重賞レース

第28回 マイルグランプリ(SII)

  • 2021年8月5日(木)
  • 20:10発走
第28回優勝馬:ティーズダンク号

スピードと持久力のバランスが試される1マイル(1,600m)戦で、過去の優勝馬には南関東を代表する数多くの実力馬が名を連ねています。
<上位2頭に日本テレビ盃の優先出走権を付与>

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    <第28回 マイルグランプリ(SII)>
    (7月28日現在)

    モジアナフレイバー
    人気実力実績いずれも図抜けた存在。前走の川崎マイラーズは、大きく躓き最後方から進めるも徐々に進出し、最後は力でねじ伏せるかのように差し切って圧倒したばかり。

    グレンツェント
    中央時代は東海Sを制覇。南関東へ移籍後も、昨年は川崎マイラーズとスパーキングサマーカップの2つの川崎マイル重賞を優勝しました。抜群の安定感が光ります。

    ワークアンドラブ
    大井マイル重賞2勝で、2年前のマイルグランプリと昨年のサンタアニタトロフィー制覇。気分屋ですが能力は一級品。この馬のリズムで走れるかどうかが鍵を握ります。

    サンロアノーク
    中央未勝利から南関東へ移籍し5連勝を挙げ、その後もコツコツと走り続けています。前走のマイルグランプリトライアルは逃げ粘って2着になり、優先出走権を獲得。

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    <第28回 マイルグランプリ(SII)>

    (8月3日現在)

    調教追い切り動画はこちら

    ■モジアナフレイバー
    *大井 福永敏 厩舎(小林) 牡6歳
    *成績 22戦10勝2着0回
    *重賞タイトル
     川崎マイラーズ(SIII)(2021)
     勝島王冠(SII)(2018・2019)
     大井記念(SI)(2019)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     人気・実力・実績ピカイチのモジアナフレイバーが満を持して参戦してきます。ここまでの重賞レースは4勝ですが、昨年は日本レコードが更新された南部杯で、自身も従来のタイムを上回るタイムで3着になるなど、全国区で活躍しています。

     前走の川崎マイラーズは、これまでコンビを組んできた繁田健一騎手が調教師になったため、真島大輔騎手との新コンビ。

     スタートで大きく躓き後方から進めていくも、向正面から進出し、3コーナー付近では中団の内から、4コーナーでは間を割って4番手に押し上げ、37秒9のメンバー中最速の脚で差し切りました。勝ちタイムは1600m1分39秒5(良)。

     最初は躓いても、真島騎手にエスコートされた通りに、ひるむことなく自在に動けていた走りは本当にすばらしく、勝ちっぷりが圧巻でした。

     「厩舎サイドの仕上げも良かったですし、繁田さんからいろいろアドバイスをもらって、いろんなことを細かく教えてもらっていたので、それもレースにつながったと思います。今まで繁田さんが競馬を教えているので、馬がちゃんと知っています。出遅れてあの形になっても、馬は落ち着いて慌てないし、動きたい時に動けました」(真島騎手)。

     あまり間隔をつめない方がいいタイプであることから、この中間は千葉県のノースショアリハビリランチでのリフレッシュ放牧を挟み、6月中旬には帰厩。

     「最終追い切りは、馬場などいろんな面を考慮して、初めて中3日でやりました。真島騎手が乗りに来てくれて、『時計は出していないけど一生懸命走る馬なのでちょうどいい内容だったということや、仕掛ければギアが変わりそうだった』と言っていました。

     大井の1600m戦は新馬戦以来ですが、川崎のきついコーナーにも対応しているし、この舞台が得意な馬もいますが、モジアナは南部杯の厳しいペースも味わっています。

     前回のゲートに関しては、モジアナに聞いてみないとわからないですが、頭のいい馬なので、繁田騎手から真島騎手に初めて変わって微妙な変化を感じ取ったのかもしれませんが、今回はちゃんと出て欲しいですね。

     真夏のレースは初めてですが、良い走りをして、秋につなげていきたいと思っています」(福永敏調教師)。

    ■グレンツェント
    *大井 藤田輝信 厩舎 牡8歳
    *成績 34戦9勝2着6回
    *重賞タイトル
     スパーキングサマーカップ(SIII)(2020)
     川崎マイラーズ(SIII)(2020)
     東海テレビ杯東海S(GII)(2017)
     レパードS(GIII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代も含めると4つのタイトルを獲得している実力馬。中央から南関東へ移籍したのは2年前の秋で、それ以降はマイル戦を中心に、安定感は抜群です。

     7月7日に川崎競馬場で行われた橘(たちばな)オープン(1500m)は、森泰斗騎手が手綱を取り1番人気に応えて優勝しました。道中は内の3、4番手から、4コーナーで外に持ち出すと、そのままキッチリと差し切り。勝ちタイムは1500m1分34秒7(重)。

     「最近はなかなか勝っていなかったので、オープン特別では格の違いを見せられて良かったです。内側に閉じ込められる形になって、スローペースにはまりキツイ競馬にはなりましたが、馬の底力に助けられました。今日は勝てたというのが一番です」(森騎手)。

     引き続き、藤田厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで調教を積み、このマイルグランプリに向けてきました。マイルグランプリは2年連続の参戦で、一昨年はワークアンドラブ、昨年はミューチャリーの、それぞれ僅差の2着。

     「変わらず仕上がりはいいです。大井の1600m戦はずっと2着(マイルグランプリ2年連続と昨年のサンタアニタトロフィー)ですが、相性自体はいいし、今回は内枠を引けたので、相手は強いですが頑張って欲しいです」(藤田輝信調教師)

    ■ワークアンドラブ
    *大井 荒山勝徳 厩舎(小林) 牡6歳
    *成績 37戦9勝2着5回
    *重賞タイトル
     サンタアニタトロフィー(SIII)(2020)
     マイルグランプリ(SII)(2019)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     幅広い距離で走っていますが、大井1600m戦は5戦4勝と相性は抜群。気の難しさで走りにムラはありながらもポテンシャルの高さに定評はあり、重賞2勝も大井1600m戦。一昨年のマイルグランプリ、昨年のサンタアニタトロフィーで、それぞれ逃げ切り勝ちを収めています。

     これまで逃げて持ち味を発揮している馬ですが、前走の川崎マイラーズは2番手から、3コーナーではコンビを組む笹川翼騎手のステッキも入り激しく追われながら最後までやめず、モジアナフレイバーに交わされても、前にいたファルコンビークを抜いて2着でした。

     「笹川騎手は、『2番手からで全然ハミを取らなかったので、ハナに行っていればまた違ったと思います』と言っていました。

     ここに向けては厩舎調整で体調自体は問題ありませんが、今回の最終追い切りではまたピタッと止まって動かなくなって気の難しさを出しました。そういう癖を出してもレースでは走ってきていますが、ゲートまでたどり着いて蓋を開けてみないとわからない馬です。右回りの方が走りやすいようですし、あとは自分のペースで気分良く走れるかどうか」(荒山勝徳調教師)。

    ■サンロアノーク
    *大井 福田真広 厩舎(小林) 牡5歳
    *成績 27戦6勝2着7回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央未勝利で南関東入りすると、デビューから12戦目で初勝利挙げ、そこから5連勝。その後もコツコツと走り続けながらA1クラスまで上り詰めました。

     2走前の北海道スプリントカップは14着でしたが、前走のマイルグランプリトライアルは今野忠成騎手と初めてコンビを組み2着。

     逃げて、最後の直線でコズミックフォースに交わされるもまたそこから盛り返そうとして踏ん張りました。タイムは1600m1分39秒0(不良)。「レースを見ていると気難しそうな馬でしたが、今日はそれなりの形で走れたかなぁと思います」(今野騎手)。

     ここは優先出走権をつかんでの参戦です。

     「北海道スプリントカップへ遠征できたことは、苦しい競馬になりましたが、とてもいい経験になりました。体は余分なものが取れて引き締まったし、気性も成長してきて、状態はとてもいいです。

     レースは行ってこその馬なので、この馬の持ち味が発揮できれば。乗り難しい馬なので、癖をつかんだ今野騎手が続けて乗ってくれることはプラスですし、強敵はいますが期待を持って送り出します」(福田真広調教師)。

    *マイルグランプリの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第28回 マイルグランプリ(SII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■モジアナフレイバー
    小林8/1稍 1000m-68.7秒 800m-51.6秒 600m-37.3秒 馬なり
    ■グレンツェント
    牧場7/31坂路 600m-38.1秒 200m-12.1秒 強めに
    ■ワークアンドラブ
    小林8/1坂路 400m-23.7秒 200m-11.8秒 強めに
    ■サンロアノーク
    小林7/30良 1200m-79.5秒 1000m-62.0秒 800m-47.2秒 600m-35.3秒 強めに
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第28回 マイルグランプリ(SII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     今年で28回目を迎えたマイルグランプリ(SⅡ、1600m)。勝ち馬には、アブクマポーロやコンサートボーイ、アジュディミツオーなど、そうそうたる面々が名を連ねているレースです。昨年から夏場に行われるようになり、今年は東京2020オリンピック期間中に実施。大井競馬場の真夏の夜は、12頭の猛者たちが彩りました。

     南関東を代表する1頭モジアナフレイバーをはじめ、グレンツェントやワークアンドラブなど重賞常連馬たちが人気を集める中、昨年のクラシック出走組で、今回出走メンバー最年少の4歳馬ティーズダンク(浦和・水野貴史厩舎)が、8番人気ながら先輩たちを抑え、3つ目のタイトルを獲得しました。

     レースは、サンロアノークがハイペースで逃げていくと、2番手にワークアンドラブ、3番手の内に1番人気モジアナフレイバーと外にはドリームキラリ、その後ろにティーズダンクが続いていき、1~2コーナーではすでに縦長。

     「間隔が空いた分、硬さは気になりましたが、気持ちはすごく前向きだったので、そこは安心していました。スタートからリズムよく走らせようと、目の前にモジアナがいたのでいい目標ができたなぁと思いながら乗っていました。ペースも流れていたので、いい位置にいた感じはしています」(矢野騎手)。

     3コーナー手前から馬群がグッと固まり、ワークアンドラブが一気に先頭へ変わるとすかさずモジアナフレイバーも続いていき、4コーナーに入っていきました。

     直線ですぐ先頭に立ったモジアナフレイバーがそのまま押し切るかと思ったところ、その外からティーズダンクと中団から進出してきたグレンツェントが併せる形で抜き去り、最後はティーズダンクがグレンツェントにクビ差つけたところでゴール。「馬が踏ん張ってくれていい叩き合いになりました。一生懸命走ってくれるので、どんな相手とでも強い競馬をしてくれる馬だと思います」。

     勝ちタイムは1600m1分39秒1(良)で、2011年にボクが1分38秒9(良)で優勝以降では最速。モジアナフレイバーは3着に敗れました。

     ティーズダンクは前走後、茨城県のKSトレーニングセンターへリフレッシュ放牧に出て、一息入れてこの舞台に挑んできました。遡ると、北海道時代に2歳でサンライズカップを勝ち、南関東入りしてからは3歳で戸塚記念、4歳ではこのマイルグランプリと、3年連続で重賞勝ち。全日本2歳優駿では、優勝したヴァケーションから0.1秒差の3着になったシーンも記憶に新しいところ。今回、古馬重賞初制覇。

     矢野騎手と水野調教師は高崎競馬場出身者ということはあまりにも有名です。当時は、矢野騎手がまだデビューして間もない頃、水野調教師は北関東のトップジョッキーとして活躍していました。

     「水野さんと一緒に重賞を勝ちたいというのは、ずっと夢見てきました。去年、JBCスプリントをサブノジュニアで勝たせて頂いた時には、水野さんからお祝いのメールを頂きました。「貴之と重賞を勝ちたい」という内容が届いて、この世界はそう簡単ではありませんが、こんなに早く実現することができて本当にうれしいです」。

     この後のティーズダンクは、8月31日に川崎競馬場で実施するスパーキングサマーカップ(SⅢ、1600m)に向けていくそうです。



    <他陣営のコメント>

    2着 グレンツェント 本田正重騎手
    「前は引っ掛かりそうな感じでしたが、逆に年を重ねて乗りやすくなっていて、今日も脚をちゃんと使ってくれました。内と外を回った差だと思います」

    3着 モジアナフレイバー 真島大輔騎手(1番人気)
    「道中の走りは良かったですが、3コーナーで窮屈になったのはレースだから仕方ないですね……」

    *福永調教師のお話しでは、窮屈になった際に外傷を負ったそうで、今後については様子を見ながら決めていくそうです。

    4着 ワークアンドラブ 笹川翼騎手
    「状態も良かったし、今日は今までで一番気も向いてくれました。枠順が逃げ馬の外になったので思った競馬ができませんでしたが、枠順が逆なら楽勝まであったのかなと。スタートでちょっと行ききれなかったのは残念でしたが、これも競馬なので」

    5着 キングガンズラング 本橋孝太騎手
    「理想は矢野さんの位置でしたが、押していってもそれほど行けなかったので、あの位置に。馬群が固まった時にはうまくさばけましたが……。1800mでもやってみたいなと感じました」

    6着 マースインディ 阪本一栄調教師
    「もっと前で競馬をさせたかったですが、あの後ろからでは競馬になりませんでしたね。終いは伸びているだけに残念です」

    7着 コパノジャッキー 山崎誠士騎手
    「流れに乗り切れなくて、動きたいところでちょっと動けませんでした」

    8着 セイヴァリアント 和田譲治騎手
    「スタートはモッサリと出る感じですが、向正面でスーッと上がっていった時のハミ取りは良かったです。もうちょっと我慢すれば、終いの脚はもっと使えたと思います」

    9着 ドリームキラリ 藤田凌騎手
    「ペースが速くて苦しかったです。スーッとあの位置にはついていけましたが、3コーナーくらいで怪しくなりました」

    10着 サンロアノーク 今野忠成騎手
    「自分の競馬はできましたが、重賞はペースが違うので、息が入らなかった感じです」

    11着 ドーヴァー 仲原大生騎手
    「馬は頑張ってくれましたが、周りが強かったです。

    (仲原騎手は南関東で重賞初騎乗でしたが)ありがたくて感謝しています。普通のレースとは違って、重賞は馬たちのスタートしてからの動きも速くて、すごくいい経験をさせて頂きました。重賞に一度乗せて頂くと、また乗りたい気持ちが強くなりますね。もっと腕を磨いて、どのレースでもいい結果を出せるように頑張ります」

    12着 ベンテンコゾウ 御神本訓史騎手
    「3コーナーまではいい感じで追走できましたが……」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    28 令3 ティーズダンク 牡4 矢野 貴之
    27 2 ミューチャリー 牡4 御神本 訓史
    26 令元 ワークアンドラブ 牡4 笹川 翼
    25 平30 クリスタルシルバー 牡3 岡部 誠
    24 29 セイスコーピオン 牡7 赤岡 修次
    23 28 セイスコーピオン 牡6 森 泰斗
    22 27 ソルテ 牡5 吉原 寛人
    21 26 セイントメモリー 牡7 本橋 孝太
    20 25 トーセンアドミラル 牡6 川島 正太郎
    19 24 ピエールタイガー 牡4 真島 大輔
    18 23 ボク 牡6 A.ムンロ
    17 23 中止 -- ------
    16 22 クレイアートビュン 牡6 的場 文男
    15 21 ロイヤルボス 牡5 張田 京
    14 20 デスモゾーム 牡4 真島 大輔
    13 19 フジノウェーブ 牡5 御神本 訓史
    12 18 アジュディミツオー 牡5 内田 博幸
    11 17 ナイキアディライト 牡5 石崎 駿
    10 16 ブラウンシャトレー 牡7 張田 京
    9 15 ベルモントアクター 牡7 石崎 隆之
    8 14 フレアリングマズル 牡4 的場 文男
    7 13 アローセプテンバー 牡6 張田 京
    6 12 インテリパワー 牡5 張田 京
    5 11 ゴールドヘッド 牡4 的場 文男
    4 10 アブクマポーロ 牡6 石崎 隆之
    3 9 コンサートボーイ 牡5 内田 博幸
    2 8 コンサートボーイ 牡4 石崎 隆之
    1 7 アマゾンオペラ 牡4 石崎 隆之