重賞レース
第6回 優駿スプリント(SII)
- 2016年6月28日(火)
- 20:15発走

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レースについて
レース概要3歳限定のスプリント重賞として2011年から新設されました。古馬の短距離路線の充実により、早い段階から短距離のスペシャリストを目指す若駒たちの新しい目標となるレース。2015年からグレードをSⅡに格上げして実施しています。<優勝馬に習志野きらっとスプリント、上位2頭にアフター5スター賞の優先出走権を付与>
コース紹介4コーナーからゴールまでの直線部分が長い外回りコースを使用。発走地点は向正面の2コーナー付近で、スタートから3コーナーまでの直線部分が長く、外寄りの枠からでもレース序盤の先行争いに加わりやすいコース形態と言えます。 -
高橋華代子の注目馬情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第6回 優駿スプリント(SII)>
■キーパンチャー
大活躍したアウスレーゼの愛息。母と一緒で北海道から移籍以降、京浜盃3着になるなど存在感を示してきました。ここ2戦はもうひとつの成績ですが、きっかけをつかみたいところ。大井では初めてとなるスプリント戦でどんなパフォーマンスを見せるか興味深いです。
■シングンヴィグラス
母のリードスキーはエーデルワイス賞を制した実力馬、半兄には2つの重賞を制したロイヤルボスがいる血統です。父はサウスヴィグラス。一貫してスプリント戦を走り続け、2か月半の間隔が空きましたが、この優駿スプリントを最大目標に取り組んできたそうです。
■ムサシトレジャー
昨年8月に実施された1000mの新馬戦は1分00秒5(良)で優勝。それ以降も持ち前のスピードを生かしてスプリント戦を中心に走ってきました。前走の優駿スプリントトライアルは、優勝したイノデライトから0.1秒差となる2着で優先出走権を手にしたばかり。
■ラクテ
今回の最有力候補とも言えるのがこのラクテ。能力試験では800m48秒7を叩きだし、ハイセイコーよりも速いタイムで駆けたことでも話題になりました。それ以降も短距離戦でスピード感あふれる走りを披露中。厩舎の偉大なる先輩ソルテの勢いに乗りたいところ。
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高橋華代子の重賞直前情報
南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中
<第6回 優駿スプリント(SII)>
(6月27日現在)
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3歳のスピード自慢たちが勢ぞろいをした優駿スプリント。最有力候補ラクテが、最愛のパートナー上田健人騎手を背に、ついに目標にしてきたこの大一番に挑んできます。
遡れば、ラクテはデビュー前から注目を集めていました。昨年の5月下旬に行われた能力試験において、800m48秒7で走り、ハイセイコーよりも速いタイムで合格。その後は能力の高さでマイル以上の距離に挑戦をしたこともありましたが、1200m戦は4戦3勝。
特筆すべきは、2月上旬に実施されたクロッカス特別(大井・1200m)で、ただ1頭58キロを背負いながら、レースはハナを主張していき、シングンヴィグラスにマークされる形になりましたが、最後は突き放す完勝。勝ちタイムは1200m1分13秒4(やや重)で、改めてこの馬のスプリント適性の高さを示す一戦になりました。
今回は羽田盃(11着)を使ってから約2か月空けての実戦で、ここまでじっくり乗り込んできたそうです。「ずっと使い詰めで精神的にもピリピリしていたところもあったと思うので、間隔を空けたことで楽になって、食べたものも実になってきたと思います。体重が増えていても成長分ですね」と柳田悟厩務員(代表馬 ブラックムーンやドリームサラ)。
コンビを組む上田騎手は、厩舎の偉大なる先輩ソルテの調教パートナーとしてあまりにも有名ですね。ソルテの現在の活躍は、上田騎手の力もなくしては語れません。ソルテとラクテを所有している(株)フロンティア・キリーの代表・桐谷茂オーナーからの信頼も絶大で、「ラクテで(上田騎手を)男にしたい」という想いを持っていらっしゃるそうです。
「そうやってオーナーが言ってくださるのはありがたいです。その期待に応えたいし、応えられる馬だと思います。男になるしかないでしょ(笑)。
前走はここに向けても意識した乗り方をしましたが、その後も順調に乗り込んできて、最終追い切りも動けています。
ラクテでハイセイコー記念1番人気を経験させてもらって、自分としても気持ちのコントロールができるようになったと思っています。1200mのポテンシャルの高さを信じて、自分の走りに徹したいですね。あとは人間が当日落ち着いて乗るだけです」(上田騎手)。
デビューから8年目を迎え、岩手での重賞勝ちはあるものの、南関東での重賞初制覇に大きな期待が集まる上田騎手。ソルテを縁の下の力持ちとして支え続けてきましたが、今度はその弟分ラクテとともに、重賞レースでゴール板を先頭で駆け抜けるシーンを、多くの人たちが待ち望んでいるでしょう。寺田厩舎通算700勝もかかっています!!!
「追い切りは馬場が軽かったですが今までで一番いい動きだったと思います。本番は平常心でラクテの持ち味が生きる競馬をさせたいですね。ラクテにも健人君にも重賞を取らせたいです」(寺田新太郎調教師)。■クラトイトイトイ
グランダムジャパン3歳シーズンの若草賞(名古屋・1400m)と東海クイーンカップ(名古屋・1600m)を優勝して、総合優勝を果たしたクラトイトイトイ。
今回は凱旋レースです!「前はキャンキャンしていた部分もありましたが、落ち着きが出てきましたね」と藤川奈織子厩務員に振り返ってもらいましたが、うら若き3歳牝馬が長距離遠征を果敢にこなしてきた経験は、精神力も強くさせたことでしょう。
母のクラマサシャトルは主に北海道競馬で走ってきましたが、南関東所属だったこともあり、1995年東京3歳優駿牝馬と平和賞をともに4着で、ゆかりのある血統。
前走後は関東オークスも視野に入っていましたが、最終的にはこの優駿スプリントに向けて調教を行ってきたそうです。追い切りに騎乗した石崎駿騎手は、「上積みはないですが落ちてはいないです。遠征疲れは感じさせないしタフですね。この距離も対応してくれると思いますが、久しぶりなので展開に戸惑わなければ力差はないと思いますよ」とのこと。
南関東へ移籍後、スプリント戦は初挑戦ですが、北海道時代は経験豊富なだけに、どんな走りをするのか興味深いです。
「こっちでは初距離でも条件は悪くないし持ち時計的にも問題はないと思っているので、3歳馬同士で走れるから楽しみ。いい状態で送り出せるし、今度はこっちのタイトルを取らせてあげたい」(矢野義幸調教師)。
トイトイトイ(toi toi toi )はドイツで幸運や成功などを祈るおまじないの言葉で、「頑張って!」「うまくいくよ!」という意味合いがあるそうです。『優駿スプリントに向けて、トイトイトイ!!!』昨年8月に大井競馬場からデビューし、新馬戦を1000m1分00秒5(良)のタイムで優勝した姿は圧巻でした。「本当にビックリしたね。思っていた以上に走ってくれる実戦型」と当時を振り返る中橋潤一厩務員(代表馬 エビスジャパン)。
その後も1200m戦を中心に使ってきて、前走の優駿スプリントトライアルでは有力候補だったイノデライトに0.1秒差に迫るパフォーマンスで堂々2着。
初騎乗だった森泰斗騎手は、「最後に多少フワッとしたところもあったので、もう一段階ギアがありそうな気がしますね。前半は多少ズルさもあるみたいですが、その辺りも一回乗ってわかったので、逆転の目はあると思います」と手応えをつかんだ様子でした。
厩舎の先輩には偉大なるムサシキングオーがいます。今度は弟分のムサシトレジャーが、この大舞台でどんな走りを見せるのでしょうか。ラクテやシングンヴィグラス、ケイエスソード、キーパンチャーは57キロですが、ムサシトレジャーは1キロ軽い56キロで出走できるのも魅力。
「最終追い切りは馬場も軽かったけどいい時計もでたし、目標だったここにいい形でくることができた。決め手の良さを生かして頑張って欲しいね」(栗田泰昌調教師)。母のリードスキーは1999年エーデルワイス賞などを優勝したダートグレードレースウイナー。半兄には2006年ハイセイコー記念と2009年マイルグランプリを制したロイヤルボスがいる血統です。
*優駿スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!
「大人しくて扱いやすい馬で、じゃれついて甘えてくる(笑)。いつも全力で一生懸命に走ってくれる真面目な馬」(堂本政美厩務員)。
父はサウスヴィグラスで、短距離戦を中心に使ってきて、今年に入ってからの1200m戦での成績は4戦3勝2着1回。唯一敗れたクロッカス特別は、逃げたラクテをピタリとマークしていきましたが、最後は2馬身離されました。その時はラクテよりも1キロ軽く出られましたが、今回は同じ斤量での競馬。
約2か月半の間隔が空いたために反応は気になるところですが、再び手綱を取る吉原寛人騎手のエスコートも楽しみです。
「ここを目標に乗り込んできて心臓もできている。ひと息入れたことで、馬なりで速い時計が出るようになったし、精神的にも落ち着きが出てきた。タフな馬だね。吉原君も手の内に入っているし、4、5番手から瞬発力を生かした競馬をさせたい」(三坂盛雄調教師)。第6回 優駿スプリント(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)
■ラクテ 大井5/29重 1600m-78.8秒 1000m-63.8秒 800m-50.4秒 600m-36.3秒 馬なり 大井6/5良 1600m-77.0秒 1000m-63.0秒 800m-50.0秒 600m-36.5秒 強めに 大井6/18稍 1600m-79.0秒 1000m-65.0秒 800m-51.0秒 600m-37.5秒 馬なり 大井6/24重 1000m-61.9秒 800m-48.7秒 600m-36.1秒 一杯追 (B2クインズストリーク強めにの外3F併併入)
■クラトイトイ 船橋6/3右良 600m-39.9秒 馬なり 船橋6/11重 1000m-68.9秒 800m-52.5秒 600m-37.7秒 一杯追 船橋6/17重 1000m-65.4秒 800m-49.7秒 600m-36.7秒 馬なり 船橋6/24右重 1600m-84.4秒 1000m-65.5秒 800m-50.6秒 600m-37.6秒 馬なり ■ムサシトレジャー 大井6/24重 1600m-78.7秒 1000m-62.7秒 800m-50.6秒 600m-36.8秒 一杯追 ■シングンヴィクラス 小林6/3良 800m-56.5秒 600m-40.5秒 馬なり 小林6/10稍 800m-57.5秒 600m-39.9秒 馬なり 小林6/17重 1000m-64.9秒 800m-48.2秒 600m-35.8秒 強めに 小林6/24重 800m-49.6秒 600m-35.6秒 強めに -
高橋華代子のレースレポート
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3歳スプリンターたちの輝ける場所、優駿スプリント(大井・1200m)。今年で6回目を迎え、昨年の主役だったルックスザットキルは、早田功駿騎手を背にここを勝って、その後の初の古馬戦・習志野きらっとスプリントも完勝し、この路線を担う1頭として存在感を示しています。
今年も同じアメリカ産のエイシンヒート(大井・藤田輝信厩舎)が、矢野貴之騎手とのコンビで優勝しました。遡れば、昨年の8月に行われた大井の新馬戦(1200m)も矢野騎手の手綱で出走。先手を取って後続を突き放していき、2着馬に2秒2差をつける大差勝ちを収めました(勝ちタイムは1分14秒3(重))。その時からここを大目標に!!!
グランダムジャパン3歳シーズンの総合優勝を決めて凱旋レースとなったクラトイトイトイが、抜群のスタートを切って先手を取りかけたところで、さらに上回るスピードでノーフォロワーが先頭に立つと、ムサシトレジャーやラクテも続いていき、エイシンヒートは中団内目を追走。
「周りが速かったのであの位置になりましたが、その辺りは特に気にしていなかったです。道中の気は抜かせないようにしながら、いい流れになったと思います」(矢野騎手)。
最後の直線に入って外に持ち出すと一気に進出。エイシンヒートを抑えて1番人気だったラクテが、本来の形ではない中でも、前にいたノーフォロワーとムサシトレジャーを交わし切って先頭に立つと、その外からエイシンヒートが風のように抜き去って、クビ差つけたところがゴール。勝ちタイムは1200m1分13秒8(不良)で、過去5年のレースと比較しても最も遅いもの。
2着にはラクテと上田健人騎手が入り、大井勢が人馬ともにワンツーフィニッシュを決め、笹川翼騎手が騎乗した浦和のビッグジャイアントが、後方から豪快な脚を繰り出し3着に入りました。
「外へ出した時点で交わせるようには思ったんですが、馬がズルくなっていてガツンというのがないので伸びている感じもしませんでした。それでもだんだん前に近づいてきたので、交わしてくれと。まだ子供で、相手なりに走れるのがいい点でも悪い点でもあり、能力はまだまだ発揮しきれていないと思います」(矢野騎手)。
ラクテに騎乗した上田騎手は厩舎の総大将ソルテの調教パートナーとしても有名です。人馬ともに重賞初制覇の期待がかかっていたところで惜しくも涙を呑む形となりました。「(ラクテと上田騎手には)ごめんなさいなんですが、でも、僕も今すごく必死なんです。だから、今日は勝つことができてむちゃくちゃうれしいです!」(矢野騎手)。
大井のリーディングにも輝いたことのある新進気鋭の藤田調教師にとって、大井競馬場で調教をしている管理馬では、記念すべき南関東重賞初制覇。検量前で、矢野騎手と藤田調教師が抱き合って喜びを分かち合う姿も見られました。
「新馬戦の勝ち方を見て、優駿スプリントを目標にしてきました。逆算していきながら取り組んできたんですが、約1年間この目標に向けて仕上げていく過程が本当に楽しかったです。先頭でゴールをした時はうれしくて涙が出ました」(藤田調教師)。
この路線にニューヒーローが誕生しました。大井競馬場でトレーニングを積み、目標に向けて一貫して短距離戦を歩んできたエイシンヒート。これからどんな競走馬人生を歩んでいくのだろうと楽しみは尽きません。
<他陣営のコメント>
2着 ラクテ 上田健人騎手(1番人気)
「久しぶりの1200m戦だったので馬が戸惑っていたのか、なかなかハミを取っていきませんでした。自分の形にならない中でもこの距離は走ってくれますね。残り50mあたりから苦しそうにしていましたが、それでも頑張ってくれたし勝ちたかったです。悔しいです」
3着 ビッグジャイアント 笹川翼騎手
「砂を被ると下がっていくところがあるので、前の馬たちを見ながら外を走っていこうかなというイメージではあったんですが、前がかなり広がっていたのは予想外で、その分ポジションは後ろでした。それでも最後はいい脚を使ってくれたし、このくらい走れておかしくありません。逆に何でこんなに人気がないのかな?って、一発狙っていたので悔しいです。競馬っぷりからも短い方がよさそうですね」
4着 ノーフォロワー 今野忠成騎手
「今日は思い切って行ってみました。リズムよく走れていたんですが、3コーナーで息を入れようかなと思ったところで、(他馬が)外からきたのでその分かわいそうでしたが頑張ってくれたと思います。最後まで反応してくれていました。一生懸命になりすぎるので、長い距離よりも短い方がいいですね」
5着 ムサシトレジャー 森泰斗騎手
「一発狙って先行したんですが、結果的には速いペースになって巻き込まれた感じでした。まだ体も緩いしこれからの馬なので成長に期待したいです」
6着 キーパンチャー 柏木健宏騎手
「直線で伸びてはいるんですが、久しぶりの1200mは戸惑っていた感じです」
7着 ドンナディヴィーノ 張田昂騎手
「1200m戦をずっと使っていれば別なんですが、現段階では忙しかったですね。終いにかけましたが、もっと長い距離で末脚を生かす感じになっているので……」
8着 クラトイトイトイ 石崎駿騎手
「久しぶりの1200mで戸惑っていた感じですね」
9着 リオヴァンクール 中野省吾騎手
「位置取りを下げていくのは予定通りで、(馬群を)縫っていける手応えとポジションにはいたんですが、砂を嫌がったりしてリズムに乗り切れない感じでした。僕がもっとしっかりエスコートをしてあげたかったです」
10着 ハーモニーブルラン 楢崎功祐騎手
「イメージ通りで、4コーナーでは掲示板はあるかなという手応えだったんですが、最後は伸び切れませんでした。距離の融通は利くと思います」
11着 ジュンサザンクロス 左海誠二騎手
「ムラっけのある馬だけど、今日は頑張った方だと思います。1周回るすんなりした競馬の方がもっと持ち味は生きそうですね」
12着 ヴェルミオン 的場文男騎手
「枠の関係で外を回らされる形になったし、馬場が悪くて集中力が切れてしまいました。今日は負けましたが、乗り味はオープン級だし、重賞を勝てる能力はあると思います。もっと長い距離でも対応はできますね」
13着 クリルカウント 真島大輔騎手
「スタートしてちょっとしてから弾かれたらひるんでしまって進んでいかなくなりました。もっともまれて経験を積んでいければ」
14着 ケイエスソード 和田譲治騎手
「前に行くように指示はあったんですが、周りが速かったです……」
15着 シングンヴィグラス 三坂盛雄調教師
「スタートで腰を落としてダッシュがつかなかったのが全てですね」
16着 オウカランブ 赤岡修次騎手
「(他馬に)被せられた時に嫌気を差してしまったので、もっとすんなりした走りができていれば。速い馬が多くて、1200mは忙しい感じがします」
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回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手 6 平28 エイシンヒート 牡3 矢野 貴之 5 27 ルックスザットキル 牡3 早田 功駿 4 26 アピア 牡3 御神本 訓史 3 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士 2 24 ゴールドキャヴィア 牝3 御神本 訓史 1 23 ミヤサンキューティ 牝3 真島 大輔