重賞レース

第23回 アフタ-5スター賞(SIII)

  • 2016年8月31日(水)
  • 20:15発走
第23回優勝馬:ルックスザットキル号

短距離戦で持ち味を発揮する快速馬たちが、自慢のスピードで残暑を吹き飛ばす1,200mのスプリント戦。東京盃からJBCスプリントへ続く秋の短距離交流重賞に向け、南関東所属の有力馬が始動する注目のレースです。<優勝馬にテレ玉杯オーバルスプリントおよび東京盃の優先出走権を付与>

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    <第23回 アフタ-5スター賞(SIII)>

    アドマイヤサガス
    中央時代は7勝を挙げ、2014年の北海道スプリントカップを優勝して重賞ウイナーの仲間入りを果たしました。南関東移籍初戦となった前走の習志野きらっとスプリントは、自身にとっては忙しいと思われていた1000m戦でも2着に入り、今後が非常に楽しみです。

    サトノタイガー
    中央5勝の実績で南関東入り。その後の活躍は皆さんもご存知のことで、2014年のJBCスプリントとカペラSをともに2着に入り、NARグランプリ最優秀短距離馬を受賞。2年前のこのレースの覇者ですが、復調してきた今、地力の高さでどんな強さを見せるでしょうか。

    ルックスザットキル
    大井生え抜き馬。昨年は優駿スプリントと習志野きらっとスプリントを優勝して重賞2連勝を飾りました。東京スプリントは中央馬も入った中で勝ち馬から1秒1差の5着になるなど力を示しています。前走はスムーズさに欠く内容で巻き返しを図りたいところ。

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    <第23回 アフタ-5スター賞(SIII)>
    (8月29日現在)

    ■調教インタビュー動画はこちら[ → ]

    ■調教追い切り動画はこちら[ → ]

    ■ルックスザットキル
    *大井 米田英世 厩舎 牡4歳
    *成績 18戦8勝2着0回
    *重賞タイトル
     習志野きらっとスプリント(SIII)(2015年)
     優駿スプリント(SII)(2015年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     大井の貴公子として、昨年は優駿スプリントと習志野きらっとスプリントを連勝。今年の東京スプリントでは中央勢を相手に1秒1差の5着に入り、スプリント能力の高さを改めて示しました。大井期待の生え抜き馬、これからこの路線の中心的存在になって欲しい1頭です。

     連覇をかけて挑んだ前走の習志野きらっとスプリントは、状態もよく満を持して挑んだそうですが、ポジション取りで2度も前が壁になって控える不利があり、10着に敗れました。レース後のダメージは気になるところでしたが、担当の佐々木学厩務員のお話しでは、見た目には変化がなくいつもと変わらずにトレーニングを積んできたそうです。(余談になりますが、佐々木厩務員はあの佐々木竹見さんの甥っ子さん)

     今回も何よりポジション取りは鍵になるでしょう。スタートして徐々にスピードにのっていくタイプだけに、不利なくいいポジションにつけられるかどうか。「いい枠には入ったと思うので、気分よくいければ。いつも調教に乗る早田功駿騎手に聞いても『馬はよくなっている』と言っていて、体のハリや動きは良化しているように思います」(米田英世調教師)。

     気分よくいけたときといけないときの差が激しい馬ですが、気分よく走れたときは力強い走りを披露。自分の走りで、去年と前走のリベンジを果たして欲しいと思います。

    ■サトノタイガー
    *浦和 小久保智 厩舎 牡8歳
    *成績 51戦8勝2着7回
    *重賞タイトル
     アフター5スター賞(SIII)(2014年)
     川崎マイラーズ(SIII)(2014年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央5勝の実績で南関東に移籍すると、2014年JBCスプリントとカペラSで2着に入るなど、古巣中央馬を相手に互角な戦いを見せてきました。その年のNARグランプリ最優秀短距離馬を受賞。最近は勝ち星から遠ざかっているものの、走りの内容自体は決して悪くなく、今回の大井1200mという条件から言っても力の入るところ。

     今年8歳になりましたが最近の様子を関わる人たちに聞いてみると、「こんなに長い間コンスタントに走ってくれて、いつも一生懸命に頑張っている。暑さはあまり得意ではない馬だけど、今年は去年よりいい感じかな」と池田道男厩務員。調教をつける元騎手の橋尚也厩務員は「腰の苦しい部分が解消されてきたことが最近の成績にもつながっているように思います。乗っていると年齢的な面は感じさせないですね」とのこと。

     最近は差しの印象が強い馬ですが、前走のサンタアニタトロフィーは久しぶりにハナを切る競馬になりました(4着)。その分、この中間の調教ではいい意味で気持ちを高めているところがあるそうですが、だからと言って、馬房ではピクリともせずに無駄な動きをしないで、メリハリがつけられているのは好印象。

     「2年前に勝ったときと同じローテーションを組んでここを目標に調整をしてきた。現状では1200mがベストなのかなとも思う。チャンスは十分にあるよ」(小久保智調教師)。

    ■アドマイヤサガス
    *船橋 川島正一 厩舎 牡8歳
    *成績 45戦7勝2着3回
    *重賞タイトル
     北海道スプリントカップ(Jpn3)(2014年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央7勝の実績で、2014年には北海道スプリントカップを勝ったダートグレードレースウイナー。南関東に移籍後2戦目を迎えます。

     初戦だった前走の習志野きらっとスプリントは、自身にとっては忙しいと見られていた1000m戦において、テンに押していって好位外目を追走していき、最後の直線に入るところでは抜群の手応えだったものの、優勝したフラットライナーズの粘りに屈しての2着。惜しくも敗れてしまいましたが、この馬の実力をまざまざと見せつける一戦になりました。

     当初からこのアフター5スター賞の方が条件は向くと言われていたので、ここは非常に楽しみでしょう。重戦車のような迫力満点の体で馬場を駆ける姿は圧巻。一度使ったことで変わり身もあるそうで、担当の北野央樹厩務員も調教パートナーの小杉亮騎手も、いい意味で気合いが入ってきたとのこと。

     実力に関しては折り紙付きも、今回は自身にとって初めてとなる59キロがポイントで、メンバー中一番重い斤量になります。「そこは気になるところだけど、これからJBCスプリントにも挑戦させたいと思っている馬だし、このハンデを悲観はしていないよ。前走も力のあるところは見せてくれたし、今回は得意距離だからね。何よりこの8歳という年齢になっても変わる余地があるのはすごいなと思う。チャンスのある一戦だし頑張りたい」(川島正一調教師)。

     鞍上の森泰斗騎手は3週連続の重賞勝ちとなりますか?!

    ■アメージングタクト
    *大井 藤田輝信 厩舎 牡6歳
    *成績 40戦5勝2着11回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央ではダート1200m戦を中心に5勝を挙げ、南関東の一員になりました。移籍後はマイル戦を使っていて、前走のサンタアニタトロフィーは後方追走から向正面で進出していき3着。重賞戦線でも頼もしい存在であることを証明しました。

     その後も順調に進めてきたそうで、「ギアの入りはゆっくりですが、スイッチが入ったときのハミ受けの力強さはすごいものがあるなと思います。いい意味で維持できていますね」といつも調教をつけてお世話もする石川和男厩務員。

     アメージングタクトは小倉3歳Sを優勝したアルーリングアクトの愛息。南関東に移籍してからはこれが3戦目となりますが、2戦ともに高いレベルで安定して走れているのも魅力的です。

     「前走から大井の馬場にも慣れて走りのフォームもしっかりしてきたと思います。普段の佇まいからも大物感はありますし、重賞は意識したい馬ですね。こちらではゲートも改善できているし、末脚一辺倒という形にはこだわっていません。ここでは初めての1200m戦でどんな走りをしてくれるんだろうと楽しみにしています」(藤田調教師)。

     管理する藤田輝信調教師は大井競馬場のリーディングを突き進み、優駿スプリントでは生え抜きのエイシンヒートで重賞勝ちを収めて勢いにのります。

    *アフタ-5スター賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第23回 アフタ-5スター賞(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■ルックスザットキル
    大井8/13良 1000m-64.8秒 800m-50.4秒 600m-36.6秒 馬なり
    大井8/27稍 1000m-64.3秒 800m-49.2秒 600m-35.8秒 強めに
    ■サトノタイガー
    浦和8/27稍 800m-54.9秒 600m-39.4秒 馬なり
    ■アドマイヤサガス
    船橋8/19不 1000m-65.3秒 800m-49.3秒 600m-36.2秒 馬なり
    船橋8/27良 1000m-63.7秒 800m-48.3秒 600m-35.9秒 一杯に
    ■アメージングタクト
    大井8/13良 600m-41.8秒 馬なり
    大井8/19不 1000m-66.5秒 800m-52.9秒 600m-38.7秒 馬なり

    (B3ビバリーバローズ馬なりの内併入)

    大井8/27稍 1000m-67.1秒 800m-52.2秒 600m-37.8秒 馬なり

    (B3ビバリーバローズ馬なりの内併入)

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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第23回 アフタ-5スター賞(SIII)レースレポート>

    ■優勝インタビュー動画はこちら[→]

     スピード自慢たちが集結したアフター5スター賞。このレースは過去に夏場の中距離戦(1800m戦)として、南関東を代表するような活躍馬たちがゴール板を先頭で駆け抜けてきました。1200m戦に変更されてからは早いもので13回目となり、電撃の6ハロン戦でさまざまなドラマが誕生。

     今年は早田功駿騎手が手綱を取った大井の貴公子ルックスザットキル(2番人気、大井・米田英世厩舎)が完勝しました。

     大井生え抜き馬として2014年9月にデビューしたルックスザットキルは、マイル戦のハイセイコー記念(14着)に挑戦したこともありましたが、その後は一貫して短距離路線へ。優駿スプリントと習志野きらっとスプリントで重賞を連勝し、東京スプリントは中央馬を相手に勝ち馬から1秒1差の5着に入るなど、この路線の主役として歩んできました。

     連覇をかけて挑んだ今年の習志野きらっとスプリントは、大きなチャンスがあると思われていましたが、ポジション取りのところで2度も不利があり、自分のレースにはならずに10着と大敗。

     このアフター5スター賞は巻き返しをかけての一戦になりました。

    「前走後の調教に乗った最初の日は馬もイライラしていましたが、毎日乗っていくうちに解消されてきて(精神的な)ダメージもなさそうでした。何が何でもと逃げるつもりはなかったんですが、あの態勢になったらいきますよね。速いラップも刻んでいたつもりなので、他の馬がきたところでその馬も潰れてしまうでしょうし」(早田騎手)。

     ルックスザットキルはゲートから出てスピードにのってからが速い馬なので、そのまま力強く先手を取り、2番手にはマリカ、3番手にプラチナグロースがつけ、大外枠2頭が続いていきました。結果的には前にいったこの3頭が上位を独占。

     「気持ちよさそうに走ってくれました。ただ、最後にいつでもやめてしまいそうな癖がある馬で、いざやめてしまうと、ハミが抜けてしまってハンドルを持っていないような感覚になるんです。気合いはつけていって、真剣に追ったのは最後のひとハロンくらいですね」(早田騎手)。

     ルックスザットキルは最後まで余裕のある走りで、2着のプラチナグロースに1馬身4分の1差をつけての優勝。勝ちタイムは1200m1分12秒2(重)。3着に入ったのはマリカでした。

     管理する米田調教師は重賞初制覇(ルックスが春からの移籍のため)。担当の佐々木学厩務員は元騎手で佐々木竹見さんの甥っ子としても知られていますが、以前担当していた安藤守厩務員がご勇退されてから受け継いだ馬なので、こちらも初めての重賞勝ちとなりました。

     ルックスザットキルは4歳秋を迎えるにあたり自身の成長もあるそうで、「最後にやめちゃう感じは一時期よりよくなっていて、気持ちは前向きになっていると思います。11秒台の時計を出すときはもう少し終いが楽なので、僕のペース配分も今後は課題ですね。人馬ともにもっと成長していって、交流レースを勝ちたいです。そこはファンの皆さんも期待したいところでしょうし、目標にしていきたいです」(早田騎手)。

     今後は9月22日の東京盃(大井・1200m)を予定していて、JBCスプリント(川崎・1400m)に関しては未定です。大井の貴公子ルックスザットキル、気品のあるいでたちと持ち前のスピードで、これからさらにどんな強さを見せてくれるのだろうと楽しみは尽きません。



    <他陣営のコメント>

    2着 プラチナグロース 真島大輔騎手
    「大外枠は関係ありません。道中はリズムよく走れたと思うし、最後も脚を使えています」

    3着 マリカ 坂井英光騎手
    「スタートしてからの二の脚がすごく速くて、最後は前も止まっていたので勝てるんじゃないかなっていう手応えはありましたね。53キロの斤量もよかったですし、いい走りは見せてくれたと思います」

    4着 アメージングタクト 中野省吾騎手
    「ゲートは出てくれたんですが、ペースが遅すぎて展開は向きませんでした。それでもいい脚で差してきてくれました。1200m、1400mは合いますね」

    5着 イセノラヴィソン 本田正重騎手
    「もっとスムーズな競馬だったら3着はあったなって思うくらいにいい脚を使ってくれました。前はもまれるとモロかったのですが、今は大丈夫で大人になりましたね」

    6着 ゴーディー 赤嶺亮騎手
    「2、3番手には行きたかったんですが……。自分の競馬にならなかった中でも頑張ってくれたと思います」

    7着 サトノタイガー 吉原寛人騎手
    「最内枠がアダになってしまい、もっと前につけたかったです。先行差しの競馬になってしまいましたが、それでも最後は外から脚は使ってくれたんですが」

    8着インサイドザパーク 林正人調教師
    「思っていたよりも1200m戦の走りはよかったですね。もっとペースが流れてくれればまた違ったでしょうが、それでも最後は脚を使ってくれました」

    9着 スマイルピース 佐野謙二調教師
    「ゲートは良化してきましたが、まだ(馬自身が)途上なだけに自分の走りはできていません」

    10着 アルゴリズム 堀千亜樹調教師
    「最後の直線でフワーッとしてしまい集中していませんね」

    11着 ラクテ 上田健人騎手
    「前はゲートから出て気分よくいけていたのですが、今はステッキを入れてもあれ以上は進んでいかなくて、ぎっしり包まれる状態は初めてだったので、馬も上を向いて嫌々走っていました。いい経験にはなったと思いますが、対策を練って巻き返したいです」

    12着 コウギョウダグラス 柏木健宏騎手
    「追走一杯になってしまいました」

    13着 ミヤジエルビス 赤岡修次騎手
    「スタートから追いっぱなしで、自分から進んでいく気持ちがまだ少ないですね。自分からグッと行く気になってくれないと」

    14着 クレバーサンデー 小林拓末騎手
    「一生懸命走ってはいるんですが……。高齢馬ですし無事に走ってくれてよかったです」

    15着 エアラフォン 山崎良騎手
    「この馬としては頑張って走っているんですが」

    16着アドマイヤサガス(1番人気)  好位から追走も失速して大差のしんがり負けで、レース中の怪我により現役を引退。東関東馬事学院で第2の馬生を歩むことになりました。

  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    23 平28 ルックスザットキル 牡4 早田 功駿
    22 27 ジョーメテオ 牡9 坂井 英光
    21 26 サトノタイガー 牡6 吉原 寛人
    20 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士
    19 24 ジーエスライカー 牡5 坂井 英光
    18 23 タカオセンチュリー 牡8 柏木 健宏
    17 22 ヤサカファイン 牡4 石崎 駿
    16 21 ケイアイジンジン 牡3 的場 文男
    15 20 ディープサマー 牡6 川島 正太郎
    14 19 ベルモントサンダー 牡6 石崎  駿
    13 18 コアレスタイム 牡8 内田 博幸
    12 17 ロッキーアピール 牡7 今野 忠成
    11 16 ハタノアドニス 牡8 早田 秀治
    10 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    9 14 キングリファール 牡5 佐藤  隆
    8 13 スピーディドゥ 牡5 内田 博幸
    7 12 ゴールドヘッド 牡5 的場 文男
    6 11 イナリコンコルド 牡4 内田 博幸
    5 10 サントス 牡5 鈴木 啓之
    4 9 サプライズパワー 牡3 石崎 隆之
    3 8 スペクタクル 牡5 内田 博幸
    2 7 ツキフクオー 牡3 森下  博
    1 6 ツキノイチバン 牡5 佐々木竹見