分析レポート

Analysis Report

第28回
東京スプリント(JpnIII)
2017年04月19日(水) 20:10発走

第28回優勝馬:キタサンサジン号

レース情報

東京スプリントは、実績馬や単勝1番人気馬の安定感に注目!

  • 第19回(平成21年)までは東京シティ盃競走として1~3月に実施
  • 第20回(平成21年)以降は4月に実施
  • 第20回(平成21年)からダートグレード競走として実施。本資料はダートグレード競走として施行された過去8回の分析とする。
  • 記録は平成29年3月20日時点

負担重量が加算される実績馬は堅実

負担重量別成績を見ると、3着内率が高いのは「55kg」「57kg」「58kg」の馬だった。東京スプリントの負担重量は「56kg 牝馬2kg減」「指定期間内(概ね過去1年)のGⅠ・JpnⅠ競走1着馬2kg増、GⅡ・JpnⅡ競走1着馬1kg増」と定められているため、「55kg」となるのは指定期間内のGⅡ・JpnⅡ競走を勝っている牝馬だけ、「57kg」となるのは指定期間内のGⅡ・JpnⅡ競走を勝っている牡馬およびセン馬だけ、「58kg」となるのは指定期間内のGⅠ・JpnⅠ競走を勝っている牡馬およびセン馬だけだ。

昨年の第27回は「58kg」のグレープブランデーが2着、「57kg」のダノンレジェンドが3着に好走した。また、優勝を果たしたコーリンベリーの負担重量は「56kg」だったものの、同馬は牝馬であり、「56kg」となったのは前年にJpnⅠのJBCスプリントを制したことによるものである。「56kgの牝馬」を含め、規定により他馬よりも重い負担重量を課された実績馬は信頼できると見ていいだろう。

【負担重量順別成績】
image

単勝1番人気馬は未だ3着内率100%

単勝人気順別成績を見ると、「1番人気」に支持された延べ8頭はいずれも3着以内に好走していた。第26回、第27回と2年連続で単勝「1番人気」となったダノンレジェンドは、昨年の第27回こそ3着止まりだったものの、一昨年の第26回では優勝を果たしている。今年も単勝1番人気馬による「3着内率100%」の記録が継続するか、ぜひ注目しておきたい。

一方、単勝「6番人気以下」の馬は3着内率が4.7%と苦戦していた。連対を果たしたのは第22回で1着となったセレスハント(単勝8番人気)だけであり、連対率は1.2%にとどまっている。単勝2番人気以下の馬が勝ち切った年も少なくないとはいえ、ダートグレード競走となってからの傾向を見る限りでは、基本的に堅く収まりがちなレースと言えそうだ。

【単勝人気順別成績】

JRA勢が中心

過去8回の3着以内馬24頭中17頭は「JRA」所属の馬だった。特に第26回、第27回はいずれも「JRA」所属の3頭が1~3着を占めている。また、優勝馬延べ8頭のうち7頭は「JRA」所属馬であり、他に優勝を果たしたのは他地区(笠松)所属だった第24回のラブミーチャンだけだ。今年もまずは「JRA」所属馬に注目すべきだろう。

南関東勢に目を向けると、「浦和」所属馬と「川崎」所属馬は3着以内となった例がなく、「船橋」所属馬や「大井」所属馬も3着内率は10%程度にとどまっている。ただし、第25回で単勝10番人気のアルゴリズム(大井)が3着に、第22回で単勝12番人気のコアレスピューマ(船橋)が3着に健闘するなど、南関東勢が低評価を覆して上位に食い込んだ例も少なくない。高額配当を狙うのであれば、JRA勢以外の馬にも注目しておいた方が良さそうだ。

【所属別成績】

前年のJBCスプリントで善戦した馬は信頼できる

過去8年の3着以内馬24頭中9頭は、“前年のJBCスプリント”において「5着以内」となった経験がある馬だった。該当馬は3着内率47.4%と好走率が非常に高い。昨年の第27回も、前年のJBCスプリントで優勝を果たしていたコーリンベリーが1着、同じく前年のJBCスプリントで2着だったダノンレジェンドが3着に食い込んでいる。今年も該当馬が出走してきたらぜひ注目しておきたいところだ。

ただし、同じ“前年のJBCスプリント”に出走していた馬であっても、当時の着順が「6着以下」だった馬は3着内率16.7%と平凡な成績に終わっている。昨年の第27回には前年のJBCスプリントで10着だったセイントメモリー、12着だったゴーディーも出走していたが、それぞれ7着、12着に敗れてしまった。“前年のJBCスプリント”に出走しただけでなく、善戦していたかどうかもしっかりチェックしておこう。

【“前年のJBCスプリント”における着順別成績】

「黒船賞」組は好走例こそ多いが……

前走のレース別成績を見ると、もっとも3着以内数が多いレースは「黒船賞」(8回)だった。同年の黒船賞”が中止となった第22回を除くと、3着以内馬に対する「前走黒船賞組」の割合は4割近くに上っている。開催時期が近いうえ、同じダート、かつ短距離のダートグレード競走であることから、当競走との関連性が深いレースと言えるだろう。

ただし、“同年の黒船賞”における着順別成績を見ると、「1着」だった馬がすべて3着以内に好走している一方で、「2着以下」だった馬の3着内率は11.1%にとどまっていた。一昨年の第26回は同年の黒船賞で2着となったドリームバレンチノが単勝2番人気に推されたものの、6着に敗れてしまっている。「前走黒船賞組」であっても、その前走を勝ち切れていなかった馬は過信禁物と見るべきかもしれない。

【“同年の黒船賞”における着順別成績】
※「開催なし」は“同年の黒船賞”が中止となった第22回の全出走馬

前走が1400m以上のレースだった馬に注目

過去8回の3着以内馬24頭中、ちょうど半数の12頭は前走の距離が「1400m」だった。また、第25回の優勝馬であるノーザンリバー、そして第27回の1~2着馬であるコーリンベリーとグレープブランデーは、いずれも前走が「1600m」のフェブラリーステークスだった馬である。近年の傾向からは、前走が「1600m」のレースだった馬も注目すべき存在と言えそうだ。

対照的に、前走が今回と同じ「1200m」のレースだった馬のうち、2着となった馬は2頭だけ、優勝馬はゼロである。昨年の第27回は前走で「1200m」のレースを使っていたブルドッグボスが単勝2番人気に推されたものの、優勝したコーリンベリーから1.0秒差の4着に敗れてしまった。今後も前走が「1200m」のレースだった馬は評価を下げるべきかもしれない。

【前走の距離別成績】