Café Americano

Café Americano vol.23

第23回 サンタアニタトロフィーと遊べ。7月26日、お待ちしております。

もう折り返し地点を通過です。

 まずこの度の九州北部の豪雨の被害に遭われた皆様方へお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早く復興がなされていくことを心よりお祈り申し上げます。外国にいると、こういう時に何も出来ない自分がいつも歯痒く思われます。皆様が苦難をバネにして、また再び希望を胸に立ち上がられんことを切に願っております。

 学生さんたちは夏といえば楽しいイメージというか、「夏が来た!」と盛り上がる感じなのかなーと思います(私はインドア派なので、学生時代の夏休みは基本引きこもりでした)。が、社会人になって家族ができたりすると、とりあえず全力で人生を走り続けているので「もう7月か・・・」と、ため息が出てしまうシーズンでもあります。あと半年で2017年は終わります。皆さんは今年の目標はいくつ達成できたでしょうか?私は「禁煙」に成功しました。と言っても、まだ身体が欲する時がありますが、耐えられない!という禁断症状という感じではありません。飛行機に乗る前に一服しておかなきゃ・・・というあの恐怖感からは開放されました。快適です。デメリットは、息を抜くタイミングが図れないということ。喫煙者になってから約18年間も息抜き=喫煙でしたから、非喫煙者になって以降、自ら意識して外に出ようとしないとオフィスの中でパソコンとにらめっこで一日が終わってしまいます(目と身体の姿勢にはものすごく悪いですよね)。物事を違った側面から見ると全く異なる見え方をするように、禁煙にも良し悪しがあるのかな・・・?と思えてしまう今日この頃です。

今年の米国3冠はまた分け合って終了。

 前回のコラムで書きましたが、今年はケンタッキーダービーへの誘致活動を精力的に行なったこともあって、いつもより注目して3冠競走を見ておりました。いつもどろんこ競走のプリークネスステークスは今年は雨が上がった状態で発走し、Cloud Computing(クラウドコンピューティング)がClassic Empire(クラシックエンパイア)をねじ伏せて優勝。ダービー馬のAlways Dreaming(オールウェイズドリーミング)の負け方に、調教師のトッド・プレッチャーが放心状態になっているシーンが印象的でした。ベルモントステークスはいろいろドラマティック。最初のコーナーでHollwood Handsome(ハリウッドハンサム)はフローレント・ジェロー騎手の鐙が外れて競走中止(日本でも最近武豊騎手騎乗で同じように鐙が外れたレースがありましたが、なんとかリカバリしていました)。私イチオシのIrish War Cry(アイリッシュウォークライ)は粘るも最後はTapwrit(タップリット)に差し切られて終了(写真1)。トッド・プレッチャー調教師は2頭の管理馬で変則的な2冠を達成するに至りました。残念だったのはエピカリス。跛行が原因での出走取消。これについては「主催者が1億円のボーナスを出したくないから取消にさせたのではないか?!」などとネット上でも議論を呼んでいるので、個人的に考察してみたいと思います。

 どんなレースでも、出走前に必ず獣医が状態を確認します。アメリカはState Vet(州認定の獣医)が特定の場所で採血&歩様確認を行ないますが、これで「出走できる状態ではない or 出走させるのがフェアではない(賭事的に)」となれば取り消されます(写真2はサンタアニタ競馬場のReceiving Barn。全出走馬はこちらに入れられ、歩様検査・血液採取を行ないます)これは世界共通のはずで、現に昨年末、ヌーヴォレコルトの香港遠征に帯同させて頂いた時に、隣の厩舎にいたアメリカ東海岸からの出走予定馬は跛行により獣医検査をパスせず、出走取消となりました。

写真1
写真2

 また、1億円のボーナスという点について。馬券は出走頭数が多ければ多いほど売れます。馬券師の心にも迷いが生じるので、「いや待てよ、この馬も実は最後に飛んで来るんじゃないか?」と推測して(そういう悪魔のささやきに負けたことありませんか??)買い足してしまうのです。現に今年のベルモントSの馬券売上高は約1,600万ドル(約18億円)。頭数が1頭多かった昨年は約1,700万ドル(約19.3億円)。アメリカンフェイローの3冠がかかった一昨年はなんと約2,900万ドル!(約33億円、これはかなり例外の数字)でしたので、主催者からすればState Vetに「馬券の売り上げに響くから、お願いだからなんとか出走させてくれない??」と交渉したいのが本音だと思います。したがって、主催者が操作しているなどという類の憶測はあくまで憶測に過ぎず、今回のことは誠に不運としか言いようがない結末です。エピカリスは先のある馬ですから、また万全の体制で王座を目指してほしいと思います。

サンタアニタトロフィーと遊べ。

 今年のTCK開催、今日現在では大井の帝王・的場文男騎手の7,000勝達成が一番のトピックではないかと思いますが、7月26日のサンタアニタトロフィーも忘れないでください・・・。この夏は、サンタアニタ競馬場のマーケティング担当副社長、Nate Newby氏夫妻をお迎えしてレースを行ないます。もちろん米国競馬色を全面に押し出しての開催です。私も奔走して、サンタアニタ競馬場プレミアムグッズを手に入れました!こちらは、皆様が場内での抽選にご参加された際の賞品として提供される予定です。また、今年も私からご本人たちにお願いをして、米国競馬に縁の深い武豊騎手、BCジュヴェナイルフィリーズターフ優勝経験のあるクリストフ・ルメール騎手、そしてつい先日JRA通算1,100勝を達成した和田竜二騎手に来場して頂きトークショーを行なっていただきます。それぞれ米国競馬をご存知の方々ですので、また三者三様で異なる視点から米国競馬の魅力を語ってくれるものと思います。

 盛りだくさんの大井競馬場で、ぜひ熱い時間(暑い?)をともに過ごしましょう!!

筆者:沼本光生
1980年東京生まれ。U.S. Equine, Inc., Sales & Operations Manager
http://www.usequine.com
近年、毎年のように日本を襲う天災。人が操作できることではないだけに、本当にやりきれない気持ちになります。
最近の科学的な研究では、人間の祈りは距離を超えて必ず届くことが実証されたそうです。先達が「汝(なんじ)須(すべから)く一身の安堵を思わば先ず四表(しひょう)の静謐(せいひつ)を祷(いの)らんものか」との言葉を残していますが、私も九州の皆様の早期復興を心から祈って参ります。そしてまたみんな笑顔で、一緒に競馬を楽しんで頂けることが何か出来ないかを考えていきたいと思います。