重賞レース

第63回 東京ダービー(SI)

  • 2017年6月7日(水)
  • 20:10発走
第63回優勝馬:ヒガシウィルウィン号

東京大賞典と並び、TCK重賞で最も長い歴史を誇る伝統のレースです。羽田盃に続く南関東3歳クラシック三冠レースの第二関門として、南関東屈指の若駒たちがしのぎを削ります。実力だけでなく運も要求されるこのレースは、TCKリーディング過去21回獲得を誇る“TCKの帝王”的場文男騎手が過去35回の騎乗でいまだ未勝利。今年こそは悲願の初優勝に期待がかかります。
<上位2頭にジャパンダートダービーの優先出走権を付与>

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    <第63回 東京ダービー(SI)>

    キャプテンキング
    中央2勝馬で、ヒヤシンスSではのちのUAEダービー僅差の2着だったエピカリスから0.5秒差の5着。南関東には鳴り物入りで移籍し、緒戦の羽田盃は初めて逃げる形で進めていきましたが、しっかり押し切って一冠目を制しました。東京ダービーの最有力候補。

    ヒガシウィルウィン
    半姉は東京湾カップの覇者ディーズプリモ、叔母は桜花賞馬イチリュウ。北海道から南関東の一員になり、ニューイヤーカップと京浜盃を優勝し、前走の羽田盃はキャプテンキングの2番手につけ、最後まで食い下がっての2着。レースセンスを武器に逆転を目指します。

    ブラウンレガート
    大井期待の生え抜き馬。ニューイヤーカップは優勝したヒガシウィルウィンにタイム差なしの2着、クラシックトライアル優勝、京浜盃3着と、高いレベルで安定した走りを続けています。羽田盃は中間の熱発で自重。的場文男騎手がつきっきりで調教をつけてきました。

    ポッドルイージ
    3代母に名牝イットーがいる血統。川崎生え抜き馬で、目下4連勝中と勢いは抜群です。前走の東京ダービートライアルは逃げ切り勝ちを収めて優先出走権をつかんでの出走。すでに逃げ宣言を出しており、若手の有望株・瀧川寿希也騎手を背にして展開の鍵を握ります。

    アンジュジョリー
    北海道から南関東の仲間入り。2走前のジーナフォンテンメモリアルは格の違いを見せつけ完勝し、前走の東京プリンセス賞は4、5番手から切れ味炸裂で勝利を飾りました。6年前のクラーベセクレタ以来となる牝馬の東京ダービー制覇はとなるのでしょうか?!

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    <第63回 東京ダービー(SI)>
    (6月5日現在)

    調教インタビュー動画はこちら

    調教追い切り動画はこちら

    ■キャプテンキング
    *大井 的場直之 厩舎 牡3歳
    *成績 9戦3勝2着2回
    *重賞タイトル
     羽田盃(SI)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央からの移籍初戦となった羽田盃を完勝。矢野貴之騎手とコンビを組み、中央では追い込み一辺倒だった馬が、逃げ馬不在のために逃げる形になりましたが、2番手につけていたヒガシウィルウィンを振り切りました。

     大井競馬場で調教をつけてきたとは言え、初コースや初ナイターで、何よりこれまで味わったことのない競馬スタイルになっても、しっかり結果を出せたのはこの馬の強さと言えるでしょう。2着のヒガシウィルウィンとは0.1秒差でしたが、着差以上の強さだったと陣営は振り返っています。

     その後も至って順調に進めてきたそうで、6月3日の最終追い切りは多くの報道陣が集まる中で実施され、同厩のリヒトを内に置いて、最後はしっかり突き放して迫力たっぷりに終えました。

     「いくらでも動きそうですが馬に合わせながら、直線でしっかりと、抜け出してからも気を抜かせないようにしました。一度使って体が動けるようになってきたので、跳びも軽くなってきましたね。普段はそんなに雰囲気を出す馬ではないのですが、追い切りではさすがの走りをしてくれるのでホッとします」と、騎乗した矢野騎手も好感触。

     今回は前に行きたい馬たちも出走してくるので、逆にこの馬にとっては競馬はしやすいように思います。

     「競馬の幅は広がったので、羽田盃よりも不安要素はないですね。思っていたよりも出脚はあったのでどんな競馬でもできそうですが、追いかける方がよさそうですし、ペースは上がってくれた方が持ち味を発揮してくれそうです。自信を持って向かいます」(矢野騎手)。

     2000mは初距離ですが、道中はムキになって走らない操縦性のよさで、どうクリアするのかも見所ですね。

     「矢野君も言っている通り、前回より不安材料はないです。でも、競馬はやってみないとわからないし、運もあります。東京ダービーは誰もが勝ちたいレースですが、能力通りに走ってくれれば結果はついてくると思って送り出したいです」(的場直之調教師)。

    ■ヒガシウィルウィン
    *船橋 佐藤賢二 厩舎 牡3歳
    *成績 12戦5勝2着6回
    *重賞タイトル
     京浜盃(SII)(2017年)
     ニューイヤーカップ(SIII)(2017年)
     サンライズカップ(H2)(2016年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     北海道時代は北海道2歳優駿2着、全日本2歳優駿4着、サンライズカップ優勝と、レベルの高いステージで戦ってきた馬です。

     抜群のレースセンスを武器に、南関東に移籍後もニューイヤーカップと京浜盃を優勝。前走の羽田盃は逃げるキャプテンキングをピッタリマークしていく形で2番手から進めていき、最後は惜しくも交わすことはできませんでしたが0.1秒差の2着。

     打倒キャプテンキングを掲げ、つけられた半馬身差をどうしたら逆転できるのか……。

     6月3日の最終追い切りを無事に終え、私が取材におじゃましたのはちょうど乗り出し日の5日。調教パートナーの米谷康秀調教師補佐を背にして、元気いっぱいに馬場を駆けていました。走っている姿や洗い場で佇んでいる姿が、これまでと体重は変わらないようですが、大きく見せていたのは好調さを物語っているようにも思いました。

     「状態は変わらずにいいよ。この間は特殊な競馬になってしまったけど、今回は逃げたい馬たちもいるから、競馬はしやすくなるね。あの馬(キャプテンキング)マークで、4~5番手につけていって終いの脚を使えれば。競馬がうまいし距離が延びても問題ないと思っている。トーシンブリザードで4冠は取らせてもらっているけど、やっぱりダービーは何度でも勝ちたいレースだね。一矢報いたい」(佐藤調教師)。

     地方競馬を代表するリーディングの森泰斗騎手。去年の東京ダービーはタービランスとコンビを組み、中央からの移籍初戦だったバルダッサーレの3着に敗れました。

     「ダービーは夢のレースです。羽田盃の走りで、東京ダービーは展開ひとつで何とかなるかなって、考えていたよりも力差はないように思いました。悲観する内容ではありません。前回はダービーにつなげるように、ハナには行かずに意識をして乗りましたが、折り合いはついて自在性もあるのは強みだし、距離は延びても問題はありません。

     この馬は、道営の人たちからバトンをもらって、調教やレースでどんな競馬でもできるように教えてきて、体つきも変わってきて、みんなで一生懸命育ててきたつもりです。簡単に勝たれるのは面白くありません。ここは何とかしたいです」(森騎手)。

    ■ブラウンレガート
    *大井 阪本一栄 厩舎 牡3歳
    *成績 7戦4勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     大井の帝王・的場文男騎手が、今年の東京ダービーでコンビを組むのがブラウンレガートです。デビュー2戦目から手綱を取り、調教にも乗り続け、レースではどんな相手とでも安定して走ってきました。羽田盃も出走予定でしたが、中間に熱発をしたために自重し、その後はこの東京ダービー1本で取り組んできました。

     この馬のレースを語る上で、特筆すべきは3走前のニューイヤーカップ。初コースや初左回りなどのハンデはありましたが、北海道では高いレベルで走ってきたヒガシウィルウィンにタイム差なしの2着。

     その後のヒガシウィルウィンは京浜盃を勝ち、羽田盃ではキャプテンキングと一騎打ちで差のない走りができたことを考えると、ブラウンレガートもヒケの取らない能力の持ち主であることは十分に証明していると思います。

     何よりどんな相手とでも条件でも崩れないで安定して走れるというのも強さでしょう。的場騎手がつきっきりで調教をつけているというのも、この馬の光る部分を感じているからこそです。

     6月3日には的場騎手を背に最終追い切りを行い、軽めの内容で終えました。「この前に2本ともしっかり時計を出しているから、調整程度というのは予定通り。前回の熱発の影響で間隔が空いたのは気になるけど、最近のレースは使うたびに成長を見せてくれているし、距離は対応してくれると思うから楽しみにしている」と阪本調教師。

     阪本調教師は的場騎手が出演したテレビ番組で、仲良しの調教師さんとして紹介されていて、強い絆で結ばれたこのコンビで大一番に向かいます。「東京ダービーを一緒に挑戦するのはこれが2度目。前にキョウエイプライドで2着になったけど、お互い勝っていないし、まとちゃんに取らせてあげたいね」(阪本調教師)。

     的場騎手が東京ダービーを勝っていないことは多くの人が知っていることですが、これまで2着9回。今年36回目の騎乗です。

     「ブラウンレガートは素質の高い馬だし、最後はしっかり伸びるどんな競馬でもできる馬。羽田盃の前2頭(キャプテンキングとヒガシウィルウィン)との力関係はやってみないとわからないけど、馬の能力を素直に出してあげたい」(的場騎手)。

     先日の川崎マイラーズでリアライズリンクスを勝利に導き、地方通算7000勝を達成したばかりの的場騎手。大井競馬場の場内は、的場騎手の勝負服カラーの装飾中です。そんな中、常識を超えた60歳が、ついに還暦ダービージョッキ―となるのか……。大きな大きな注目が集まります。

    ■アンジュジョリー
    *浦和 小久保智 厩舎 牝3歳
    *成績 12戦6勝2着1回
    *重賞タイトル
     東京プリンセス賞(SI)(2017)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]
    ■カンムル
    *浦和 小久保智 厩舎 牡3歳
    *成績 11戦2勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     浦和の小久保智厩舎は東京プリンセス賞馬アンジュジョリーとカンムルを送り出します。この中間のアンジュジョリーは、東京プリンセス賞の状態を維持するように努めてきたそう。カンムルはゆったりじっくり調教を行ってきて、元騎手でもある調教パートナーの橋尚也厩務員のお話しでは、背中の力強さが戻ってきて気合いのりもよくなってきたそうです。

     カンムルは中央1勝の成績で南関東入りをし、浦和コース向きではないと言われながらも、移籍初戦のニューイヤーカップでは優勝したヒガシウィルウィンから0.6秒差の3着に入り、力を示しました。

     「(アンジュジョリーは)関東オークスという選択肢もあったけど、コーナーで遅れるところがあるから、関東オークスよりも東京ダービーの方がコーナーも少ないし、持ち味が生かせるのではと挑戦させることにした。牡馬の一線級が相手になるからタフなレースになると分が悪いけど、切れで勝負することができれば。

     (カンムルは)抑えていくよりも先行をさせたい。いいモノは持っているし、展開次第ではもっと走れる馬だよ。ここ最近は力を出していない」(小久保調教師)。

     2年前の東京ダービーは自厩舎のラッキープリンスとパーティーメーカーでワンツーフィニッシュを決めて大きな感動を呼んだ小久保厩舎。今年はどんなドラマを生み出すのでしょうか?!

    ■ミサイルマン
    *大井 森下淳平 厩舎 牡3歳
    *成績 5戦3勝2着0回
    *重賞タイトル
     ハイセイコー記念(SII)(2016年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     3戦3勝無敗でハイセイコー記念を制した大井期待の生え抜き馬。放牧休養後は、京浜盃5着、羽田盃11着と案外な結果に終わっています。京浜盃はゲートで立ち遅れ、道中は砂をかぶり進みが悪く、集中力を欠くチグハグな競馬になり、羽田盃は折り合いに欠く走りで、2戦とも本来の力を出していません。

     この中間は、レースで騎手が乗りやすいようなイメージで、この馬のよさでもある体のしなやかさやバネを生かせるように、調整方法をいい意味でソフトにしながら仕上げてきたそうです。

     6月2日には最終追い切りを行い、笹川翼騎手が騎乗し、3頭併せで豪快に突き抜けました。「元々持っている大きな跳びで、本来の動きになってきました。ステッキは抜かずに追って確認をした程度でしたが反応もよかったです。まだ成長途上の馬ですが能力は高いですし、挑戦者ですが一発狙いたいです」(笹川騎手)。

     森下厩舎は東京ダービー2勝。5年前はプレティオラスとプーラヴィーダでワンツーフィニッシュを決め、3年前はハッピースプリントで圧勝しました。

     「何度でも勝ちたいレースですね。(ミサイルマンは)距離が延びるのはいいし、自分の走りができれば能力では通用すると思っています」(森下調教師)。

     成長途上でまだまだこれからの馬と関わる人たちが口にします。素質の高さとスケールの大きさで、東京ダービーという一生に一度の舞台で、ミサイルマンの走りを見せて欲しいと思います。

    *東京ダービーの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第63回 東京ダービー(SI)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■キャプテンキング
    大井5/26稍 1000m-72.3秒 800m-57.2秒 600m-41.9秒 馬なり
    大井6/3稍 1000m-62.8秒 800m-49.6秒 600m-36.6秒 強めに
    ■ヒガシウィルウィン
    船橋5/20右良 1000m-71.1秒 800m-55.5秒 600m-40.6秒 馬なり
    船橋5/27重 1200m-82.0秒 1000m-65.8秒 800m-50.9秒 600m-37.9秒 馬なり
    船橋6/3右良 1000m-64.9秒 800m-50.7秒 600m-38.2秒 強めに
    ■ブラウンレガート
    大井5/12良 800m-57.0秒 600m-42.3秒 馬なり
    大井5/20重 1000m-65.6秒 800m-53.4秒 600m-39.7秒 強めに
    大井5/26稍 1000m-62.7秒 800m-49.9秒 600m-37.6秒 一杯追先
    大井5/30良 1000m-63.4秒 800m-50.9秒 600m-37.7秒 強めに
    大井6/3稍 1000m-68.0秒 800m-54.7秒 600m-40.9秒 馬なり
    ■アンジュジョリー
    浦和5/28良 600m-44.5秒 馬なり
    浦和6/2良 800m-55.4秒 600m-39.9秒 強めに
    ■カンムル
    浦和5/28良 800m-57.4秒 600m-42.1秒 馬なり
    浦和6/3本馬場良 1000m-68.2秒 800m-51.7秒 600m-37.5秒 直一杯追
    ■ミサイルマン
    大井5/26稍 1000m-64.1秒 800m-51.1秒 600m-37.2秒 一杯追
    大井6/2重 1000m-65.2秒 800m-51.1秒 600m-36.6秒 一杯追
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第63回 東京ダービー(SI)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     南関東3歳馬最高の栄誉、東京ダービー。南関東に関わる者にとって東京ダービーは夢でもあり憧れの舞台、毎年さまざまなドラマが生まれてきました。

     63回目を迎えた今年。中央からクラシックを勝つために移籍し1冠目の羽田盃を制した、矢野貴之騎手騎乗のキャプテンキングが、1.8倍の断然の1番人気に支持をされました。京浜盃馬で羽田盃2着だったヒガシウィルウィンが森泰斗騎手とのコンビで2番人気。悲願の東京ダービー制覇を目指す的場文男騎手の大井生え抜きブラウンレガートは3番人気。この3頭が10倍以下のオッズで、人気の中心になりました。

     しかし、終わってみれば、最後の直線でヒガシウィルウィンが後続をグングン突き放していったシーンは衝撃的でした。羽田盃を終えてから、キャプテンキングにつけられた半馬身差をどうしたら逆転できるのか……。『打倒キャプテンキング』を掲げてきたヒガシウィルウィン陣営。

     レースは、ロジータ記念馬シスターエレキングの愛息サイバーエレキングが逃げ、前半3ハロン通過が36秒5-1000m通過は63秒4。その後ろにはカンムル、牝馬のシェアハッピー、ブラウンレガートが追走し、ヒガシウィルウィンは5番手外目、その後ろにキャプテンキングがつけていきました。

     「関係者とも、キャプテンキングよりも切れなら上だから、その前で競馬をさせようという話しになりました。道中もいいところにつけられて、折り合いもリズムも完璧でした」(森騎手)。

     3コーナーでヒガシウィルウィンが抜群の手応えで進出すると、すかさずキャプテンキングも上がっていきましたが、矢野騎手のステッキは入れられていました。的場騎手のブラウンレガートも最内から脚を伸ばしてきましたが、ヒガシウィルウィンの切れが一枚も二枚も上回り、先頭に立ち後続との差を広げていく姿は圧巻。

     「グングン伸びてくれたので、これで後ろから差されたとしたら相手は化け物だなと思ったくらいです。最後のひとハロンが12秒4ですよ。そこまでスローには感じなかったし、2000mも走ったら普通はもっとかかってもいいですが、このラップを見て改めて力をつけていると実感しました。羽田盃の走りで東京ダービーは勝てるチャンスがあるとは思っていましたが、ここまで強くて驚きました」(森騎手)。

     2着のキャプテンキングに6馬身差をつける圧勝。勝ちタイムは2000m2分6秒9(重)。3着にはブラウンレガートが入り、東京ダービー36回目の騎乗となった的場騎手の東京ダービー制覇の夢は、今年も叶いませんでした。

     ヒガシウィルウィンは北海道の角川秀樹厩舎からデビューし、今年のニューイヤーカップから南関東の一員として始動。父のサウスヴィグラス産駒としては東京ダービー初制覇。母はプリモタイム、半姉は東京湾カップホルダーのディーズプリモ、叔母は桜花賞馬イチリュウという南関東にもゆかり深い血統の持ち主。

     体は450キロ台と牡馬の中では大きな方ではありませんが、持って生まれた心臓面の強さと、ハード調教にも耐えたタフさと丈夫さ、そしてどんな競馬にも対応できるレースセンスが武器。

     森騎手にとっても東京ダービー初制覇。「ダービーは夢だったし目標にしてきたレースなので本当にうれしいです。朝から緊張していたので、今は疲れがどっと出ています(苦笑)。騎手人生で最良の日ですね。北海道の皆さんからバトンを受けて、船橋でも大切に一生懸命に育ててきました。次はジャパンダートダービーで中央馬との対戦ですが、今のこの馬なら十分に戦えると思っています」(森騎手)。

     管理する佐藤賢二調教師は2001年に南関東史上初の4冠馬トーシンブリザードとともに世代の頂点を極めましたが、それ以来となる16年ぶりの東京ダービー制覇。調教パートナーの米谷康秀調教師補佐、担当の秀島哲明厩務員にとっては東京ダービー初勝利です。ヒガシウィルウィンにこれまで関わってきた全ての皆様、おめでとうございました!

     第63代目の東京ダービー馬として、ヒガシウィルウィンの名が刻まれました。



    <他陣営のコメント>

    2着 キャプテンキング 矢野貴之騎手
    「スタートで少し後手を踏んだんですが、それでもヒガシの後ろにつけていくことができました。ただ、動きが重くて、前回反応できているところで反応できませんでした。悔しいです。今日は残念でしたが、次は巻き返したいです」

    3着 ブラウンレガート 的場文男騎手
    「最高な競馬ができたよ。あの好位を取れて、これで負けたんだから仕方ない。ダービーはまた来年だね」

    4着 シェアハッピー 和田譲治騎手
    「スタートも決まって、あとは出たなりでマイペースに進めることができました。4コーナーで外に張る部分がありましたが、それでも伸びてくれたし、この牡馬の一線級と頑張りましたね」

    5着 カンムル 左海誠二騎手
    「折り合いはつけやすかったし、最後は粘って頑張ってくれましたが……。まだ伸びしろはありそうだし楽しみな馬」

    6着 ソッサスブレイ 柏木健宏騎手
    「道中は集中していて手応えもよかったんですが、3~4コーナーで抜けてしまった感じで、最後は甘くなりました。距離ももう少し短い方がよさそうだし、もっと走れる馬です」

    7着 クラトリガー 石崎駿騎手
    「大跳びの馬なので最内枠に入ってどうかと思ったんですが、器用に立ち回ってくれて、考えていたよりもちゃんと競馬をしてくれたと思います。最後も外に出して伸びてくれました。力はある馬なのでこれから楽しみです」

    8着 ミサイルマン 笹川翼騎手
    「今回は折り合いもついたし、いい位置で進めることができたんですが、3コーナーからペースアップした時についていけなくなりました。最後も止まってはいないんですが……。もう少し短い方が持ち味は発揮してくれそうです。いいモノはあるし、まだこれからの馬です」

    9着 クラキングス 吉原寛人騎手
    「持ち味を生かせるように一発狙って後方から進めたんですが、展開が向かなかったです。前に乗せて頂いた時よりもしっかりしてきたし成長は感じますね。伸びしろはあります」

    10着 ホワイトソニック 坂井英光騎手
    「馬自身は頑張っていると思います。マイルくらいの方がよりよさそうですね」

    11着 アンジュジョリー 山崎誠士騎手
    「初めて乗せて頂いて背中の感じはとてもいいなと思いました。牡馬の中に入ってペースが厳しかったです。力のいる馬場よりももっと軽い方が持ち味を発揮してくれそうですね」

    12着 スカイサーベル 笠野雄大騎手
    「出たなりで進めて最後にどれだけ脚を使えるかという感じでしたが、コーナーで少し外に回るようなところもあったりで、もっと着差はつめられたようにも思います」

    13着 キャンドルグラス 赤岡修次騎手
    「強い馬2頭を中団くらいから見る形で進めていったんですが、2頭が動いた時についていけませんでした。まだよくなる余地のある馬です」

    14着 ポッドルイージ 瀧川寿希也騎手
    「トモを滑らせてしまって出遅れが全てです。自分の走りができませんでした」

    15着 サイバーエレキング レース中に鼻出血を発症

    出走取消 サヴァアルジャン 左前肢ざ石
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    63 平29 ヒガシウィルウィン 牡3 森 泰斗
    62 28 バルダッサーレ 牡3 吉原 寛人
    61 27 ラッキープリンス 牡3 今野 忠成
    60 26 ハッピースプリント 牡3 吉原 寛人
    59 25 インサイドザパーク 牡3 左海 誠二
    58 24 プレティオラス 牡3 本橋 孝太
    57 23 クラーベセクレタ 牝3 戸崎 圭太
    56 22 マカニビスティー 牡3 戸崎 圭太
    55 21 サイレントスタメン 牡3 金子 正彦
    54 20 ドリームスカイ 牡3 戸崎 圭太
    53 19 アンパサンド 牡3 戸崎 圭太
    52 18 ビービートルネード 牡3 町田 直希
    51 17 シーチャリオット 牡3 内田 博幸
    50 16 アジュディミツオー 牡3 佐藤 隆
    49 15 ナイキアディライト 牡3 石崎 隆之
    48 14 キングセイバー 牡3 酒井  忍
    47 13 トーシンブリザード 牡3 石崎 隆之
    46 12 ヒノデラスタ 牡3 桑島 孝春
    45 11 オリオンザサンクス 牡3 早田 秀治
    44 10 アトミックサンダー 牡3 張田  京
    43 9 サプライズパワー 牡3 石崎 隆之
    42 8 セントリック 牡3 宮浦 正行
    41 7 ジョージタイセイ 牡3 藤村 和生
    40 6 カネショウゴールド 牡3 一ノ瀬 亨
    39 5 プレザント 牡3 桑島 孝春
    38 4 グレイドショウリ 牡3 石崎 隆之
    37 3 アポロピンク 牝3 鈴木 啓之
    36 2 アウトランセイコー 牡3 高橋 三郎
    35 平元 ロジータ 牝3 野崎 武司
    34 昭和63 ウインドミル 牡3 石川 綱夫
    33 62 ジヨージレツクス 牡3 本間  茂
    32 61 ハナキオー 牡3 堀 千亜樹
    31 60 ミルコウジ 牡3 本間  茂
    30 59 キングハイセイコー 牡3 高橋 三郎
    29 58 サンオーイ 牡3 赤間 清松
    28 57 ダイシンシラユキ 牡3 田部 和廣
    27 56 スズユウ 牡3 武井 秀治
    26 55 タカフジミノル 牡3 赤間 清松
    25 54 ソウルシヤトー 牡3 赤間 清松
    24 53 ハツシバオー 牡3 宮浦 正行
    23 52 サンコーモンド 牡3 赤間 清松
    22 51 ロツキライン 牡3 角田 次男
    21 50 ゴールデンリボー 牡3 赤間 清松
    20 49 ダイエイモンド 牡3 高橋 三郎
    19 48 ヨウコウザン 牡3 岡部 正道
    18 47 トキワタイヨウ 牡3 赤間 清松
    17 46 フジプリンス 牡3 溝辺  正
    16 45 リユウトキツ 牡3 佐々木吉郷
    15 44 ヤマノタイヨウ 牡3 田畑 勝男
    14 43 ウエルスダイバー 牡3 高橋 三郎
    13 42 ヒカルタカイ 牡3 竹山  隆
    12 41 シンオウ 牡3 高柳 恒男
    11 40 ヒガシユリ 牝3 佐々木竹見
    10 39 パールマウンテン 牡3 大和田五郎
    9 38 シンニツケイ 牡3 小筆  昌
    8 37 セルコール 牡3 須田  茂
    7 36 ヤグチホープ 牡3 矢熊  壽
    6 35 ダイサンコトブキ 牡3 矢熊  壽
    5 34 セイシヨウ 牡3 吉田  実
    4 33 ダイニコトブキ 牡3 須田  茂
    3 32 ハツユキ 牡3 永井  繁
    2 31 オートネ 牡3 栗田  武
    1 30 ローヤルレザー 牝3 朝倉文四郎