Café Americano

Café Americano vol.22

第22回 今年は一味違った第1四半期。アメリカ競馬へのいざない&東京シティカップ

 皆様、2017年はいかがお過ごしでしょうか。もう5月中旬。今年の上半期は、TCK調教師の森下淳平師・福田真広師が参加された調教師海外研修、地元カリフォルニアで開催されたバレッツ2歳トレーニングセール、また先月末に行われたフロリダ州・オカラのOBS4月2歳トレーニングセールに参加。その他は馬の輸送があったり、東京シティカップ&ジャパンファミリーデーの準備があったりしましたが、昨年参加したラニの3冠のような長期遠征サポートが今年はなかったので、去年と比べると、個人の仕事は比較にならないくらいのゆったりした流れになっています。

 日本においては、JRAでは桜花賞・皐月賞・天皇賞が終わり、TCKではもう羽田盃・東京プリンセス賞が終わりました。競馬ファン及び関係者はレースによってシーズンを知りますが、未だにアメリカ競馬人たちの考え方になった「ブリーダーズカップで1年が終わる」という感覚には慣れません。やはり日本競馬を知る人間からすれば、年の終わりは有馬記念〜東京大賞典で締めたいところ(余裕があるとシンデレラマイルまで行ってしまう)。ところがサンタアニタはクリスマスの翌日の12月26日がオープニングデーのため、年の暮れとか、お正月とか、そういう感覚がありません。今年はオープニングデーに家族を連れて競馬場に行ったところからスタート。いきなり年明けの重賞で同着のレースがあるなど、「やってくれるな〜!」という競馬で2017年を開幕しました。

米国3冠競走へのいざない

 いざない・・・と書くとなんじゃそりゃですが、漢字で表すと「誘い」。つまり勧誘です。昨年の暮れから計画していたのですが、今年は、昨年ラニが拓いてくれた道に続かせるべく、米国3冠競走へ馬を誘致するために2月に日本に伺いました。フェブラリーステークス当日、東京競馬場で少し営業。ファンの方々からは怒られるかもしれませんが、フェブラリーSよりもケンタッキーダービーのステップレースであるヒヤシンスSが私のメインレースでして、フェブラリーは誰が勝とうとあまり関係がないという・・・(笑)。そのヒヤシンスS。いい競馬でしたね。ユタカさん騎乗のアディラート、クリストフ・ルメール騎乗のエピカリス。最後はグイッとインコースから差してきたエピカリスが圧巻の勝利でした。レース後、検量室でユタカさんと話すと「勝ちたかったね〜」と一言。当日はインコースの砂が深かったそうで、そこを走らせれば普通は脚が止まると思ったのでエピカリスを誘い込んだそうなのですが、あっさりとかわされて3/4馬身差。「あの馬強いわ〜」とため息。残念ながら、エピカリス・アディラート・モンサンレガーメのポイント上位3頭は、全て出走回避となったため、Japan Road to Kentucky Derby 2017からの出走はなりませんでしたが、今後もケンタッキーダービーの勧誘を続けていきたいと思っています。(写真1・2)今回の日本滞在は1週間で、日程で行くと東京競馬場→大井競馬場→栗東トレーニングセンター→美浦トレーニングセンター→帰国という、自分でもどうかしていると思うような強行スケジュールを立ててしまいました。なんとか帰る前日に両親と熱海の温泉に浸かれたのはいい思い出になりましたが、次回以降はもう少し余裕を持って訪問したいと思います。

写真1
写真2

 そして私が力を入れたケンタッキーダービーがどのような結果になったかというと、私がイチオシだったAlways Dreaming(オールウェイズドリーミング)が見事に優勝。(写真3)前走で見せたとんでもない瞬発力を遺憾なく発揮。見事バラのレイを手に入れました。日本ダート馬ナンバーワンのエピカリスをUAEダービーでねじ伏せたあのThunder Snow(サンダースノー)は、なんと発走後、数秒で競走中止。(写真4)外出先からネットで観ていたのですが、私の馬券は即座に散り、「あ!やってしまった(骨折)か!」と、非常に気分が乗らない状態で全てを見届けて帰途につきました。すると、なんということでしょう、サンダースノーは生きているではありませんか!しかも、「なんでこんなことになったのか、非常に不可解」という調教師のコメント込みで。スタートも良くなかったのですが、つまり、いきなり気の悪さを出して競走中止・・・というだけだったのです。

 海外は日本のようにゲート試験はやりません。流石にダービーのときは公式スケジュールの中にゲート「練習」があったはずですが、基本的に出遅れても何しても、ゲート試験を課されることはありません。私が経験したのは、ゲートが開き少し経ってから自分が賭けた馬を探しても見当たらず、「あれ、ずっと観ていてどの馬も中止していないはずなのに、なんでいないんだ?!」という不可解な気持ちのままレースはフィニッシュ。レース後にパトロールVTRを確認。すると、ゲートが開いたらトコトコと歩いて出てきて、そのままゲートの後ろ側に隠れてしまって試合終了(馬群に目が行ってるのだから、わかるわけありません(笑)。私の馬券はもちろんゲートが開いた瞬間に紙くず・・・ということがありました。ゲートの悪さというわけではなく、何が理由かがさっぱりわからないのでしょうが、とりあえず個人的には大損のケンタッキーダービーになりました(泣)

写真3
写真4

東京シティカップ&ジャパンファミリーデー

 毎年のことながら、今年も東京シティカップ・ジャパンファミリーデーを4月2日にサンタアニタ競馬場で行ないました。イベントは大盛況で、通常の日曜日よりも5,000人ほど多くの来場者で賑わいました。例年通り、地元の日系チアリーディングチームの演技、空手や相撲の実演、または三味線の演奏などがステージで、またフード・ドリンクブースも充実。今年はかなり多くのブースが早い時間で売り切れとなり、多くの来場者の方々に舌鼓をうってもらいました。(写真5)東京シティカップは、Gold Cup @Santa Anita 勝ち馬のHard Aces(ハードエーシーズ)が、前年覇者のBig John B(ビッグジョンビー)らをクビ差退けて優勝。(写真6)白熱したレースにファンは大盛り上がり。サンタアニタ競馬場がヒートアップした日曜日になりました。毎年、「東京シティカップに日本からの参戦はないのか?」と、競馬場及び地元の競馬ファンからも聞かれます。ぜひ来年以降は、大井競馬場から参戦する馬を連れていきたいと思います。前年の東京記念優勝馬が遠征しに来るとか・・・いい企画だと思いませんか?

写真5
写真6

筆者:沼本光生
1980年東京生まれ。U.S. Equine, Inc., Sales & Operations Manager
http://www.usequine.com
多忙に多忙を極めた昨年上半期に比べると少し拍子抜けした感がある本年となりました。でも、出張はなくても子供は待ったなし。2歳と少し経った息子は何はなくとも朝6時半頃に目を覚まし、「パパーっ!!」と大声で叫んで私を自分のベッドまで呼ぶのです。声が聞こえた瞬間に「もっと寝たいのに・・・」と思いながら少し幸せな気分で起き上がる、そんな日々を送っております。