Café Americano

Café Americano vol.05

第5回 サンタアニタトロフィー回顧&日本滞在記

暑さも少し喉元を過ぎて・・・

 そろそろ、日本の暑さも終わりかけでしょうか。毎年、だいたい8月7日前後が立秋となっていて、その立秋の定義も「秋の気配が現れてくるころ」とされているようですが、皆さんからしたら「秋の気配?まだまだ~」という感じで、まだ手には冷えたビールジョッキと団扇がしっかりと握られていることでしょう。詳しいところは後に記しますが、私も7月末に大井競馬場で行われたサンタアニタトロフィーのため、約10日間帰国しました。キャビンを出た瞬間に、湿気が充満した熱い空気が肺に流れ込み、「ウッ!」という感じでした。その後の10日間、ロサンゼルスの気候で甘やかされている身体が、毎日音を上げていたことは想像に固くありません。蝉の声が、とても暑苦しく・・・いえ、懐かしく聞こえる夏の東京滞在でございました。

 7月30日、皆様にもお越しいただいたサンタアニタトロフィーが開催、セイントメモリー号の連覇によってその幕を下ろしました。前々回の稿でもお伝えしましたが、サンタアニタ競馬場のトム・ルット社長、ならびに競走部長のマイク・レイコー氏が来場。いつもの大井がアメリカンな雰囲気に包まれる、特別な一日となりました。今回は、サンタアニタトロフィーと、それにまつわる私の滞在記(と言っても競馬のお仕事づくし)をお伝えしたいと思います。

スタート直後は緩やか・・・ではなく激しい先行争い

 デルタ航空で成田に到着後、最初に向かったのは当社がお取引をさせて頂いている物流企業様。空港のすぐ近くにオフィスがあるので、ご挨拶には好都合。そこでひとしきり営業活動を終え、翌日以降は都内近郊にいらっしゃる馬匹輸送各商社へご挨拶に回りました。というのも、米国から競走馬を輸送し、飛行機が到着してから仕向地へ送付する中継ぎは、各商社様になるからです。この道◯十年の重鎮の方から、気楽に話しかけて頂ける方まで、様々な方にお会いする機会を頂きました。皆さん、業界の大先輩方でいささか緊張。毎度冷たいお茶を出していただけるので、お腹をガボガボにして頂きました(笑)当然、暑い東京都内を走り回るわけでございますので、全て汗で飛んでいってしまうのですけれど・・・。また、大井競馬場にも朝の調教見学を兼ねて、各調教師の皆様へ米国競走馬セールの営業をさせていただきました。ちょうどその日、当社が米国から輸送したお馬さんルックスザットキルが大井競馬場に到着!3ヶ月間の着地検疫を経て無事に入厩。その場に立ち会うことも出来ました(写真1・2参照)。3ヶ月の間に大成長したお馬さん。ロサンゼルス空港から出発した時とまるで違うその成長ぶりに、「こんなおウマちゃん運んだっけかな・・・?」と思わず感嘆。今後の大活躍を期待したいです。

 汗だくになりながらこんな日々を送っておりましたので、1コーナーまでの先行争いで、もう優勝争いから脱落しようかと思いましたが、まだまだ序の口なのでありました。

写真1
写真2

世界で一番「暑い」夏?東京近郊を全力ダッシュ!

 その週末にJRA札幌競馬場を表敬訪問、夜は札幌市内のお店で北海の鮨の味に親しんだ後、翌朝一路東京へ。帰路羽田便の空席がなく、再び成田に到着。その気温差たるや・・・。でも営業はめげてはいられません!ランチを、日本の営業時代によく食べていた天鴻餃子房(写真3、神保町駅すぐ!ぜひお試しあれ)で済ませた後、今後のメディア戦略のために、お濠端を歩いて某競馬雑誌編集部へご挨拶に。ひとしきり米国競馬の話題に花を咲かせた後、今度はまたまた成田へ!もう、今回の帰国は何度空港に行けばいいのか・・・脚は棒になりかけていましたが、泣いてもいられず成田空港第1ターミナル・南ウィングへダッシュ!

 そうです、泣いていられない理由はここに。迎えた相手がサンタアニタ競馬場社長のトム・ルット氏&競走部長のマイク・レイコー氏だったからです。私たちは「Santa Anita Park」のロゴをWelcome Boardに、首を長~くしてお待ちしておりました。とても気さくな二人と会話を交わし、一路ハイヤーで東京都内のホテルへ。その間、トムが(アメリカでは名前で呼び合うのが普通)車内で感動していたこと。それは市内に多くの水資源(川、運河等)が見られること、高速道路にゴミひとつ落ちていないこと、建物や道路が合理的に作られていることなどでした。後に彼らは滞在している約60時間の間に、空港やレストラン等、いたるところで日本のカスタマーサービスの素晴らしさに感動することになります。日本の皆さんは、実はとても素晴らしい国に住んでいらっしゃることに、お気づきでしょうか・・・?

写真3
写真4

 その後もハードスケジュールで、日帰りで北海道の牧場をめぐり(写真4)、帰京した晩は場外馬券場のOfft汐留を見学。一行は素晴らしい設備に感動をされつつ大井競馬場へ移動。大井のラックレーン、内馬場、建物、ダイアモンドターン等を見学(写真5~8)。ここでも、大井の皆様の努力の結晶を目の当たりにしながら感動の連続。その勢いのまま翌日のサンタアニタトロフィーを迎え、プレゼンターとして登壇したのでありました(写真9)。時差も強行スケジュールもなんのその。やはりアメリカの社長はパワフルじゃないと務まりません。

写真5
写真6
写真7
写真8
写真9

サンタアニタ競馬場は皆様のご来場をお待ちしております

 3日間、トムとマイクに随行して気づいたことは、彼らの競馬界を盛り上げたいという情熱は本物であるということ。トムは自らの組織の発展のみならず、米国・世界の競馬がどうしたら盛り上がるかという視点を常に持ち、業界全体の底上げに力を注ごうとしているのです。表彰式で、トムが口にしていた「カリフォルニアに来られる皆様がサンタアニタ競馬場を訪問されるならば、心から歓迎申し上げます」という言葉に偽りはありません。マイクも長く業界に携わっており、過去にドバイミーティングの番組編成も担当。2011年ヴィクトワールピサがドバイワールドカップで優勝した時には、その場に主催者側として立っていたような人物なのですが、彼も大井競馬場の素晴らしさに感嘆するのと同時に、ぜひ日本の皆さんにもサンタアニタを楽しんで頂きたいと熱望していました。

 今年を逃すと次の開催は2016年になる、サンタアニタでのブリーダーズカップ開催。もう約2ヶ月後に迫りますが、ぜひサンタアニタへお越しいただき今年のブリーダーズカップを体験してください。世界各国から強豪が集結した、紛れもない世界トップクラスの競馬を楽しんで頂けると思います。

筆者:沼本光生
1980年東京生まれ。U.S. Equine, Inc., Sales & Operations Manager
http://www.usequine.com
カラッとしたロサンゼルスの夏も落ち着いて、長かった学生たちの夏休みも終了。これからフリーウェイの大渋滞も始まります。今月は日本からもバイヤーが大勢いらっしゃるキーンランド・セプテンバーセール参加のため、男性社員全員出張でケンタッキーに飛んできます!