重賞レース

第28回 東京スプリント(JpnIII)

  • 2017年4月19日(水)
  • 20:10発走
第28回優勝馬:キタサンサジン号

秋の東京盃(JpnⅡ)と並ぶ1,200mの交流競走です。前身の東京シティ盃から2009年にダートグレード競走へ格上げされました。名称変更後はJRA勢が8戦7勝と優位に立っており、地方馬の巻き返しに期待がかかります。
<上位2頭(地方所属馬に限る)にかしわ記念の優先出走権を付与>
<上位2頭のうち南関東所属最先着馬1頭にさきたま杯の優先出走権を付与>

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    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第28回 東京スプリント(JpnIII)>

    キタサンサジン
    地方競馬に初登場。中央短距離戦で5勝をし、常に堅実な走りを見せてきた勢い抜群のこの馬が、重賞の舞台に初めて上がります。父はサウスヴィグラス、母が大井生え抜きだったキタサンヒメ。叔父には全日本3歳優駿を制したキタサンテイオーなどがいるゆかり深い血統です。

    ドリームバレンチノ
    JBCスプリント(盛岡)や東京盃、函館スプリントなど、ダートと芝の短距離戦線で大活躍してきた実力者。今年10歳ですが、年齢を感じさせない走りを見せています。3月の黒船賞では59キロを背負いながらも勝ち馬から0,7秒差の4着に入り、一線級で戦っています。

    サトノタイガー
    中央時代は芝で5勝。南関東に移籍後は、JBCスプリント(盛岡)とカペラSで2着に入るなど、NARグランプリ最優秀短距離馬を受賞しました。早いもので今年9歳。勝ち星からは遠ざかっていますが、地力の高さは見せており、もうひと花咲かせて欲しいと思います。

    プラチナグロース
    中央時代は1800m戦で2勝。南関東に移籍後は下級クラスからコツコツと、現在はA2クラスまで押し上げました。昨年の東京盃は初めてのダートグレードレースながらも地方最先着の3着。今回は休み明けですが、出走した際には南関代表として頑張って欲しいと思います。

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    <第28回 東京スプリント(JpnIII)>
    (4月17日現在)

    調教インタビュー動画はこちら

    調教追い切り動画はこちら

    ■レアヴェントゥーレ
    *浦和 小久保智 厩舎 牡7歳
    *成績 28戦9勝2着1回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代は1200mから1400mで3勝、昨年から南関東に仲間入りをしました。540キロ前後の巨体から繰り出すスピード感あふれる走り。芦毛で体はだいぶ白さを増してきましたが、それ以上にふさふさした真っ白な尾っぽは目を引きます。関係者から見ても珍しいくらいの白さなんだそうです。

     昨年のゴールドカップは重賞初挑戦でしたが、自分の形に持ち込んだものの、最後は斤量を背負ったトキノエクセレントに惜しくも力でねじ伏せられ形になりました。トキノエクセレント自身がダートグレードレースでも好走経験のある馬だけに、重賞キャリアがない中でも踏ん張れたのは、今後に向けても明るい内容だったでしょう。

     その後のA2以下によるしらこばと賞は、格の違いを見せつけて2着馬に9馬身差をつける圧勝でした。

     担当しているのはジャジャウマナラシやジョーメテオなどを手掛けてきた水上直人厩務員です。

     「普段からめちゃめちゃ大人しくて扱いやすい馬です。この体の大きさなので、大食いだし早食いですね。ゲートを出てから一歩目はそこまで速くないのですが、スピードにのってからは速いですし、ためないで自分のペースでシャーッと行った方が持ち味を発揮しやすいと思います。自分の得意な走りというか勝ちパターンがあるのは強みですよね」(水上厩務員)。

     中央時代はスプリント戦でも勝ったことがありますが、今回は久しぶりのこの条件。中央馬が入ったとしても、逃げて、自分の競馬に持ち込めるかどうかが最大のポイントです。

     「一息入って重めで(放牧先から)帰ってきましたが、一週前追い切りをして息遣いが良くなってきました。最終追い切りは併せてビシっと追えましたし、これでちょうど良くなるんじゃないですかね。行き脚ついてからのトップスピードは中央勢相手でも引けはとらないと思います。コースも2度目ですし、勝ち負けに持ち込んで欲しいです」(梅村永二厩舎マネージャー)。

    ■サトノタイガー
    *浦和 小久保智 厩舎 牡9歳
    *成績 60戦8勝2着7回
    *重賞タイトル
     アフター5スター賞(SIII)(2014年)
     川崎マイラーズ(2014年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代は芝のマイル戦から長距離戦で5勝を挙げた馬ですが、南関東に来てからは早いもので丸3年となり、今年9歳になりました。

     活躍ぶりは皆さんもご存じのように、2014年のJBCスプリントでは優勝したドリームバレンチノからタイム差なしの2着となり、カペラSはダノンレジェンドの2着。その年のNARグランプリ最優秀短距離馬を堂々受賞しました。この路線では地方競馬のトップクラスで戦い続けています。

     現在担当しているのは、東京ダービー馬ラッキープリンスやクレイアートビュン、キスミープリンスなど数多くの名馬を手掛けている橋本幸逸厩務員です。

     「今でも追い切りは動くし、タイガーなりに状態はいいと思うよ。9歳でこんなにきれいな脚をしている馬はなかなかいないし、気持ちも若くて、年齢を感じさせないね。レジェンドだよ、レジェンド」(橋本厩務員)。

     2年前の準重賞インタラクションカップ以降勝ち星からは遠ざかっていますが、それでも随所に地力の高さは見せていて、ここもサトノタイガーらしい走りを見せて欲しいと思います。

     「前走はスタート直後に躓いてしまった上に、勝負どころで落馬の影響も受けたので参考外にしたいですね。前走後は順調に調教を重ねていて、最終追い切りでもレアヴェントゥーレに先着したように、まだまだスピード面の衰えはないと思います。流れに乗って上位を目指して欲しいです」(梅村厩舎マネージャー)

    ■カリスマサンスカイ
    *大井 澤佳宏 厩舎 牡9歳
    *成績 51戦5勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央時代は1200mから1300mで5勝を挙げた馬で、今年に入ってから南関東の一員になりました。初戦だった準重賞ウインタースプリントは途上の段階で15着に敗れてしまいましたが、その後のフジノウェーブ記念は優勝したケイアイレオーネから0.7秒差の5着に入りました。

     「坂路などを使ってかなり攻めてきていたから、体もシャープになってきた。このくらい走れる力は持っている馬だし、まだ上積みも期待できる」と、澤佳宏調教師もかなり手応えをつかんでいた様子でした。

     なお、南関所属馬は9歳いっぱいまでしか走れませんが、A1馬に限っては1年のうちに1度でも5着までに入れば、何歳まででも走れる特例があります。カリスマサンスカイも前走でそれをクリアしたので、来年10歳でも南関東で走ることができる権利をつかみました。

     この中間もかなりハードに乗り込みながらも、カイバ食いはとてもよくて順調に進めてきたそうです。厩舎で取材をさせて頂いている時も、カイバ桶から全く顔を上げないでカイバを食べ続けていた姿も好印象。「中身も変わってきて、もう一段階のギアも出てきたので、さすがは中央のオープン馬だなぁという感じはしますよ。見て触って、入厩してから今が一番いいなと思います」(鵜木茂行厩務員)。

     カリスマサンスカイは530キロほどの雄大な体の持ち主で、普段の佇まいからも雰囲気はたっぷり。自慢の末脚が炸裂するか?!移籍後3戦目で古巣中央勢とどんな走りをするのか楽しみです。

    <中央馬の顔ぶれ>

    ■キタサンサジン
    *JRA 梅田智之 厩舎 牡5歳
    *成績 20戦5勝2着7回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     中央短距離戦で5勝をし、常に堅実な走りを見せてきました。地方コース&重賞の舞台に初登場。母がキタサンヒメ、叔父にはキタサンテイオーなどがいる南関東にゆかり深い血統です。

    ■ダノングッド
    *JRA 村山明 厩舎 牡5歳
    *成績 19戦5勝2着2回
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     1400mから1900mで5勝を挙げていますが、スプリント戦は未勝利。今回は地方コース初挑戦。半兄はJBCスプリント(川崎)など9つの重賞を制したダノンレジェンドです。

    ■ドリームバレンチノ
    *JRA 加用正 厩舎 牡10歳
    *成績 50戦12勝2着11回
    *重賞タイトル
     東京盃(JpnII)(2016年)
     JBCスプリント(JpnI)(2014年)
     兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII)(2013年)
     シルクロードS(GIII)(2013年)
     函館スプリントステークス(GIII)(2012年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     最年長10歳馬。JBCスプリント(盛岡)を含むダートと芝で5つの重賞を制している実力馬で、年齢を感じさせない走りを見せています。大井コースは昨年の東京盃(優勝)以来。

    ■ブライトライン
    *JRA 鮫島一歩 厩舎 牡8歳
    *成績 39戦7勝2着2回
    *重賞タイトル
     みやこステークス(GIII)(2013年)
     中日スポーツ賞 ファルコンステークス(GIII)(2012年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     日本ダービーやNHKマイルカップにも挑戦しているダートと芝の重賞ウィナーです。8歳にして地方コース初挑戦。540キロほどのパワフルな体でどんな走りを見せるでしょうか。

    ■レーザーバレット
    *JRA 萩原清 厩舎 牡9歳
    *成績 33戦10勝2着3回
    *重賞タイトル
     テレ玉杯オーバルスプリント(JpnIII)(2016年)
     兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII)(2015年)
     テレ玉杯オーバルスプリント(JpnIII)(2015年)
    *詳細データ[ → ]
    *調教タイム[ → ]

     昨年のオーバルスプリントはソルテを抑えて優勝するなど、末脚身上。ダートグレードレース常連馬も9歳になりました。JBCスプリント(川崎)4着以来、5ヶ月振りの実戦です。

    *東京スプリントの情報は、南関魂でもお伝えしていきます!

    第28回 東京スプリント(JpnIII)直前情報 調教タイム (協力:日本競馬新聞協会)

    ■レアヴェントゥーレ
    浦和4/14稍 800m-52.9秒 600m-39.2秒 一杯追
    ■サトノタイガー
    浦和4/14稍 800m-52.6秒 600m-38.9秒 強めに
    ■カリスマサンスカイ
    大井4/15良 1000m-64.0秒 800m-50.7秒 600m-36.7秒 馬なり
    ■キタサンサジン
    栗東4/16坂路 800m-54.1秒 600m-39.7秒 200m-12.6秒 強めに
    ■ダノングッド
    栗東4/16坂路 800m-57.0秒 600m-41.5秒 200m-12.8秒 強めに
    ■ドリームバレンチノ
    栗東4/16坂路 800m-56.6秒 600m-40.2秒 200m-13.0秒 馬なり
    ■ブライトライン
    栗東4/15坂路 800m-52.4秒 600m-37.7秒 200m-12.8秒 強めに
    ■レーザーバレット
    美浦・南4/12坂路 800m-53.6秒 600m-38.9秒 200m-12.8秒 一杯追
  • 高橋華代子のレースレポート

    南関競馬リポーター たかはしかよこ ブログ南関魂などを更新中

    <第28回 東京スプリント(JpnIII)>

    優勝インタビュー動画はこちら

     TCKも今年度のトゥインクル開催が華やかに始まりました。その最初の重賞レースが、東京スプリント。中央からスピード自慢たちが集うレースです。

     今年は、ダートグレードレースの常連馬JBCスプリント(盛岡)の覇者ドリームバレンチノとオーバルスプリント連覇中のレーザーバレットが、そろって参戦。ドリームバレンチノは今年10歳、レーザーバレットは9歳になりましたが、年齢を感じさせない若々しさで、常に好走しています。

     地方競馬場に初登場したのは、ダートと芝の重賞ウィナー・ブライトライン、ダノンレジェンドの半弟ダノングッド。重賞自体が初挑戦で全てが初物尽くしとなったキタサンサジンが1番人気に推されたのは、勢いと期待の表れでもあったでしょう。

     例年よりもメンバーの手薄感を抱いていた方もいたでしょうが、終わってみれば、改めて中央馬の強さをまざまざと見せつけられる結果になりました。

     優勝したのは、内田博幸騎手が初めて手綱を取ったキタサンサジン(中央・梅田智之厩舎)。父はサウスヴィグラス、母が大井生え抜きのキタサンヒメ、祖母のキタサンクインは川崎で走った馬、伯父は船橋時代に全日本3歳優駿を制したキタサンテイオーと、南関東にゆかり深い血統の持ち主です。

     「キタサンサジンは北島三郎オーナーの馬で、『大井なら内田で』と言ってくださったので、気持ちに応えられてうれしいです」と、胸をなで下ろしていた内田騎手。大井競馬場を知り尽くした内田騎手の手綱さばきも光りました。

     レースは展開の鍵を握ると思われていた快速馬レアヴェントゥーレが、スタート後にタイミングを崩したことで後方から進め、キタサンサジンは気合いをつけられながら先頭に立ちました。

     「番手でも競馬はできますが、初めてのナイターだったので、リズムよく少し無理をしてでも行った方がいいかなと思いました。ちょっと追いかけられるくらいがちょうどいいのかなと」(内田騎手)。

     そのままキタサンサジンが快調に進めていき、最後まで押し切るかと思ったところで、後方から追走した川田将雅騎手騎乗のブライトラインが36秒7の一番の脚で詰め寄ってきましたが、アタマ差振り切りました。勝ちタイムは1200m1分12秒7(やや重)。

     「もっと楽をしてハナに行ければよかったですが、押して行った分、馬に負担をかけました。それでも粘るパワーがあるのは、スタミナと持久力もあるからです。よく踏ん張ってくれました」。

     2着はブライトライン、3着にはレーザーバレットが入り、中央馬5頭がそのまま掲示板を独占。出遅れて自分の形にならない中でも6着に入ったレアヴェントゥーレが地方最先着でした。

     キタサンサジンの母キタサンヒメは大井競馬場の高橋三郎厩舎からデビュー。宗形竹見調教師が騎手時代に手綱を取り、1999年10月の新馬戦を優勝しています「素直で大人しい気性の馬でした。新馬戦の時はスタートがよくてハナを切って、スピードのある馬でしたね。お母さんとしてここまでになったのはすごいです」(宗形調教師)。

     砂の女王として君臨しているホワイトフーガは、船橋生え抜き馬だったマリーンウィナーの愛娘。南関東にゆかり深い馬たちの活躍が目立つ昨今、これも競馬の魅力ですね。



    <他陣営のコメント>

    2着 ブライトライン 鮫島一歩調教師
    「得意とは言えない右回りでも最後はよく伸びてくれました。今後は交流も視野に入れていきたいですね」

    3着 レーザーバレット 戸崎圭太騎手
    「最後までしっかり走れていますが、手前を替えられなかったのが残念です」

    4着 ダノングッド 福永祐一騎手
    「ダートスタート、地方の砂も合っていると思います。よく頑張っています」

    5着 ドリームバレンチノ 岩田康誠騎手
    「伸びずバテずにジワジワって感じでしたね。伸びる時はもっと伸びるので、4コーナーでもっと脚があれば」

    6着 レアヴェントゥーレ 吉原寛人騎手
    「具合は良さそうだったのですが、スタートが全てです。すんなり行けていればまた違ったと思うのですが」

    7着 ゴーディー 的場文男騎手
    「今年9歳だけどよく頑張っているね。暖かくなればもっといいと思うよ」

    8着 サトノタイガー 左海誠二騎手
    「追い出してからの反応がイマイチだった」

    9着 カリスマサンスカイ 澤佳宏調教師
    「折り合いがつき過ぎちゃった感じだね。行きたいけど我慢させるくらいの方がこの馬には合っている」

    10着 メジャーアスリート 柘榴浩樹調教師
    「雨馬場が苦手な馬なので馬場がもっと回復して欲しかったです。2100m戦からの1200m戦だったので、馬が戸惑っていた感じですね。8歳ですが馬がとても若いです」
  • 回数 施行年 馬名 性・年齢 騎手
    28 平29 キタサンサジン 牡5 内田 博幸
    27 28 コーリンベリー 牝5 松山 弘平
    26 27 ダノンレジェンド 牡5 丸田 恭介
    25 26 ノーザンリバー 牡6 蛯名 正義
    24 25 ラブミーチャン 牝6 戸崎 圭太
    23 24 セイクリムズン 牡6 岩田 康誠
    22 23 セレスハント 牡6 福永 祐一
    21 22 スーニ 牡4 川田 将雅
    20 21 ゼンノパルテノン 牡7 内田 博幸
    19 21 フジノウェーブ 牡7 御神本 訓史
    18 20 ベルモントストーム 牡7 石崎 隆之
    17 19 フジノウェーブ 牡5 御神本 訓史
    16 18 ベルモントファラオ 牡7 御神本 訓史
    15 17 ブルーローレンス 牡4 的場 文男
    14 16 ブラウンシャトレー 牡7 張田 京
    13 15 ハタノアドニス 牡7 内田 博幸
    12 14 フレアリングマズル 牡4 的場 文男
    11 13 サプライズパワー 牡7 石崎 隆之
    10 12 アローセプテンバー 牡5 左海 誠二
    9 11 カガヤキローマン 牡6 森下 博
    8 10 セントリック 牡5 宮浦 正行
    7 9 アマゾンオペラ 牡6 石崎 隆之
    6 8 ヒカリルーファス 牡4 早田 秀治
    5 7 ブルーファミリー 牡5 早田 秀治
    4 6 ハナセール 牡6 高橋 三郎
    3 5 ウエルテンション 牡5 久保田 信之
    2 4 テツノヒリユウ 牡9 鷹見 浩
    1 3 ダイコウガルダン 牡6 早田 秀治