重賞レース

第26回 アフター5スター賞(SIII)

  • 2019年8月28日(水)
  • 20:10発走
第26回優勝馬:キタサンミカヅキ号

短距離戦で持ち味を発揮する快速馬たちが、自慢のスピードで残暑を吹き飛ばす1,200mのスプリント戦。東京盃からJBCスプリントへ続く秋の短距離交流重賞に向け、南関東所属の有力馬が始動する注目のレースです。
<優勝馬にテレ玉杯オーバルスプリントおよび東京盃の優先出走権を付与>

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    <第26回 アフター5スター賞(SIII)>
    (8月20日現在)

    キタサンミカヅキ
    昨年のNARグランプリ年度代表馬など3部門を受賞した王者も今年9歳。このアフター5スター賞は2年連続制している相性のよさで、3連覇をかけて臨みます。

    アピア
    1000m戦で好成績を残してきたアピアが、再び1200m戦に出走。去年はキタサンミカヅキに敵わず2着でしたが、今年はリベンジなりますか?!

    ナガタブラック
    前走の優駿スプリントは伊藤裕人騎手とのコンビで優勝し、ともに念願の重賞初制覇を飾ったことは大きなニュースになりました。3歳馬ながら貫禄たっぷりな馬。

    サブノジュニア
    前走のサンタアニタトロフィーは骨折の放牧休養明けでしたが、後方から一番の上がりでノンコノユメから0.7秒差の5着。一度使った今回、非常に楽しみです!

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    <第26回 アフター5スター賞(SIII)>

    (8月26日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■キタサンミカヅキ
    *船橋 佐藤賢二 厩舎 牡9歳
    *成績 59戦12勝2着12回
    *重賞タイトル
     東京スプリント(JpnIII)(2019)
     東京盃(JpnII)(2017・2018)
     アフター5スター賞(SIII)(2017・2018)
     プラチナカップ(SIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     王者キタサンミカヅキがアフター5スター賞3連覇をかけて臨みます。昨年も59キロを背負いながらアピアらに完勝。年齢をひとつ重ねて今年9歳になりましたが、この大井1200mは非常に得意としている舞台で、王者の強さを見せてくれるでしょうか?!

     前走のプラチナカップも満を持して出走したものの、優勝したノブワイルドに2馬身半差をつけられての2着。「時計的には走っているので勝ち馬が強かったです。ただ、この間は前半から反応がよくなかったです……」と森騎手。

     そもそものローテーションは、このアフター5スター賞とオーバルスプリントの両にらみだったそうですが、最近の浦和のコースは前残りが多く、ミカヅキの脚質には向かないという陣営の判断から、斤量59キロとは言え慣れ親しんだ大井1200mへの出走を決定。

     この中間も特に変わることはなく、暑さにも負けずに調教を積んできたそうです。「前走は休み明けだったので一度使って状態も上向いてきていると思います。最近はどんな競馬でもできるので、乗り方は森騎手に任せます。前走は負けてしまいましたが、この得意の舞台でミカヅキらしい走りをして欲しいですね」(佐藤調教師)。

     陣営としても、ここまでのミカヅキのパフォーマンスを考えると、譲れない一戦。しかし、前走の反応がよくなかったということは懸念材料のひとつで、もう一度走ってみないとわからない部分はあるでしょう。この得意の舞台で、王者キタサンミカヅキらしいパワフルな走りを期待しています。

    ■アピア
    *大井 渡邉和雄 厩舎 セ8歳
    *成績 31戦18勝2着3回
    *重賞タイトル
     船橋記念(SIII)(2018・2019)
     習志野きらっとスプリント(SII)(2018)
     優駿スプリント(SIII)(2014)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3歳時は優駿スプリントを制していますが、中央から南関東へ再移籍後は1000m戦のスペシャリスト的存在として活躍しています。前走の習志野きらっとスプリントも1番人気に推されましたが、逃げたノブワイルドをつかまえられずに惜しくも2着。

     「スタートも決まったのでハナに行こうとしましたが、他馬にこられたことでハミを噛むところがありました。プラス14キロも響いたかもしれません。ノブワイルドも強い馬ですし、斤量差もあったので……。馬はまだまだ頑張ってくれると思います」と、レース後に振り返っていた御神本訓史騎手。

     その後も渡邉和雄厩舎の外厩馬(ミッドウェイファーム)として調整を続けてきました。アフター5スター賞は2年連続の参戦で、それぞれキタサンミカヅキに敗れているものの、2着、3着と崩れずに走り、改めてリベンジの一戦になります。

     「今回は体も絞れてきました。8歳になりましたが馬はまだ若いですね。スタートで後手を踏むこともありますが、スタートをスパッと決めて折り合って、前々で競馬が運べれば。頑張って欲しいです」(渡邉調教師)。

    ■ナガタブラック
    *川崎 岩本洋 厩舎 牡3歳
    *成績 11戦7勝2着1回
    *重賞タイトル
     優駿スプリント(SII)(2019)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     前走の優駿スプリントは、道中4、5番手から勝負所で先頭に並びかけていくと、力でねじ伏せる形で勝利を飾りました。ナガタブラックはもちろんのこと、コンビを組んだ伊藤裕人騎手はデビューから10年での重賞初制覇ということもあり、大きな感動を呼びました。

     「スタートはあまり上手ではないので、位置取りはもう少し後ろをイメージしていましたが、今日はうまく出て前につけることができて、最後はいつも通りしっかり伸びてくれました。普段はおっとりしていますが、競馬場へ行くとスイッチがオンになって、競馬では最後までしっかり伸びてくれる馬です。一戦ごとに成長を感じますね」(伊藤騎手)。

     あれから約2か月が経ち、今度はアフター5スター賞の舞台へ。古馬戦は平場のレースでは優勝経験がありますが、重賞レースは初挑戦です。

     「間隔が空いたので、1週前追い切りは川崎競馬場へ輸送をしてしっかりやりました。いつものんびりしている実戦タイプですが、前より動けるようになってきたし、前向きになっているように思います。ゲートも良化してきて成長を感じますね。古馬とはやってみないとわかりませんが、挑戦して強くなっていって欲しいです」(岩本洋調教師)。

     この10年で3歳馬が制したのは2頭(ケイアイジンジン・51キロ、ハードデイズナイト・50キロ)。55キロを背負うナガタブラックは先輩たちにどのくらい食らいつけるでしょうか?!

    ■サブノジュニア
    *大井 堀千亜樹 厩舎(小林) 牡5歳
    *成績 24戦6勝2着7回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     半兄に東京記念の覇者サブノクロヒョウがいて、母も祖母も大井に所属していた、非常にゆかり深い血統の持ち主。サブノジュニアは2度の骨折を発症しながらも、東京スプリント4着をはじめ優駿スプリント2着など、ポテンシャルの高さは随所に発揮しています。

     前走のサンタアニタトロフィーは、骨折明けで間隔が空き、決してベストとは言えないマイル戦だったにもかかわらず、道中は最後方から、37秒2のメンバー中1番の上がりを発揮し5着に入ったことは、いい意味で関係者の皆さんを驚かせていました。

     「先生から折り合いには気をつけて欲しいと言われていましたが、そこは問題もなく、終いはいい脚を使ってくれました。これだけの走りを見せてくれて、改めて力はありますね」(西啓太騎手)。*今回は矢野貴之騎手騎乗

     当初から目標にしてきたアフター5スター賞に向けて順調に調整を重ね、一度使った効果は抜群だそうです。

     「追い切りの反応もよくなって、時計も楽に出ています。前走はまだ息の荒いところもありましたが、体も絞れてきましたね。いい頃に比べればまだ大人しいので途上ですが、現状でどのくらい走れるか見てみたいです。枠もいいところに入ったし、ペースは速くなってくれた方が走りやすいと思います」(堀千亜樹調教師)。

    *アフター5スター賞の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第26回 アフター5スター賞(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■キタサンミカヅキ
    船橋8/24右稍 1200m-79.2秒 1000m-64.4秒 800m-50.2秒 600m-37.1秒 一杯追
    ■アピア
    牧場8/24坂路 600m-37.5秒 200m-12.1秒 強めに
    ■ナガタブラック
    川崎8/24重 1000m-68.9秒 800m-51.8秒 600m-37.8秒 一杯追
    ■サブノジュニア
    小林8/23稍 1000m-66.8秒 800m-50.3秒 600m-36.8秒 馬なり
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    <第26回 アフター5スター賞(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     今年もスピード自慢たちが勢ぞろいしたアフター5スター賞。その中でも注目度が高かったのは、もちろん、王者キタサンミカヅキ(船橋・佐藤賢二厩舎)でした。去年に続き今年も59キロを背負い、どんな強さを発揮するのでしょう……。

     しかし、前走のプラチナカップ(2着)の反応がよくなかったことも不安材料で、9歳という年齢からくるものなのか?夏場の体調面なのか?陣営としても、いつものレース前よりは意気込みも控えめだった印象でしたが、それでも、ファンから1.8倍の1番人気に推されていたのは、ここまでの図抜けた実績からも自然な流れだったでしょう。

     レースは、御神本訓史騎手のアピアに、真島大輔騎手(疾病)から的場文男騎手に騎乗変更したストロングハートが迫っていく激しいペースになる中で、森泰斗騎手が手綱を取ったキタサンミカヅキは、中団やや前からの追走。

     「手応えとしては前走と一緒で、これまでよりも行きっぷりはかなり悪かったので心配でした。年齢なのか、体調なのか、それはちょっとわからないのですが……」(森騎手)。

     最後の直線に入って、アピアがストロングハートを振り切ると、後続馬たちがグングンと迫ってきました。

     残り100mでは、5番手から抜け出したキャンドルグラスが先頭に変わると、そこにキタサンミカヅキや、最速の上がり36秒1の脚で大外から突っ込んできたサブノジュニアの3頭が、ほぼ同時に並んでゴールイン。1200m1分11秒9(重)の同タイムで、クビ差、クビ差の大激戦を、キタサンミカヅキが制する形で決着しました。

     2着がキャンドルグラス、3着はサブノジュニア。4着がアピア。

     「本来はスパッと交わせるはずですが、ちょっとモタモタしましたね。最後も交わせるという手応えには全然なくて、『頼む、頼む』っていう感じで追っていました。体はきつかったかもしれませんが、サブノジュニアが見えたらまたギュッとハミを噛みました。底力でねじ伏せたというか、やっぱりすごい馬だなぁと思います」(森騎手)。

     王者の意地とプライドをまざまざと感じさせた一戦。アフター5スター賞初の3連覇を達成。

     キタサンミカヅキが中央から南関東に移籍してきたのは今から2年前のこと。初戦だったアフター5スター賞は8番人気だったというのも、今振り返ると驚きですね。

     早いもので南関東では19戦を消化しました。東京盃連覇や東京スプリント、アフター5スター賞3連覇など、重賞レースは7勝し、着外は今年の根岸S(9着、勝ち馬から1秒1差)の1回のみです。JBC競走をはじめとしたビッグレースに立ち向かいながらのこの成績は、素晴らしいの一言に尽きます。昨年のNARグランプリは年度代表馬など3部門を受賞。

     この後は体調面などを考慮しながら東京盃3連覇を目指していくことになるそうです。

     「こういう馬に騎乗できることは、ジョッキーとしてもすごく誇らしくてありがたいことです。秋にはもちろんビッグレースにチャレンジしていくことになりますが、そうは言っても9歳です。全国の高齢馬やおじさまたちに勇気を与えられるような存在でいて欲しいと、ミカヅキにはそう思っています。これからも一緒に頑張ります」(森騎手)。



    <他陣営のコメント>

    2着 キャンドルグラス 赤岡修次騎手
    「返し馬が素軽かったし自信はありました。1年前に乗せて頂いた時よりもよくなっていたし、この馬はやっぱり走りますね。手前を替えない馬ですが、今日の感じなら替えなくても大丈夫そうです」

    3着 サブノジュニア 矢野貴之騎手
    「もう少しいい位置に行ければ全然違ったかもしれませんが、休みも長かった分、まだ(2戦目で)ボケている感じかなというのはあります。残り200mでは泰斗さん(キタサンミカヅキ)には絶対に勝てるなと思いましたが、並んでからがもうひと伸びだったのと、ゴール前の甘さがこの馬にはあるのかなと。ただ、馬自体は毎回頑張っているし、これから楽しみな馬です」

    4着 アピア 御神本訓史騎手
    「あんなに来られるとは思わなくて、ハイペースに巻き込まれました。普通のペースなら勝てたと思います……」

    5着 ヨンカー 吉原寛人騎手
    「大外枠だったので外を回りたくありませんでした。どこかで内に入りたいなと思っていて、ちょうどうまく前が流れて間が空いたことで内ラチを取れたので、ロスなく回れてよかったです。脚質の幅が出てきたし、今後またチャンスは生まれてくると思います」

    6着 ワンパーセント 笹川翼騎手
    「いい感じで運べましたが、3コーナーで不利があって少しロスがありました。それでも6着にきてくれているし、これからもっとよくなっていきそうです。かなりいい馬なので、重賞に顔を出してくる馬になると思います」

    7着 タマノシュタルク 本田正重騎手
    「終いはしっかり伸びてくれました」

    8着 クルセイズスピリツ 山崎誠士騎手
    「夏場はいいのか、返し馬とかで状態はよくなっているなぁとは思いました。ハナにすんなり行けていれば全然違った結果になったのでしょうが、あの展開では厳しかったです」

    9着 アドマイヤゴッド 藤本現暉騎手
    「スタートはあまり出ないのですが今日は普通についていって、終いはすごくいい脚を使ってくれました。気が難しい馬なので頭の上げるところはありましたが、しっかり走ってくれたと思います」

    10着 ジョーストリクトリ 岡部誠騎手
    「スピードはいいものがあります。地方の砂にも慣れてくれば変わってくると思います」

    11着 レベルスリー 左海誠二騎手
    「ゲートの中で行儀が悪くなるので、普通に出て中団くらいまでにつけられればいいのですが……。今日は相手も強かったし、これからの馬なので、いい経験になったと思います」

    12着 ナガタブラック 伊藤裕人騎手
    「久しぶりに砂をかぶったのもありましたが、自分の競馬はできた方だと思います。また成長して欲しいです」

    13着 コンサートドーレ 達城龍次騎手
    「前に行った方が持ち味の生きる馬なので、この展開では厳しかったですね」

    14着 ゴーディー 安藤洋一騎手
    「ゴーディー自身は頑張っていますよ。現状では1400mくらいの方が走りやすいのかなぁと思います」

    15着 ストロングハート 的場文男騎手
    「ちょっと仕掛けただけなのにあれだけ行っちゃって、スピードはかなりありますね」

    16着 ウェイトアンドシー 今野忠成騎手
    「スタートは出たからヨシ!と思ったのですが、もたれていて、真っ直ぐ走らせるのが精一杯でした」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    26 令元 キタサンミカヅキ 牡9 森 泰斗
    25 平30 キタサンミカヅキ 牡8 森 泰斗
    24 29 キタサンミカヅキ 牡7 繁田 健一
    23 28 ルックスザットキル 牡4 早田 功駿
    22 27 ジョーメテオ 牡9 坂井 英光
    21 26 サトノタイガー 牡6 吉原 寛人
    20 25 ハードデイズナイト 牝3 山崎 誠士
    19 24 ジーエスライカー 牡5 坂井 英光
    18 23 タカオセンチュリー 牡8 柏木 健宏
    17 22 ヤサカファイン 牡4 石崎 駿
    16 21 ケイアイジンジン 牡3 的場 文男
    15 20 ディープサマー 牡6 川島 正太郎
    14 19 ベルモントサンダー 牡6 石崎 駿
    13 18 コアレスタイム 牡8 内田 博幸
    12 17 ロッキーアピール 牡7 今野 忠成
    11 16 ハタノアドニス 牡8 早田 秀治
    10 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    9 14 キングリファール 牡5 佐藤 隆
    8 13 スピーディドゥ 牡5 内田 博幸
    7 12 ゴールドヘッド 牡5 的場 文男
    6 11 イナリコンコルド 牡4 内田 博幸
    5 10 サントス 牡5 鈴木 啓之
    4 9 サプライズパワー 牡3 石崎 隆之
    3 8 スペクタクル 牡5 内田 博幸
    2 7 ツキフクオー 牡3 森下 博
    1 6 ツキノイチバン 牡5 佐々木 竹見