この夏の上がり馬を探せ! 黒潮盃
小山内完友(日刊競馬)
昭和42年に羽田盃の前哨戦として創設。幾多の羽田盃馬、そして東京ダービー馬がこのレースをステップに栄冠をつかんだ。その後平成11年から、クラシック3冠の春完結に伴い8月に行われ、いわば『残念ダービー』的なレースとなり、今年で10年目を迎える。さらに平成15年からは地方交流競走となり、他地区の強豪も参戦。ダービーグランプリが廃止となった今年、事実上3歳戦最後の栄誉を争うとともに、この後に控える古馬との戦いを占う意味でも、注目したいレースである。
この時季の3歳戦、しかも全国交流となると、何ともステレオタイプな表現ではあるが「各地の強豪vs南関勢」に注目が集まる。実際のところはその前にジャパンダートダービーが行われ、南関東3歳の一線級は夏休みに入るし、各地の未知の強豪も、ダービーウィークなどである程度の目星が付く状況となっている。ただ、夏を境に大きく成長する馬もいて、それがまた黒潮盃の楽しみのひとつでもある。
黒潮盃を境に大きく成長した馬、と言えば平成17年第39回の勝ち馬ボンネビルレコードだろう。
[画像:第39回黒潮盃 ボンネビルレコード]
羽田盃5着、東京ダービー4着、ジャパンダートダービー3着。あと一歩足りないクラシックだったが、3番人気に推された。笠松のフジノウェーブが好スタートからレースを引っ張り、ボンネビルレコードは中団待機。3コーナーすぎでトウケイファイヤーが動き一気に先頭に並び、1番人気のドラゴンシャンハイ、ベルモントギルダーらも進出するが、直線で外に持ち出されたボンネビルレコードが豪快に末脚を伸ばし、そして差し切った。
その後、東京記念、サンタアニタトロフィー、金盃に勝ち中央へ移籍。昨年の帝王賞ではインコースで馬群を捌いて抜け出し、ついにGI(JpnI)制覇となった。
もうひとつ。昨年の勝ち馬、名古屋のマルヨフェニックスは東海ダービーに勝ち、勇躍ジャパンダートダービーに駒を進めたものの、12着と敗れた。が、しかし。そこがいいステップ?になったのか、9番人気と低評価だったが、ベルモントオメガ、イチモンジの後ろ3番手を追走し、直線で抜け出し、尾島騎手のやや早めの派手なガッツポーズで締めた。
その後も岐阜金賞等に勝ったが取りこぼしも多く、今年の帝王賞では11番人気の低評価だった。しかし、それを覆す4着の好走。地方馬の強豪としてここ一番の強さを見せている。
[画像:第41回黒潮盃 マルヨフェニックス]
さて、今年はどんなレースになるのか。南関東3歳世代、2歳時から見ても重賞2勝馬はヴァイタルシーズ1頭だけという状況。兵庫ジュニアグランプリ勝ち馬のディアヤマト、東京湾カップ勝ち馬のギャンブルオンミーには2勝目の期待がかかる。また、古馬B3を勝ったアグネスタキオン産駒タケノショウリュウには上がり馬の魅力。羽田盃(11着)は出遅れて終わっただけに、巻き返しを期待したい。
鋭い差し脚ならジルグリッター。馬っぷりの良さならオーラガイアもヒケを取らない。1800mならロイヤルヒロシクン、そして北海優駿4着のヴァルディノートも楽しみだ。
他地区勢も、東海ダービー2着、ジャパンダートダービー8着のノゾミカイザー(名古屋)、兵庫ダービー1着、ジャパンダートダービー9着のバンバンバンク(兵庫)、北海優駿3着のラプレ(道営)など、侮れない馬が揃っている。特にジャパンダートダービー組には要注意だ。
南関クラシックホースは残念ながら出走してこないが、それゆえに、この夏の上がり馬を探しに大井競馬場へ足を運んでみてはいかがだろうか?。
小山内完友
日刊競馬地方版編集部記者兼カメラマン。10年以上、南関東の重賞ほぼ全てをゴール前で観続けてきた。
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