重賞レース

第9回 フジノウェーブ記念(SIII)

  • 2018年3月7日(水)
  • 16:10発走
第9回優勝馬:リッカルド号

TCK唯一の1,400m重賞です。2013年までは東京スプリング盃の名称で実施されましたが、2014年からは同レースを4連覇したフジノウェーブの功績をたたえ、レース名を改称しました。翌月の交流競走・東京スプリントに向け、短距離路線を歩む有力馬たちが数多く出走します。
<優勝馬に東京スプリントの優先出走権を付与>

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    <第9回 フジノウェーブ記念(SIII)>

    リッカルド
    2016年エルムSの覇者。前走の報知グランプリカップから南関東の一員になり、他馬を突き放す圧巻の内容で優勝したシーンは衝撃的でした。大井は初コースですが、ここも最有力候補。スマートファルコンやワールドクリークの甥っ子。

    ケイアイレオーネ
    中央時代も含めて重賞6勝、格の違いはトップでしょう。1400mから2100mまで幅広い距離で結果を出しています。前走の報知グランプリカップはまさかの5着に敗れましたが、昨年完勝したフジノウェーブ記念で巻き返しを図ります。

    キタサンミカヅキ
    昨年は中央から南関東に移籍し、東京盃とアフター5スター賞を優勝。JBCスプリントも勝ち馬から0.1秒差の5着に入り、改めて全国レベルであることを証明しました。大井の外回りコース。自慢の末脚でどのくらい魅了してくれるでしょう?!

    キャプテンキング
    昨年の羽田盃はヒガシウィルウィンを抑えて完勝。クラシック後は放牧休養に出て、前走の報知グランプリカップから始動し3着。休み明けや初古馬相手でありながらも力は示しました。一度使った変わり身にも期待でき、この距離も魅力。

    サブノジュニア
    半兄にはサブノクロヒョウがいて、母も祖母も大井生え抜き馬という、とてもゆかり深い血統。ポテンシャルの高さは随所に見せてきて、重賞タイトルまでもう少し……。当初から目標にしてきた舞台で、自分の力を存分に発揮したいところ。

    キャンドルグラス
    前走の準重賞ウインタースプリントは道中3、4番手から、最後は斤量差も味方につけて、サブノジュニアを力強く差し切りました。短距離戦に転向し、目下4連勝中と飛ぶ鳥を落とす勢いです。この路線に新星登場となるのでしょうか?!

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    <第9回 フジノウェーブ記念(SIII)>

    (3月5日現在)

    調教インタビュー動画・調教追い切り動画はこちら

    ■リッカルド
    *船橋 佐藤裕太 厩舎 セ7歳
    *成績 36戦7勝2着7回
    *重賞タイトル
     報知グランプリカップ(SIII)(2018)
     エルムS(GIII)(2016)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     エルムSの覇者リッカルドは、前走の報知グランプリカップが南関東移籍初戦でした。矢野貴之騎手を背に道中はスタートを決めて3番手外目の好ポジションを進めていくと、3~4コーナーで前に並びかけ、最後の直線ではライバルたちを一気に突き放していきました。これまで南関東重賞戦線のトップクラスで活躍していたケイアイレオーネが突き放されていく……。2着に入ったロワジャルダンに7馬身差をつける圧勝でした。言葉を失うほどの強さだったと言っても過言ではありません。

     「道中は楽に勝てるなっていう感じの手応えだったし、直線では今後に向けても遊ばせないように走らせました。真面目で乗りやすくて癖もなくて、今日のところは不安な点が何もありません。ほんと乗っているだけって感じで素晴らしい馬です」と矢野騎手も絶賛。

     中央での実績は感じながらも、これほどのパフォーマンスには関わる人たちも驚いていたほど。

     この馬の調教に乗っているのは、過去にアジュディミツオーやフリオーソなど多くの名馬たちの調教パートナーとしても知られた佐藤裕太調教師。担当はアブクマポーロやベルモントアクターなど多くの重賞ウィナーたちを育て上げてきた楠厩務員。最強タッグで仕上げています。

     「前回は背腰やトモの疲れを取るのに徹底してきたんですが、競馬の後のダメージもなくて、今はそういう苦しさがない分、気持ちよく走れている感じです。 前回よりもいい内容の調教ができて、追い切りの動きも前走以上です」(佐藤調教師)。「最初はトモの緩いところがあってそこは良化させた段階でレースは使ったけれど、一度使ったことでパンとした。前回のレースは能力で勝たせてもらったと思う。今回は前回よりも自信を持って送り出したいね」(楠厩務員)。

     今回最大の鍵は距離と斤量。中央時代は1600m戦から1800m戦を中心に使ってきた馬で、1400m戦はデビュー戦の時に大敗して以来の挑戦。斤量59キロも初経験。その辺りを佐藤調教師に伺ってみました。「中央のスピード競馬に対応してきた馬なので、こっちでは1400mもやれると思っています。今後に向けてもローテーションの選択肢が広がるので挑戦させることにしました。調教では手前の替え方は左回りよりも右回りのほうがいい感じです。馬格もあるので59キロも苦にはしないと思っています」(佐藤調教師)。

     前走の勝ちっぷりからも今回はもちろん最有力候補。同じ芦毛の希代なる名馬フジノウェーブの名を冠したレースで、どんな強さを見せるでしょうか。

    ■キタサンミカヅキ
    *船橋 佐藤賢二 厩舎 牡8歳
    *成績 46戦8勝2着9回
    *重賞タイトル
     東京盃(JpnII)(2017)
     アフター5スター賞(SIII)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     曾祖母のパーセント、祖母のキタサンコール、母のキタサンジュエリーと船橋所属だったゆかり深い血統の持ち主。

     キタサンミカヅキは中央6勝馬で、オープンレースを中心に走ってきました。昨年夏から南関東の一員となり、アフター5スター賞を制すると、東京盃では古巣・中央勢を抑えての差し切り勝ちを収め、いきなり2タイトルの重賞ウィナーに!!!

     道中は後ろからジッと脚をためていき、最後に末脚を爆発させるのが、この馬のスタイル。JBCスプリントも勝ち馬から0.1秒差の5着となり、改めて全国レベルであることは証明しました。昨年は同じ路線で走ってきたブルドッグボスにNARグランプリ4歳以上最優秀牡馬と短距離最優秀馬の座を譲っただけに、今年こそ……という思いが関わる人たちからも伝わってきます。

     「今年8歳になりましたが馬はいつも元気ですね。女馬も大好きで、特に同じキングヘイロー産駒には反応しています(笑)。状態はいつも絶好調だなぁと思えるくらいに充実しています」(高橋厩務員)。

     脚質的にはどうしても展開に左右されるという向きもありますが、南関東に移籍以降の成績は、大崩れがありません。どんな状況に置いても堅実に力いっぱい走れるのもこの馬の強さでしょう。

     「前回のマイル戦(2着)は残念だったけど、テンに離されてすぎて前の馬をつかまえきれなかっただけだし、悲観はしていない。1400mも問題はないし、大井コースの方が直線も長くてこの馬にはいいと思う。59キロの斤量はやってみないとわからないけど、大きな馬だし、状態の良さでカバーして欲しいね。テンに行ってしまうと終いが伸びないから、その辺りは繁田に任せる」(佐藤調教師)。

     最有力候補のリッカルドとは南関東で初対決。ダートグレード競走の勝ち馬同士、力関係の比較が非常に楽しみな一戦になりそうです。

    ■ケイアイレオーネ
    *大井 佐宗応和 厩舎(小林) 牡8歳
    *成績 37戦9勝2着4回
    *重賞タイトル
     スパーキングサマーカップ(SIII)(2017)
     フジノウェーブ記念(SIII)(2017)
     報知オールスターカップ(SIII)(2017)
     大井記念(SII)(2016)
     シリウスS(GIII)(2013)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代は兵庫ジュニアグランプリとシリウスSを優勝し、UAEダービーに出走したほどの逸材。南関東には5歳夏から仲間入りをしましたが、それ以降は常にこの路線のトップクラスに君臨し、南関東重賞戦線では欠かせない存在として走り続けています。昨年のフジノウェーブ記念など南関東では通算タイトル4勝(合計6勝)。一貫して大井の帝王・的場文男騎手が手綱を取り続けています。

     これまで南関東同士ではワイド圏内を外したことのない信頼度の高い馬でしたが、前走の報知グランプリカップはまさかの5着。道中は2番手をつけていくも、最後は伸び切れず……。南関東同士の戦いでは、こういう姿を見たことがありませんでした。的場騎手も、「この展開になったら勝たなきゃだめだよね。(優勝したリッカルドに)交わされたら手応えがなくなってしまった」と首をかしげていました。

     馬は生き物なのでこういう日もあるかもしれませんが、大事に使われてきた馬だけに、8歳になっても年齢を感じさせない若々しい佇まい。去年のフジノウェーブ記念も59キロを背負い、ソルテらを一蹴した思い出深いレースで巻き返したいところです。570キロを超える雄大な体ですが、性格は甘えん坊なところもあり、そんなギャップも愛らしい馬です。

     なお、今回制した場合は、鞍上の的場騎手が自身の持つ重賞最年長勝利記録を再び更新することになります。

     陣営コメントはVTRでご覧ください。

     ※ケイアイレオーネ号は疾病のため出走取消となりました。

    ■キャプテンキング
    *大井 的場直之 厩舎 牡4歳
    *成績 12戦3勝2着3回
    *重賞タイトル
     羽田盃(SI)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     南関東転入初戦だった羽田盃は、それまで追い込み一辺倒だったこの馬が、スピードの違いで逃げる形になりました。2番手には、のちに2冠馬となり浦和記念(2着)でも好走するヒガシウィルウィンがピッタリつけていましたが、振り切って優勝したシーンはインパクトたっぷりの内容でした。

     その後の東京ダービー(2着)とジャパンダートダービー(9着)は惜しくも敗れてしまいました。能力の高さで距離もこなしてきましたが、本来はもっと短い方が持ち味が生きると、放牧休養後は距離転向を図っています。

     前走の報知グランプリカップは約7か月の休養明けや初古馬相手、初コースなど、クリアしなければいけないことがたくさんありましたが、テン乗りの御神本訓史騎手を背に道中は内の4番手を取り、最後の直線も最後までやめずに伸びてきて、優勝したリッカルドは強すぎましたが、同じ斤量を背負っていた2着のロワジャルダンとは4分の3馬身差の3着。それでも、「距離が少し長いかもしれません」と御神本騎手は言っていて、改めて能力の高さを見せました。

     3歳から4歳になり橋本厩務員に変わったところを聞いてみると、「まだ子供っぽさはありますが、前より『遊んで~』と突っ込んでくる回数も減ってきて、大人になってきたなぁという感じはあります。追い切りを終えた後も元気いっぱいですし、前走よりも一度使ったことで冬毛が抜けてきています。心臓がいいところは前と変わらないですね」とのこと。

     一度使った分の上積みが期待できる今回、適性が高いと見られている1400m戦。

     「前走はプラス12キロでしたが、これは成長分ですね。心身ともに総合的に前より成長していると思います。ペース次第ではどんな競馬でもできるのは強みです。血統的なことや持ち前の瞬発力を発揮させることを考えると、距離が短くなるのも好材料です。どんな走りをしてくれるのか楽しみにしています」と、いつもつきっきりで調教に乗る的場直之調教師。

    ■サブノジュニア
    *大井 堀千亜樹 厩舎(小林) 牡4歳
    *成績 17戦6勝2着6回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     半兄には東京記念の勝ち馬サブノクロヒョウがいる血統で、母も祖母も大井所属として走っていたゆかり深い血統の持ち主です。半兄サブノクロヒョウの父がロージズインメイで、自身はサウスヴィグラス。父譲りのスピードあふれる走りで、昨年の優駿スプリントトライアルを圧勝、優駿スプリントは惜しくも2着に涙を呑みましたが、3歳の頃から古馬のような風格を漂わせ、大物感たっぷりの佇まいはとても印象的でした。

     サブノジュニアも3歳から4歳になり、「前は体がグラグラしているところもありましたが、今はしっかりしてきました」と塚本厩務員は言っていて、陣営も成長を感じています。

     走りも高いレベルで安定していて、浦和のゴールドカップ(6着)は物見をして力を発揮できずに終わってしまったそうですが、大井コースは崩れていません。

     フジノウェーブ記念は当初から目標にしてきたレース、古馬のバリバリオープンたちがそろっていますが、大井期待の貴重な生え抜き馬が立ち向かいます。

     「前走は負けてしまいましたが、内が深かったり、内外離れていたこと、終始マークされた競馬だったので、結果は残念でしたが強い競馬はしてくれたと思っています。その後も順調にここに向けて調整ができて、いい状態で送り出せます。相手は強くなりますが、いいところは見せたいです」(堀千亜樹調教師)。混戦になって、どのくらい食らいつけるでしょうか?!

     なお、最近は真面目に走れるようになってきたことから、今回はこれまでよりも浅めなブリンカーを着用するそうです。クロス鼻革も着用予定。

    ■キャンドルグラス
    *船橋 川島正一 牡4歳
    *成績 15戦6勝2着0回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     目下4連勝中で勢い抜群のキャンドルグラス。素質の高さでクラシック戦線にチャレンジしてきましたが、現在は短距離戦線に転向して力を存分に発揮しています。

     トライアルレースだった準重賞ウインタースプリントは、笹川翼騎手とのコンビ。道中は3、4番手外目を追走していき、最後は斤量差も味方につけて、サブノジュニアをゴール前に交わして優勝しました。「力のある馬ですし、流れも向いてくれてよかったです。絶好のポジションを取れたし、最後まで止まらないで渋太く伸びてくれました。こういう競馬ができれば上のクラスでも楽しみです」(笹川騎手)。

     4連勝というのはなかなかできることではありません。最近の様子について担当の松崎厩務員に聞いてみたところ(タイムズアローなども手掛けています)、「前に比べれば全体的に力がついてパワーアップしたし、性格も大人になってきたように思います。元々の素質が高くて、レースもうまいですね。メンバーはグッと上がりますが、1400mの持ち時計はつめられると思っています」と話していました。

     ここは優先出走権をつかんでの参戦。今回は出走希望馬が多く、大井以外のA1馬の中には出走できない馬もいたために、A2クラスのこの馬は優先出走権がなければ出走することはできませんでした。勝負事はこういう運も生かしたいところです。

     「追い切りの動きもよくて状態もいい。斤量も55キロで出られるから、あとは枠順だけだなぁと思っていたら、大外枠(8枠16番)。1400mの大外枠は外に振られるから不利だけど、与えられた枠で走るしかないし、調子のよさと斤量でカバーしたい。レースは翼にお任せだね」(川島正一調教師)。

    *フジノウェーブ記念の情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第9回 フジノウェーブ記念(SIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■リッカルド
    船橋3/3良 1000m-63.4秒 800m-49.7秒 600m-37.3秒 G前強
    ■キタサンミカヅキ
    船橋3/3良 1200m-78.6秒 1000m-62.9秒 800m-49.6秒 600m-37.0秒 一杯追
    ■ケイアイレオーネ
    小林3/1稍 1200m-80.4秒 1000m-64.4秒 800m-50.6秒 600m-37.6秒 馬なり
    ■キャプテンキング
    大井3/3重 1000m-65.8秒 800m-51.9秒 600m-38.0秒 馬なり
    ■サブノジュニア
    小林3/3重 1000m-67.2秒 800m-50.6秒 600m-36.7秒 馬なり
    ■キャンドルグラス
    船橋3/3良 1000m-64.1秒 800m-50.8秒 600m-37.7秒 馬なり
  • 高橋華代子のレースレポート

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    <第9回 フジノウェーブ記念(SIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     フジノウェーブは地方所属馬初となるJBCスプリントを優勝し、東京スプリング盃4連覇を達成。現役通算では9つのタイトルを制しました。芦毛ながらもそのルックスは年月を重ねていくとともにどんどん白くなり、まるで神馬のように颯爽と駆け抜ける姿は、多くの人たちを魅了し、心を震わせた馬でした。記録にも記憶にも残った希代の名馬。

     フジノウェーブ記念という名がついてからは今年で5回目。矢野貴之騎手が騎乗した1番人気リッカルド(船橋・佐藤裕太厩舎)が、その強さをいかんなく発揮しました。

     リッカルドは中央時代にはエルムSを制している重賞ウィナー。前走の報知グランプリカップから南関東の一員になりました。当初は背腰やトモの疲れを取ることに専念してきたそうですが、それでいながらも2着のロワジャルダンに7馬身差をつける圧勝。

     今回はその辺りが良化してきた分しっかりした調教ができたそうで、更なるパフォーマンスが期待されていました。しかし、新馬戦以来となる1400m戦や初の斤量59キロなど、未知の部分が大きかったのも事実。しかし、そんな不安も一蹴するかのような走りで、再び他馬を圧倒。

     リッカルドの普段の調教は、騎手時代にアジュディミツオーやフリオーソなど数多くの名馬たちの調教パートナーとしても有名だった佐藤裕太調教師が乗り、担当はアブクマポーロなど数多くの重賞ウィナーたちを育て上げてきた楠新二厩務員。最強タッグが仕上げ、レースは矢野騎手に託しました。

     レースはスローで逃げるオメガヴェンデッタの2番手外目につけていきました。終始抜群の手応えで、最後の直線に入って残り200mから一気に後続馬たちを突き放していき(上がり37秒2)、2着のオメガヴェンデッタに7馬身差をつける内容でした。勝ちタイムは1400m1分25秒2(重)。3着は脚を伸ばしてきたキタサンミカヅキ。

     矢野騎手も改めて絶賛しています。「前回とは大きな変わり身はなかったですが、それでも距離は短いし斤量59キロを背負っているのに、行きっぷりは全然違うなぁと思いました。初コースでも全く動じていなくてドシッとしていたので、返し馬は控えめにして余計なことはしないですぐに待避所へ向かいました。

     道中はハナに行けちゃうくらいのスピードで2番手外目につけました。今回に限っては誰に競りかけられても動けるなっていう感じの手応えでした。最後はちょっと内にササり気味に走るところがあるので、それを矯正していただけです。純粋にレースセンスがすごいですね」(矢野騎手)。

     矢野騎手と言えば、かつてはフジノウェーブの調教パートナーとしてフジノウェーブに関わった一人。当時の矢野騎手は高崎競馬場廃止から移籍した後で、乗り鞍にも恵まれずにいつ騎手を辞めてもいいとまで思っていたそうです。そんな中でも、当時は上がり馬的存在だったフジノウェーブの調教に乗るのは毎日が楽しみだったと言います。

     「不思議とひきつけられるものがあったんでしょうね。レースには乗れないのに、ウェーブが勝つのはめちゃめちゃうれしかったです。いつも調整ルームのテレビでレースを見ていましたが下に降りて、三郎先生(高橋三郎調教師)や厩務員さんたちと喜びを分かち合っていました」(矢野騎手)

     あれから月日が流れ、昨年初めて南関東リーディングとなった矢野騎手が、フジノウェーブと同じ芦毛のリッカルドともに、フジノウェーブの名を冠したレースを優勝するというのも、あまりにもドラマチックな出来事に胸を打ちました。

     フジノウェーブ、アジュディミツオー、フリオーソ、アブクマポーロ……希代の名馬たちを手掛けてきた布陣が手掛けるリッカルド。これから大きな夢を、託していきたいです。



    <他陣営のコメント>

    2着 オメガヴェンデッタ 真島大輔騎手
    「ゲートを出てからあまり進んでいかないところがあると聞いていました。スタートで躓いてしまいましたが、その後はスッと先頭につけて楽に進めることができました。コーナーの入りで少しブレるところはありましたが、しっかり走れていたと思います」

    3着 キタサンミカヅキ 繁田健一騎手
    「最後は伸びてくれましたが、結果的にはもっと前の位置につけられればよかったです。1400mや1600mは落ち着くので、ハミを噛みすぎるところがあります。そうすると最後の伸びが鈍るので、1200mの方が持ち味を発揮してくれそうな感じはしますね。斤量59キロは関係ありませんでした」

    4着 キャプテンキング 御神本訓史騎手
    「(最後の直線で)脚を使えませんでした。もっとやれる馬なので、うまく乗ることができずに不完全燃焼です」

    5着 ソッサスブレイ 柏木健宏騎手
    「道中はジッとして最後に脚を伸ばすのはイメージ通りです。前により気性が大人になってきました」

    6着 サクラレグナム 高松亮騎手
    「いいポジションを取れたし、追い出した時も並びかけられるくらいの反応をしてくれたのですが、結果的にはもう少し我慢をしていればよかったかもしれません。初めて乗せて頂きましたが、年齢を重ねてちょうどいいハミの取り方になって、レースも運びやすかったです。道中のリズムもよかったですし、いいレースはしてくれました」

    7着 コンドルダンス 森泰斗騎手
    「道中の進みもよくなっていて、体調はよさそうだなと思いました。ただ、想像していたよりも流れが落ち着いてしまって、(コンドルダンスも)伸びてはいますが、前も止まらない流れでした。乱ペースになって前が止まるような流れになればチャンスはあります」

    8着 バルダッサーレ 赤岡修次騎手
    「馬の感じは悪くないです。初めての1400mというのもあって忙しい感じでしたが、折り合いが鍵になる馬なので一度使ったことで、次はもっと出していけると思います。慣れてくれば短距離戦でも戦えそうです」

    9着 キャンドルグラス 笹川翼騎手
    「(大外枠でしたが)自分のポジションは取れましたが、そこで脚を使ってしまいました。最後にゲートに入れるのもよくない感じで、普通はスタートの出る馬が、五分には出ていますがいつもより少し遅くなりました。素質は高い馬なので、こういうメンバーとも慣れていければ」

    10着 サブノジュニア 和田譲治騎手
    「ここ最近はちぐはぐな感じで、今日は外にもたれていました。クロス鼻革をつけて返し馬はすごくよかったんですが、レースはあんな感じでした。もっと走れる馬ですが……」

    11着 ミヤジマッキー 三坂盛雄調教師
    「この距離はテンが速くなるのでついていけませんでしたが、今は年齢的な部分も考慮して、1600mくらいの方がいいかもしれませんね」

    12着 ラッキープリンス 今野忠成騎手
    「馬なりではなくて、ためていきながら手綱を持って集中させていくくらいが理想的だったんですが、スタートがよかったのでわざわざ下げることもないのであの位置からになりました。3コーナーから手応えが微妙になりましたね。前回とはメンバーも違いましたが残念です」

    13着 サトノタイガー 小久保智調教師
    「外を回らされる形になって力を出し切れませんでした。10歳ですが、まだやれます」

    14着 シャドウパーティー 町田直希騎手
    「ジッとして終いにかけようと思っていました。一瞬、おっ!という手応えもあったのですが、最後は前の馬と同じ脚色になってしまいました」

    15着 ゴーディー 赤嶺亮騎手
    「1400mの外枠だったので、内枠ならスーッと行けるのですが、今回はちょっと仕掛けてあの位置につけました。自分のペースでは走れましたが、今回は休み明けなので一度使って変わってくると思います。夏の方がいい馬ですが、年齢を重ねているのに元気はあります」

    出走取消 ケイアイレオーネ 右後肢球節捻挫
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    9 平30 リッカルド セ7 矢野 貴之
    8 29 ケイアイレオーネ 牡7 的場 文男
    7 28 ソルテ 牡6 吉原 寛人
    6 27 セイントメモリー 牡8 本橋 孝太
    5 26 ジェネラルグラント 牡4 石崎 駿
    4 25 フジノウェーブ 牡11 御神本 訓史
    3 24 フジノウェーブ 牡10 坂井 英光
    2 23 フジノウェーブ 牡9 御神本 訓史
    1 22 フジノウェーブ 牡8 戸崎 圭太