重賞レース

第30回 東京スプリント(JpnIII)

  • 2019年4月10日(水)
  • 20:10発走
第30回優勝馬:キタサンミカヅキ号

秋の東京盃(JpnII)と並ぶ1,200mの交流競走です。前身の東京シティ盃から2009年にダートグレード競走へ格上げされました。名称変更後はJRA勢が10戦9勝と圧倒的な強さを見せており、地方馬の巻き返しに期待がかかります。
<上位2頭(地方所属馬に限る)にかしわ記念、上位2頭以内の南関東所属最先着馬1頭にさきたま杯の優先出走権を付与>

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    <第30回 東京スプリント(JpnIII)>

    キタサンミカヅキ
    昨年のNARグランプリ年度代表馬など3部門を獲得したキタサンミカヅキ。根岸S(9着)後は厩舎で休養に入り、初戦を迎えます。昨年の東京スプリントは2着。

    コパノキッキング
    カペラSと根岸Sの勝ち馬で、前走のフェブラリーSは藤田菜七子騎手を背に5着でした。今回も藤田騎手がコンビを組むことが発表され、大きな話題を集めそうです。

    ヒロシゲゴールド
    脚質転換を図り、現在はスピードを生かした逃げの戦法で、ダート1200m戦で3連勝中。地方は初登場ですが、母のエフテーストライクは南関東で走っていた馬。

    ホウショウナウ
    ここまでの成績は7戦5勝3着1回4着1回。昨年のユニコーンSでは、優勝したルヴァンスレーヴから0.8秒差の4着。それ以来の重賞挑戦で、地方は初コース。

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    <第30回 東京スプリント(JpnIII)>

    (4月9日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■キタサンミカヅキ
    *船橋 佐藤賢二 厩舎 牡9歳
    *成績 55戦11勝2着11回
    *重賞タイトル
     東京盃(JpnII)(2017・2018)
     アフター5スター賞(SIII)(2017・2018)
     プラチナカップ(SIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     NARグランプリ2018年度代表馬など3冠を獲得したキタサンミカヅキ。昨年1年間は東京盃連覇なども含み、古巣・中央勢を相手に高いレベルで安定した走りを続けてきました。

     1月27日に東京競馬場で実施した根岸Sは、中団後方から進めるも9着となり、南関東へ移籍後初めて掲示板を外しました。優勝したコパノキッキングから1秒1差。

     「残念です。勝ち馬の後ろにはつけられましたが一気に突き放されました。ミカヅキも伸びてはいますが、もうちょっと切れてもよさそうな感じはしました。南関のダートの方が適性はあると思いますが、府中コースも問題はありません。コンマ何秒をつめるのが大変な世界ですが、また頑張ります」(森騎手)。

     南関東へ移籍以降、コンスタントに走り続けてきただけに、レース後はササ針を打って厩舎でリフレッシュを図り、その後は調教を開始。この東京スプリントに向けてきました。

     「調教も10日ほどで開始しているし、軽いものも入れれば追い切りも7本くらいやっているので、休み明けとは言っても乗り込んではいますよ」と担当の高橋栄喜厩務員。

     ちょうどカイバの時間帯に取材をしていたのですが、高橋厩務員がカイバを用意している最中には『ご飯を早くちょうだ~い』という感じで、ものすごいいななきで催促していたミカヅキ。9歳になっても食欲は旺盛で、さらには早食いでもあるそうです。食べることは元気の源、これは人間も馬も共通していますね!

     そもそもキタサンミカヅキが中央から移籍してきた際、中央では調教でもかなり行きたがるところがあると聞いていた馬が、あまりにも大人しくステッキを入れないと進まないほどだったため、ササ針をして一度リセットさせたということを、佐藤賢二調教師から伺ったことがありました。

     陣営も半信半疑の中で送り出したアフター5スター賞を完勝し、念願の重賞初制覇。それ以降の南関東での活躍は皆さんもご存知のこと。今回はそれ以来となる休養明けです。

     「あの時よりも乗り込んではいます。泰斗も『馬は柔らかくなっている』と言ってくれました。アフター5スター賞もササ針明けからいきなり勝ってくれたので、鉄砲が利くタイプかな。ただ、あの時とはメンバーも違うし、やっぱり休み明けの分どんなものかなとは思っています。胸を借りるつもりです」(佐藤賢二調教師)。

    ■キャンドルグラス
    *船橋 川島正一 厩舎 牡5歳
    *成績 23戦9勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     クラシックレースにも挑戦したこともありますが、それ以降は短距離戦に転向し、重賞タイトルまでもう少し……。東京盃ではハイレベルな面々と戦いながらも、優勝したキタサンミカヅキから0.5秒差の5着に入り、力がついていることを証明しています。

     「無理をせずに休養を入れたことも功を奏して、今が心身ともにピークというくらい充実期に入っていると思います。中央交流戦で改めてどのくらい通用するのか。今の充実ぶりでいい競馬はしてくれると思っています」(川島正一調教師)。

    ■ショコラブラン
    *大井 藤田輝信 厩舎 牡7歳
    *成績 34戦6勝2着8回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央ダート短距離6勝を挙げ、ダートグレード競走でも活躍してきたショコラブラン。現在は南関東へ移籍し、藤田輝信厩舎の外厩馬としてミッドウェイファームで調教を積んでいます。前走のフジノウェーブ記念は中団から抜群の手応えで上がっていくも、最後は思ったよりも伸びきれずに4着。今回は2戦目で、変わり身に期待。

     「一度使った分、状態はアップしています。前走は伸びそうで伸び切れなかったので、1200m戦でどうなるのか楽しみです。乗り方は戸崎圭太騎手に任せます」(藤田調教師)。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■アシャカダイキ
    *JRA 鈴木伸尋 厩舎 牝5歳
    *成績 20戦5勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     ダート1200m戦で5勝。前走の春風賞(1600万下)は10番人気ながらも後方から豪快に差し切ったシーンは圧巻でした。重賞&地方初挑戦。紅一点。

    ■コパノキッキング
    *JRA 村山明 厩舎 セ4歳
    *成績 10戦7勝2着1回
    *重賞タイトル
     根岸S(GIII)(2019)
     カペラS(GIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     2つの重賞ウイナー。前走のフェブラリーSは藤田菜七子騎手との初コンビで5着。今回も、藤田騎手の重賞初制覇達成の瞬間を、多くのファンが待ち望んでいます。

    ■テーオーヘリオス
    *JRA 梅田智之 厩舎 牡7歳
    *成績 29戦7勝2着5回
    *重賞タイトル
     北海道スプリントカップ(JpnIII)(2018)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年の北海道スプリントカップ優勝馬。それ以降勝ち星からは遠ざかっていますが、惜しい競馬が続いています。東京盃は6着で、今回は2度目の大井コース。

    ■ヒロシゲゴールド
    *JRA 北出成人 厩舎 牡4歳
    *成績 12戦4勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央から南関東へ移籍したエフテーストライクの2番仔。スピードあふれる走りで、ダート1200m戦を目下3連勝と勢いは抜群です。重賞&地方コースともに初。

    ■ホウショウナウ
    *JRA 河内洋 厩舎 牡4歳
    *成績 7戦5勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     デビューしてから7戦のキャリアですが高いレベルで走り続けています。前走のジャニュアリーS(オープン)は豪快に末脚を炸裂させての勝利。地方は初出走。

    *東京スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第30回 東京スプリント(JpnIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■キタサンミカヅキ
    船橋4/6右良 1000m-64.5秒 800m-50.5秒 600m-37.0秒 強めに
    ■キャンドルグラス
    船橋4/6右良 1000m-65.1秒 800m-51.0秒 600m-37.5秒 馬なり
    ■ショコラブラン
    牧場4/6坂路 600m-37.7秒 200m-12.0秒 強めに
    ■アシャカダイキ
    美浦4/6W稍 800m-56.2秒 600m-40.3秒 200m-13.1秒 馬なり
    ■コパノキッキング
    栗東4/6CW良 1200m-85.9秒 1000m-67.3秒 800m-51.8秒 600m-37.8秒 200m-12.7秒 馬なり
    ■テーオーヘリオス
    栗東4/7坂路 800m-52.1秒 600m-37.8秒 200m-12.9秒 叩一杯
    ■ヒロシゲゴールド
    栗東4/3CW良 1200m-81.0秒 1000m-65.3秒 800m-51.0秒 600m-37.7秒 200m-12.2秒 一杯追
    ■ホウショウナウ
    栗東4/5坂路 800m-52.5秒 600m-37.7秒 200m-12.3秒 一杯追
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第30回 東京スプリント(JpnIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     東京スプリントは1991年から東京シティ盃というレース名で実施され、南関所属馬たちによる1400mを舞台に行われてきましたが(1200mなどで実施された年もあり)、2009年からは現在の東京スプリントとなり、中央馬と他地区馬を招いて1200mのダートグレード競走として生まれ変わりました。

     ダートグレード競走になってから過去10回の歴史で、地方所属馬の優勝は笠松のラブミーチャンただ1頭。

     今年は、NARグランプリ2018年度代表馬など3冠を獲得したキタサンミカヅキ(船橋・佐藤賢二厩舎)が、森泰斗騎手とのコンビで参戦。9歳という年齢を微塵も感じさせないようなパワフルな走りで、古巣・中央勢を打ち破って勝利を収めました。南関勢初の栄冠を獲得!!!

     キタサンミカヅキは一昨年の夏に南関東へ移籍以降、休むこともなくコンスタントに高いレベルで走り続けて、ここまでの活躍は皆さんもご存知のこと。入厩当初にササ針を打ってリフレッシュを図ったこともありましたが、その初戦のアフター5スター賞を優勝。今回はそれ以来となるササ針休養明けでした。

     10日ほどでトレーニングを開始したとは言っても、今年9歳になり、年齢面を考慮すると休み明けからどんな走りをするのか興味が注がれていましたが、終わってみれば貫禄の勝利!!!その位置取りにも驚かされました……。

     レースはヒロシゲゴールドがハナを切っていき、キタサンミカヅキは二の脚速く、なんと2番手から。中団くらいのイメージの強かった馬ですが、南関東では初めてのポジション。

     「今日はやけに行きっぷりがよくて馬が行く気になっていたので、あえて下げることもないなと思いました。休んだ効果が感じられましたね。手応えも十分で、前の馬にあまり楽をさせすぎてはいけないし、後ろから強い馬がくるのであまり早仕掛けもダメなので、その辺りは考えながら乗っていました」(森騎手)。

     冷たい雨が降り続く中、馬場はビチャビチャの不良状態。4月には思えないような震えるほどの寒い1日になりましたが、人馬ともに泥んこになりながら魅せた、短距離馬たちの熱戦。

     前を行くヒロシゲゴールドが粘る中、キタサンミカヅキが直線に入って並びかけていき、ゴール前にグイッと伸び、最後は力でねじ伏せる形で交わしました。勝ちタイムは1分11秒6(不良)。

     2着は藤田菜七子騎手のコパノキッキングで、レース前から大注目を集めていたコンビ。スタートで遅れて後方から進出していきましたが、最後は36秒4のメンバー中最速の脚を繰り出して、大外から突っ込んできたシーンは場内大歓声が巻き起こりました。キタサンミカヅキに1馬身差。3着がヒロシゲゴールド。

     「菜七子ちゃんを負かしてしまって申し訳ないなぁという気持ちはありますが、勝負なのですいません(苦笑)。ミカヅキが本当に頑張ってくれたし、先日亡くなったミカヅキのお父さんのキングヘイローの後押しもあったのかなと思います。

     ミカヅキは地方競馬の年度代表馬ですし、今回は走り慣れた大井でやれるということで譲れない気持ちでいたので本当にうれしいです。9歳ですが老いて盛んと言いますか、体も気持ちも強いし、本当に頭が下がります」。

     中央時代は重賞未勝利だったキタサンミカヅキは、南関東に7歳で移籍以降、これで6つ目のタイトル(ダートグレード競走は3つ目)。11月4日に浦和競馬場で実施されるJBCスプリントでの悲願のタイトル獲得に向けて、これからも大切な戦いが続いていきます……。



    <他陣営のコメント>

    2着 コパノキッキング 藤田菜七子騎手
    「ゲートの中の体勢は悪くありませんでしたが、少し出負けをする形になってしまって、後ろから。砂をかぶってちょっとひるむようなところもありましたが、最後外に出すと馬がしっかりと伸びてくれましたが……。勝った馬は強かったです。
    初ナイターで初めての不良馬場。ナイターの雰囲気で前回よりもテンションが少し高かったようにも思います。今日は負けてしまって悔しいですが、すばらしい馬ですし期待は大きいです」

    3着 ヒロシゲゴールド 武豊騎手(1番人気)
    「やりたいレースはできましたが、上位2頭が強かったです。初めての重賞挑戦でもギリギリまで頑張ってくれました。慣れないナイターなのか?馬場状態なのか?この間よりもピリピリした感じはありましたが、メドは立ちました」

    4着 ショコラブラン 戸崎圭太騎手
    「追い出すところからは手応えもよかったので、これは!っていう感じだったのですが。昔から追ってからもどかしさがあるので、今日もそれが出てしまったかもしれません。気難しさが出ました」

    5着 テーオーヘリオス 濱中俊騎手
    「前走より動ける感じで、今日の方が内容はよかったです。これでもよくなる手前だと思うので、今後も楽しみです。こういうビシャビシャの馬場よりも力のある馬場の方が合っていますね」

    6着 マッチレスヒーロー 的場文男騎手
    「ズブいタイプの馬ですが、このメンバーでも6着にきているので力はあると思います。南関同士なら」

    7着 ホウショウナウ ミルコ・デムーロ騎手
    「スタートはうまく出ましたが、思っていたよりも伸びませんでした」

    8着 アクティブミノル 椎名廣明調教師
    「騎乗してくれた三浦皇成騎手は、『南関同士なら楽しみですよ』と言ってくれました。こちらのダートにも慣れてきて、スピードのある馬なので展開次第では」

    9着 キャンドルグラス 御神本訓史騎手
    「スタートはよかったですが、今日は周りの馬たちもペースも速いです。こういう馬場もよくないですね」

    10着 アシャカダイキ 松岡正海騎手
    「2、3完歩目でバランスを崩してちょっとスタートで遅れてしまったので、そこは悔いが残ります」

    11着 アンサンブルライフ 繁田健一騎手
    「周りが速いですね。最後はちょっと伸びてはきましたが、相手が強かったです」

    12着 ゴーディー 安藤洋一騎手
    「もまれ弱さのある馬ですが、最後までやめずに頑張って走ってくれました。暖かくなってからまたどんな走りをしてくれるのか楽しみです」

    13着 ジョーオリオン 橋本直哉騎手
    「今日はさすがにペースが速くて追走するのが大変でしたが、馬自体は元気がいいので、同厩のサトノタイガーと一緒に、来年も頑張ってくれるんじゃないかなと思っています。」

    14着 サトノタイガー 岡部誠騎手
    「追走いっぱいでしたね。力は出していると思いますが……」

    15着 ナチュラリー 笹田知宏騎手
    「仕上げはよかったし、抜群のスタートを切ってくれたのですが、枠が外だった分、外々を回ってしんどい競馬になってしまいました。馬にとってはいい経験になったと思います」

    16着 マイネルルークス 今野忠成騎手
    「馬は一生懸命走っていますが、相手が強かったです」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    30 平31 キタサンミカヅキ 牡9 森 泰斗
    29 30 グレイスフルリープ 牡8 武 豊
    28 29 キタサンサジン 牡5 内田 博幸
    27 28 コーリンベリー 牝5 松山 弘平
    26 27 ダノンレジェンド 牡5 丸田 恭介
    25 26 ノーザンリバー 牡6 蛯名 正義
    24 25 ラブミーチャン 牝6 戸崎 圭太
    23 24 セイクリムズン 牡6 岩田 康誠
    22 23 セレスハント 牡6 福永 祐一
    21 22 スーニ 牡4 川田 将雅
    20 21 ゼンノパルテノン 牡7 内田 博幸
    19 21 フジノウェーブ 牡7 御神本 訓史
    18 20 ベルモントストーム 牡7 石崎 隆之
    17 19 フジノウェーブ 牡5 御神本 訓史
    16 18 ベルモントファラオ 牡7 御神本 訓史
    15 17 ブルーローレンス 牡4 的場 文男
    14 16 ブラウンシャトレー 牡7 張田 京
    13 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    12 14 フレアリングマズル 牡4 的場 文男
    11 13 サプライズパワー 牡7 石崎 隆之
    10 12 アローセプテンバー 牡5 左海 誠二
    9 11 カガヤキローマン 牡6 森下 博
    8 10 セントリック 牡5 宮浦 正行
    7 9 アマゾンオペラ 牡6 石崎 隆之
    6 8 ヒカリルーファス 牡4 早田 秀治
    5 7 ブルーファミリー 牡5 早田 秀治
    4 6 ハナセール 牡6 高橋 三郎
    3 5 ウエルテンション 牡5 久保田 信之
    2 4 テツノヒリユウ 牡9 鷹見 浩
    1 3 ダイコウガルダン 牡6 早田 秀治