重賞レース

第11回 東京シンデレラマイル(SIII)

  • 2017年12月30日(土)
  • 16:30発走
第11回優勝馬:ニシノラピート号

年末に3日連続で行われる重賞の第2弾は、年の瀬のダートを彩るレディーたちが競演するマイル戦の牝馬重賞。年明けの交流重賞に向けて、地元所属馬の勢力図を確認する意味でも見逃せない一戦です。 <優勝馬にTCK女王盃およびエンプレス杯の優先出走権を付与>

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    <第11回 東京シンデレラマイル(SIII)>

    アップトゥユー
    南関東に移籍以降も牝馬戦線の主役の1頭として高みに向かって走り続けてきました。今回は大井のマイル戦、久しぶりにこの馬の力を発揮しやすい条件で、持ち前のスピードを生かしたいところ。北海道時代にコンビを組んでいた阿部龍騎手予定。

    ステップオブダンス
    森泰斗騎手が新馬戦から手綱を取り、南関東牝馬戦線の主役の1頭としてレベルの高い走りをしてきました。関東オークスは地方最先着の3着で、グランダムジャパン3歳シーズンのチャンピオンホースに輝き、その後のロジータ記念も圧勝。

    ファイトユアソング
    シンデレラチャレンジ競走との相性は抜群で、4戦3勝2着1回。レディスプレリュード(7着)とJBCレディスクラシック(10着)への挑戦は挟みましたが、着実に力をつけているところを証明しています。末脚身上、重賞の舞台に改めて挑戦!

    プリンセスバリュー
    グランダムジャパン古馬シーズンで総合優勝は果たせなかったものの、金沢の読売レディス杯を制して念願の重賞ウィナーに!小柄な牝馬ですがタフさも魅力。得意の大井のマイル戦で、強い馬たちともまれてきたキャリアを生かしたいところ。

    ラインハート
    中央時代は芝とダートの短距離戦で通算5勝。南関東移籍初戦がJBCレディスクラシックで、後方から38秒4のメンバー中最速の上がりで3着に突っ込んできました。優勝したララベルとは0.2秒差。続くクイーン賞も3着に入り、ここも最有力。

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    <第11回 東京シンデレラマイル(SIII)>

    (12月28日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■ラインハート
    *大井 月岡健二 厩舎 牝6歳
    *成績 39戦5勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代は芝とダートの短距離を中心に5勝を挙げ、重賞戦線で戦ってきた馬です。JBCレディスクラシックは移籍初戦で8番人気でしたが、新コンビの笹川翼騎手を背に道中は後方から追走していき、最後の直線では38秒4のメンバー中最速の上がりで3着に突っ込んできました。優勝したララベルとは0.2秒差。前走のクイーン賞は地方馬最先着の3着。

     ダートグレード競走においても中央勢に立ち向かえる能力があることをしっかり示してきたこの2戦。今回は南関東同士の戦いだけに、人気になるのは必至でしょう。

     「状態はいい意味で平行線ですね。マイルも問題ないと思いますが、のんびり後ろからいくのではきつい頭数ですし、これまでよりは積極的な競馬になるのか、乗り役の判断に任せます。みんな勝つために出走してくるので重賞は甘くはないですが、強い相手と戦ってきていることや環境に慣れてきたことはプラスだと思っています」(月岡健二調教師)。

    ☆担当の朴澤光厩務員
    「JBCを使って前走から、引き運動をしている時も動きや脚音からもトモがよくなっているなぁと感じています。トモがうまく使えている分、ササるのも解消されてきていると思います。あとはストレスゼロを目指して、ストレスをため させずに、レース本番ではいい状態で送り出したいです」

    ■ステップオブダンス
    *大井 藤田輝信 厩舎 牝3歳
    *成績 8戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     ロジータ記念(SI)(2017)
     ユングフラウ賞(SII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     大井のリーディング・藤田輝信厩舎の外厩馬として茨城県のミッドウェイファームでトレーニングを積んでいる大井生え抜き馬。ここまでの成績を見ても、唯一ワイド圏内を外した桜花賞(5着)は、浦和のマイル戦で外目の枠を引いたために力を出し切れずに度外視すれば、それ以降は高いレベルで安定しています。力を常に発揮できるというのも強さでしょう。

     前走のロジータ記念は休み明け初戦でしたが、それを微塵も感じさせない内容でライバルたちを一蹴。森泰斗騎手を背に道中は4番手内目から進めていき、2周目の3~4コーナーではほぼ馬なり状態で先頭を奪うと、最後の直線では独走。関東オークスは地方最先着の3着に入りましたが、その実力を改めて見せつけました。

     「その後は疲れもなく順調に進めています。初めての浦和コースでも結果を出しているし、競馬が上手で器用さのある馬なので、マイル戦の内回りコースは問題ないと思います」(藤田調教師)。

    ■アップトゥユー
    *川崎 佐々木仁 厩舎 牝3歳
    *成績 15戦2勝2着4回
    *重賞タイトル
     ローレル賞(SIII)(2016年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]
    ■ファイトユアソング
    *川崎 佐々木仁 厩舎 牝6歳
    *成績 40戦6勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     川崎の佐々木仁厩舎からは楽しみな2頭が参戦してきます。

     アップトゥユーはこの世代の牝馬たちの中でも実力はトップクラスですが、最近はもう少しの成績が続いています。しかし、この3戦とも自身にとっては決して向くと言えない距離を走ってのものなので、ここは大井のマイル戦になり改めて見直し。逃げ粘ることがこの馬の真骨頂で、3枠6番と絶好の枠に入ったこともプラス材料。

     同厩のファイトユアソングは中央から移籍以降、勝ち星からは遠ざかっていましたが、今年の夏にシンデレラチャレンジⅠを完勝以降、このシリーズは相性抜群で3勝(通算6勝)。強靭な末脚を武器に、今の勢いでどのくらい脚を伸ばしてくるのか楽しみです。

     「(アップトゥユーは)休み前よりも体の幅が出たし、馬の状態は変わりありません。スピードはある馬なので普通にスタートを切って単騎でいければ粘り強く走ってくれると思います。

     (ファイトユアソングは)最終追い切りも抜群の動きをしてくれました。今はとても充実していますね。こういうメンバーとでもやれる力はあると思うし、あとはうまく展開がはまってくれれば」(佐々木調教師)。

    ☆アップトゥユーの田中直人厩務員
    「前はスイッチが入りやすい馬でしたが、今はだいぶ収まってきて、いい意味で大人になってきたなぁと感じるところはあります」

    ☆ファイトユアソングの畠中久幸厩務員
    「ずっと使っていますが、丈夫でとてもタフな馬です。メンタルも成長していて、レース内容があまりにも変わりました。ここは大目標にしていたレースですし楽しみにしています」

    ■グラスサファイヤ
    *川崎 安池成実 厩舎 牝3歳
    *成績 13戦2勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     川崎生え抜き馬。東京2歳優駿牝馬4着(15番人気)、ユングフラウ賞3着(10番人気)、桜花賞2着(6番人気)、ロジータ記念3着(8番人気)と、いつも人気にはならないタイプですが、重賞の舞台でも好走してきました。430キロと小柄ですが、不利があってもあきらめずに最後まで走り抜こうとする根性たっぷりな走りは何よりの武器です。

     今回はB1クラスからの挑戦なので、斤量が52キロというのも魅力。放牧休養以降は、休み明け初戦は度外視をしても、続く中央交流のオクトーバースター賞は、最後の直線で壁になって走り切れない部分もありながら、勝ち馬から0.5秒差の7着。前走のロジータ記念は得意距離とは言えない2100mでもたくましく走り抜き、優勝したステップオブダンスから0.6秒差の3着。

     「前走は距離のこともあって自信がなかったのでびっくりしました。最後の100mを見るとやっぱり距離かなというのはありましたが、いつも本当に頑張ってくれています。どんな競馬でもできる馬ですが、ためていった方がより持ち味を発揮してくれそうですね」(安池成実調教師)。

    暮部清志厩務員
    「小さい馬ですが頑張り屋で根性がすごいです。でも、普段は甘えん坊で、先生のことが大好きです(笑)。前より大人っぽくなってきたようにも思います。あとは無事に頑張って欲しいですね」

    *東京シンデレラマイルの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第11回 東京シンデレラマイル(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ラインハート
    大井12/25重 1200m-78.8秒 1000m-63.4秒 800m-50.4秒 600m-37.0秒 一杯追
    ■ステップオブダンス
    牧場12/26坂路 600m-37.8秒 200m-12.1秒 強めに
    ■アップトゥユー
    川崎12/25重 1000m-67.0秒 800m-52.1秒 600m-38.6秒 一杯追
    ■ファイトユアソング
    川崎12/25重 1000m-65.5秒 800m-51.8秒 600m-39.4秒 馬なり
    ■グラスサファイヤ
    川崎12/25重 1000m-68.2秒 800m-52.9秒 600m-38.8秒 一杯追
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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第11回 東京シンデレラマイル(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     前日に行われた東京大賞典の熱気冷めやらぬ中、ここからは牝馬たちの熱戦がスタート。東京シンデレラマイルは南関東所属の3歳以上の牝馬たちが集結しました。

     JBCレディスクラシックを優勝し、春から繁殖入りすることが決まっているララベル(大井・荒山勝徳厩舎<小林>)は、TCK女王盃に参戦。これからの南関東牝馬戦線を担っていくのはどの馬なのか?!とても興味深い1戦になりました。

     JBCレディスクラシックはそのララベルから0.2秒差の3着、続くクイーン賞も3着だったラインハートが1番人気になり、3歳女王の座についたステップオブダンスが2番人気で、この2頭に人気が集中。

     しかし、終わってみれば、しらさぎ賞を完勝しているニシノラピート(大井・市村誠厩舎)の一人舞台。大井の帝王・的場文男騎手を背にして11番人気ながらも人気薄を微塵も感じさせないような逃げ切り勝ちで、他馬を一蹴しました。

     「具合もいいと聞いていたし、気持ちよく走らせればチャンスのない馬ではないと思っていました。アップトゥユーが行くのかな?とも思いましたが、(ニシノラピートは)スタートが抜群に良かったので、迷わずに行きました」(的場騎手)。

     スタートも二の脚も速かったニシノラピートは、7枠14番から一気に先頭に立っていきました。2番手にはアップトゥユーがつけ、その後ろの内にトゥルームーン、外にステップオブダンス。1番人気のラインハートは中団付近を追走。ニシノラピートの作ったペースは、前半600m37秒2、1000m通過が62秒1。

     3コーナー付近からジワッと後続を離しにかかり、4コーナーからはさらにその差を広げていきました。

     「いい感じで気持ち良さそうに走っているなぁと思いました。4コーナーを回っても手応えが良くて、前に乗せて頂いた時は止まりましたが、今日は止まりそうな感じがありませんでした」。

     後方から追い込んできた5番人気パーティードレスが2着に入り、ニシノラピートとの差は5馬身差。3着は軽量52キロを生かし小柄ながらもいつも頑張るグラスサファイヤが入りました。勝ちタイムは1600m1分40秒9(良)。

     ニシノラピートは6歳のベテランで、明け7歳。このレースを最後に繁殖入りすることも考えられていたそうですが、この勝利により今後については改めて考えていくそうです。

     的場騎手は自身が持つ最年長重賞勝利記録を61歳3か月23日に更新し、2017年は南関東重賞8勝目。

     2018年は佐々木竹見さんの地方通算7151勝の記録更新になるのかも大きな関心を集めています。

     「記録まで66勝ですね」と自身の口からサラリと出ていましたが、それだけこの記録を強く意識してのことでしょう。いつどこでどのタイミングで達成されるのでしょうか?!

     「今はその目標に向かって頑張っています。皆さんにとって大切なお金をかけて馬券を買ってくださっていますから、その馬券を買ってくださる方が喜べるようにこれからも頑張ります」と声高らかにファンにメッセージを送っていた的場騎手。

     的場騎手がいる今の時代に競馬が見られることを、改めて幸せに感じた時間でした。



    <他陣営のコメント>

    2着 パーティードレス 本橋孝太騎手
    「気が入っていましたが、折り合いはつく馬です。勝負所の反応もとても良かったですが、距離もあるのか最後に苦しがって手前を替えませんでした。1400mの外回りがベストですね」

    3着 グラスサファイヤ 今野忠成騎手
    「反応も良かったし現状の力は出していると思います」

    4着 ファイトユアソング 山崎誠士騎手
    「ペースが上がってくれた方が良かったですね。外を回らされたりして展開が向きませんでした。展開ひとつでチャンスはあると思います」

    5着 フジノドラマ 真島大輔騎手
    「馬込みも我慢していたし、調子を保っていければこれからも楽しみです」

    6着 アップトゥユー 佐々木仁調教師
    「スタートでトモを滑らせたのが全てです。2番手からでも競馬はできる馬ですが、逃げた方が持ち味は生かせるので残念です」

    7着 ラインハート 笹川翼騎手 (1番人気)
    「位置取りは悪くなかったと思いますが、前残りの流れで、この馬にしてはついて行き過ぎた感じもします。もっとためていった方が良かったですね」

    8着 ステップオブダンス 森泰斗騎手
    「流れも絶好のポジションだったのですが、最後は伸びませんでした」

    9着 プリンセスバリュー 吉原寛人騎手
    「内に包まれてしまって動くことなく終わってしまいました。もっとペースが速くなってくれていれば」

    10着 クラカルメン 小杉亮騎手
    「仕掛けると行きたがるのでいつもあの位置からです。最後は伸びてきてくれたし、この年齢で頑張っています」

    11着 シェアハッピー 和田譲治騎手
    「スタートは悪くなかったのですが、ペースが落ち着いてしまいました」

    12着 マテリアメディカ 江川伸幸騎手
    「最後まで頑張ってくれたと思います」

    13着 シルキークィーン 矢野貴之騎手
    「前よりも進みがもう少しで、もっと楽にあの位置についていければまた違ったと思いますが……」

    14着 ターフデザイナー 服部茂史騎手
    「道中のペースも違ってくるので、相手が強かったですね」

    15着 トーセンラーク 左海誠二騎手
    「いいモノはありそうです。ただ、中央ではずっと芝で走っていた馬ですし、ダート慣れは必要ですね」

    16着 トゥルームーン 宗形竹見調教師
    「行ければ行こうとそのつもりで出していった分、ペースが落ち着いた時に行きたがってしまいました。スタミナをロスしてしまいましたね」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    11 平29 ニシノラピート 牝6 的場 文男
    10 28 トーセンセラヴィ 牝5 森 泰斗
    9 27 ブルーチッパー 牝5 森 泰斗
    8 26 ノットオーソリティ 牝3 御神本 訓史
    7 25 ビタースウィート 牝6 佐藤 博紀
    6 24 ミヤサンキューティ 牝4 真島 大輔
    5 23 テイエムヨカドー 牝7 山田 信大
    4 22 ザッハーマイン 牝5 的場 文男
    3 21 パノラマビューティ 牝7 張田 京
    2 20 ミスジョーカー 牝5 本橋 孝太
    1 19 ベルモントノーヴァ 牝6 石崎 駿