春のJpnI 路線に向けて重要なステップレース
小山内完友(日刊競馬)
95年に創設され、今年で14回を迎えるマイル戦。第1回からナイターで行われ、その第1回は5月に、第8回以降はTCK新年度のトップバッターを務めている。創設当初から南関東G1として行われていたが、第11回からは南関東G2となり、同年より交流GI(現JpnI)となったかしわ記念の最も重要なステップレースとしての役割を担うこととなった。1・2着馬にはかしわ記念の優先出走権が与えられる。
しかし実際は、中3週と短いかしわ記念より、6月末に行われる帝王賞へのステップとしての重要性が増している。1マイルという競馬の根幹距離にして、スピードとスタミナのバランスが問われ、これまでの勝ち馬を見ても、コンサートボーイ、アブクマポーロ、インテリパワー、アジュディミツオー、そして地方馬初のJBCスプリント勝ち馬フジノウェーブなど、後にダートグレード競走GI級のレースを制した馬が、このレースの勝ち馬に名を連ねている。名馬へのステップレースと言っても過言ではない。
その中で最も印象に残ったレースは、第3回。絶頂期をやや過ぎたアマゾンオペラが1.7倍の1番人気。重賞3連勝で前年のマイルグランプリを制したものの、以降勝ち星から遠ざかっていたコンサートボーイが2番人気、6勝2着1回で羽田盃を制した後、骨折で休養し11ヵ月ぶりの久々となるナイキジャガーが3番人気。この3頭に人気が集中し、以下は離れていた。
ホウシュウブライトが逃げ、外目にナイキジャガー、1馬身差でマキバソシアル、アマゾンオペラ、ドラールクラウンの馬群。ダンディーハートがいて、その後ろにコンサートボーイ。馬群は動かず、淡々と流れて直線へ。内ナイキジャガー、外アマゾンオペラが抜け出しにかかるが、その外を一気に抜けるコンサートボーイ。そしてハナ差を争う2頭をさらに2馬身引き離したところがゴール。1年ぶりの復活を遂げた。鞍上はテン乗りの内田博幸騎手。左手を大きく挙げた。当時、この馬が一番強かった。
[画像:第3回マイルグランプリのコンサートボーイ]
後日談がある。コンサートボーイは、続くかしわ記念でバトルラインの3着。帝王賞へと駒を進めたが、出馬投票の前日、内田騎手が騎乗停止に。的場文男騎手で臨む事になった。奇しくも交流GI初年の帝王賞。追い込み一手のだったコンサートボーイを、的場騎手は2番手の積極策で、統一GI勝利へと導いた。
第14回の今年。3年前の勝ち馬ナイキアディライト、昨年の勝ち馬フジノウェーブが参戦。ナイキアディライトには若干年齢的な衰えも見えるが、フジノウェーブは連覇が期待できそう。前走のフェブラリーSは大敗したが、中間も順調に乗り込み、軽快な動きを見せている。船橋のベルモントストームも、東京シティ盃に勝ち、好調をアピール。
4歳勢も虎視眈々。昨年の東京ダービー馬アンパサンドは、ダービー以降、果敢にダートグレード路線に参戦。もうひと息の成績だが、南関東のレースでもう一度弾みを付けたいところ。戸崎騎手もマイル適性に可能性を見出しているだけに、ここは結果を期待したい。トップサバトンも大崩れはしないが、なかなか結果が出ていないだけに、久々のマイル戦で流れを取り戻したいところだろう。
ダートグレードで活躍している古豪に、近年ではレベルが高いと言われる明け4歳勢が加わり、今年もハイレベルなレースが期待できそうだ。
小山内完友
日刊競馬地方版編集部記者兼カメラマン。10年以上、南関東の重賞ほぼ全てをゴール前で観続けてきた。
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