「前走は、道営での実績や経験値の違いで、あのくらいの走りをしてくれたと思います。前回もそうですが、今回もエサ食いがもう少しのところはありますが、目標は4か月先なので、現状でどのくらい走れるか見てみたいですね。追い切りの反応はいい方ではないので、どちらかと言えば実戦向きで、距離が延びていいタイプだと思います」(小久保智調教師)。北海道の重賞ウイナーが移籍緒戦を迎えます。シビックドライヴはホッカイドウ競馬デビュー馬で、サンライズカップは2番手から早め先頭に立って押し切る内容で優勝。のちにニューイヤーカップを圧勝するトランセンデンスを抑えて勝利を飾りました。それ以降はJBC2歳優駿(9着)にも挑戦し、11月中旬には大井競馬場へ早々入厩。
これまでの疲れを癒し、体は緩めず調教には乗りながら、間隔を空けて、じっくりゆっくりと乗り込みが行われてきたそうです。
「思い通りの調教ができて、最初はのんびりした馬なのかなぁと思っていたら、最近はいい意味で気が入ってきました。パワーのある馬で、長くいい脚も使えるし、距離は長くてもいいですね。まだ体つきに余裕はありますが、実績的にはヒケを取らないものがあるし、クラシックに向けても恥ずかしくない競馬をさせたいです」(米田英世調教師)。
祖母は、中央から南関東遠征でダートグレード競走でも活躍したビーポジティブ。北海道の重賞ウイナーが、これから南関東の一員としてどんな走りを見せていくのか楽しみです。新馬勝ちをしてから勝ち切れないレースも続きましたが、期間限定騎乗中だった服部茂史騎手の手綱で3連勝を飾りました。
特に、前走のシクラメン特別(大井・1800m)では、道中は内の5番手から、最後の直線で外に持ち出すと、力でねじ伏せるように差し切り勝ち。勝ちタイムは1分55秒2(良)。
「うまく期待に応えてくれました。スタートはうまく出てくれて、ここ2戦は前に行かせての競馬だったので、上のクラスで当たることも考えて砂をかぶる競馬をしました。砂をかぶるのも大丈夫で、馬込みに突っ込もうとしてもひるまなかったので、レースは上手になってきたと思います。
最後の直線では途中で遊びかけたので声を出して怒ったら、また反応して交わしてくれました。スケールの大きな馬でクラシックも期待できると思いますよ」(服部騎手)。
3連勝の勢いで、どのくらい戦えるか見てみたい1頭。今回は新型コロナウイルス感染拡大の観点から、期間限定騎乗を終えた服部騎手は騎乗ができないため、荒山調教師の弟弟子でもある真島大輔騎手が騎乗します。
「服部騎手はこれからタブラオに騎乗できないにも関わらず、今後のことを考えて競馬を教えてくれて、本当に感謝しています。状態自体はいつ疲れるのかのかな?と思うくらいにタフな馬で維持できています。もっと集中して走れるようになれば、さらにいいと思います」(荒山調教師)。北海道と南関東で重賞6勝を挙げたノットオーソリティの初仔ノットリグレットが、北海道からの移籍緒戦を迎えます。まだ重賞勝ちはありませんが、ブリーダーズゴールドジュニアカップでアタマ差の2着になるなど、重賞レースでも好走してきました。
ノットリグレットは船橋時代に母が暮らした馬房に入り、担当も母を手掛けた多田厩務員(祖母のフレンドリーマナーも手掛けました)。
「お母さんよりひと回り小さいですが、ヤンチャでじゃれてくるような所は似ていますね。環境には慣れましたが、まだ寂しがり屋ですごい子供です。お母さんの若い頃より毛色は白っぽいけど、雰囲気は似ていますね」(多田厩務員)。
雲取賞の予備登録馬が発表された段階では36番目(番組賞金480万円)で、本来なら出走するには厳しい位置にいましたが、上位に登録された馬たちがどんどん回避し、結果的にはフルゲートにならず13頭立てになりました。こういう運も、競馬の世界では非常に大事。鞍上の御神本訓史騎手は母とコンビを組んで2戦2勝と相性も抜群でした。
「順調にはきていますが、まずは今回緒戦なので、どんな走りをしてくれるかですね。今後にもつながるいい競馬をして欲しいです」(川島正一調教師)。*雲取賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
第3回 雲取賞(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■ランリョウオー 浦和2/12良 800m-52.5秒 600m-38.3秒 馬なり ■トランセンデンス 浦和2/12良 800m-54.5秒 600m-39.7秒 G前追 ■シビックドライヴ 大井2/14良 1000m-65.9秒 800m-51.4秒 600m-37.4秒 一杯追 ■タブラオ 小林2/13良 1200m-82.9秒 1000m-64.9秒 800m-50.4秒 600m-37.0秒 一杯追 ■ノットリグレット 船橋2/13良 1000m-66.3秒 800m-51.4秒 600m-38.7秒 馬なり -
高橋華代子のレースレポート
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<第3回 雲取賞(SIII)>
優勝インタビュー動画はこちら
今年も南関東競馬のクラシック戦線を占うレースが始まっています。
2月18日に大井競馬場で実施した3歳重賞の雲取賞(1800m)は、準重賞から重賞に格上げされて3回目。第1回覇者はのちの東京ダービー馬ヒカリオーソ、第2回の勝ち馬はのちの羽田盃馬ゴールドホイヤー。2年連続で、川崎の岩本洋厩舎に所属するのちのクラシックホースたちが、勝ち馬として名を刻んでいます。
雲取賞はトライアルレース。1着から3着までにこの後の京浜盃の優先出走権。さらに、1着と2着にはクラシック1冠目の羽田盃への優先出走権が与えられます。
今年は13頭立てになり、1番人気は本橋孝太騎手が騎乗したランリョウオー(浦和・小久保智厩舎)。まだ重賞勝ちはないものの、デビューから一度も連を外したことがなく、前走の全日本2歳優駿は優勝したアランバローズの2着に入り、全国区の実力であることを証明しました。今回は、これからのクラシック戦線に備え、放牧休養明けの一戦。
「いつも真面目に一生懸命走ってくれる馬なので、今思えば前回は疲れもあったと思うのでケアはできました。追い切りでサーッと軽く走らせただけでも水準の時計が出るのでスピードはありますが、本来は体型からも距離が延びてからの馬です。距離が延びて楽しみしかないので、ここは負けられないレースだと思って送り出します」(小久保調教師)。
的場文男騎手騎乗のノートウォージーがハナを切っていく展開で、ランリョウオーは二の脚速くスーッと2番手へ。3連勝中のタブラオも続き、ヴァヴィロフやサンライズカップの覇者で移籍緒戦のシビックドライヴ、その後ろにニューイヤーカップの勝ち馬トランセンデンスなどが先団につけていき、結果的に上位に来る馬たちがこの前の集団に。
最後の直線に入ると、ランリョウオーは残り200m付近から後続馬をグンと突き放しました。大外から脚を伸ばして2着に入ったトランセンデンスに3馬身差。南関東のリーディング・浦和の小久保厩舎のワンツーフィニッシュ!3着が大井のタブラオ。勝ちタイムは1800m1分54秒6(やや重)。
「強かったですね。初めてこの馬に乗せて頂いた時から競馬センスは抜群でしたが、それに磨きがかかってきました。馬任せであの位置が取れて折り合いもついて、次も楽しみです。1頭になって遊ぶところもありましたが、それだけ余裕のある勝ち方でしたし、他の馬が近くにいれば違うと思います。現状の課題はないですね。
どこからでも競馬ができるセンスと心臓がいいと思います。距離も延びた方がいい感じです。アランバローズに2度負けているので今度は負けられません」(本橋騎手)。
担当は牝馬戦線でも楽しみなダノンレジーナを手掛ける田中厩務員で、素顔のランリョウオーを聞いてみると、
「普段はそんなにすごさは見せませんが、追い切りでスピードにのった時の力強さはすごいなぁと思います。厩舎にいる時はいつも落ち着きがないというか繊細なところはありますが、レースの時が一番落ち着いていて動じないです。オンオフの切り替えがしっかりできているのも、いいところですね」とのこと。
パドックからが一番落ち着いているそうで、パドックをはじめ、レース後に引き返してきた時や口取り撮影の時など、オフモードになっている姿も印象的でした。
全日本2歳優駿1着馬と2着馬がいる今年の南関東クラシック戦線。そんなハイレベルな戦いがこれから見られること、今から気持ちも高まります。まずは、この後の京浜盃も見逃せません!
<他陣営のコメント>
2着 トランセンデンス 森泰斗騎手
「この馬自体は心配していた物見もなかったのは収穫で、大井1800mの条件も走りやすかったです。ランリョウオーが1頭前にいたというだけで、すごく上手に走ってはくれました。今回は相手に流れも向いて、クラシックになるとさらにアランバローズも出てきて流れも変わってくると思います。逆転を目指して、騎手としては乗ります」
3着 タブラオ 真島大輔騎手
「前の馬とは着差はありますが、そんなに差は感じませんでした。スローでよーいドンの競馬になって、勝ち馬に展開も向きましたね。この馬はトータルしてのマイナス面がありません。ゲートも競馬も上手で、ちょうどいい遊びもあります。これから距離が延びていいし、楽しみな馬ですよ。荒山厩舎(兄弟子)でクラシックを勝ちたいです」
4着 ギガキング 和田譲治騎手
「前半はスローだったので1~2コーナーでハミを噛んでしまいましたが、ペースが上がってもついていけて、経済コースを通って終いも脚を使って、最後も根性でまた伸びてくれました。初コースも問題はなかったです」
5着 ノートウォージー 的場文男騎手
「スローに落として気持ちよくは逃げられて、4コーナーを回るまでは手応えも良かったですが、それから止まっちゃいました。これからの馬ですね」
6着 シビックドライヴ 笹川翼騎手
「今回は休み明け緒戦だったので、この後は上積みしかないので楽しみです。もっと差はつまりそうですよ。最後に止まったのは馬体重(+25キロ)の余裕もあったのかなと。この馬は切れるタイプの馬ではないので止まったというよりは、周りが伸びているのかなと思います。スタミナがあって、長くいい脚を使えて根性もあるので、それを生かしていければ」
7着 ワールドリング 張田昂騎手
「脚をためるイメージで乗りましたが、もっと短い距離の方がこの馬には良さそうです。馬はまだまだこれから良くなっていきそうですよ」
8着 ノットリグレット 御神本訓史騎手
「乗った感じではお母さん(ノットオーソリティ)に似ているところはありませんが、まだこれからの馬で上積みはありそうなので、乗って安心しました。
今日はゲートで躓いて後ろからになっているし、普通にゲートから出て中団くらいから競馬ができれば、もう少し上には行けたと思います。
テンションが高めだったり反応しにくいという感じで聞いてはいたのですが、そういう所もなかったし、ちゃんと競馬はしてくれました。男馬にしては小柄なので、もう少しパワーアップして欲しいですね。
道営にいた頃から、ノットオーソリティの子供ということで、気にはして見ていました。まずは賞金加算をしなくてはいけませんが、うまくクラシックにのることができればいいですね」
9着 ヒートアップハート 吉原寛人騎手
「ゲート内でうるさい所があってスタートを切る形になり、そのまま噛み合わなかったのが残念です」
10着 ブラックネロ 古岡勇樹騎手
「スタートは良かったのですが、僕の誘導が曖昧で最後方になってしまいました。馬自体は利口で、初コースでも物見はなく右回りは乗りやすかったです。
(大井の重賞初騎乗でしたが)緊張してしまったので、もっとゆとりを持って乗ることができるように頑張ります。乗せて頂いて本当にありがたいです」
11着 ベニスビーチ 達城龍次騎手
「ゲートの中は良くなくて、ジャンプ発走になってしまいました。過去のレース映像を見るとズブそうな感じでしたが、乗っている感じではいい手応えでした。追い切りからもいいモノは持っていると思います。牝馬でもこの強いメンバーの中で頑張ってくれました」
12着 ヴァヴィロフ 保園翔也騎手
「スタートも早いのでいいところにはつけられましたが、外枠の分スムーズにその位置を取れた訳ではないので。距離ももう少し短い方が持ち味は生きると思います。3~4コーナーでは手応えが怪しくなりました。レース自体は乗りやすくて、右回りも問題はありません」
13着 ビナジャンボ 町田直希騎手
「初めての右回りも上手にしっかりと走ってくれましたが、いきなりの重賞のメンバーだったので。まだこれから良くなっていきそうです」
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回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 3 令3 ランリョウオー 牡3 本橋 孝太 2 2 ゴールドホイヤー 牡3 吉原 寛人 1 平31 ヒカリオーソ 牡3 瀧川 寿希也