初夏を彩るダートの祭典・上半期の総決算・帝王賞
田島 啓行(ケイシュウ)
第31回を迎える「帝王賞」。年末に行われる「東京大賞典」と並ぶ大井競馬場のダートグレード競走のひとつで、古馬のダート最強馬決定戦。過去10年を振り返ると地方所属馬が5勝(アブクマポーロ、メイセイオペラ、マキバスナイパー、ネームヴァリュー、アジュディミツオー)JRA選定馬は5勝(ファストフレンド、カネツフルーヴ、アドマイヤドン、タイムパラドックス、ボンネビルレコード)と全く五分の星。今年は国内最強馬・ヴァーミリアンのエントリーがなく、例年にも増して激戦が予想されるが、注目は昨年の覇者・ボンネビルレコード(牡6歳)の連覇なるか。
04年に大井競馬場でデビューしたボンネビルレコードは新馬戦を勝った以降は勝ち運に見放されて掲示板には乗るが、2勝目が遠い状態。クラシックにようやく間に合った程度で同期のシーチャリオットに比べれば地味な存在であった。それでも羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーで5、4、3着と、確実にステップアップして黒潮盃で待望の2勝目をゲット。休養を経て古馬と初対決となった東京記念では目の覚める追い込みをみせて一気にスター街道に躍り出た。その後も千六のサンタアニタトロフィー、二千の金盃を勝つなど距離万能の差し馬とし活躍し、07年の4月にJRAに移籍した。
ボンネビルレコードが復活した最大の要因は大井所属時に手綱を取った的場文男騎手との出会いに尽きる。昨年の帝王賞でコンビが復活したが、最内を突いてブルーコンコルド以下を負かしたレースは過去の帝王賞でも名勝負に数えられるシーン。的場文男騎手の抜群のコース取りに脱帽したファン、競馬関係者も少なくない。かしわ記念で統一JpnI・2勝目を挙げて今年は一気に主役候補。走り慣れた大井競馬場で鬼神の末脚が期待できる。
[画像:第30回帝王賞 ボンネビルレコード]
迎え撃つ南関東所属馬だが、実績断然・船橋のフリオーソ(牡4歳)が文句なしでナンバー1。昨年のジャパンダートダービーの覇者で当時は2分2秒9の好時計勝ち。昨秋のジャパンカップダート(東京)は力負けしたが、JBCクラシック、東京大賞典、川崎記念で2、2、2着。前走のダイオライト記念ではボンネビルレコードに5馬身の差をつけて圧勝しており、先行力が最大の持ち味。馬場が悪化すればするほど同馬のスピードが生きてくる。ヴァーミリアンが不在なら勝機十分だろう。
[画像:第9回ジャパンダートダービー フリオーソ]
未知の魅力という点では川崎のコウエイノホシ(牡5歳)だろう。JRAの最終格付けは1600万下。転入緒戦の準重賞・グリーンカップを楽勝すると、大井記念で壮絶な叩き合いを制して一気にオープン入り。帝王賞出走に漕ぎ着けた。このローテーションは11年前のアブクマポーロと同じで、大井記念から帝王賞は近年のトレンド。相手は一気に上がるが、今年のレベルなら大物喰いも可能か。
[画像:第53回大井記念 コウエイノホシ]
他地区所属の園田の古豪アルドラゴン、昨年の4着馬チャンストウライも流れひとつで食い込む余地がある。
田島 啓行
編集部所属。最終V作戦を担当。大井競馬場の沢調教師とは小・中学校の同級生。
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