TCKコラム

TCK Column vol.01

3連複・3連単攻略法

~4月のTCK結果から~

本年度のトゥインクルレース初日、4月8日より発売が開始された新馬券、3連複・3連単。3連単の発売開始レースで早くも112万馬券が飛び出すなど多くのファンから注目を集め、その楽しみ方も様々なようです。4月の開催(11日間)結果を参考に、3連複・3連単の配当分析と楽しみ方を競馬ライターの須田鷹雄氏に語っていだきました。

3連複・3連単については、事前から予想していたことがいくつかあった。例えば、「極端な高配当が出た後は、触発されて穴サイドに買いが集まり、その分、本命サイドのオッズがおいしくなるのではないか」とか、「メインレースが荒れたか堅かったかによって、最終レースの3連単は売れ方(本命サイドが売れるか、穴サイドが売れるか)が違ってくるのではないか」といった予想である。
前者については、同じ開催日についてはある程度当てはまるが、翌日になるともう関係ないという印象を得ている。御存知のようにTCKの3連単オープニングはいきなり100万円馬券で始まったわけだが、同じ日の最終レースにおける3連単は単勝1-2-5番人気の決着で7,970円もつけた。これは「無茶な馬券」に買いが入っていたためだろう。しかし翌日の8Rは同じ1-2-5番人気の決着で1,640円。状況が全て同じではないから断定はできないが、1日経つとある程度クールダウンされるのかもしれない。
後者については、開催日ごとにニュアンスが違うしメンバー構成しだいでもあるので、「場の空気」を読むようにしていただきたい。最終の一発逆転を狙う空気が強いようなら、むしろ人気サイドの方がおいしいということもありうる。
さて、さらに進んだ3連複と3連単の攻略法だが、両者に共通する基本として「積極的に穴を狙う」という意識を持った方がいい。
3連複や3連単は配当がいい=本命サイドの馬券でも満足できる、というイメージを持っている人もいそうだが、それは間違い。例えば3連複で1番人気馬を軸にすることはあまり意味がないのだ。
その1番人気がかなりの確率で1・2着できるというなら、普通馬複か馬単で勝負すればいい(配当は安くても買い目が絞れる分、回収率的には有利)。その1番人気に3着の危険があるというなら、その馬を外した普通馬複や馬単が有利ということになってしまう。もちろん1番人気馬だから全く無視した買い目を作ることはできないが、積極的に軸にする理由が無いことはお分かりいただけるだろう。
もうひとつ、穴を狙う理由として、「とんでもない人気薄でも、3着ならありうる」ということがある。
基本的に1番人気馬は1着の確率が多く、以下2着、3着、4着……の順に可能性が低くなっていく。反対にいわゆる人気薄の馬は1着の可能性が最も低く2着、3着、4着……の順に確率が上がっていく。しかも、人気薄になればなるほど「1着<2着<3着」という「<」の傾斜はきつくなっていくのだ。
3連複というと普通馬複に比べて「絡むチャンス」は1.5倍(3÷2)だと思われがちだが、人気薄の馬については実質2倍のチャンスが生まれるのである。
4月のメインレースではマイルグランプリのサンデーツヨシ、プラネットカップのカサイグローリアといったところが2ケタ人気で3着したが、まさにこういうタイプこそが3連複での狙い目と言えるだろう。
これを応用すると、3連単では「人気薄の3着付け」が面白いということになる。まだ現時点では9頭立てでしか発売されていないが、将来より多頭数で3連単が売られるようになった時に備えて練習しておこう。
その3連単については攻略法をもうひとつ。3着に食い込んでくる穴馬を見つける自信が無い……という人には、「比較的人気サイドの、順序違い」という馬券をおすすめしよう。例えば「4→3→2番人気」や「4→2→3番人気」といったパターンである。
人気通りではなく、順番が入れ替わっただけで配当がぐんとアップすることは皆さんお気づきだろう。例えば「3→2→1番人気」という決着でもそれなりに妙味はあるのだが、現状では1番人気に強く票が集まっているようなので、「2~5番人気あたりで、順番が逆」というパターンを推奨したい。
4月のTCKでは4月9日の豊島区特別(4→3→2番人気の順に入って33,800円)、25日のおおぐま座特別(5→3→4番人気で108,800円)といった高配当が出ている。「飛ぶときは派手に飛ぶ逃げ馬」などが人気になっている時は強気に狙いたい。
一方、1番人気が絡み、4番人気以内で決着したレースでも、4月11日のうしかい座特別(3→1→4番人気で6,420円)、12日のかんむり座特別(3→1→4番人気で10,860円)、22日の選抜C1(2→1→4番人気で5,790円)、24日の選抜C1(4→1→2番人気で5,530円)などなかなかの配当が出ている。「順番違い」を意識するだけで、回収率は大幅に上がるのではないだろうか。

須田 鷹雄
(有)須田鷹雄商店 取締役社長 平成2年、大学在学中に別冊宝島「競馬ダントツ読本」でデビュー以後、競馬雑誌の急増を受けて競馬ライターとしての活動を始める。 主な著書 「ウマ家でわかる馬ゴコロ」 (ワニブックス・共著)