第72回 東京ダービー [JpnI]
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レースヒストリー

TOKYO DERBY

 全日本的なダート競走の体系整備により、東京ダービーは第70回(令和6年)からJpnⅠとして施行されるようになった。リニューアル初年度の優勝馬ラムジェットは、同年の東京大賞典や翌年のチャンピオンズCでも3着に健闘している。また、第71回(令和7年)の優勝馬ナチュラルライズは、前走の羽田盃で既にJpnⅠ制覇を果たしていた馬である。世代の頂点を極めた東京ダービー馬は、当然ながら他のビッグレースでも上位に食い込む可能性が高いと見るべきだろう。

 JpnⅠとして施行されるようになる前、南関東地区の世代最強馬決定戦だった時期の東京ダービーも、ダートグレード競走のGⅠ・JpnⅠと密接な繋がりのある名馬への登竜門だった。格付けがSⅠだった直近10シーズン、すなわち第60回(平成26年)から第69回(令和5年)までの東京ダービーを制した10頭のうち、全日本2歳優駿を含むGⅠ・JpnⅠで1着となった経験のある馬は4頭、2着以内となった経験のある馬は5頭、3着以内となった経験のある馬は7頭いる。第63回(平成29年)の優勝馬ヒガシウィルウィンと第69回(令和5年)の優勝馬ミックファイアは同年のジャパンダートダービーで、第60回(平成26年)の優勝馬ハッピースプリントと第67回(令和3年)の優勝馬アランバローズは前年の全日本2歳優駿で、それぞれJRA所属馬を含む全国の強豪を相手に勝利した。このように、南関東地区のチャンピオンと国内ダート路線の王者がイコールだった年も少なくない。

 ダートグレード競走が行われるようになった第43回(平成9年)から第69回(令和5年)までの東京ダービー馬27頭を集計対象とすると、全日本2歳優駿を含むGⅠ・JpnⅠで1着となった経験のある馬は7頭、2着以内となった経験のある馬は12頭、3着以内となった経験のある馬は14頭だ。該当馬の多くは全日本2歳優駿やジャパンダートダービーといった世代限定戦で好走を果たした馬だが、古馬の出走するGⅠ・JpnⅠで3着以内となった経験がある馬も6頭いる。代表格はやはり第50回(平成16年)の優勝馬アジュディミツオー。同年末の東京大賞典を皮切りに、4歳時の東京大賞典、5歳時の川崎記念、かしわ記念、帝王賞を制した。令和に入ってからも第65回(令和元年)の優勝馬ヒカリオーソが翌年の川崎記念で2着に健闘しており、東京ダービー自体がJpnⅠタイトルとなった今後は、同様の好走例がさらに増えてくるだろう。

 ちなみに、第43回(平成9年)以降を対象とした東京ダービー馬の勝ち時計ランキングを見ると、1位は昨年レースレコードを更新したナチュラルライズ(2分3秒8)で、ミックファイア(2分4秒8)が2位に、アジュディミツオー(2分5秒2)が4位に、ハッピースプリント(2分5秒9)が6位にランクインしている。前述の通り、この4頭はいずれも東京ダービー制覇の前か後にダートグレード競走のGⅠ・JpnⅠを勝った馬である。なお、3位は第53回(平成19年)の優勝馬アンパサンド(2分5秒0)、5位は第51回(平成17年)の優勝馬シーチャリオット(2分5秒3)だが、アンパサンドは同年のジャパンダートダービーで、シーチャリオットは前年の全日本2歳優駿で2着となった実績のある馬だ。東京ダービーでマークした走破タイムは、他の大舞台における活躍度を推測することが可能な重要な指標と言えそう。今年の勝ち時計にもしっかり注目しておきたい。


伊吹 雅也