重賞レース

第8回 フジノウェーブ記念(SIII)

  • 2017年3月8日(水)
  • 16:15発走
第8回優勝馬:ケイアイレオーネ号

TCK唯一の1,400m重賞です。2013年までは東京スプリング盃の名称で実施されましたが、2014年からは同レースを4連覇したフジノウェーブの功績をたたえ、フジノウェーブ記念にレース名を改称しました。翌月の交流競走・東京スプリントに向け、短距離路線を歩む有力馬たちが数多く出走します。<優勝馬に東京スプリントの優先出走権を付与>

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    <第8回 フジノウェーブ記念(SIII)>

    ソルテ
    昨年はさきたま杯やフジノウェーブ記念を優勝し、JBCスプリントも大いに盛り上げ、NARグランプリ2016年度代表馬など3部門を受賞しました。大井生え抜きから誕生した王者がついに始動。4か月ぶりの実戦や斤量59キロなどのハンデを乗り越えて、ソルテらしい強さを期待します。

    モダンウーマン
    2歳、3歳とその世代の牝馬のトップに君臨してきた馬で、素質の高さで幅広い距離を走ってきました。前走の準重賞ウインタースプリントは牡馬に混ざって57キロを背負いながらも圧勝した姿は、短距離適性の高さを改めて証明した形と言えるでしょう。楽しみな挑戦。

    ケイアイレオーネ
    南関東に移籍後は大井の帝王・的場文男騎手にエスコートをされ、大井記念と報知オールスターカップで重賞2勝を挙げ、実力は示してきました。最近はゆったりした距離を走ってきましたが、2歳時に兵庫ジュニアグランプリを圧勝して以来の1400m戦。興味深い出走です。

    トキノエクセレント
    蹄骨の骨折を乗り越えて、昨年末のゴールドカップは見澤譲治騎手とのコンビで8歳にして念願の重賞初制覇を成し遂げました。さきたま杯は僅差の2着になるなど実力は折り紙付き。中央時代は右回りコースの実績はありますが、大井競馬場には意外にも初登場です。

    タイムズアロー & モンサンカノープス
    船橋の川島正一厩舎は強力な2頭出し予定。報知グランプリカップ&埼玉新聞栄冠賞の勝ち馬タイムズアローと川崎マイラーズの覇者モンサンカノープス。タイムズは前走大敗をしましたが、脚をぶつけたことで歩様が乱れたそうですが、その後は正常に戻ったそうで何よりでした。

    フラットライナーズ
    ソルテと並んで南関東生え抜きの星です。習志野きらっとスプリントと船橋記念を優勝し、船橋競馬場1000m戦で快速ぶりを披露してきました。素質の高さで1700m戦の京浜盃を2着に入ったことはありますが、最近は1000m戦で成績を挙げているだけに、距離は鍵。

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    <第8回 フジノウェーブ記念(SIII)>
    (3月6日現在)

    ■調教インタビュー動画はこちら[ → ]

    ■調教追い切り動画はこちら[ → ]

    ■ソルテ
    *大井 寺田新太郎 厩舎 牡7歳
    *成績 34戦14勝2着8回
    *主な重賞タイトル
     さきたま杯(JpnII)(2016年)
     フジノウェーブ記念(SIII)(2016年)
     ゴールドカップ(SⅢ)(2015年)
     マイルグランプリ(SⅡ)(2015年)
     サンタアニタトロフィー(SⅢ)(2015年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年のNARグランプリ年度代表馬など3部門を受賞したソルテ。さきたま杯優勝やかしわ記念2着など、地方競馬の総大将として立派に戦い抜きました。大井競馬場からデビューした生え抜き馬、南関競馬の宝馬です。

     JBCクラシック(6着)後は厩舎でゆっくり過ごし、春の目標をフジノウェーブ記念からかしわ記念と掲げて仕上げられてきました。

     今回は約4か月の厩舎での休み明けで、斤量はケイアイレオーネと並んで59キロ。スタートダッシュを決めて好ポジションを取れるスピードが武器の一つですが、この初めての斤量を背負い、持ち味がいつも通りに発揮されるのかも興味深いところ。

     昨年はダートグレードレースを中心に中央馬と戦い続けた1年だったので、南関同士は昨年のフジノウェーブ記念(優勝)以来1年振りです。

     「間隔は空きましたが追い切りの本数はいっているのでそこまで心配はしていませんし、南関同士なら59キロも気にしないと思っています。最終追い切りも時計の出る馬場とは言え、いい動きでしたね。みんなが負かしにくるでしょうが、あとはソルテと吉原君に任せます。南関同士のここは負けられないレースだと思っています」(寺田新太郎調教師)。

     7歳になったソルテが初登場。大目標のかしわ記念に向けて、ソルテらしい走りでいいスタートを切って欲しいです。

    ■ケイアイレオーネ
    *大井 佐宗応和 厩舎(小林) 牡7歳
    *成績 31戦7勝2着3回
    *重賞タイトル
     報知オールスターカップ(SIII)(2017年)
     大井記念(SII)(2016年)
     シリウスS(GIII)(2013年)
     兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)(2012年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     打倒ソルテの1番手はもちろんケイアイレオーネになるでしょう。絶対能力値は負けてはいません。

     2歳時には1400m戦を3連勝し、兵庫ジュニアグランプリで圧勝した実績があります。フジノウェーブ記念への出走は、コンビを組む的場文男騎手から「1400m戦を走らせてみたい」という希望があってのものだそう。折り合いが鍵になる馬なので、距離短縮はこの馬のペースに合うのではと見られています。

     今回はソルテと同じ斤量59キロ。8枠15番に入り、1400m戦では完全に不利な枠。しかし、内に包まれないでごちゃつかずに走れるということも陣営は言っていました。

     「スタートを決めてスムーズに走ってくれれば持ち味は発揮できると思っています。ソルテとは久しぶりの対戦ですが、向こうは休み明けですし、入り込む余地はあると思って頑張りたいですね」(佐宗応和調教師)。

    ■モンサンカノープス
    *船橋 川島正一 厩舎 牡6歳
    *成績 30戦10勝2着3回
    *重賞タイトル
     川崎マイラーズ(SIII)(2016年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]
    ■タイムズアロー
    *船橋 川島正一 厩舎 牡9歳
    *成績 41戦8勝2着6回
    *重賞タイトル
     埼玉新聞栄冠賞(SIII)(2016年)
     報知グランプリカップ(SIII)(2016年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     船橋の川島正一厩舎からは強力な重賞ウィナーたちが登場してきます。

     昨年の川崎マイラーズの覇者モンサンカノープスは放牧休養後4戦を消化していますが、この馬には距離が長かった勝島王冠(7着)以外は3戦とも安定してしっかり走り切っています。今回は初距離。

     タイムズアローは重賞2勝馬。前走の報知グランプリカップはまさかの11着に敗れてしまいました。スタート直後に脚をぶつけたことが影響したようで、引き返してきた時には歩様も乱れていたそうですがすぐに正常に戻ったそうで不幸中の幸いでした。中央時に1400m戦で優勝しています。

     「モンサンもこのくらいの距離はいいと思うし、タイムズはメンタルが気になる馬だから、集中して走り切れるような短い距離はいいかもしれない。2頭ともいい仕上がりで力は出せる状態だから楽しみ」(川島正一調教師)。

    ■コンドルダンス
    *船橋 齊藤敏 厩舎 牡5歳
    *成績 33戦7勝2着7回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道からデビューし、2歳秋には南関東入りをして、コツコツと走り続けてきたコンドルダンス。非常にタフな馬でコンスタントに使われながら、A1クラスに上り詰めたのはとても立派な勲章です。ここまでマイルグランプリと平和賞で2着になるなど、重賞タイトルまでもう一歩、是が非でも肩掛けを取らせたいと陣営も取り組んでいます。

     末脚身上の個性派で、当初からこのフジノウェーブ記念の1400m戦はドンピシャの条件と言われてきただけに、ここはどうしても使いたいレースでした。頭数が多かったために抽選対象馬だったのですが、見事出走にこぎつけた運も勝負事では大切なことです。

     「ピーク時に比べると一歩手前の感じではあるけれど、力は出せる状態にはきている。ペースは速くなってくれた方がいいけれど、このクラスになると前も止まらないだろうから、どのくらいつめられるかだね」(齊藤敏調教師)。

    ■サクラレグナム
    *大井 福永敏 厩舎 牡8歳
    *成績 31戦7勝2着3回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央と北海道で通算6勝を挙げ、中央ではプロキオンSでベストウォーリアから0.3秒差の5着だったこともありました。南関東移籍後は準重賞ロイヤルカップを完勝し、前走の準重賞ウインタースプリントはモダンウーマンの0.4秒差の2着になるなど高いレベルで戦っています。南関重賞初挑戦!

     「初戦はA2の条件で有利だなとは思っていましたが、考えていた以上に強い競馬をしてくれました。前走は時期的に絞り切れない部分もあって、重めで余裕があったと思います。今回は一週前追い切りに川崎から山崎誠士騎手に来てもらって、長めからしっかり追って負荷をかけるなどしてきて、無理に絞ろうとはしていませんが重め感は解消されてきたと思います」(福永敏調教師)。

     中央の実績からもここはもちろん楽しみな参戦です。目標にしてきたレースにプラン通り仕上げてきたそうで、どんなパフォーマンスをするのでしょうか。

    *フジノウェーブ記念の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第8回 フジノウェーブ記念(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ソルテ
    大井3/4重 1000m-63.9秒 800m-49.6秒 600m-36.5秒 一杯追
    ■ケイアイレオーネ
    小林03/3不 1000m-63.1秒 800m-48.7秒 600m-36.5秒 強めに
    ■モンサンカノープス
    船橋3/4右稍 1000m-63.8秒 800m-49.0秒 600m-36.8秒 強めに
    ■タイムズアロー
    船橋3/4右稍 1000m-63.9秒 800m-49.2秒 600m-37.5秒 G前強
    ■コンドルダンス
    船橋3/4右稍 1000m-64.5秒 800m-50.0秒 600m-36.8秒 馬なり
    ■サクラレグナム
    小林3/4重 800m-53.4秒 600m-38.6秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第8回 フジノウェーブ記念(SIII)>

    ■優勝インタビュー動画はこちら[→]

     記録にも記憶にも残った偉大なる名馬フジノウェーブを称えたレース、フジノウェーブ記念。かつては東京スプリング盃というレース名で、フジノウェーブが4連覇を飾った思い出の舞台です。フジノウェーブは、いつまでも、みんなの心に……。

     フジノウェーブ記念というレース名になってから今年で4回目。フジノウェーブと同じ芦毛のケイアイレオーネ(大井・佐宗応和厩舎<小林>)が、的場文男騎手を背に優勝しました。久しぶりの1400m戦。大井のこの距離は完全に外枠が不利と言われる中で、8枠15番からのスタート。さらには59キロという過酷な斤量を背負っての戦いでした。

     そんなさまざまなハンデを乗り越えて完勝したシーンは、改めてこの馬の地力の高さを目の当たりにさせられました。2歳時には兵庫ジュニアグランプリを優勝。3歳になると、UAEダービーに挑戦し、シリウスSは古馬たちを一蹴。南関東に仲間入りをして7歳になった今も一線級で走り続け、これが南関東では3つ目のタイトルです(通算5つ目)。

     レースはゴーディーやソルテが先行していく中、ケイアイレオーネは2頭を前に見る形で外目を追走していきました。「スタートも決まったので、ソルテマークで後ろについていきました。レースもうまく運べたと思います」と的場騎手。

     1400m戦はかつて中央時代に3連勝を飾った距離。今回は久しぶりの速い流れとは言え、長距離戦になると行きたがるところのある馬なのでこの距離は向くだろうと、的場騎手から使ってみたいという意向を陣営に伝えての出走でした。

     ケイアイレオーネは勝負所で先頭に並びかけると、最後の直線では抜け出して、そのまま後続の追撃を振り切りました。勝ちタイムは1400m1分26秒5(やや重)。2着のタイムズアローに4分の3馬身差、3着にはサクラレグナムが入りました。

     「気がかりだったのは斤量でしたが何も関係なかったですね。本当にえらい馬ですよ」(的場騎手)。この後はかしわ記念と大井記念を両にらみで考えていくそうです。

     この勝利により、的場騎手は自身が持つ地方競馬最高齢重賞勝利記録を更新しました(60歳6か月1日)。地方競馬通算7000勝達成も、もう少し……。「応援してくださっている馬主さんやファンのお蔭ですね。今は目的があるから頑張れます。早く達成したいです」(的場騎手)。


     一方、昨年のNARグランプリ年度代表馬ソルテはJBCスプリント(6着)以来のレースとなり、ここは連覇をかけて断然の1番人気に推されていました。しかし、道中は先行していくも手応えがなくなり10着に沈んだ姿は、目を覆いたくなるようなショッキングな光景でした。

     ソルテはどんな時でも真面目に力以上に走り切ろうとしてきた頑張り屋さん。だからこそ、これまでも大崩れをする姿はとても少なかったです。間隔が空いたとは言え、こういうシーンは関係者もショックでしかなかったと思います。もちろんファンも……。

     「展開で苦しいところはなかったです。スタートから踏ん張りきれなくて、ソルテのよさが全く出ませんでした。JBCのダメージが思っていた以上に大きかったのかもしれません」とコンビを組んだ吉原寛人騎手も肩を落としました。

     この後は立て直しを図り、かしわ記念に向かう予定です。約1か月半しかありませんが、次はソルテらしい走りが見られることを今は祈るばかりです。


     『ソルテ、がんばって!』


    <他陣営のコメント>

    2着 タイムズアロー 笹川翼騎手
    「返し馬では気の難しさを出していましたが、レースではハミが抜けないように注意をしながらですが乗りやすかったです。久しぶりの1400mというのもあってか、3〜4コーナーでついていけなくなってステッキを入れたので、そこですんなりいけていればまた違ったと思います。距離も問題ありません。9歳でも年齢を感じさせないし力のある馬ですね」

    3着 サクラレグナム 山崎誠士騎手
    「動きもレース内容もよかったと思います。勝った馬は強かったですね。重賞でやれることもわかったし力はある馬なのでこれから楽しみです」

    4着 コンドルダンス 柏木健宏騎手
    「直線では伸びていたのでいいなと思ったのですが、最後は脚色が一緒になってしまいました。追走で脚を使ってしまったので、この馬にはもっとスローの方が道中脚をためられるのでいいかもしれません」

    5着 カリスマサンスカイ 澤佳宏調教師
    「この中間は坂路で乗り込んできてしっかりやってきたことがよかったと思います。元々の力はある馬だし、まだ状態はアップしていきそうです」 *9歳A1馬の掲示板入りなので、来年も南関東の一員として走れる権利を得ました。

    6着 ミヤジマッキー 瀧川寿希也騎手
    「バテない馬なのでもう少し前で競馬をしたかったんですが……」

    7着 リアライズリンクス 本橋孝太騎手
    「もっと前の方につけたかったのですが、道中の反応がもう少しでした。もっとすんなりした競馬の方がよさそうですね」

    8着 ブラックレッグ 森泰斗騎手
    「位置取りは狙い通りだったんですが、予想以上に砂をかぶってひるんでしまい、ポジションも下がっていきました。力はある馬なので不完全燃焼ですね」

    9着 サトノタイガー 張田昂騎手
    「休み明けだったので、これで変わってくると思いますよ。もっと走れる馬なので」

    10着 ソルテ 上記参照

    11着 シンキングマシーン 川島正太郎騎手
    「道中の進みがもう少しでしたね。左回りの方がもっと持ち味は生かせそうです」

    12着 オウマタイム 林正人調教師
    「休み明けだったし、きつい流れになりました」

    13着 ドレッドノート 石崎駿騎手
    「3コーナーでおっ!と思う手応えだったのですが、最後は休み明けという感じで伸びなかったですね」

    14着 ゴーディー 坂井英光騎手
    「展開が厳しくなりました」

    15着 デュアルスウォード 小林拓未騎手
    「頑張って走ってくれていると思います」

    出走取消 モンサンカノープス 疾病(右後挫跖)
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    8 平29 ケイアイレオーネ 牡7 的場 文男
    7 28 ソルテ 牡6 吉原 寛人
    6 27 セイントメモリー 牡8 本橋 孝太
    5 26 ジェネラルグラント 牡4 石崎 駿
    4 25 フジノウェーブ 牡11 御神本 訓史
    3 24 フジノウェーブ 牡10 坂井 英光
    2 23 フジノウェーブ 牡9 御神本 訓史
    1 22 フジノウェーブ 牡8 戸崎 圭太